251 : ◆SEOMSVVqUg :2008/10/26(日) 15:06:20.44 ID:P9Hfk/pq0
 
エスパークス、エスタークじゃねぇのかよ!
という人のための登場人物紹介


リ дリ
           10 Years ago
J( 'ー`)し
254 : ◆SEOMSVVqUg :2008/10/26(日) 15:08:38.61 ID:P9Hfk/pq0
 
「…」

「…また、変なとこに出ちゃった〜…」

「…ここ、どこだろ…」



ガサッ


 「――あら?」

「…!!」

 「こんにちは」

「…」

 「…こんなところに一人でどうしたの?」

「…」

 「迷子かしら?」


255 : ◆SEOMSVVqUg :2008/10/26(日) 15:09:41.91 ID:P9Hfk/pq0
 

「…」

 「…」


J( 'ー`)し「…困ったわねぇ」

リ дリ「……」



256 : ◆SEOMSVVqUg :2008/10/26(日) 15:09:59.53 ID:P9Hfk/pq0
 


川 ゚ -゚)エスパークーのようです

    −番外編第二話:貞子の世界−




257 : ◆SEOMSVVqUg :2008/10/26(日) 15:10:59.45 ID:P9Hfk/pq0
 
―『旅籠・人食』前


J( 'ー`)し「ここが私のお家よ」

リ дリ「……」

リ дリ「…でかい」

J( 'ー`)し「そうね、大きいわね」

リ дリ「…でも、ボロい〜」

J( 'ー`)し「…」

J( 'ー`)し「絞めるぞ、このガキ」

リ; дリ「!?」

リ; дリ「…あ、ごめんなさい」

ΣJ( 'ー`)し「は!! や、ごめんなさいね」

J( 'ー`)し「…この前、降ろした時の後遺症かしら…」 ボソリ

リ дリ「おろし〜…?」

J( 'ー`)し「ううん。こっちの話よ」

258 : ◆SEOMSVVqUg :2008/10/26(日) 15:11:57.97 ID:P9Hfk/pq0
 
J( 'ー`)し「さ、上がって上がって」

J( 'ー`)し「大したおもてなしは出来ないけど」

リ дリ「…期待してないから、大丈夫〜」

J( 'ー`)し「…」


―『旅籠・人食』松の間


リ дリ「広い〜」

J( 'ー`)し「ウチで一番いい部屋だからね」

リ дリ「むだに広い〜」

J( 'ー`)し「……調度品がないからね」

J( 'ー`)し「お茶菓子でも食べる?」

リ дリ フルフル

J( 'ー`)し「ケーキとかのほうがいいかしら?」

リ дリ フルフル


259 : ◆SEOMSVVqUg :2008/10/26(日) 15:13:16.94 ID:P9Hfk/pq0
 
リ дリ「いらない〜」

J( 'ー`)し「そう…?」

J( 'ー`)し「じゃあ、お茶だけもって来るわね」


'ー`)し「待っててね」

スッ…


リ дリ「…」

リ дリ「変なおばさん…」

リ дリ「…」

リ дリ「…」

リ дリ「どうしよう〜…」

リ дリ「でも、帰っても…」
261 : ◆SEOMSVVqUg :2008/10/26(日) 15:15:22.20 ID:P9Hfk/pq0
 

  「嫌だわ。気持ちの悪い」

  「だから言ったじゃないですが」

  「こんな子は、施設にでも預けてしまおうって」

  「だめだ。家の名前にキズがつく」

  「じゃあ、どうするの」

  「人目に触れなければいい」


リ дリ「…」


  「いいかい、貞子」

  「欲しいものがあったら、何でも言いなさい」

  「ただし、絶対に部屋からは出るな」


リ дリ「…」



262 : ◆SEOMSVVqUg :2008/10/26(日) 15:18:22.88 ID:P9Hfk/pq0
 
