- 335 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 22:51:23.16 ID:/JHnIuoH0
エスパークス、エスタークじゃねぇのかよ!
という人のための登場人物紹介
川- -)
(*- -)
(*゚v゚) kids
(-ゝ-)
(・< ・)
(・A・)
- 336 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 22:52:22.40 ID:/JHnIuoH0
―その日
(*- -) 姉妹は、初めて顔を合わせ (*゚v゚)
(-ゝ-)兄弟は、いつものように流石を求め(・<
・)
(・A・) 男の子と女の子は、ヒミツの場所で出会った
川- -)
そう
これは、今から10年前のお話
- 338 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 22:52:56.30 ID:/JHnIuoH0
川 ゚ -゚)エスパークーのようです
−番外編第一話:10−
- 341 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 22:54:57.41 ID:/JHnIuoH0
(*- -)「……」
ここはどこだろう
さっぱり分からない
随分と遠くまで来た気がする
車椅子の自分が 遠く といっても、たがが知れているだろうが
元よりほとんど外出しない私にとって
外界は未知の場所といっても、過言ではない
詰まるところ、私は迷子になっていた
あぁ、なんでこんなことになったんだろう…
- 343 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 22:56:35.67 ID:/JHnIuoH0
※
(*゚v゚)「Hi! My name is TWO!」
(*- -)「…」
開口一番、彼女はフレンドリーに握手を求めてきた
見えはしないが、大体分かる
“色視”を使わなくとも、雰囲気で察することが出来る
そうやって人の“顔色”を伺いながら生きてきた
苦笑いしながら、手を差し出す
- 344 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 22:57:27.06 ID:/JHnIuoH0
(*゚v゚)「〜〜! 〜〜♪」
ぎゅっと握手を交わす
痛い
が、彼女は喜んでるようだ
綺麗な声
外国の言葉というのが、また神秘的だ
彼女は私の姉、…らしい
名前は『つー』
ずっとアメリカに住んでいて、今回研修で日本にやって来た
ほんの一週間程度だが、こちらに滞在するようだ
- 345 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 22:58:42.27 ID:/JHnIuoH0
(*゚v゚)「〜〜〜♪」
まだ喋ってる
適当に相槌を打って、笑顔を作る
うるさいぐらい元気な人だな
私の彼女に対する第一印象は、こんな感じだった
実の姉と対面するのは初めてだが、私はちっとも嬉しくなかった
- 347 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 22:59:40.93 ID:/JHnIuoH0
※
(*- -)、「はぁ…」
正に途方に暮れる
どうすればいいんだろう
ちょっと泣きたくなってきた
人に道を聞けばいいのだが、外の人は怖くてそれが出来ない
施設内の人間としか話したことがないのだ
声を掛けてもらえれば話せるかもしれないが、私から話しかける勇気はなかった
- 348 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 23:01:28.10 ID:/JHnIuoH0
そんな時、誰かが近づいてくるのが分かった
二人のようだ
一人が私に声を掛けてきた
「その車、くれ…!!」
- 350 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 23:03:22.24 ID:/JHnIuoH0
※
(;- -)「はぁ…はぁ…」
必死に車椅子を漕ぐ
胸が苦しい、顔が熱い
でも、止まれない
さっきの二人組は私から車椅子を奪おうとしている
なんで?
考えても分からない
ただ、身の危険を感じて逃げる
- 353 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 23:05:15.35 ID:/JHnIuoH0
―ガッ
“何か”に引っかかって急に車輪が止まる
私は勢いを殺せず、前へ投げ出された
(メ- -)「……かはっ」
全身に衝撃が走る
痛い 痛い 痛い 痛い 痛い
なんで? 何に転んだ?
