2 名前:全体的なあらすじ :2008/01/18(金) 00:12:24.68 ID:8lDNOpj00

 聖杯。それは手に入れた者のどんな願いをもかなえるといわれる伝説の魔術道具。これを求めて7人の魔術士がそれぞれ
   7人のサーヴァントを従えて命をかけて戦い抜く、通称“聖杯戦争”がVIP市で行われようとしていた。

 そんなある晩、魔術士見習いの中学生ブーンは自宅の庭で死んだ母親によく似た女性に命を救われる。
彼女はライダー。聖杯戦争で召還されるサーヴァントのひとりで、なぜかブーンに召還されたのだという。


 魔術の師匠である従姉妹のツンや聖杯戦争の管理人ショボンの説明を受け、ブーンは決意する。
 自らの母親と同じ名と容姿を持つ『騎兵<ライダー>』、クーとともに聖杯を手に入れ、母親をよみがえらせることを……
5 名前:現状確認 :2008/01/18(金) 00:14:53.61 ID:8lDNOpj00
( ^ω^) ブーン:聖杯戦争に巻き込まれた見習い魔術士。サーヴァントは亡き母に似た『騎兵<ライダー>』クー。
川 ゚ -゚) クー:宝具『突撃槍<ランス>』をもち、巨大な“イヌ”を駆るサーヴァント。生前はキャスターに仕えていた騎士だった。

ξ゚听)ξ ツン:ブーンの従姉妹で、一流魔術士女子高生。サーヴァントは『凶戦士<バーサーカー>』ドクオ。
('A`) ドクオ:なぜかクーを慕う臆病なサーヴァント。魔術師として智謀知略をめぐらすのが得意。その正体は誰にもわからない。

从'ー'从 アヤカスフィール:ツンと同期なロリロリ魔術士。ブーンの担任でもある。サーヴァントは『剣士<セイバー>』阿部孝和。
阿部さん:『くそみそテクニック』からの出演。肉弾戦を得意とする優勝候補。男には滅法強い。やらないか

从 ゚∀从 ハインリッヒ:流離いの拳闘士。たまたま『暗殺者<アサシン>』のサーヴァントと契約した。現在は戦線離脱。
(,,゚Д゚) アサシン:その正体は豪傑・武蔵坊弁慶。17話にてドクオにやられ、消滅した。
(*゚ー゚) しぃ:クーの生前の主で、アサシンに惚れていた『魔術士<キャスター>』。現在、ヤンデレ化して潜伏中。

(´・ω・`) ショボン:バーボンハウスを営む聖杯戦争の管理人。ブーンの後見人でもある。
(=゚ω゚)ノ いよぅ:ブーンの親友で、ラウン寺の息子。ハインリッヒ達と暮らしているが、正体には気づいていない。
 高槻やよい:ブーン達の前担任。元『アイドルマスター』。本編には登場しないが、BADENDになると登場する。


【今北三行】
ドクオ、内藤家でアサシンと戦闘。勝利を収める。
アサシンの消滅を知ったしぃ、ヤンデレ化して失踪。
残りサーヴァントは4人。(クー(ライダー)、ドクオ(バーサーカー)、阿部さん(セイバー)、シィナ(キャスター))
7 名前:第18話「伝説の騎の下で」 :2008/01/18(金) 00:17:23.63 ID:8lDNOpj00

