30 名前:第27話「風雲! シィナ城」 :2008/06/24(火) 01:30:10.73 ID:MqxHsUaa0

@

ξ゚听)ξ「援軍はたしかにあったほうがいいけど……正直、相手のだいたいの位置がつかめた今なら
   すぐにでも現場に向かうべきだと思う。ゆっくりしてたら、逃げられるかもしれない」

(´・ω・`)「同感だね。キャスターに痕跡を消される前に動かないと」

从'ー'从「ん……でもさ、ラウン寺って遠いよぉ。人間なら全力で移動しても30分らいかかっちゃう。
   この場の全員が一緒に動くのはちょっと難しいかもしれないね」

川 ゚ -゚)「私のビーグルならあと2人は乗せて走れる。一人はブーンとして……どうする?」

阿部さん「うちのお嬢ちゃんは俺が連れて行こう」

(´・ω・`)「ボクは一人でおいかけるよ。サーヴァントほど早くはないけどね」

从 ゚∀从「ウチも行くでぇ。アサシンの元マスターとして、ケジメつけなマズいしな」

ξ゚听)ξ「いや、ハインリッヒはここに残ってちょうだい」

32 名前:第27話「風雲! シィナ城」 :2008/06/24(火) 01:33:21.86 ID:MqxHsUaa0

从;゚∀从「ちょ、何でや?」

ξ゚听)ξ「何があるかわからないし、ペニサスと聖杯だけをここに残すわけにはいかないわ。それに……」


 ちょっと申し訳なさそうな顔を浮かべる。


ξ゚听)ξ「正直、この戦いにハインリッヒはついていけないわ」

Σ;゚∀从「ってをい!」

(´・ω・`)「(……唐突だけど、餃子たべたい)」

川 ゚ -゚)「……確かに」

34 名前:第27話「風雲! シィナ城」 :2008/06/24(火) 01:35:13.93 ID:MqxHsUaa0

川 ゚ -゚)「真っ向から向かってくる相手ならともかく、智謀奇策で勝負する『魔術師<キャスター>』を相手にして、
   それぞれのマスターに加えてハインリッヒを守る余裕はおそらくないだろう」

