4 :全体的なあらすじ:2009/01/17(土) 00:49:47.20 ID:2h8zLENo0
 聖杯。それは手に入れた者のどんな願いをもかなえるといわれる伝説の魔術道具。これを求め、7人の魔術士がそれぞれ
7人の使い魔“サーヴァント”を従え、命懸けの戦いを繰り広げる“聖杯戦争”がVIP市で行われようとしていた。

 魔術士見習いの中学生ブーンはある日、ふとした事から死んだ母親によく似た女性、『騎兵<ライダー>』のサーヴァント
クーに命を救われる。魔術の師匠である従姉妹のツンや聖杯戦争の管理人ショボンの説明を受け、
亡き母の復活を夢みてブーンは聖杯戦争への参加を決意する。

 幼い容姿の天才魔術士アヤカスフィールに最強最悪の『剣士<セイバー>』、阿部孝和。
研究肌の魔術士プギャーに、悲劇の複製少女『槍兵<ランサー>』。
老獪陰湿なロマネスクと、伝説の狙撃手『弓兵<アーチャー>』。
裏社会に生きる格闘家ハインリッヒに戦闘狂の『暗殺者<アサシン>』“ギコ”。
ツンやそのサーヴァント『狂戦士<バーサーカー>』ドクオに助けられながら、ブーンはクーとともに聖杯戦争を戦い続ける。

 そんな中現れた最後のサーヴァント『魔術士<キャスター>』シィナ。自らの主を殺したアサシンに惚れ、
行動を共にするという変り種の彼女の正体は、クーの生前の主・シィナ姫だった。幾度かの衝突やアサシンの死もあり、決別する二人。
 その後、町中を巻き込んで暴走を開始したシィナ。ショボンやアヤカスフィール達と組んで敵の根城に突入するブーン達。
立ちふさがる魔道兵器ガットゥーゾをツン達にまかせ、ブーンとクーは敵の本丸にのりこんだ。


 かつての主従。
 それぞれの“今”と“明日”をかけた戦いが、今始まる。



5 :主に『Fate』を知らない人のための用語解説:2009/01/17(土) 00:51:44.18 ID:2h8zLENo0
魔術士:魔術を操る人間。基本的に祖先に魔術士がいないと魔術士になることはできない。“魔法使い”ではないので注意が必要。
魔法使い:現代の技術で不可能な事(例:時間跳躍)を魔術で実現できる魔術士のこと。
聖杯:あらゆる願いを叶えるといわれている、伝説の魔術道具。早い話がドラゴンボール。
   現在は“長門由希”の姿をとり、現界している。
聖杯戦争:7人の魔術士(マスター)が聖杯をめぐり、サーヴァントとともに繰り広げる殺し合い。早い話がバトロワ。
マスター:サーヴァントを召還した魔術士。マスターでないと、聖杯を使役することはできない。
管理人:聖杯を管理し、勝ち残ったマスターに与える事が仕事。管理人は聖杯を使用できない。
サーヴァント:全ての時間軸・全ての世界から“英雄”と呼ばれる存在を聖杯の力を用い、基本無作為に現世に召還したもの。
     サーヴァントを呼び出したマスターと主従関係を持つ。正体を敵に知られぬよう、基本的に彼らは兵種で呼ばれる。
『剣士<セイバー>』:剣士の英雄。本編では「セイバー=阿部孝和」
『槍兵<ランサー>』:槍使いの英雄。本編では「ランサー=フェイト=テスタロッサ」(敗北済)
『弓兵<アーチャー>』:弓兵の英雄。本編では「アーチャー=エルヴィン=ケーニヒ」(敗北済)
『騎兵<ライダー>』:騎兵の英雄。本編では「ライダー=川 ゚ -゚)=クー」
『魔術士<キャスター>』:魔術士の英雄。本編では「キャスター=(*゚ー゚)=シィナ」
『暗殺者<アサシン>』:暗殺者の英雄。本編では「アサシン=(,,゚Д゚)=弁慶」(敗北済)
『狂戦士<バーサーカー>』:狂戦士の英雄。本編では「バーサーカー=(‘A`)=ドクオ」
令呪:サーヴァントと契約した魔術士がもつ、サーヴァントに対する強制命令権。最大3回まで行使が可能。
     サーヴァントの嫌がる命令を通したりできる。最大回数使い切ると、マスターとしての資格を失う。
宝具:サーヴァントがそれぞれ持っている切り札。壮絶な威力を持つものも多いが、魔力を膨大に消費する。
固有結界:基本的に魔術士のみしか使えない、魔術のひとつの到達点。自分のおもいままになる空間を形成する。


