- 4 :全体的なあらすじ:2008/04/19(土) 00:24:29.58 ID:7tz3pmXP0
- 聖杯。それは手に入れた者のどんな願いをもかなえるといわれる伝説の魔術道具。これを求めて7人の魔術士がそれぞれ
7人のサーヴァントを従えて命をかけて戦い抜く、通称“聖杯戦争”がVIP市で行われようとしていた。
そんなある晩、魔術士見習いの中学生ブーンは自宅の庭で死んだ母親によく似た女性に命を救われる。
彼女はライダー。聖杯戦争で召還されるサーヴァントのひとりで、なぜかブーンに召還されたのだという。
魔術の師匠である従姉妹のツンや聖杯戦争の管理人ショボンの説明を受け、ブーンは決意する。
自らの母親と同じ名と容姿を持つ『騎兵<ライダー>』、クーとともに聖杯を手に入れ、母親をよみがえらせることを……
- 5 :主に『Fate』を知らない人のための用語解説:2008/04/19(土) 00:26:56.30 ID:7tz3pmXP0
- 魔術士:魔術を操る人間。基本的に祖先に魔術士がいないと魔術士になることはできない。“魔法使い”ではないので注意が必要。
魔法使い:現代の技術で不可能な事(例:時間跳躍)を魔術で実現できる魔術士のこと。
聖杯:あらゆる願いを叶えるといわれている、伝説の魔術道具。早い話がドラゴンボール。
現在は“長門由希”の姿をとり、現界している。
聖杯戦争:7人の魔術士(マスター)が聖杯をめぐり、サーヴァントとともに繰り広げる殺し合い。早い話がバトロワ。
マスター:サーヴァントを召還した魔術士。マスターでないと、聖杯を使役することはできない。
管理人:聖杯を管理し、勝ち残ったマスターに与える事が仕事。管理人は聖杯を使用できない。
サーヴァント:全ての時間軸・全ての世界から“英雄”と呼ばれる存在を聖杯の力を用い、基本無作為に現世に召還したもの。
サーヴァントを呼び出したマスターと主従関係を持つ。正体を敵に知られぬよう、基本的に彼らは兵種で呼ばれる。
『剣士<セイバー>』:剣士の英雄。本編では「セイバー=阿部孝和」
『槍兵<ランサー>』:槍使いの英雄。本編では「ランサー=フェイト=テスタロッサ」(敗北済)
『弓兵<アーチャー>』:弓兵の英雄。本編では「アーチャー=エルヴィン=ケーニヒ」(敗北済)
『騎兵<ライダー>』:騎兵の英雄。本編では「ライダー=川
゚ -゚)=クー」
『魔術士<キャスター>』:魔術士の英雄。本編では「キャスター=(*゚ー゚)=シィナ」
『暗殺者<アサシン>』:暗殺者の英雄。本編では「アサシン=(,,゚Д゚)=弁慶」(敗北済)
『狂戦士<バーサーカー>』:狂戦士の英雄。本編では「バーサーカー=(‘A`)=ドクオ」
令呪:サーヴァントと契約した魔術士がもつ、サーヴァントに対する強制命令権。最大3回まで行使が可能。
サーヴァントの嫌がる命令を通したりできる。最大回数使い切ると、マスターとしての資格を失う。
宝具:サーヴァントがそれぞれ持っている切り札。壮絶な威力を持つものも多いが、魔力を膨大に消費する。
固有結界:基本的に魔術士のみしか使えない、魔術のひとつの到達点。自分のおもいままになる空間を形成する。
原作:TYPE-MOON制作のエロゲー『Fate/stay night』のこと。当ブーン小説の基本設定、主な話の展開は
このゲームおよび同名のアニメから拝借されているものが多い。