リ дリ「…そうだ〜」

リ дリ「…帰るんじゃなくて、行かないと〜」


―貞子は部屋の奥、ふすまに手をかける

―彼女の『世界』は、空間と空間を繋げる超能力

―念じれば、どこかへと行ける


―どこか遠くに行ってしまいたいな

―彼女はそう思っていた




ガラッ


дリ

リ дリ ヒョイ

リ дリ「…あれ、ここは〜?」


263 : ◆SEOMSVVqUg :2008/10/26(日) 15:19:15.93 ID:P9Hfk/pq0
 
―『旅籠・人食』 調理場


J( ー )し「ふふっ」


シャーコ シャーコ

J( ー )し「子供とはいえ、久しぶりのお客さんだわ」


シャーコ シャーコ

J( ー )し「腕を振るわなきゃね」


シャーコ シャーコ

J( ー )し「…ふふっ」



リ; дリ「ひぇ…」

J( ゚ー )し「――誰だ!!」

リ; дリ「ひぃぃぃっ」


264 : ◆SEOMSVVqUg :2008/10/26(日) 15:20:16.77 ID:P9Hfk/pq0
 
J( 'ー`)し「って、あなたね」

J( 'ー`)し「まぁ、他にお客さんいないし、当たり前ね」

リ; дリ「わ、私を食べる…?」

J( 'ー`)し「ん?」

J( 'ー`)し「やぁね。そんなことないわよ」

J( 'ー`)し「もう、いい時間だからね」

J( 'ー`)し「晩御飯を作っていたのよ」

リ дリ「…」

リ дリ「(ホントかな…)」

J( 'ー`)し「それにしても、よくここが分かったわね」

リ дリ「…」

リ дリ「……分かったわけじゃ…」

J( 'ー`)し「?」


265 : ◆SEOMSVVqUg :2008/10/26(日) 15:21:39.09 ID:P9Hfk/pq0
 
リ дリ「…」
 
J( 'ー`)し「どうしたの?」

リ дリ「行か……か、帰らないと〜」

J( 'ー`)し「あぁ、そうね」

J( 'ー`)し「そうよね。ごめんなさい、久しぶりのお客さんだから舞い上がっちゃって」

リ дリ「…お客さん?」

J( 'ー`)し「えぇ、そうよ」

J( 'ー`)し「ここは温泉宿なの」

リ дリ「…へぇ」

J( 'ー`)し「最も、主人が他界してから、経営は傾きっぱなしだけどね」

リ дリ「たかい?」

J( 'ー`)し「ん〜…、遠くに行っちゃったの」

リ дリ「遠く…」

J( 'ー`)し「そう」
267 : ◆SEOMSVVqUg :2008/10/26(日) 15:25:03.99 ID:P9Hfk/pq0
 
J( 'ー`)し「…」

J( 'ー`)し「あ、帰るんだったわね」

リ дリ「…うん」

J( 'ー`)し「お家はどこかしら?」

J( 'ー`)し「もう遅いし、お姉さんが送ってあげる」

リ дリ「…」

リ дリ「…おねーさん…?」

J( 'ー`)し「お姉さん」

リ дリ「…」

J( 'ー`)し「…」

リ дリ「…おば」

J( 'ー`)し「あ?」

リ; дリ「…」

J( 'ー`)し「それでお家は?」

269 : ◆SEOMSVVqUg :2008/10/26(日) 15:26:23.32 ID:P9Hfk/pq0
 
リ дリ「…」

リ дリ「分かんない」

J( 'ー`)し「え?」

リ дリ「お部屋から出たことないから〜…」

J( 'ー`)し「…」

J( 'ー`)し「嘘つく子は呪っちゃうぞ☆」

リ; дリ「嘘じゃない〜」

J( 'ー`)し「部屋から出なきゃ、ここには来れないでしょ?」

リ дリ「来れるよ」

J( 'ー`)し「…」

J( 'ー`)し「う〜ん、困った子ね」


270 : ◆SEOMSVVqUg :2008/10/26(日) 15:27:03.88 ID:P9Hfk/pq0
 
