2 名前:全体的なあらすじ:2010/01/03(日) 22:40:55.52 ID:1jYGCWpe0
 聖杯。それは手に入れた者のどんな願いをもかなえるといわれる伝説の魔術道具。これを求め、7人の魔術士がそれぞれ
7人の使い魔“サーヴァント”を従え、命懸けの戦いを繰り広げる“聖杯戦争”がVIP市で行われようとしていた。

 魔術士見習いの中学生ブーンはある日、ふとした事から死んだ母親によく似た女性、『騎兵<ライダー>』のサーヴァント
クーに命を救われる。魔術の師匠である従姉妹のツンや聖杯戦争の管理人ショボンの説明を受け、
亡き母の復活を夢みてブーンは聖杯戦争への参加を決意する。

 幼い容姿の天才魔術士アヤカスフィールに最強最悪の『剣士<セイバー>』、阿部孝和。
研究肌の魔術士プギャーに、悲劇の複製少女『槍兵<ランサー>』、フェイト=テスタロッサ。
老獪陰湿なロマネスクと、伝説の狙撃手『弓兵<アーチャー>』エルヴィン=ケーニッヒ。
裏社会に生きる格闘家ハインリッヒに戦闘狂の『暗殺者<アサシン>』“ギコ”こと武蔵坊弁慶。
かつてのクーの主で、恋に狂った亡国の王女『魔術士<キャスター>』シィナ=リンゴール=ドヴァ。
ツンやそのサーヴァント『狂戦士<バーサーカー>』ドクオに助けられながら、ブーンはクーとともに聖杯戦争を戦い続ける。

 ついにかつての主、『魔術士<キャスター>』シィナを討ったクーとブーン。
だが彼女の最後の宝具を受け、クーはどこかへと連れ去られてしまう。
戻ってきた日常に違和感を覚えるブーン。苛立つ彼だったが、聖杯戦争のライバルであり
担任教師でもあるロリ魔術士・アヤカフィールに諭されて自らを取り戻す。
安堵したのも束の間、ブーンの目の前で突然倒れるアヤカスフィール。

聖杯戦争は今、新たな局面を迎える───


3 名前:主に『Fate』を知らない人のための用語解説:2010/01/03(日) 22:43:11.54 ID:1jYGCWpe0

魔術士:魔術を操る人間。基本的に祖先に魔術士がいないと魔術士になることはできない。“魔法使い”ではないので注意が必要。
魔法使い:現代の技術で不可能な事(例:時間跳躍)を魔術で実現できる魔術士のこと。(*゚∀゚)←は魔法使いではない
聖杯:あらゆる願いを叶えるといわれている、伝説の魔術道具。早い話がドラゴンボール。
   現在は“長門有希”の姿をとり、現界している。
聖杯戦争:7人の魔術士(マスター)が聖杯をめぐり、サーヴァントとともに繰り広げる殺し合い。早い話がバトロワ。
マスター:サーヴァントを召還した魔術士。マスターでないと、聖杯を使役することはできない。
管理人:聖杯を管理し、勝ち残ったマスターに与える事が仕事。管理人は聖杯を使用できない。
サーヴァント:全ての時間軸・全ての世界から“英雄”と呼ばれる存在を聖杯の力を用い、基本無作為に現世に召還したもの。
     サーヴァントを呼び出したマスターと主従関係を持つ。正体を敵に知られぬよう、基本的に彼らは兵種で呼ばれる。
『剣士<セイバー>』:剣士の英雄。本編では「セイバー=阿部孝和」(生存)
『槍兵<ランサー>』:槍使いの英雄。本編では「ランサー=フェイト=テスタロッサ」(敗北済)
『弓兵<アーチャー>』:弓兵の英雄。本編では「アーチャー=エルヴィン=ケーニヒ」(敗北済)
『騎兵<ライダー>』:騎兵の英雄。本編では「ライダー=川 ゚ -゚)=クー=ウィン=ドーベル」(行方不明中)
『魔術士<キャスター>』:魔術士の英雄。本編では「キャスター=(*゚ー゚)=シィナ=L=ドヴァ」(敗北済)
『暗殺者<アサシン>』:暗殺者の英雄。本編では「アサシン=(,,゚Д゚)=武蔵坊弁慶」(敗北済)
『狂戦士<バーサーカー>』:狂戦士の英雄。本編では「バーサーカー=(‘A`)=ドクオ=ナティウ」(生存?)
令呪:サーヴァントと契約した魔術士がもつ、サーヴァントに対する強制命令権。最大3回まで行使が可能。
     サーヴァントの能力強化もできるが最大回数使い切ると、マスターとしての資格を失う。
宝具:サーヴァントがそれぞれ持っている切り札。壮絶な威力・能力を持つものも多いが、魔力を膨大に消費する。
固有結界:基本的に魔術士のみしか使えない、魔術のひとつの到達点。自分のおもいままになる空間を形成する。