『わたなべ☆ちゃんねる』:本編終了後のおまけ。WATANABEさんとヒッキーが作中の自称を解説したり、
読者からの質問に全レスしたりする。たまに作者や他作品のキャラも登場する。
- 6 :現状確認:2008/04/19(土) 00:30:52.78 ID:7tz3pmXP0
- ( ^ω^) ブーン:亡き母に似た『騎兵<ライダー>』クーとともに聖杯戦争に参加している見習い魔術士
川 ゚ -゚) クー:宝具『突撃槍<ランス>』をもち、巨大な“イヌ”を駆るサーヴァント。生前はキャスターに仕えていた騎士だった。
ξ゚听)ξ ツン:ブーンの従姉妹で、一流魔術士女子高生。サーヴァントは『凶戦士<バーサーカー>』ドクオ。
('A`) ドクオ:なぜかクーを慕う臆病なサーヴァント。玉砕覚悟で阿部さんと戦うも……
从'ー'从 アヤカスフィール:ロリロリ魔術士。ブーンの担任で、彼に惚れた。サーヴァントは『剣士<セイバー>』阿部孝和。
阿部さん:『くそみそテクニック』からの出演。肉弾戦を得意とする優勝候補。男には滅法強い。
('、`*川 伊藤ペニサス:アヤカスフィールに仕えるメイド。階級は『白銀家政婦<シルバーメイド>』
从 ゚∀从 ハインリッヒ:『暗殺者<アサシン>』の元マスター。現在はツン達と行動中。
(*゚ー゚) しぃ:マスターのいない『魔術士<キャスター>』。惚れていたアサシンの死によって暴走。
街の住民を犠牲にして魔力を蓄え生存中。切り札があるらしい。
(´・ω・`) ショボン:バーボンハウスを営む聖杯戦争の管理人。ブーンの後見人でもある。
(=゚ω゚)ノ 羅雲いよぅ:ブーンのクラスメイトで、ラウン寺の倅。一般人。デュエリスト
lw´‐ _‐ノv 長門由希 :対魔術願望増幅用ヒューマノイドインターフェース、“聖杯”。
ξ*’ワ’)ζ 高槻やよい:ブーン達の前担任。元『アイドルマスター』。本編には登場しないが、BADENDになると登場する。
【今北三行】
ドクオ、自らの意志で暴走するも阿部さんに敗北
キャスター、一般人を巻き添えに暴走開始
ショボンと長門の仲裁により、ブーン組とツン、アヤカスフィール組と一時休戦
- 8 :第24話「静かなる胎動」:2008/04/19(土) 00:38:32.86 ID:7tz3pmXP0
- 翌朝、VIP学園。
チャイムが鳴り、HRの時間になったがいつものように担任は姿を見せない。
生徒たちも慣れたもので、自分の席に戻らず三々五々分かれて遊んでいる。
(=゚ω゚)ノ「ドロー! 場に1枚カードを伏せて『イヨゥ=クライスラー(1900/500)』『ビコーズ先生(0/0)』を召還。
『イヨゥ』を攻撃表示、『ビコーズ先生』を守備表示にしてターンエンドだよぅ」
(=ω=.)「それじゃあ私のターンだね。カードを引いて、『異能者ギコ(1600/1600)』召還。
コンボで魔法カード『パンッ』を発動させて『イヨゥ=クライスラー』を破棄するね」
(=;゚ω゚)ノ「ああっ、やられたよぅ!」
(=ω=.)「『異能者ギコ』はこれで動けないから……場に2枚カードを伏せて、壁に『10死ブーン(50/50)』を召還、ターンエンド」
( ^^ω)「(『10死ブーン』……1回につきライフポイント300を払うことで9回まで蘇生可能なレアカードだホマ……)」
(;^ω^)「(なんだか複雑な気分だお……)」
(=゚ω゚)ノ「ドロー! 『ビコーズ先生』を生贄にして『sneg渡辺さん(2400/2000)』を召還!