('A`)「ツン。そろそろ本当にヤバいよー」


 ドアを叩く音が部屋に響いている。


ξ゚听)ξ「わかってるわよっ!」


 布団から頭を出し、大声でドクオに返す。
ベッドのすぐ下に置いておいた靴下を毛布の中で履いて布団から抜け出す。時計を見ると7時50分。本当にギリギリだ。

 手早く制服に着替えて部屋のカーテンと窓をあける。冷たい風が吹き込んできて思わず外套を羽織ってしまう。
 冬が、近づいていた。


ξ゚听)ξ「さて、今日も元気にいきますか」


8 名前:第18話「伝説の騎の下で」 :2008/01/18(金) 00:19:25.96 ID:8lDNOpj00

('A`)「おはよう、ツン」

ξ゚听)ξ「おはよう。ブーンはもう行ったの?」

('A`)「ダンスの朝錬だって。昨日は遅くまでバタバタしてたのに元気だね。はい」

ξ゚听)ξ「そっか。それじゃいってくるわ。ありがとっ」


 玄関口で渡されたトーストを口に銜え、せわしなくツンは飛び出していった。



('A`)「……ウチのマスターも元気だなぁ」


 開け放たれたままの扉を閉め、ドクオは居間に戻る。
食卓では、ハインリッヒがテレビを見ながらゆで卵の殻をむいていた。

9 名前:第18話「伝説の騎の下で」 :2008/01/18(金) 00:21:43.48 ID:8lDNOpj00
从 ゚∀从「ツンはもう行ったんか?」

('A`)「うん。遅刻ギリギリだからね」

从 ゚∀从「学生か……懐かしいなぁ……」



 マーマレードをパンにつけながらハインリッヒが遠い目をする。
手持ちのアサシンが消えたとはいえ、令呪──聖杯戦争の参加資格を未だ持っている彼女は、昨晩から屋敷に軟禁されていた。


('A`)「ねぇ、クーを知らない?」

从 ゚∀从「クー……あぁ、金髪ねーちゃんか。
   何もいわんまま飯食って、ふらりと部屋の外に出て行ったで」

('A`)「わかった。ありがとう」

从 ゚∀从「あと、電話借りてええか? いちおう住職に連絡いれとかんとな」

('A`)「ご自由に」


 そういい残してドクオは出て行く。居間には再び、ハインリッヒだけが残された。


从 ゚∀从「(しかし……ほんと昨日とはイメージがちゃうな)」



10 名前:第18話「伝説の騎の下で」 :2008/01/18(金) 00:24:23.19 ID:8lDNOpj00

 日本の歴史に燦然と輝く大豪傑・武蔵坊弁慶。英霊と化した彼に真っ向から立ち向かい、これを打ち滅ぼしたサーヴァント。
それと小間使いのように朝からくるくると働き、女の尻を追いかけるエプロン姿の男とはどうもイコールで結びつかない。


从 ゚∀从「(アサシンやあのお嬢ちゃんはまんまやったんけどなぁ……)」

从 ゚∀从「そういや、しぃはどないしたんや……おっ!」


 未だ残っているはずのしぃの事を思い出したハインリッヒだが、ちょうどその時テレビに登場した
ひいきの男性アイドルに興味を惹かれ、その思考を中断した。



川 ゚ -゚)「…………」

('A`)「あ、いたいた」

川 ゚ -゚)「……ドクオか」
12 名前:第18話「伝説の騎の下で」 :2008/01/18(金) 00:28:00.60 ID:8lDNOpj00
('A`)「ちょっといいかな」


 半分開いたブーンの部屋のドア。主がいなくなったベッドにクーは腰掛けていた。彼女が頷いたのを見てから
ドクオは勉強机の椅子を引っ張りだして背もたれに腕を抱きつかせるように座り、二人は対面する。


(‘A`)「昨日は時間も遅かったし、お互いに疲れてたから概要くらいしか聞いてないんだけど……」

川 ゚ -゚)「…………」

('A`)「何か、クーすごく思い悩んでるみたいで心配だよ。話して楽になるんだったら、昨日のことを聞かせてくれない?」

川 ゚ -゚)「……わかった。うまく話せないかもしれないが、聞いてくれ」


 クーは話した。
キャスターの正体。生前の関係。配下につくよう命令され、令呪が必要なほどに迷わされたこと。
彼女がアサシンを愛しており、それで現在のキャスターは救われていたこと──