原作:TYPE-MOON制作のエロゲー『Fate/stay night』のこと。当ブーン小説の基本設定、主な話の展開は
   このゲームおよび同名のアニメから拝借されているものが多い。
『新わたなべ☆ちゃんねる』:本編終了後のおまけ。WATANABEさんとヒッキーが作中の自称を解説したり、
          読者からの質問に全レスしたりする。たまに作者や他作品のキャラも登場する。


6 :現状確認:2009/01/17(土) 00:54:44.40 ID:2h8zLENo0

( ^ω^) ブーン:亡き母に似た『騎兵<ライダー>』クーとともに聖杯戦争に参加している見習い魔術士
川 ゚ -゚) クー:宝具『突撃槍<ランス>』をもち、巨大な“イヌ”を駆るサーヴァント。生前はキャスターに仕えていた騎士だった。

ξ゚听)ξ ツン:ブーンの従姉妹で、一流魔術士女子高生。サーヴァントは『凶戦士<バーサーカー>』ドクオ。
('A`) ドクオ:なぜかクーを慕う臆病なサーヴァント。玉砕覚悟で阿部さんと戦うも……
   その正体は誰もわからない(笑)

从'ー'从 アヤカスフィール:ロリロリ魔術士。ブーンの担任で、彼に惚れた。ツンとは腐れ縁。サーヴァントは『剣士<セイバー>』阿部孝和。
阿部さん:『くそみそテクニック』からの出演。肉弾戦を得意とする優勝候補。男には滅法強い。

(´・ω・`) ショボン=ノウレッジ:バーボンハウスを営む聖杯戦争の管理人。ブーンの後見人でもある。
   体は人間だが、その体に宿る魂は英霊『タフガイ=ガンファイター』のものだった。
lw´‐ _‐ノv 長門由希 :対魔術願望増幅用ヒューマノイドインターフェース、“聖杯”。
ξ*’ワ’)ζ 高槻やよい:ブーン達の前担任。元『アイドルマスター』。本編には登場しないが、BADENDになると登場する。


(*゚ー゚) しぃ:マスターのいない『魔術士<キャスター>』。惚れていたアサシンの死によって暴走。
   街の住民を犠牲にして魔力を蓄え、神殿「シィナ城」でブーン達を迎え撃つ

【今北三行】
キャスター・しぃ、一般人を巻き添えに暴走開始
阿部さん、アヤカスフィール、ツン、ショボン、魔道兵器ガットゥーゾと雑兵軍団相手に戦闘開始
ブーンとクー、『魔術士<キャスター>』シィナと戦闘開始
8 :第29話「亡き王女のための七重奏」:2009/01/17(土) 00:59:07.57 ID:2h8zLENo0
 ビーワンの背から飛び降り、クーはシィナ──キャスターとの距離を一気につめる。
魔力によるブーストの加わった彼女のチャージ・アタックに対し、キャスターは薄く微笑み──


