『渡辺さん』の効果で、相手フィールドの男キャラの能力値は半分。『ギコ』に攻撃だよぅ!」
(=ω=.)「おおっと、罠カード発動。『しぃの献身』の効果で、攻撃は空振りだよ」
(=゚ω゚)ノ「うっ、通るよぅ……」
(=ω=.)「私のターン。いくよ」
- 9 :第24話「静かなる胎動」:2008/04/19(土) 00:42:05.06 ID:7tz3pmXP0
- (=ω=.)「『ギコ』を生贄にして、『ま・じ・か・る・ツンデレ(2400/1500)』を召還。
そして魔法カード『妙にエロティックな触手』を発動。フィールド上の魔法少女属性のキャラは
攻撃力半減、防御力0に変わるね。さらに装備カード『無限刀』を装備、攻撃〜」
まじツンξ゚听)ξ(1800/0) VS 从'ー'从sneg渡辺さん(1200/0)
<いよぅ:残りライフポイント3400>
(=;゚ω゚)ノ「虎の子の『sneg渡辺さん』がやられちゃったよぅ!」
( ^^ω)「だ、大丈夫だホマ! 『無限刀』の効果でターン終了後に『まじツン』は消えるホマ
相手のキャラは全部攻撃を終了したし、『ドス女(1700/1700)』を召還して『エクシードの波動』を使えば形勢逆転だホマ」
(=ω=.)「ふっふっふー何勘違いしてるんだい?」
(=ω=.)「まだ私のバトルフェイズは終了してないんだよ」
( ^ω^)「お? 泉さんの場のキャラは全員行動終了済だお」
(=ω=.)「速攻魔法発動、『バーサーカーソウル』」
(=゚ω゚)ノ「『バーサーカーソウル』?!」
- 10 :第24話「静かなる胎動」:2008/04/19(土) 00:45:39.61 ID:7tz3pmXP0
- (=ω=.)「手札を全て捨て、効果発動! これはね、キャラクター以外のカードが出るまで何枚でもカードをドローし、墓地に捨てるカード。
そしてその数だけ攻撃力1500以下のモンスターは追加攻撃できるんだ」
(;^^ω)「はっ……あの時(=>>9)……」
(=ω=.)「いくよ。ドロー、キャラクターカード『マネジ・あぷー』。『まじツン』のプレイヤーアタック」
(;=゚ω゚)ノ「うわぁっ」(残りライフ:2250)
(=ω=.)「まだまだいくよー、ドロー! 『新聞部ペニサス』『ポケットティッシャー長岡』『オンセンマン』『ホイミン』……」
(;^^ω)「やめるホマ! もういよぅのライフはゼロホマよ」
(*=ω=.)「HA☆NA☆SE」
(=゚ω゚)ノ「(……やってるこっちより、外野のほうが楽しそうだよぅ)」
川>ω<)「ミッキーガガンな連続攻撃ですー」
●▲●「(ミッキーガガン…・・・一揆果敢?)」
( ^ω^)「(『バーサーカーソウル』……恐ろしいカードだお……)」
( ^ω^)「……そういえば…………」
- 13 :第24話「静かなる胎動」:2008/04/19(土) 00:50:41.53 ID:7tz3pmXP0
カードの記述で思い出す。
『狂戦士<バーサーカー>』。今はもう無きサーヴァント。
( ^ω^)「(結局、ドクオは一体何者だったんだお……)」
思えば、ドクオには世話になった。
クーへの魔力供給が成功したのはドクオの助言のお陰だ。図工の宿題も手伝ってもらったし、勉強も見てもらった。
彼が召還されて後、内藤家の家事のほとんどをドクオがこなしていたのだ。
(;^ω^)「(……よく考えたらサーヴァントの仕事じゃないお)」
思い出す言動すべてが『狂戦士<バーサーカー>』というクラスに似合わなかったひとりの男。
( ^^ω)「よし、次は俺だホマ。いよぅの弔い合戦だホマ」
(=ω=.)「オッケー、相手になろう」
(=゚ω゚)ノ「死んでないよぅ・・・…ブーンはやらないのかよぅ?」
( ^ω^)「……あ、あぁ。今はいいお。マルタニスムと泉さんの勝負を見てるお」
新たにはじまったデュエルを目で追いながらも、ブーンはひとり居なくなった彼について思いをめぐらしはじめた……
- 14 :第24話「静かなる胎動」:2008/04/19(土) 00:52:36.44 ID:7tz3pmXP0
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
告白されて、誘拐されて。
知らせに来たいよぅ達の言動に不審を感じるツンとクー。
アヤカスフィール邸を襲撃。待ち構える男殺しのサーヴァント『剣士<セイバー>』阿部孝和。
自分を救いだすために動いたクーとハインリッヒのため、ひとりドクオは阿部に立ち向かう。
わかっていたはずだ。限らず男である限り、阿部には必ず負ける──と。
ξ゚听)ξ「ドクオの事は気にすることはないわ」
対キャスター対策のため、アヤカスフィール邸に寝泊りすることになった3人。
メイドの後について廊下を歩きながら、ツンは誰に言うでもなくそう呟いた。
- 15 :第24話「静かなる胎動」:2008/04/19(土) 00:55:31.54 ID:7tz3pmXP0