原作:TYPE-MOON制作のエロゲー『Fate/stay night』のこと。当ブーン小説の基本設定、主な話の展開は
   このゲームおよび同名のアニメから拝借されているものが多い。
『新わたなべ☆ちゃんねる』:本編終了後のおまけ。WATANABEさんとヒッキーが作中の事象を解説したり、
          読者からの質問にほぼ全レスしたりする。たまに作者や他作品のキャラも登場する。

5 名前:現状確認:2010/01/03(日) 22:47:05.98 ID:1jYGCWpe0
( ^ω^) ブーン:亡き母に似た『騎兵<ライダー>』クーとともに聖杯戦争に参加している見習い魔術士中学生。
   いろいろと悩むお年頃。アヤカスフィールに諭され、ちょっと落ち着いた。
川 ゚ -゚) クー:宝具『突撃槍<ランス>』をもち、巨大な“イヌ”を駆るサーヴァント。
   シィナの捨て身の宝具の直撃を受け、行方不明に。三国志優勝おめでとう!←今更

ξ゚听)ξ ツン:ブーンの従姉妹で、一流魔術士女子高生。サーヴァントは『凶戦士<バーサーカー>』ドクオ。
('A`) ドクオ:なぜかクーを慕う臆病なサーヴァント。玉砕覚悟で戦い、瀕死になりつつも一命を取り留める。
   現在、地下室にて療養中。その正体は誰もわからない(笑)
从'ー'从 アヤカスフィール:ロリロリ魔術士。ブーンの担任教師で、彼に惚れた。ツンとは腐れ縁。サーヴァントは『剣士<セイバー>』阿部孝和。
阿部さん:『くそみそテクニック』からの出演。肉弾戦を得意とする優勝候補。男には滅法強い。
('、`*川 伊藤ペニサス:アヤカに仕える派遣メイド。阿部さんに惚れているという伏線は回収できそうにない。

从 ゚∀从 ハインリッヒ高岡:流浪の格闘家。関西人。元『暗殺者<アサシン>』のマスター。
   現在はいろいろあってブーン達の家に居候している。

(´・ω・`) ショボン=ノウレッジ:Bar『バーボンハウス』を営む聖杯戦争の管理人。ブーンの後見人でもある。
   体は人間だが、その体に宿る魂は英霊『タフガイ=ガンファイター』のものだった。
lw´‐ _‐ノv 長門 :対魔術願望増幅用ヒューマノイドインターフェース、“聖杯”。

ξ*’ワ’)ζ 高槻やよい:ブーン達の前担任。元『アイドルマスター』。本編には登場しない、はずだが……


(*゚ー゚) しぃ:マスターのいない『魔術士<キャスター>』。惚れていたアサシンの死によって暴走。
   クーに討たれる直前、自らの命と引き換えに宝具『終焉の楽園<ル・ラーダ・フォルオル>』を発動させ、消滅。


【今北三行】
クー、シィナの宝具の直撃を受けて行方不明に
アヤカスフィール、癇癪をおこしたブーンを諭した後、倒れる
作者、サマー三国志で引退の危機に(勝手に)陥るも回避。
8 名前:第32話「万華鏡(カレイドスコープ)」:2010/01/03(日) 22:51:51.56 ID:1jYGCWpe0
从―从「ハァハァ……」      ピッ  ピッ  ピッ  ピッ