川 ゚ -゚)「キャスターは私との戦闘中にアサシンの死を知り、再び暗黒面に堕ちてしまった。
   直後に私はブーンに呼び出されたから後のことは知らないが、今もかなり危ない状態だと思う」

('A`)「……ごめん」

川 ゚ -゚)「いや、謝ることはない。キャスターとアサシンのことを知った後も、私はアサシンを倒そうと思っていたさ」


川 ゚ -゚)「問題は『魔術士<キャスター>』とシィナ様、『騎兵<ライダー>』と私のことなんだ」
14 名前:第18話「伝説の騎の下で」 :2008/01/18(金) 00:30:44.37 ID:8lDNOpj00
川 ゚ -゚)「生前、私はシィナ様を守れなかった。そのため、こうしてサーヴァントとなって聖杯を求めた。
   だが同じくサーヴァントとなり、幸せになっていたキャスターと敵対している。
   サーヴァントとして、またサーヴァントになった目的を考えればこれは間違いではない──」

川 ゚ -゚)「そう、間違ってないハズなんだ。納得したはずなのに……」

('A`)「……シィナ、だっけ。キャスターのことを考えてしまうの?」

川 ゚ -゚)「そうなんだ……ははっ、難しいな」


 自嘲的にクーが笑う。


川 ゚ -゚)「ドクオ。君が私を好いてくれていることは知っている。そして、君がドヴァ帝国──生前の私の関係者でないことも知っている。
   なのに、君は初対面のときから私を知っているような素振りを見せていた。生前の君と私が……ダメだ。頭のなかがこんがらがってきた」

('A`)「つまり……」


 黙って聞いていたドクオがクーの言葉を遮った。

15 名前:第18話「伝説の騎の下で」 :2008/01/18(金) 00:32:49.59 ID:8lDNOpj00

('A`)「はやい話が、生前の自分と、今の自分との板ばさみ状態になっているんだね」

川 ゚ -゚)「そうなんだ」

('A`)「……難しいね」




      ('A`)「クー、君を信じろ。君が信じるボクでも、ボクが信じる君でもない。
               お前が信じるお前を信じろ」


('A`)「(とは言えないよなぁ……根源のところ同人物だし)」


…………
……



16 名前:第18話「伝説の騎の下で」 :2008/01/18(金) 00:37:21.86 ID:8lDNOpj00

 サーヴァント二人が悩んでいる頃、そのマスター達も同じく困っていた。

 ツンの悩みは予鈴を過ぎてしまい、週番の先生の目をどうやってごまかして校内に侵入するかという事。
そしてブーンの悩みは……







从'ー'从「どうすればいいかなぁ、ブーン君」


 ブルマ姿のままHRに姿を現した担任教師、アヤカスフィール=フォン=ワタナベルンの事だった。
19 名前:第18話「伝説の騎の下で」 :2008/01/18(金) 00:42:36.48 ID:8lDNOpj00

(;^ω^)「……さぁ、どうなのかお?」

(゚、゚トソン「ワタナベ先生、どうしたんですか?」

从'ー'从「あっ、トソンちゃんも聞いてよぉ。実はねぇ、昨日の夕方また告白されちゃったんだぁ」




 唐突だが、ここで設定を確認しておこう。
アヤカスフィール=フォン=ワタナベルン。聖杯戦争に参加する魔術士。使役するサーヴァントは『剣士<セイバー>』・阿部孝和。
ツンの魔術学校時代の好敵手。おもしろそうだからという理由で教育委員会をごまかし、ブーンのクラスの担任になった。
容姿ランクは上の上。設定年齢22歳、実年齢17歳、外見年齢は───小学生。
 まさに“これなんてエロゲ”的な設定の教員である。