 笑顔のまま、その矮躯を『突撃槍<ランス>』によって貫かれた。



(;゜ω゜)「弱ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」


11 :第29話「亡き王女のための七重奏」:2009/01/17(土) 01:01:23.69 ID:2h8zLENo0

(;^ω^)「な、何だったんだお……こんな事件を起こしたのに、何の抵抗もしないでやられるとか……」

川 ゚ -゚)「……気を抜くな、ブーン。ビーワンから離れるなよ」

???「えぇ、まだ戦いは始まってもいないのよ」

(;^ω^)「!!」


 どこからか聞こえてくる声。同時にクーに光の柱が降り注ぐ。




(*゚ー゚)「あれはただの幻影。最も、人間風情ではわからないだろうけど」


 クーの頭上高く浮かんだキャスターは可笑しそうに笑った。

13 :第29話「亡き王女のための七重奏」:2009/01/17(土) 01:05:39.34 ID:2h8zLENo0

( ^ω^)「……キャスター、不意打ちなんて卑怯だお!」

(*゚ー゚)「末端とはいえ、魔術の世界に生きるもののセリフじゃないわね。
   そもそも土足で乗り込んできたのは君達じゃない」
 

 ブーンに律儀に返答しながらも、シィナの視線は別の箇所を見据えている。


(*゚ー゚)「クー、まさかこの程度でやられちゃったりしてないよね?」

川 ゚ -゚)「当然だ」


 光柱が消滅する。
防御のため掲げていた『突撃槍<ランス>』を下ろし、キャスターを見上げるクー。
その体にダメージは見受けられない。


川 ゚ -゚)「『魔術士<キャスター>』、まさかこの程度で仕留めたとは思っていないよな」

(*゚ー゚)「もちろん。あれはほんの挨拶よ」



14 :第29話「亡き王女のための七重奏」:2009/01/17(土) 01:07:43.91 ID:2h8zLENo0

 注意深く相手との距離を測りながら高度を落とし、キャスターは漆黒の地面に足をつける。
その距離はおよそ8M。クーが大きく一歩踏み込んで得物を振るい、それでいて僅かに届かない間合い。


(*゚ー゚)「ようこそ、私のフィールドに。みんなには会ったかしら」

川 ゚ -゚)「すでに切り伏せた。すぐにお前も送ってやる」

(*゚ー゚)「おぉ、こわいこわい」

川 ゚ -゚)「……悪趣味だな、死人を呼び戻して戦わせるとは」

(*゚ー゚)「貴女や私が言う言葉じゃないわね、それは」


 肩をすくめるキャスターに、無言でクーは『突撃槍<ランス>』の切っ先を持ち上げる。
それに応じるように笑顔のまま前方に手を出し、空中の魔力を元に武器を練成する。


( ^ω^)「(……あれは!)」



15 :第29話「亡き王女のための七重奏」:2009/01/17(土) 01:11:41.98 ID:2h8zLENo0

 元のものに比べれば小さいものの、それでも彼女の矮躯に似つかわしくない白柄の薙刀。
その形状はまさしく、ブーンがクーと出会ったあの日、冷たい目をした暗殺者につきつけられた巨大な宝具



 『暗殺者<アサシン>』武蔵坊弁慶の持つ大薙刀の宝具『一凪<イチナギ>』だった。


(*゚ー゚)「ギコ君、武器を借りるね」


 細い両腕で薙刀をつかみ、二、三度軽く得物を振るう。
重量のある武器にもかかわらず、動きにぎこちなさは見えない。


(*゚ー゚)「うん。きちんと練成できた。ギコ君が寝ている間、こっそり触らせてもらっててよかったよ」

川 ゚ -゚)「……キャスター。まさかそれで私とやりあうつもりじゃないだろうな」

(*゚ー゚)「そのつもりに決まってるじゃん。恋人の武器で仇を討つってシチュエーション、かっこよくない?」


16 :第29話「亡き王女のための七重奏」:2009/01/17(土) 01:15:31.45 ID:2h8zLENo0
( ^ω^)「(……あんなでっかい武器を操るなんて……)」

川 ゚ -゚)「(……正気か?)」


 彼女の知る生前のキャスター、シィナは魔術や学問だけでなく武術にも優れた王女だった。
空き時間に鍛錬を手伝うこともあったが、その剣術の腕はクーの部下たちと比べても遜色はなく、
飲み込みの速さや判断力などははるかに上だった。
 だがそれはあくまで“非戦闘員”という枠の中でのこと。魔術攻撃を加えてなお、生前のクーに遠く及ばない。

 ましてや今の彼女は魔術面の能力を強化された『魔術士<キャスター>』のサーヴァントである。


川 ゚ -゚)「(『騎乗兵<ライダー>』のサーヴァントと化した私との近接戦闘力差は、生前の比ではない。
   それがわからぬほど愚かな相手ではないはずだが……)」