ξ;゚听)ξ「し、しっかり!」 

( ゜ω゜)「アヤカ、ダメだお! いっちゃヤだお!!」

セイバー「マスター……」

从―从「ツンちゃん、ブーン君、セイバー……」      ピッ   ピッ    ピッ    ピッ

从ー从「今まで、ありがとう」      ピッ   ピッ   ピッ    ピッ

从ー从               ピッ  ピッ  ピ───

医者「……11月14日、午前1時20分、ご臨終です」

( ゜ω゜)「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」








从'ー'从「みたいなオチってどう? 薄幸のヒロインって感じでわたしの株が急上昇しそう」

ξ゚听)ξ「こんな妄想オチしてる時点で大暴落よ」
10 名前:第32話「万華鏡(カレイドスコープ)」:2010/01/03(日) 22:54:29.45 ID:1jYGCWpe0

 VIP学園第一保健室。
ベッドの上でのほほんと笑うアヤカスフィールにツンは呆れ顔を見せていた。


从'ー'从「聖杯戦争に中間テスト、このところいそがしかったからねぇ」

ξ゚听)ξ「にしてはアンタ、ちょっと唐突じゃない。ブーンったら相当心配してたわよ」

从'ー'从「ふふ、迷惑かけちゃったねぇ……」


 ベッド脇に備えつけの棚に置かれた水を飲み、大きく息をつく。


ξ゚听)ξ「で、体の調子は本当のところどうなの?」

从'ー'从「ふぇ?」

ξ゚听)ξ「しらばっくれてもダメよ。あんた、前々から調子よくなかったでしょ?」

从'ー'从「…………」


11 名前:第32話「万華鏡(カレイドスコープ)」:2010/01/03(日) 22:57:03.79 ID:1jYGCWpe0
ξ゚听)ξ「あんたの家で戦った時はほとんどわからなかったけど、あのデカブツ──ガットゥーゾや
   周りの敵と戦っているときのあんたは間違いなく本調子じゃなかったわ」

从'ー'从「別に隠してたつもりはないんだけどね……」


 アヤカスフィールはほんの少し、困った顔を浮かべた。


从'ー'从「どうもね、このままじゃ長くは持たないみたいなんだ」



 二人の回りには廊下からの喧騒だけが聞こえてくる。


ξ;゚听)ξ「ちょ、ちょっとどう」 キーンコーンカーンコーン

从'ー'从「予鈴だよ、ツンちゃん」


 遮るように鳴った予鈴のチャイム。


12 名前:第32話「万華鏡(カレイドスコープ)」:2010/01/03(日) 22:59:56.43 ID:1jYGCWpe0
从'ー'从「さっ、お昼の授業。学生は戻った戻った」

ξ;゚听)ξ「あんな事聞かされて 「はい、わかりました」って 戻れるわけないでしょうが!」

从'ー'从「大丈夫だって。別に今日明日でどうにかなるようなものじゃないよ。
   逆に、1分2分で説明するほうが無理だよ」

ξ;゚听)ξ「ッ…………」

从'ー'从「……ごめん、ちょっと眠くなっちゃった。詳しい話は放課後ね」

ξ゚听)ξ「……わかったわ。終わったら来るから大人しく待ってなさいよ」




 はたして、放課後ツンが保健室を訪れた時。


ξ゚听)ξ「嘘、でしょ……」


アヤカスフィール=フォン=ワタナベルンの姿はどこにも見当たらなかった。

14 名前:第32話「万華鏡(カレイドスコープ)」:2010/01/03(日) 23:05:19.46 ID:1jYGCWpe0







保健室の先生「あぁ、ワタナベ先生なら早退したわよ」

ξ#゚听)ξ「紛らわしい!!」

…………
……


(´・ω・`)「よし、これでいこう」


 小さなテーブルがふたつに5人掛けのカウンター席。
彼の経営するBar『バーボンハウス』は十分に個人で経営できる程度の小さな店である。
開店まであと2時間。その日の小料理を考えていると、不意の『準備中』の札をかけたはずの扉が開いた。


(´・ω・`)「いらっしゃい。すまないが……おや。君は」

???「開店前にすまない。なかなかいい店じゃないか。ちょっといいかい?」

(´・ω・`)「あぁ。適当にカウンターに座ってくれ」

15 名前:第32話「万華鏡(カレイドスコープ)」:2010/01/03(日) 23:11:51.18 ID:1jYGCWpe0
 下ごしらえ中の魚をしまってグラスと一升瓶をとりだし、中身を注いで目の前の男にさしだした。