- (;^ω^)「……でも、元はブーンが誘拐されたからだお。ブーン達も含めて5人で戦えば
きっと阿部さんを相手にしても、ドクオがやられちゃうことはなかったお……」
ξ゚听)ξ「相手は一流魔術士よ。油断したのはあんただけじゃなくて、私たちも。
アイツが負けたのはアイツが弱くて、アヤカスフィールのセイバーが強かったから。
敵地だったから、とか1対2で戦えなかったから、とか。言い訳にもならないわ」
川 ゚ -゚)「……ツ」
ξ゚听)ξ「それに」
たまらずクーが擁護しようとするが、ツンはそれを遮って話を続ける。
ξ゚听)ξ「ドクオが残ったのは別にあたしが令呪で命令したからでも、阿部さんと戦いたかったからでもない。
他でもないブーン、あなたを助けるためよ」
(;゜ω゜)「……!!」
ξ゚听)ξ「…………多分ね」
一拍おいてから、副詞をつけ加える。
ξ゚听)ξ「……もちろんクーにカッコいい所をみせたかったというのもあるかもしれないけど」
川;゚ -゚)「ツン……貴女はドクオの正体を……」
- 17 :第24話「静かなる胎動」:2008/04/19(土) 00:59:54.71 ID:7tz3pmXP0
ξ゚听)ξ「────(コクリ)」
口には出さず、静かに頷くツン。
ξ゚听)ξ「アンタがドクオに対して何かおもうなら、行動で示しなさい。
クーを守る、キャスターの暴走をとめる、立派な魔術士に成長する──道はいくらでもあるわ」
それきり何も言わず、包帯をまいた腕を左手で押さえながらツンはペニサスが用意した部屋に入っていった───
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
( ^ω^)「(ツンと……そしてクーもドクオの正体には気づいていたみたいだったお)」
- 18 :第24話「静かなる胎動」:2008/04/19(土) 01:03:40.48 ID:7tz3pmXP0
( ^ω^)「(……一体ドクオは何者だったんだお……家事が得意で、ブーンに優しくて、アニメと平穏と
──クーの事が大好きで……)」
(;^ω^)「(……ダメだ、わかんね)」
- 19 :第24話「静かなる胎動」:2008/04/19(土) 01:07:14.35 ID:7tz3pmXP0
- ( ^ω^)「(そうだお、せっかくドクオが命を張ってブーンとクーを助けてくれたんだお。
キャスターを止めてから、阿部さんを倒して仇をとるのが精一杯の恩返しだお!)」
(=ω=.)「発動、フィールドカード『夢幻の軍勢<ラウンジ・アルファベッター>』」
( ゜゜ω)「俺の『ラドン七騎衆(3800/0)』がァァァァァァ!!」
キーンコーンカーンコーン
ガラララッ
ブーンの中でとりあえず考えがまとまったところで始業のチャイムが鳴る。
タイミングよくこなたの切り札がマルタニスムの炸裂し、同時に教室のドアが勢い欲開かれた。
从;'ー'从「はぁ……はぁ……み、みんな。おはよぅ……」
- 20 :第24話「静かなる胎動」:2008/04/19(土) 01:12:19.69 ID:7tz3pmXP0
委員長「ワタナベ先生! これで三日連続遅刻ですよ!!」
从'ー'从「ごめんごめん、電車が混んでてね……」
委員長「電車の込み具合と遅刻は関係ありません!」
女生徒6号「(たしか、ワタナベ先生は徒歩通勤だったです……)」
川>ω<)「(朝、内藤君といっしょに校門をくぐっていましたがけど……)」
(゚、゚トソン「(服の皴、口元についた涎の跡……こりゃ職員室かどこかで寝てたのかも)」
从'ー'从「ま、まぁ。それはともかく。出席をとるね……」
ひとりひとりの顔を眺めながら、器用にも手元を見ないで出席簿にチェックをいれていく。
健康優良児のそろった二年B組、いつもつつがなく終わるはずの出席だが、今日は何度もアヤカスフィールの手が止まる。
从'ー'从「……5人欠席かぁ……多いなぁ」
(=゚ω゚)ノ「みんな風邪ですかよぅ?」
从'ー'从「白姉君→ ( ´ー`) から風邪で休むって連絡がきたけど、他の4人は全然だねぇ。あとで休み時間に電話かけてみるつもり
みんなも体には気をつけてね。ちゃんと早寝早起きしないと体に悪いよぉ」
- 21 :第24話「静かなる胎動」:2008/04/19(土) 01:15:04.87 ID:7tz3pmXP0
暫く取り留めの無い話をした後、そのままアヤカスフィールの授業が始まる。
専用の台座に立ち、背伸びしぃしぃ黒板に英文を書き始める担任教師をみながら、ふとブーンは昨晩の事を思い出す。
( ^ω^)「(そういえば、昨日ブーンはアヤカ……ワタナベ先生に告白されたんだお。
これってマズいんじゃ……)」
从'ー'从「それじゃあ委員長。一番上の文を読んで英訳してみて」
委員長「If there is no obstacle in the class, it is
unquestionable for teacher and student's love.