J( 'ー`)し「大体、お家が分かんないとあなたも帰れないでしょ」

リ дリ「…帰れる……けど」

J( 'ー`)し「え?」

リ дリ「…あ」

リ дリ「…ううん、なんでもない〜」

J( 'ー`)し「…」

リ дリ「…一人で帰れるから、おば……お姉さんはいいよ」

リ дリ「…一人で大丈夫だから〜」

J( 'ー`)し「…」

リ дリ「…」


273 : ◆SEOMSVVqUg :2008/10/26(日) 15:29:56.09 ID:P9Hfk/pq0
 
J( 'ー`)し「…」

J( 'ー`) >「うーん、もう夜も更けて道も分からないわねー」

リ дリ「…」

J( 'ー`)し 「あ、そうだ」
  つ ポンッ


J( 'ー`)し「あなた、今日は泊まっていきなさいな」


リ дリ「へ?」

リ; дリ「あ……えっ……でも…」

J( 'ー`)し「夕ご飯、二人分作っちゃったの」

J( 'ー`)し「結構料理には自信あるのよ」

リ; дリ「……う」

J( 'ー`)し「どうかしら?」


274 : ◆SEOMSVVqUg :2008/10/26(日) 15:31:37.38 ID:P9Hfk/pq0
 
リ; дリ「……あ」

リ; дリ「…」

J( 'ー`)し「はーい、…う・ん」

リ; дリ「う…ん……」

J( 'ー`)し「そう。良かったわ、すぐに準備するわね」

パタパタ


リ дリ「…」

リ дリ「…」

リ дリ「…外でお泊り…」

リ дリ「…怒られ……」

リ дリ「…」

276 : ◆SEOMSVVqUg :2008/10/26(日) 15:32:13.27 ID:P9Hfk/pq0
 

  「出るなと何度言えば分かるんだ!!」

  「外が見たい? ふざけろ、私に恥をかけというのか」

  「この、口答えする気か…!」



リ дリ「…」

リ дリ …ズキリ



  「ねぇ、聞いた?」

  「え、何?」

  「お嬢様の話」

  「なんでも、幽霊にとり憑かれてるらしいよ」

  「えー、うっそー」

  「ほんとだよ、先輩が話してたもん」



277 : ◆SEOMSVVqUg :2008/10/26(日) 15:41:54.21 ID:P9Hfk/pq0
 
  「お嬢様が部屋から出してもらえないのは、そのせいだ、って」

  「まっさかー」

  「と、思うのでしょ?」 

  「私、見たのよ」

  「…な、なにを?」

  「昨日の夜、一人で庭を歩いてる……お嬢様の姿を!!」

  「え…、だって鍵…」

  「…」

  「…」

  「いやー、怖いねぇ」

  「…ねぇ、それ本当?」

  「本当よ」

  「その後、ふぅっと消えちゃったもん」

  「…ひぃ、か、勘弁してよぉ」

279 : ◆SEOMSVVqUg :2008/10/26(日) 15:43:56.80 ID:P9Hfk/pq0
 
リ дリ「…」

リ дリ「…怒られる、のかな〜…」

リ дリ「…」


カラッ

J( 'ー`)し「…あ」

J( 'ー`)し「えーと、お嬢ちゃん、ご飯出来たわよ」


リ дリ「…は、はい」


J( 'ー`)し「いいのよ、そんな身構えなくても」

J( 'ー`)し「それで、名前」

J( 'ー`)し「なんていうのかしら?」


リ дリ「…」

リ дリ「…さ、さだ、こ」
282 : ◆SEOMSVVqUg :2008/10/26(日) 15:45:58.82 ID:P9Hfk/pq0
 
J( 'ー`)し「笹蛸ちゃん?」


リ; дリ「…違う〜」

リ дリ「さだ、こ〜」


J( 'ー`)し「貞子ちゃん!」


リ дリ「…うん」


J( 'ー`)し「うん、貞子ちゃん」