(*゚ー゚)「そうそう、ひとついい事を教えてあげる。私の狙いはね、あの町すべての魔力を吸い上げる事。
   そのための大宝具『楽園の終末<ル・ラーダ・フォルオル>』はすでに設置済み
  ほっといてもあと5時間くらいで発動するよ」

川 ゚ -゚)「……一度家に戻って昼寝する時間すらあるな」

(*゚ー゚)「だよね。でも、あれを今すぐ発動させるには生贄があればいい。
   魔力の充実しているサーヴァント1匹くらいかな。もちろん、戦闘不能にする必要はあるけど」

( ^ω^)「(……だからブーン達をここに誘い込んだのかお)」


17 :第29話「亡き王女のための七重奏」:2009/01/17(土) 01:19:34.22 ID:2h8zLENo0
川 ゚ -゚)「……なるほど。納得した」

(*゚ー゚)「外の状況はまだ硬直中。ガットゥーゾを省エネモードから元に戻すためにも、速くはじめましょうか」


…………
……









 シィナ城、門外。
そこでは依然ツン達とキャスター配下の雑兵軍団、そして魔道兵器ガットゥーゾとの戦闘が続いていた。



    / ̄メカ ̄ ̄\
  / #   ●  ●、     
  |Y  Y        \  
  | |   |        ▼ | 
  | \/      _人.|    ブルァァァァァァァァァァァァァァァ!
  | DVA    ___ノ
  \怒覇  ./
   | | |
   (__)_)
19 :第29話「亡き王女のための七重奏」:2009/01/17(土) 01:23:47.04 ID:2h8zLENo0


ξ゚听)ξ「セイバー、来るわ!」

阿部さん「ほいきた」


 数だけは多い雑兵の中をガットゥーゾに向かって駆けていていたセイバー・阿部孝和。
魔術で聞こえたツンの声に反応し、ガットゥーゾの口から放たれた怪光線をぎりぎりのところでかわす。
地に放たれた魔力光線の余波をうけ、あたりの雑兵が宙に舞った


从'ー'从「……今の巻き添えであっちの敵、数十人くらい消えてるよね」

(´・ω・`)「まぁ、これだけの混戦だからね……っと。それじゃあまた行くとしますか」


 魔力ドリンクの小瓶を投げ捨て、岩場の陰からショボンが再びつっこんでいく。


ξ゚听)ξ「アヤカ、もう回復した?」

从'ー'从「ごめんツンちゃん、ちょっとまだ辛いかも……」


 阿部への通常以上の魔力供給に加え、最大級の呪文による迎撃。
ツン以上に消耗したアヤカスフィールが申し訳なさげに謝った。



20 :第29話「亡き王女のための七重奏」:2009/01/17(土) 01:27:18.32 ID:2h8zLENo0
ξ゚听)ξ「わかったわ。とりあえずいつでも動けるように……ッ! 来たわ」