“授業に支障がなければ、教師と生徒の恋愛も問題ない”です」
从'ー'从「うんうん。正解だねー流石だよ」
(;^ω^)「(すごいタイミングだお……)」
从'ー'从「それじゃあ次は……能美ちゃん。すぐ下の文をお願いね」
川>ω<)「わふー。"ぎあすれしーぶず あーんど きれいきれいあたっくずいっと、ざっといずもーすと びゅーちほー。
“キレイキレイが攻めで、ギアスは受ける形がもっとも美しい”……あれ、受ける…?」
从'ー'从「うん。「受ける」であってるよー。今度からはもっと英語っぽく発音しようね」
(=ω=.)「(ワタナベ先生……できる!)」
- 27 :>>24訂正:2008/04/19(土)
01:23:23.21 ID:7tz3pmXP0
- 从'ー'从「それじゃあ次は……よぉし、内藤君、3段目から一番下まで読んじゃって」
(;^ω^)「ちょwwナガスwwww」
从'ー'从「愛のムチだよ。わからなかったら手伝ってあげるから、やってみよう」
(;^ω^)「わ、わかりましたお」
しぶしぶ立ち上がり、黒板の英文をそのまま口にする。
( ^ω^)「アイ アム ザ ボーン オブ マイ……」
…………
……
…
(´・ω・`)「思うにツン……」
ξ゚听)ξ「……」
- 28 :第24話「静かなる胎動」:2008/04/19(土) 01:25:38.80 ID:7tz3pmXP0
- (´・ω・`)「今は平日、時間はお昼前だ、学校には行かないといけないよ」
ξ゚听)ξ「こんな時に行ってられないわ。一刻も早くキャスターを見つけないといけないのに……
ブーンもアヤカも、暢気なんだから」
(´・ω・`)「アヤカスフィールは教師だし、ブーン君は義務教育期間中だ」
ξ゚听)ξ「それ以前に魔術士で、マスターよ」
(´・ω・`)「まぁ、我々で見つければ問題はないだろう。結界の発動源とキャスターの痕跡を、さ」
飄々と言い放ち、ショボンは妙に人通りの少ない住宅街を歩いていく。
(´・ω・`)「アヤカスフィールがいれば学校近辺への警戒は必要ない。
仮にキャスターに襲われてもそれぞれサーヴァントがついているんだ。まず負けはしない。
屋敷にはペニサスとハインリッヒ……固有結界と彼女の身体能力があれば地の利を生かして逃走くらいできるさ」
ξ゚听)ξ「……あたし達は?」
(´・ω・`)「ボクがサーヴァント避けの結界を張るよ。あれはサーヴァント云々を置いといてもなかなか有効だよ」
(´・ω・`)「こんな感じに、ね」
- 33 :第24話「静かなる胎動」:2008/04/19(土) 01:38:23.39 ID:7tz3pmXP0
- ツンが聞き返す間もなく、彼女を中心に異質の魔力が円柱状に発生する。
ξ;゚听)ξ「……これは!」
(´・ω・`)「いいから。怪我をしたくなかったら動くんじゃないよ」
静かな街中。異様に人気のない、住宅街から新都へと続く道。
夜中の11時ならともかく、昼のこの時間に人の姿ひとりないなどという事はありえない。
(´・ω・`)「……でてくるんだ」
普段とはあまりに違う、ショボンの重厚な声。
ツンが息をのむ中、古めかしくも汚れひとつない、鎧姿の男が電柱の影から現れた。
_、_
( ,_ノ` )「「……」
(´・ω・`)「キャスターの関係者だな? 人払いまでして、何をしたい?」
_、_
( ,_ノ` )「……ワシはスゥィーヴィサワ・タキュア。人はワシをシブタクと呼ぶ……」
- 35 :第24話「静かなる胎動」:2008/04/19(土) 01:44:15.74 ID:7tz3pmXP0
質問に答えず、男──シブタクは腰から剣を引き抜く。
生気の無い顔や焦点の定まらない瞳とは不釣合いなほどに、磨きこまれた儀礼剣。
(´・ω・`)「……」
無言のままショボンはポケットから皮手袋を取り出し、しっかりと両手に嵌めた。
【第24話・終了】
→第25話へ続く
戻る