J( 'ー`)し「今日は腕によりをかけて作ったの、たくさん食べてね!」


リ дリ「…は、はい」


284 : ◆SEOMSVVqUg :2008/10/26(日) 15:49:11.24 ID:P9Hfk/pq0
 
………
……


リ дリ「…」

J( 'ー`)し「どうだった?」

リ дリ「…あ、その〜…」

リ дリ「…おいしかった、です」

J( 'ー`)し「そう。よかったわ」

リ дリ「…」

J( 'ー`)し「…」

J( 'ー`)し「あぁ、そうだ。食後の息抜きに、トランプでもどうかしら」

リ дリ「…トランプ〜?」

J( 'ー`)し「そう、トランプ」

リ дリ「……トランプって、何〜?」

J( 'ー`)し「あら? トランプを知らないの?」

285 : ◆SEOMSVVqUg :2008/10/26(日) 15:53:08.15 ID:P9Hfk/pq0
 
リ дリ「……うん」

J( 'ー`)し「それなら、今持ってくるからやりながら覚えましょう」

リ дリ「…う、うん」






リ дリ「…」

J( 'ー`)し「これがスペ−ドで、これがハートね」

J( 'ー`)し「これがダイヤに、これがクラブ、それで、これがジョーカー」

リ дリ「ジョーカー…? …なんで、これだけ違うの〜?」

J( 'ー`)し「ん? これはねぇ、仲間外れなの」

リ дリ「……仲間外れ〜…」

J( 'ー`)し「道化の格好をしたジョーカーは他のカードと違いすぎてね、仲間外れにされちゃったの」

リ дリ「……」
287 : ◆SEOMSVVqUg :2008/10/26(日) 15:54:31.47 ID:P9Hfk/pq0
 
J( 'ー`)し「でもね、ジョーカーは挫けなかったわ」

J( 'ー`)し「厳しい修行末、キングすら越す力を手に入れたの」

J( 'ー`)し「キング、よくもボクをのけ者にしてくれたね。このお礼はきっちりさせてもらうよ」

J( 'ー`)し「ば、ばぁかなぁ!? 貴様が、何故ぇここにいるぅ!!?」

J( 'ー`)し「あ、ここ若本ボイスね」

J( 'ー`)し「そうだね、さしずめボクは復讐のために地獄から舞い戻った、死神」

J( 'ー`)し「さぁ、殺し合いを始めようか!!」

リ дリ「…」

リ дリ「…」

リ дリ「……本当〜?」

J( 'ー`)し「冗談よ」

リ дリ「…」


J( 'ー`)し「ふふ、ちょっと熱が入りすぎちゃったわね」


288 : ◆SEOMSVVqUg :2008/10/26(日) 15:55:18.93 ID:P9Hfk/pq0
 
J( 'ー`)し「さ、始めましょう」


パラッ
ジャラララッララ


―カーチャンの手元でトランプが舞う



リ дリ「わ…」

リ дリ「す、すごい」

J( 'ー`)し「ふふ、トランプには少し自信があるのよ」

リ дリ「…わぁ」

J( 'ー`)し「そうね、好きな数字を言ってみて」

リ дリ「…」

リ дリ「…13〜」

J( 'ー`)し「あら、ステキな数字ね」

290 : ◆SEOMSVVqUg :2008/10/26(日) 15:56:25.01 ID:P9Hfk/pq0
 
バラバラバラ
シュッ

J( 'ー`)し「はい」


―舞うトランプから、一枚差し出されるカード

―その数字は


リ дリ「…」

リ дリ「…ジョーカー?」

J( 'ー`)し「ひっくり返してみて」

リ дリ「…13」

リ дリ「手書きで、13って書いてある…!」


リ дリ「…」


―いまいち感動に欠けた

292 : ◆SEOMSVVqUg :2008/10/26(日) 15:58:37.52 ID:P9Hfk/pq0
 
………
……



J( 'ー`)し「それで、相手が違うって思ったときは『ふっ、甘いぞ小僧! ダウトだ!!』って……」