(´・ω・`)「君もずいぶんこの町に馴染んだな、セイバー。日本酒はいけるクチかい?」

セイバー「40日は長い。それだけあれば聖杯戦争以外での関わりも生まれるさ」


 かつて阿部孝和と呼ばれたサーヴァント──セイバーはグラスに口をつけ、ぐいと一息で飲み干した。


セイバー「……純米大吟醸『美中年─KAZUYA─』か。いい口当たりだ」

(´・ω・`)「私物で悪いが漬物でも切ろうか?」

セイバー「うれしい事言ってくれるじゃない。ところで、聖杯→ lw´‐ _‐ノv はいないのかい?」

(´・ω・`)「図書館に行ってるよ」


16 名前:第32話「万華鏡(カレイドスコープ)」:2010/01/03(日) 23:15:23.31 ID:1jYGCWpe0
(´・ω・`)「どうだい、聖杯戦争は」


 自らも日本酒に口をつけながらショボンがたずねる。


セイバー「なかなかに面白い。お嬢はなかなかに面白いし、いい男や好敵手も多い。
   あと2人倒したら終わりというのは少々味気ないがな……」

(´・ω・`)「勝つ気満々だな」

セイバー「負ける要素がない。万全なこちら側に対して敵はかたや負傷中、かたや行方不明だ。
   何もしなくても俺たちの勝利はゆるぎない。問題はお嬢ちゃん──アヤカスフィールだけだ」

(´・ω・`)「……やっぱり。そこまで彼女の体調は優れないのか」

セイバー「相当に消耗しているよ。正直、無理日常生活にもかなり支障はきたしている。
   今日も学校で倒れて早退したそうだ。今はメイドが面倒をみている」

(´・ω・`)「ブーンとツンが戦闘不能で助かったんじゃないか?
   マスターが出力不足じゃいくら君でも苦戦は免れないだろう」

セイバー「……それが、逆なんだ」

(´・ω・`)「は?」

セイバー「お嬢の体調が悪くなるのに反比例して、彼女の体内の魔力はなぜか急激に高まっている。
   放っていたら体内の魔力が暴走しそうになっているから、現状彼女の魔力を俺が吸い取っている」

18 名前:第32話「万華鏡(カレイドスコープ)」:2010/01/03(日) 23:20:59.68 ID:1jYGCWpe0
セイバー「おかげで俺の魔力は供給過多気味だ。おかげで……ッ!」

(´・ω・`)「?」


 セイバー──阿部高和が一瞬顔をしかめ、すぐに恍惚の表情を浮かべる。
何かが噴出するような音がして、どこからか銀杏を想起させる匂いが漂った。


セイバー「下半身がちょっと暴走気味なんだ」

(#´・ω・`)「ぶちころすぞ」




…………
……



从'ー'从「……という感じなの」

19 名前:第32話「万華鏡(カレイドスコープ)」:2010/01/03(日) 23:29:04.30 ID:1jYGCWpe0

ξ゚听)ξ「あんたも大変なのね」


 バーボンハウスで阿部さんが股間をメルトダウンさせたのと同刻。ワタナベ邸。
奇遇にもアヤカスフィールは従者と同じ説明をし終えたところだった。


ξ゚听)ξ「体力に連れて魔力が低下するってのはよくある話だけど、逆に魔力が増えるなんてね……」

从'ー'从「えへへへ」

ξ゚听)ξ「笑い事じゃないわよ。下手したら本当にあんた死ぬわよ」

('、`*川「……アヤカスフィール様が魔術を使い続けて、余剰な魔力を放出させるってのはどうでしょう?」

从'ー'从「うーん、それは無理かな」



20 名前:第32話「万華鏡(カレイドスコープ)」:2010/01/03(日) 23:31:15.41 ID:1jYGCWpe0

ξ゚听)ξ「ペニサスさんの言わんとしてる事はわかるわ。
   でも今のアヤカの体調じゃ魔術を使い続けるなんてのは無理ね」

( ^ω^)「……久しぶりに3行説明たのむお」

ξ゚听)ξ「アヤカのHPは低下中。MPはなぜか底なしに超リジェネ状態。
      最大MPを大幅に超える魔力を体内に溜め込むと、最悪死亡に(=マホイミ的状況)
      体力が落ちているので、魔術を使いまくって自分で消費するのは不可能」