从 ゚∀从「せ、せやかてそれはツンにも言えることやろ! なら、ウチやって……」

阿部さん「悪いが、お喋りはそこまでだ」


 立ち上がったハインリッヒを阿部が静かに制す。


阿部さん「得体の知れない一団が、こっちに向かってきてるぜ」

川 ゚ -゚)「シィナの部下か。……どうやら、今日で決着をつけるらしい」

('、`*川「ハインリッヒ様、私たちはここで篭城しましょう」

从 ゚∀从「ぐっ……しゃあない。見せ場があるだけマシか」

ξ゚听)ξ「決まりね、いくわよ!!」


一同「おうっ!」




Lw´‐ _‐ノv「…………おー」
36 名前:第27話「風雲! シィナ城」 :2008/06/24(火) 01:37:30.10 ID:MqxHsUaa0


 方針が決まってからは早かった。各自戦闘準備を整え、ビーグルが召還される。
屋敷の結界は強化され、ほどなく庭に臨戦態勢に入った全員が揃う。


('、`*川「それでは皆様、いってらっしゃいませ」


 残った3人の礼をうけ、6人と1匹は屋敷を飛び出した。


…………
……



「……カ、アヤカ……」

从'ー'从「ふぇ?」




37 名前:第27話「風雲! シィナ城」 :2008/06/24(火) 01:40:58.39 ID:MqxHsUaa0

 屋根を伝って走る阿部の背中に背負われながら、アヤカスフィールはあたりを見回す。
土曜日の昼下がりだというのに、道には不自然なほど人の姿がない。


   「……あたしよ、アタシ。念波で話しかけてるの」

从'ー'从「あぁ、ツンちゃんかぁ。どうしたのぉ」

   「今、現場付近についたわ。ご丁寧にも、空間に穴があけっぱなし。間違いなくキャスターはここにいるわ」

从'ー'从「ふーん、ビンゴだねぇ。」

   「何があったときはブーンたちはショボンと。アヤカは私と組むこと。オーケー」

从'ー'从「りょーかいだよぉ」

   「あたしだって無策じゃない。ちゃんと自分の身は自分で守るわよ。だから……」


38 名前:第27話「風雲! シィナ城」 :2008/06/24(火) 01:42:15.60 ID:MqxHsUaa0

   「あんたも、無茶しないでよね」

从'ー'从「………了解、だよぉ」




 やがて木々の間から見えてくるクーの愛イヌ、ビーグル・ワン。
そして、あからさまなほどに開いた別空間への扉。

 阿部は静かにクー達の傍らに着地した。

…………
……


 やや遅れてショボンも合流し、一同別空間へと侵入する。


 そこで彼らが目にしたものは、自然界では考えられない歪んだ色をした空に、西洋風の古城。
あたり一面に群がる、光のない目をした亡者の兵隊達。


 そして────


39 名前:第27話「風雲! シィナ城」 :2008/06/24(火) 01:43:01.54 ID:MqxHsUaa0







    / ̄メカ ̄ ̄\
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  | DVA    ___ノ
  \怒覇  ./
   | | |
   (__)_)


 狂ったように雄たけびをあげる門番──哀しき魔法機械兵器・ガットゥーゾの姿だった。

43 名前:第27話「風雲! シィナ城」 :2008/06/24(火) 01:48:40.16 ID:MqxHsUaa0

ξ゚听)ξ「上位の魔術士が作り出す、工房を超えた陣地作成術『神殿』……
   あの城がキャスターの根城で間違いないわ

(;^ω^)「空も濁ってるお…」

阿部さん「それよりあのロボ犬を見てくれ。あれをどう思う?」

(´・ω・`)「……すごく、大きいです」

从'ー'从「昔からガットゥーゾって、あんなに大きかったの?」

川;゚ -゚)「いや、ビーワンより一回り程度大きかっただけなんだが……」

 傍らの愛犬、ビーグル・ワンを見やる。
全長おおよそ2M強。両手両足を地につけ、静かにガットゥーゾへ威嚇を繰り返している。


川 ゚ -゚)「まさか、ああなるとは思わなかった」



44 名前:第27話「風雲! シィナ城」 :2008/06/24(火) 01:49:56.47 ID:MqxHsUaa0

    / ̄メカ ̄ ̄\
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  | DVA    ___ノ
  \怒覇  ./
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   (__)_)

 二本足で立つガットゥーゾの全高は、軽く10Mを越していた。



川 ゚ -゚)「キャスターの姿はない……とりあえず今は、アレを何とかするか」

ξ゚听)ξ「いいえ。その必要はないわ」

( ^ω^)「お?」

ξ゚听)ξ「これだけの大規模な軍勢に、城に集まっている魔力。間違いなくこれは罠じゃないわ。
   あの城の中。絶対にキャスターはいる。だから……」



ξ゚听)ξ「ここはあたし達にまかせて、アンタ達はキャスターを倒してきなさい」



45 名前:第27話「風雲! シィナ城」 :2008/06/24(火) 01:54:37.35 ID:MqxHsUaa0

川 ゚ -゚)「……いいのか?」

从'ー'从「うん。キャスターの事を一番しってるのはライダーだしね」

阿部さん「確かにデカいが、メカにだって穴はあるだろう?
   ガイノイドじゃなさそうだし、簡単には負けないさ」

ξ゚听)ξ「雑魚の集まりとメカイヌ一匹くらい、何とかなるわよ。
   ショボン、悪いけどこっちを手伝ってくれる?」

(´・ω・`)「あぁ。そういうワケで、ここからは君たちに任せる。
   聖杯戦争の管理人として、ブーンの親代わりとして……頼むよ。内藤ホライゾン、ライダー」

( ^ω^)「みんな……」

川 ゚ -゚)「ブーン──いいな?」

( ^ω^)「わかったお! 後はまかせるお!」


ビーワン <アオーン!


47 名前:第27話「風雲! シィナ城」 :2008/06/24(火) 01:57:20.58 ID:MqxHsUaa0

 ビーワンに飛び乗り、真っ直ぐ城に向かって突進する。



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阿部さん「おっと、お前の相手はこの俺だ」


 迎撃体勢をとったガットゥーゾの鼻先に直撃する阿部のスパナ。3本の魔力光がそれに続く。

 その隙をついてガットゥーゾの脇をぬけると、二人をのせたビーワンは城門へ向かって大きく跳躍した。


【第27話・終了】
                 →第28話へ続く

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