J( 'ー`)し「あら?」


リ дリ スー…スー…


J( 'ー`)し「寝ちゃったか」

J( 'ー`)し「…」

J( 'ー`)し「さて、と」

J( 'ー`)し「お布団、お布団」



リ дリ スー…スー…



293 : ◆SEOMSVVqUg :2008/10/26(日) 16:00:19.26 ID:P9Hfk/pq0
 
  「聞いた?」

  「聞きた聞いた」

  「本当かしら」

  「本当らしいわよ」

  「いやだわ、怖い」

  「なんでも、旦那様が秘密裏に研究所に連れて行くだとか」

  「そ、そうなの?」

  「うん」

  「だって、ご自分の……」

  「…」



リ дリ スー…スー…



294 : ◆SEOMSVVqUg :2008/10/26(日) 16:01:54.74 ID:P9Hfk/pq0
 
  「貞子」

  「入るよ」

  「貞子、いいニュースがあるんだ」

  「学校に行けるようになったんだよ」

  「先生にお願いしてようやく入れてもらえたんだ」

  「明朝には出かけるから、大人しくしておくんだよ」

  「そうだよ。貞子は自慢の娘だからね」



リ дリ スー…

リ дリ …

リ дリ「……ウソばっかり」

リ дリ「…」

リ дリ「…寝ちゃった〜」

リ дリ「…」

296 : ◆SEOMSVVqUg :2008/10/26(日) 16:03:13.97 ID:P9Hfk/pq0
 
リ дリ「布団…」

リ дリ「…」

モソモソ

リ дリ「…行かないと〜」

リ дリ「…」







カラッ

J( 'ー`)し「…あら?」

J( 'ー`)し「貞子ちゃん? …貞子ちゃん?」

J( 'ー`)し「…」

J( 'ー`)し「…まったく、もう」

300 : ◆SEOMSVVqUg :2008/10/26(日) 16:11:01.17 ID:P9Hfk/pq0
 

リ дリ「…ハァ…ハァ」

リ дリ「…どうして」

リ дリ「上手く、“扉”が開けない〜……」



「それは、ここの空間自体が歪んでるからよ」


リ; дリ「…!?」


J( 'ー`)し「貞子ちゃん、心配したのよ」


リ; дリ「…どうして、ここが」


J( 'ー`)し「私の宿ですもの、当然よ」


リ дリ「…」

リ дリ「…あなたも、“化け物”なの〜?」


301 : ◆SEOMSVVqUg :2008/10/26(日) 16:12:35.59 ID:P9Hfk/pq0
 
J( 'ー`)し「化け物?」

J( 'ー`)し「いいえ、私はただの女亭主ですよ」

J( 'ー`)し「ずっと前に、ちょーっと黒魔術をかじっただけ」

J( 'ー`)し「それに、あなたも化け物なんかじゃないでしょう?」


リ дリ「…」

リ дリ「…違う」

リ дリ「……私は、化け物…」

リ дリ「……いちゃいけない物」


J( 'ー`)し「どうしてそう思うのかしら?」


リ дリ「…言われたから〜」

リ дリ「……いらないって」

リ дリ 「……言われたから」


302 : ◆SEOMSVVqUg :2008/10/26(日) 16:13:38.76 ID:P9Hfk/pq0
 
リ дリ「…私はいらない」

リ дリ「だから、行くの〜…」

リ дリ「……人にめいわくをかけない場所に〜…」


J( 'ー`)し「…」

J( 'ー`)し「貞子ちゃん」


リ дリ「…」


J( 'ー`)し「人に迷惑をかけない場所なんてないのよ」

J( 'ー`)し「それは死ぬということだわ」


リ дリ「…」

リ дリ「なら、死ぬ〜…」


J( 'ー`)し「ダメよ」

リ дリ「…なんで〜」