( ^ω^)「把握」

从'ー'从「血液にたとえたら簡単だよね。アカギ君だって500CC以上輸血してたら死んでたかもだし」

('、`*川「(そういえば体内の血液生産が過ぎて鼻血を出しまくる吸血鬼が出てくる漫画があったような……何だっけ)」


 元はオタク街アキバハラで働いていたペニサス。もう多少の事では動じなくなっていた。



21 名前:第32話「万華鏡(カレイドスコープ)」:2010/01/03(日) 23:33:51.56 ID:1jYGCWpe0

( ^ω^)「まぁ、でもセイバーが魔力を吸い取ってくれてるならよかったお」

ξ゚听)ξ「……そうともいえないわね」

( ^ω^)「何でだお? セイバー──阿部さんは元気だし、魔力をいっぱい消費する事も簡単だお」

从'ー'从「うん、あたし一人だけだったらどうしようもなかったから本当助かったよぉ」


 ちなみに、アヤカスフィールはどうやって阿部が魔力を消費しているかを知らない。


ξ゚听)ξ「……で、セイバーがいなくなったらどうするのよ」

(;^ω^)「あ」

从'ー'从「問題はそこなんだよねぇ……」



22 名前:第32話「万華鏡(カレイドスコープ)」:2010/01/03(日) 23:37:16.81 ID:1jYGCWpe0
从'ー'从「この異常状態は体のせいなのか、令呪のせいか、ちょっとわからないから困ってるんだよ」

ξ゚听)ξ「あまりに自然だったから気づかなかったけど、17歳で幼児体型ってのはおかしいわよね」

从'ー'从「18だよ、ツンちゃん。もうエロゲーに出演できる年齢なんだからバカにしないでよね」

( ^ω^)「(その表現もどうかと思うお……)」


 彼女は学校の授業中に飲んだ薬の影響で、体の成長が13歳で止まっている。


从'ー'从「詳しくは第3話(
http://boonsoldier.web.fc2.com/fate3.htm)を見てねぇ」

ξ゚听)ξ「成長しない体に成長した魔術回路、令呪というイレギュラー……たしかに判断つきにくいわ」

从;'ー'从「ちょ、つっこんでよぉ」

(;^ω^)「大丈夫なのかお……」



23 名前:第32話「万華鏡(カレイドスコープ)」:2010/01/03(日) 23:41:32.33 ID:1jYGCWpe0
从'ー'从「大丈夫大丈夫。意外と一時的なもので、すぐ治っちゃうかもしれないし」

ξ゚听)ξ「その可能性も確かにあるわね……」


 笑うアヤカスフィールだが、その額には汗が浮かんでいる。


('、`*川「(魔力の問題はとりあえずあの方が大丈夫なのでしょうが……問題は体調です。
   このまま消耗していくと聖杯戦争や教職はおろか、最悪……)」


 ペニサスの予感は悪いほうに的中してしまう。
この週すべての授業をアヤカスフィールは欠席。
翌週の朝礼にて、病気療養を理由にした一時退職が決定した。



ξ*’ワ’)ζ「うっうー、ワタナベルン先生の代理で入りました臨時教員の高槻やよいです。
   芸能界との二束の草鞋は大変だけど、がんばります」


 どうでもいい事だが、彼女の後任には元担任の高槻やよいが入った。ちなみに彼女の出番はエピローグまでもう、ない。

26 名前:第32話「万華鏡(カレイドスコープ)」:2010/01/03(日) 23:49:03.83 ID:1jYGCWpe0
…………
……


从'ー'从「はぁ。これでニートになっちゃったなぁ」

('、`*川「無理して余計体を壊しては元も子もありません。今は休養が大事です」


 発熱は収まったものの、彼女の体調は倒れた日から横ばいのままだった。
この日も少なめの朝食をとってすぐ眩暈を覚え、朝からベッドで横になっていた。


セイバー「失礼。邪魔するぞ」

从'ー'从「あ、阿部さん」

セイバー「そろそろ外で魔力を出してくる。何かあったらすぐに連絡を頼むぞ」



27 名前:第32話「万華鏡(カレイドスコープ)」:2010/01/03(日) 23:51:31.62 ID:1jYGCWpe0
('、`*川「……承知しました。よろしくおねがいします」