 そんなワケで彼女は赴任後、ちっちゃい女の子が大好きなその手のおにーさん達から熱烈な求愛を受けていたのだ。


20 名前:第18話「伝説の騎の下で」 :2008/01/18(金) 00:44:53.69 ID:8lDNOpj00

生徒6号「こんどは誰ですか?」

从'ー'从「えっとねぇ……高等部の鮫氷君でしょ。隣のクラスの竜宮さんでしょ、学年主任のキャスバル先生。
   それから……そうそう、長岡先生だ。おっぱいよりもあたしが好きなんだって」

(=ω=.)「へぇー、長岡先生っておっぱいマニアだと思ってたけど、実はロリコンだったんだ」

ミセ*゚ー゚)リ「キモーイ。小学生を好きになって許されるのは小学生までよね」

从'ー';从「ちょ、ちょっとミセリちゃん。それじゃあまるであたしが小学生みたいな言い分だよぉ」

ミセ*゚ー゚)リ「そのつもりで言ったんですけど」

从'ー'从「うーっ、ひどいよぉ……ねぇブーン君。どうしたらいいのかなぁ」

(;^ω^)「どうしたら、って言われても……ワタナベ先生は告白してきた人が好きなんですかお?」

从'ー'从「ううん、全然」

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/01/18(金) 00:47:03.46 ID:8lDNOpj00

( ^ω^)「じゃあ普通にごめんなさい、って断ればいいんじゃないですかお」

从'ー'从「そっかぁ。そうだねぇ。ありがとっ、ブーン君」

( ^^ω)「さすが、ワタナベ先生の面倒はブーンのお家芸だホマ」

(=゚ω゚)ノ「いよぅ達にできない事をあっさりとやってくれるよぅ」

(=ω=.)「「そこに痺れる憧れるぅ!」」●▲●

委員長「あぁっ、もう! HR中だからみんな静かにするー!」


…………
……

24 名前:第18話「伝説の騎の下で」 :2008/01/18(金) 00:50:41.86 ID:8lDNOpj00
 マジメに授業をうけて。
 ツンもあわせた3人で昼食を食べて。
 午後は昼寝してたらキャスバル先生に立たされて。
 一週間後にせまった文化祭のため、居残りで創作ダンスの練習をして。

 あっという間に日が暮れた。


委員長「それじゃー解散。明日も朝練するからみんな寝坊しないでね」

生徒達「おー」



 他のクラスの生徒たちも散開していく。
荷物を取りにもどったところで、ブーンがふとつぶやいた。


( ^ω^)「……あ、しまったお」
26 名前:第18話「伝説の騎の下で」 :2008/01/18(金) 00:54:24.95 ID:8lDNOpj00

(=゚ω゚)ノ「ブーンどうしたんだよぅ」

( ^ω^)「6時間目にもらった宿題プリント入れたファイル、置きっぱなしにしちゃったお」

( ^^ω)「それはマズいホマ。忘れたらまた廊下に立たされるホマよ」

(=゚ω゚)ノ「早くとってくるよぅ」

( ^ω^)「オッケーだお。ダッシュガンガンでとってくるお」

(=゚ω゚)ノ「意図がわからないパロディだよぅ」


 カバンをおいたままブーンは校舎へと走っていった。
28 名前:第18話「伝説の騎の下で」 :2008/01/18(金) 00:56:47.49 ID:8lDNOpj00
( ^ω^)「うー、夜の校舎は静かで怖いお」

 真っ暗な教室群。心もとない廊下の明かりのもと階段を上り、自分の教室の前にたどりついた。

( ^ω^)「はやくファイルをとっていよぅ達の所に戻るお……ん?」


(;^ω^)「……奥の教室の明かりがついてるお。自分の教室の中から話し声が聞こえるし……」

( ゜ω゜)「よく見たら廊下に血の跡がついてるお!」


 ブーンの脳内にゴゴゴゴというBGMが自動的に再生される。

(;^ω^)「(やべぇ……こいつはちゃんと選択肢を選ばないと死ぬNE)」


@気にせず自分の教室につっこむ
A隣の教室を調べる
B血痕の跡を追いかける

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