304 : ◆SEOMSVVqUg :2008/10/26(日) 16:17:34.94 ID:P9Hfk/pq0
 
J( 'ー`)し「貞子ちゃんが死んだら、悲しむ人がいるでしょう?」


リ дリ「…」

リ дリ「…いないよ〜」

リ дリ「パパもママもお手伝いさんも、私のこと嫌いだから〜」


J( 'ー`)し「でも、私がいるわ」


リ дリ「おば…」

J( 'ー`)し

リ; дリ「おねーさんが…?」


J( 'ー`)し「そうよ」


リ дリ「…じゃあ、私はどこに行けばいいの〜…?」


305 : ◆SEOMSVVqUg :2008/10/26(日) 16:18:21.09 ID:P9Hfk/pq0
 
J( 'ー`)し「…」

J( 'ー`)し「人に迷惑をかけない場所なんてないわ」

J( 'ー`)し「人は干渉する生き物だからね」

J( 'ー`)し「ただ、そうやって補い助け合っていくのも人なの」



J( 'ー`)し「…ちょっと難しいかったかしら?」


リ дリ「…うん」


J( 'ー`)し「要するに、気にしちゃダメってこと」


リ; дリ「で、でも…」

リ дリ、「やっぱり、私は……ダメだから〜…」

リ дリ「もうお家には帰れない〜…」


306 : ◆SEOMSVVqUg :2008/10/26(日) 16:19:40.05 ID:P9Hfk/pq0
 
J( 'ー`)し「貞子ちゃん」

リ дリ「…」


J( 'ー`)し「“やっぱり”なんて使っちゃダメよ」

J( 'ー`)し「あなたには、まだたくさんの未来があるもの」

J( 'ー`)し「それを否定しちゃいけないわ」


リ дリ「…でも……」

J( 'ー`)し「“でも”も禁止!」


リ; дリ「で、………」

リ; дリ「…」


J( 'ー`)し「そうね」

J( 'ー`)し「帰る場所がないと言ったわね」


リ дリ「…うん」
308 : ◆SEOMSVVqUg :2008/10/26(日) 16:20:38.45 ID:P9Hfk/pq0
 

J( 'ー`)し「なら、ウチに住みなさい」


リ дリ「…」

リ дリ「え?」


J( 'ー`)し「貞子ちゃんの、不思議な能力」

J( 'ー`)し「たぶん、魔術とは違うみたいだけど」

J( 'ー`)し「大学時代の友人に、“そういうこと”に詳しい人がいるからちょうどいいわ」


リ; дリ「え、でも〜…」

J( 'ー`)し「だから、でもも、ヘチマもありません」

J( 'ー`)し「貞子ちゃんは、ウチに住む! はい、決定!!」


リ; дリ「えぇぇぇ…」

J( 'ー`)し「いいかしら?」

313 : ◆SEOMSVVqUg :2008/10/26(日) 16:31:20.12 ID:P9Hfk/pq0
 
リ; дリ「…」


J( 'ー`)し「…う・ん」

リ; дリ「…う、うん」


J( 'ー`)し「はい、いい子ですね」

J( 'ー`)し「いいこ、いいこ」


リ; дリ「あぅあぅ…」



\J( 'ー`)し/「よ−し、そうと決まれば今日はご馳走よー」 ワッホーイ



リ; дリ「…」

リ; дリ「…」

リ; дリ「……やっぱり、変な人〜…」



314 : ◆SEOMSVVqUg :2008/10/26(日) 16:33:13.20 ID:P9Hfk/pq0
 
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ 


川д川「…」

川д川「ん〜…」

( ´_ゝ`)「どうした? ボーっとして」

川д川「ん? クフフ、物思いに耽ってたのよ〜」

(;´_ゝ`)「ウソつけ! どうせ呪いとか、かけてたんだろ」

川д川「あらぁ、かけて欲しいのかしら〜」

(;´_ゝ`)ノノ「うわーん!!嫌じゃー!!!」


( ´_ゝ(<   )・∴「ぶっ!!?」


