- 25 :『Seihai Days』第6話:2008/11/25(火) 01:20:33.57 ID:hJTIbyVg0
(;`゚ e ゚)「ぬぅ、何ということだ……」
(=;゚ω゚)ノ「ビックリだよぅ……」
VIP町に聳え立つ霊峰・ラウン山。
その中腹に位置するらラウン寺から下界をみおろしつつ、寺の住職、羅雲義流心(らうん・ぎるばーと)は苦々しげにつぶやいた。
『Seihai Days』
第6話「いよぅ号泣、義流心(ギルバート)愛の死」
- 27 :『Seihai Days』第6話:2008/11/25(火) 01:25:11.94 ID:hJTIbyVg0
街中に突如として現れた、イヌの形を模したような巨大な機械。
その体の何処からか放たれた兵器が近隣の住宅を破壊し、大きな歩みの一歩一歩が町並みを変えていく。
ff ´N`)「住職、準備完了しました」
(;`゚ e ゚)「ご苦労」
意図的に布の部分を破いた武具をつけた男の声に、義流心は振り返る。
そこには寺につとめる小坊主総計14人が完全武装で並んでいた。
(`゚ e ゚)「えー、では諸君。これより我々は町の平和を護るため、あの巨大な敵を討ちに行く。
恐れることはない。我らに鞍等(クラナド)様が……」
(=゚ω゚)ノ「鞍雲(クラウン)様だよぅ」
(`゚ e ゚)「そうだった。なぁに、我々には英霊・蔵雲様のご加護がある。
恐れずあの怪物を打ち破り、ラウン寺の名を世に響かせようぞ」
僧兵たち『おー』
- 28 :『Seihai Days』第6話:2008/11/25(火) 01:29:32.42 ID:hJTIbyVg0
- 独特の形状の武器を天に突き上げ、僧兵たちが珍しく威勢のいい声をあげる。
(;`゚ e ゚)「うむ、ではいよぅ。お前はここに残れ」
(=゚ω゚)ノ「え、でも……いよぅも戦えるよぅ。毎日修行してきたし、陰陽術だって少しは……」
(;`゚ e ゚)「ぬぅん。確かにおぬしは今までよく頑張った。十分戦力となるだろう
だが、万一にも我らが全滅した場合、誰がこの寺を護るというのだ……」
(=゚ω゚)ノ「…………」
(1’e’)「大丈夫だよいよぅ君」
(2’e’)「俺たちはあんな劣化メカゴジラみたいなヤツには負けないぜ」
(3’e’)「それに俺たちはギャグキャラだから、やられても多分死ぬことはないし」
(4’e’)「第一、住職が怪獣に負けるところが想像できるか?」
???「確かにできませんね……」
その場に居ない筈の女の声に一同が疑問を感じる刹那よりもはやく、その攻撃は完了していた。
(*゚∀゚)「あれと戦う前に、あなた達には眠ってもらうのですから」
- 30 :『Seihai Days』第6話:2008/11/25(火) 01:33:56.73 ID:hJTIbyVg0
- 次の瞬間──いや。まさにその台詞が終わった瞬間。
うめき声ひとつあげることなく、完全武装の僧兵達は地に倒れ臥していた。
(=;゚ω゚)ノ「な、な、なんだよう! みんな、どうしちゃったんだよぅ?!」
(*゚∀゚)「ちょっと眠ってもらっただけです。下手な援軍澱みに似たり、って事ですね」
眼前にあらわれたメイド服の女は、まるで当然とでもいうように答えを返しつつ、くるくると左手でナイフを弄ぶ。
(*゚∀゚)「……悪いとは思いますが、貴方達にも少し眠ってもらいます」
(=゚ω゚)ノ「イヤだよぅ! 」
(;`゚ e ゚)「……待て、いよぅ!」
父親の制止がいよぅに届くよりも先に。
いよぅが取り出した符が力を発揮する前に。
先ほどの僧兵たちと同じように、いよぅは意識を失って倒れていた。
(;`゚ e ゚)「……! ぬぅん、お主“四次元を識る者”か」
- 32 :『Seihai Days』第6話:2008/11/25(火) 01:41:28.26 ID:hJTIbyVg0
(*゚∀゚)「あら、貴方はわかるんですか」
(`゚ e ゚)「昔、時間を渡った事があってな。時間干渉があれば感じ取ることくらいはできる。
数日前から続く御山の霊力遮断、今朝の町全域の異変にメカゴジラ。
そして断続的な時間停止……なるほど。下手人はお主か」
(*゚∀゚)「その通りです。最後のだけは」
(;`゚ e ゚)「なるほど。ならば」
因果を突き抜けて飛来するナイフを素手で掴み取り、後ろに放りつつ住職──羅雲義流心は続けた。
(`゚ e ゚)「お主を無力化できれば、とりあえずこの惨状も少しは元に戻るということか」
(*゚∀゚)「はぁ……まぁ、その通りですね」
(`゚ e ゚)「…………」
(*゚∀゚)「できるものならですが」
(`゚ e ゚)「できる」
- 33 :『Seihai Days』第6話:2008/11/25(火) 01:45:50.15 ID:hJTIbyVg0
自らの体よりも大きな特性大戦斧、『あるふぁべっと・てゐ』。
血に染まった手でそれを握ると軽々と天に掲げ、その切っ先をメイドに向ける。
(`゚ e ゚)「この武器が、この腕が、守らなくてはいけない今がある限り、俺は負け………」
(*゚∀゚)「ボソリ(メイド秘技『操りドール』)」
(`゚ e ゚)「負け…………」
(`;゚ e ゚)「ぬわぁにぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」
義流心の決めセリフが言い終わる前に、メイドの攻撃は完了していた
前後上下左右360°、自らに向かって展開された無数のナイフ。
空中に固定されたそれらがメイド少女の声とともにで一斉に動き出し、容赦なく住職の肉体に突き刺さった。
- 34 :『Seihai Days』第6話:2008/11/25(火) 01:47:57.54 ID:hJTIbyVg0
(*゚∀゚)「安心してください。峰打ちです」
言いながら血まみれの義流心を抱え上げ、時間をとめつつ、メイドは空に飛び上がる。
突き刺さったナイフに峰打ちも何もあったもんじゃないだろう。
至極当然なツッコミを入れる人間は、残念ながらそこに存在していなかった。
【おしまい】
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