 ガットゥーゾの頭部からばらまかれる超小型ミサイル。
ソフトボール大の大きさで、耐久力は極小。しかし数だけはやたらと多い。


ξ#゚听)ξ「行っけぇぇぇぇぇぇぇ」


 両手をかざし、こちらに向かってた弾幕にむけてありったけの魔力弾を放つ。
攻撃をうけたミサイルがあたりの物をも巻き込んで爆発、次々に誘爆していく。


ξ゚听)ξ「……最初に比べたらかなり相手の砲撃、減ったわねぇ……」

从'ー'从「わたしたちの攻撃頻度も減ってきたけどね……っと」


 アヤカスフィールは人差し指に魔力をため、こちらを向いているツンに指先を向ける。


ξ;゚听)ξ「!」



21 :第29話「亡き王女のための七重奏」:2009/01/17(土) 01:30:21.36 ID:2h8zLENo0

从'ー'从「動かないで、ツンちゃん」

 言いながらアヤカスフィールは魔力弾を発射する。
狙いたがわず、青の魔力弾はツンの脇をそれ、こちら向かってくる雑兵集団の先頭に直撃した。


从'ー'从「うーん、やっぱりしんどい……」

ξ;゚听)ξ「……やるなら断りなさいよ!」



ξ#゚听)ξ「……ったく……」


 手にした柄から魔力の刀身を形成し、雑兵に向きなおる。


ξ゚听)ξ「(ここはまかせろ、といったけどこのままじゃ決め手にかけるわ。
   アヤカはやっぱり調子悪いし、やられはしないまでもあのデカブツが止まらない……)」


22 :第29話「亡き王女のための七重奏」:2009/01/17(土) 01:32:48.14 ID:2h8zLENo0

 暫く動きをとめていたガットゥーゾが再び両前足を挙げる。
そこから放たれたミサイル群を阿部が避けているのが見える。
雑兵の壁を突破して稼いだ距離が、無に還った。


ξ゚听)ξ「(……やっぱり、アイツを呼ぶしかないのかしら)」

???「ククク、苦戦しているようやな」

ξ;゚听)ξ「こ、この声は!」








从 ゚∀从「助けにきたでぇ!」

ξ゚听)ξ「餃子!」

从;゚∀从「って誰がチャオズや!!」




23 :第29話「亡き王女のための七重奏」:2009/01/17(土) 01:36:48.12 ID:2h8zLENo0

 突如、空中に無数のナイフが出現する。
振り返ると、そこにはアヤカスフィールの屋敷で別れたハインリッヒ達が勢ぞろいしていた。


('、`*川「遅くなりました、アヤカスフィール様

从'ー'从「あ、ペニちゃん。助けにきてくれたんだ」

从*゚∀从「どうやらまだ出番は残っていたようですね

(*゚∀゚)「メイド秘技『操りドール』」


 銀髪メイドのかけ声で、空中に静止していたナイフがいっせいに敵へと向かう。


ξ゚听)ξ「(……いける! これだけいればアイツを倒せるわ!!)」

…………
……


25 :第29話「亡き王女のための七重奏」:2009/01/17(土) 01:42:18.41 ID:2h8zLENo0
…………
……


川 ゚ -゚)「ツンや管理人に任せっきりにするわけにはいかない。早々に終わらせよう」

(*゚ー゚)「賛成。それじゃあ……」


 言葉と同時にキャスターの姿が一瞬、揺らぎ───








(*゚ー゚)(*゚ー゚)(*゚ー゚)(*゚ー゚)(*゚ー゚)(*゚ー゚)(*゚ー゚)「「「「「「「はじめましょうか」」」」」」」



 刹那の間に、その数を増やしていた。



Σ( ゜ω゜)「!!」

川;゚ -゚)「……!!」


26 :第29話「亡き王女のための七重奏」:2009/01/17(土) 01:45:56.85 ID:2h8zLENo0

儀礼剣・アゾット。
夫婦剣・干将莫耶。
大薙刀・『一凪(改)』。
大薙刀・『一凪(改)』。
長刀・桜観剣。
大槌・Gハンマー。
弓状アルファベット・M。


 全く同じ容姿の7人のキャスター。手にもつ武器は違えども、それ以外の違いは何もみ
つからない。


(*゚ー゚)「ギコ君の武器と私の宝具の共同作業」

(*゚ー゚)「『亡き王女のための七重奏<セプテット・ラバー>』

(*゚ー゚)「当然残像や幻影なんかじゃないわ」

(*゚ー゚)「全部“私”、シィナ=リンゴール=ドヴァよ」



27 :第29話「亡き王女のための七重奏」:2009/01/17(土) 01:49:25.07 ID:2h8zLENo0

川 ゚ -゚)「…………ブーン、ビーワンにしがみつけ。ビーワン、決して油断するな」

( ^ω^)「(…そうだお、7人のうちの1人でもこっちに向かってきたらマズいお!)」

(*゚ー゚)「安心しなさい、余剰な力なんかもう残ってないわ。全力で貴女を討つだけよ」


 Mを持ったキャスターがFを番え、狙いを定める。
薙刀の二人は左右から大きく回り込むように動き、長刀と大槌が慎重に移動する。







(*゚ー゚)「楽しい演奏になりそうね」

川 ゚ -゚)「長い演争になりそうだ」


 『突撃槍<ランス>』から二刀に持ち替えたクー。
地を蹴り、一直線にこちらへ向かう短刀と夫婦剣の、計3本の刃を真っ向から受け止めた。


【第29話終了】
     →第30話へ続く

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