(;´_ゝ(メ)「ほぅわ!!?」

( <  ;)「…っつ。何してるんだ、兄者」

(;´_ゝ(メ)「お前こそ何してんだよ! バカ!! バーカバーカ!!!」

( <  ;)「それが、人にぶつかって言うセリフか」

315 : ◆SEOMSVVqUg :2008/10/26(日) 16:34:51.41 ID:P9Hfk/pq0
 
川д川「あらぁ、弟者くんかしら〜? いらっしゃい〜」

( <  ;)「あぁ、どうも」


( <   )「それで、……これが今日の?」

川д川「えぇ〜」

川д川「貞ちゃん特製お化け屋敷〜、文化祭仕様よ〜」

( <   )「また、禍々しい雰囲気を醸し出してますね…」

( ´_ゝ`)「ふ、オレも手伝ったんだぞ」

( <   )「お前、自分のクラスはどうした」

( ´_ゝ`)「…」

( ´_ゝ`)「…」

(;´_ゝ`)「はっ!!!」

( <  ;)「忘れてたのかよ!!」

320 : ◆SEOMSVVqUg :2008/10/26(日) 16:53:43.73 ID:P9Hfk/pq0
 
川д川「うふふ〜、まぁいいじゃない〜」

川д川「二人には、最後の仕上げをお願いしたいの〜」

( ´_ゝ`)「仕上げ? お化け屋敷は完成してるはずだが?」

( <   )「…というか、他のクラスメイトは?」

( <   )「まさか、二人で作ったのか?」

( ´_ゝ`)「はっはっはっ、まさか。なぜかは知らんが、準備してると次第に一人、二人と少なくなって…」

( <   )「…」

( ´_ゝ`)「なって…」


川д川「うふふ〜」

川д川「仕上げに、ちょうど二人欲しかったの〜」

川д川「あ、大丈夫よ〜、あくまでも仮死状態だから〜」


( <   )ゞ「じゃあ、そういうことで」

(;´_ゝ`)つ「いやん! ちょっと待ってよ、弟者!!」

323 : ◆SEOMSVVqUg :2008/10/26(日) 16:57:53.31 ID:P9Hfk/pq0
 
つ< <  ;)「離せ、兄者!! オレは情より命を選ぶ!!」

(;´_ゝ`)「いや−!! そげんこと言わんで!!」


川д川「うふふ〜」

川д川「仲がいいのね〜」

川д川「ちゃぁんと、二人一緒にしてあげる〜」




(;´_ゝ`)つ< <  ;)





「いやぁぁぁぁあぁあぁああああああああああ!!!!!!」





325 : ◆SEOMSVVqUg :2008/10/26(日) 17:00:02.78 ID:P9Hfk/pq0
 
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※


「大日本エスパープロジェクト〜?」

 「そう、略してダイプロ」

 「前に言った私の友達がやってるところなの」

「ふぅん…」

 「貞子ちゃんの話をしたら是非に会ってみたいって」

「…」

 「怖い?」

「ううん〜、別に〜」


「ただ〜…」

 「ただ…?」



326 : ◆SEOMSVVqUg :2008/10/26(日) 17:02:39.72 ID:P9Hfk/pq0
 
「…」

「なんでもない〜」

 「あら、そう? 残念」

「残念〜?」

 「うふふ、なんでもないわ」

「…」



―彼女の『世界』は、空間と空間を繋げる超能力

―念じれば、どこかへと行ける

―人を遠ざけることも出来る



327 : ◆SEOMSVVqUg :2008/10/26(日) 17:03:45.36 ID:P9Hfk/pq0
 

―でも、今は

―この人の近くにいたいと思っていた



「ヤな感じ〜…」




番外編第二話了

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