从'ー'从「よろしくねー」


('、`*川「……アヤカスフィール様」

从'ー'从「何?」

('、`*川「阿部孝和様……セイバー様がどうやって魔力を消費しているのかご存知ですか?」

从'ー'从「知らない。きっと空にむかって波動拳とかギャリック砲とか出してるんだよ」

('、`*川「案外『目からビーム<サニーサイドアップ>』かもしれませんね」

从'ー'从「わー、ペニちゃんオタクっぽーい」


セイバー「(波動拳にギャリック砲、ねぇ)」


 扉の向こうで交わされる暢気な会話におもわず苦笑する。
『狂戦士<バーサーカー>』ドクオがやっていたように、魔力そのものを放出するような技術を彼は持っていない。
体液にありったけの魔力を濃縮させ、男の体に放つことで無駄に消費をしてきたが、これはひどく効率が悪かった。


28 名前:第32話「万華鏡(カレイドスコープ)」:2010/01/03(日) 23:56:36.93 ID:1jYGCWpe0

 いつものように屋敷を出て南に15分。行きなれた街のハッテン場が見えてくる


セイバー「さて、今日は久しぶりにノンケでも連れ込むとするかな」

???「いや、その必要はありませんよ『剣士<セイバー>』様」

セイバー「……っ!」


 突然聞こえた背後からの声に、思わず身を翻す。
目の前には白髭を蓄えた老人がひとり。魔力は感じられない。
魔術士の気配ともサーヴァントの気配とも違う、見た目も気配もいたって普通の人間。なのに──


セイバー「(何だ、この異様な雰囲気は……)」


 この老人のもつ何かに、セイバーは脅威を持たずにはいられなかった。


29 名前:第32話「万華鏡(カレイドスコープ)」:2010/01/04(月) 00:00:55.87 ID:1jYGCWpe0

(咒)「別に貴方に何かをするわけではありません。むしろ逆です。
   私は貴方の手伝いにあがったのですよ、阿部孝和様」

セイバー「……」

(咒)「今、貴方方は魔力を持て余している、そうでしょう?」

セイバー「(貴方“方”、ね……)」

セイバー「そうだ。余剰魔力を放出しにいくのにいそがしい俺に何のようだ、御老人。
   悪いが貴方じゃ体が持たないぞ」


 隠そうとするのを諦める。
目の前の老人からは(少なくとも現在は)敵意は見えなかった。


(咒)「現在、ある魔術道具を作っていましてね。そのためにはかなりの魔力が必要なのですよ。
   だいたいは集まったのですが、少々足りないのです。よければその魔力、私にいただけないでしょうか」

セイバー「俺の魔力は相当あるぞ。そのアイテムん中パンパンになっちまうぜ」

(咒)「その点は心配無用です。今の貴方の2〜3倍ほど必要なので、心遣いだけありがたく頂いておきます」


30 名前:第32話「万華鏡(カレイドスコープ)」:2010/01/04(月) 00:06:26.32 ID:h9tfkG5v0

セイバー「……さすがに全部は無理だ(俺が消えてしまうからな……)
   せいぜい3割だが、それでもいいのか?」

(咒)「かまいません。至急の話ではありませんし……もちろん御礼はいたしますよ」

セイバー「……わかった。協力しよう詳しく話を聞かせてもらおうか」

(咒)「御協力感謝致します。それでは私の部屋に移動しましょうか」


セイバー「あぁ。ところで御老人。名前をおしえてもらえないか」

(咒)「私ですか。そうですね……」






(咒)「ゼルレッチと名乗っておきましょうか」

32 名前:第32話「万華鏡(カレイドスコープ)」:2010/01/04(月) 00:11:11.22 ID:h9tfkG5v0


セイバー「ゼルレッチ、ねぇ……」





ゼルレッチ──かの魔道元帥を名乗る老人はあくまできっかけにすぎない。
別世界から彼が現れる前日、VIP町はすでに異世界の来訪者を迎え入れていた。
幸か不幸か、彼らの乱入は大きく聖杯戦争の終焉を手繰り寄せることになる。


【第33話・終了】
                 →第33話へ続く

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