引っかかるというより“何か”が絡まったような感じだった
いや、そんなことより早く逃げないと…
- 357 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 23:09:22.60 ID:/JHnIuoH0
混濁する意識の中で、何かを一生懸命考えていた
それは何だったのかは、もう分からない
私の意識はぐちゃぐちゃなまま、地面に滲みむように落ちていった
―――
――
―
- 358 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 23:10:17.86 ID:/JHnIuoH0
※
―時間は少し遡る
ラウンジ山の麓を歩く人影が一つ
人影の“人の方”は幼い頃の兄者
足取り軽く、山の麓のヒミツ基地へと向かっていた
(-ゝ-)「オーレーは兄者♪ ガキ大将〜♪」
( < )「いや、どっちらかというと下っ端でしょ?」
(-ゝ-)「なんだとー、弟者」
(-ゝ-)「弟者のくせに、なまいきだぞー!」
( < )「ジャイアン乙」
- 360 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 23:11:14.16 ID:/JHnIuoH0
“影の方”は弟者
軽口を叩きながらも、しっかりと兄者の手を握り
彼の影に寄り添うようにして歩いていた
(-ゝ-)「おぉ! 見えてきたぞ、我れが基地が!」
( < )「相変わらずのボロ小屋だけどね」
(-ゝ-)「何を言うか! だが、それがいい」
( < )「花の慶次乙」
- 364 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 23:15:57.69 ID:/JHnIuoH0
彼らはそのボロ小屋で暮らしていた
物心付いた頃には、すでに二人きりだった
施設に保護されたことは何度かあった
しかし、その度に問題を起こして、最終的には脱走した
大人の助け無しで生きていくには、あまりにも厳しい世の中だったが
二人には『不思議な力』があった
(-ゝ-)「さて、……ん?」
( < )「どうした、兄者?」
(-ゝ-)「……」
(-ゝ-)「あそこ、女の子がいる」
( < )「女の子?」
- 367 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 23:18:34.75 ID:/JHnIuoH0
―視線を移す
―そこには、顔を埋めて泣いてる女の子が一人
川 )「ぐっす……ひっぐ…」
川 )「…ひっ…ひっ………」
川 )「ひっく……ぐす……」
(-ゝ-)「泣いてるぞ…」
(;-ゝ-)「ど、どうする? 弟者?」
( < ;)「いや……どうする、って言われても…」
- 369 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 23:21:46.08 ID:/JHnIuoH0
(-ゝ-)「これはフラグかもしれんぞ」
(-ゝ-)「…弟者」
( < )「だから、なんでボクなんだよ」
( < )「大体、ボク透明なままだし」
(;-ゝ-)「っうぇ。じゃあ、オレなのか?」
( < )「頑張れ、兄者」
( < )「可愛いかもしれないよ。顔は見えないけど」
(-ゝ-)「…そうか、そうだな。お兄ちゃん、頑張る!」
( < )「キメェ」
- 370 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 23:23:38.71 ID:/JHnIuoH0
(-ゝ-) ドキドキ
( < )「早く行きなよ」
(-ゝ-)「いや、ちょっと心の準備がだな…」
( < )「…もう10分以上経つよ」
(-ゝ-)「…ぃよし!! 行くぞ!!」
川 )「………ひっ…ひぐっ…」
川- -)「…………だぁれ……?」
(;-ゝ-)「…!!」
( < ;)「…バレた!?」
- 371 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 23:24:57.91 ID:/JHnIuoH0
―ガサッ
(・A・)「……お、お前こそ、だれだよ」
(-ゝ-)「!?」
(-ゝ-)「はぁ!? 誰だ、あいつ!?」
( < )「バカっ、兄者隠れて…!!」
-ゝ-))「ムギュー!!」
- 373 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 23:26:15.95 ID:/JHnIuoH0
< )「…」
< )「あれは…。最近、基地の近くによく来てるヤツだね」
ゝ-)「なんだ、あいつ!! オレのタゲだぞ!!」
< )「…」
< )「しっ。黙ってて、兄者」
ゝ-)「…むぅ」
- 374 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 23:27:28.95 ID:/JHnIuoH0
川- -)「…」
(;・A・)「く、暗いね」
川- -)「……よく言われる」
(;・A・)「あ、いや、空、そらそらそら!」
川- -)「…あ、ごめん」
(;・A・)「今日は、く、くもってるなー」
川- -)「…うん」
(・A・)「…」
川- -)「…」
ゝ-)「なんか、いいフインキだぞ!!」
< )「そうかな…?」
- 377 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 23:30:05.17 ID:/JHnIuoH0
ゝ-)「うぬぬぬ、おのれ〜」
< )「…男の嫉妬は醜いよ」
ゝ-)「うるさい!」
< )「…」
< )「じゃあ……邪魔、しちゃう?」
ゝ-)「!」
ゝ-)「弟者、お前…」
< )「いや、楽しそうだなーって」
ゝ-)「…」
< )「…」
ゝ-)「流石だな!」
< )「だね!」
- 379 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 23:31:20.31 ID:/JHnIuoH0
ゝ-)「で、どうする?」
< )「それじゃあ、まずボクから行く」
< )「最初に、声だけで脅かしてみるよ」
ゝ-)「その後に、オレだな」
< )「うん」
< )「思い切りやっちゃって、いいんじゃないかな」
ゝ-)「うひひひひひwww お主もワルよのう」
< )「…別に」
ゝ-)「…」
< )「…」
ゝ-)「そこはノれよ」
- 381 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 23:34:31.94 ID:/JHnIuoH0
ゝ-)「やるか…」
< )「うん」
< )「じゃあ、行く―――」
―弟者が飛び出そうとした、その時
リдリ「ぬばぁ」
― 二人の目の前に、化け物が現れた
(;-ゝ-)「ほぎゃああああああああ!!!!!」(
< ;)
- 383 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 23:35:59.76 ID:/JHnIuoH0
リдリ「……」
リд リ「…」
リ дリ「…」
リдリ「また、変なとこに出ちゃった〜…」
リдリ「…」
リдリ「あれ? さっき誰かいたような〜…」
リдリ「また、私を見て逃げたのかな…」
リдリ「…」
リдリ「帰らないと〜…」
- 388 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 23:46:34.48 ID:/JHnIuoH0
(・A・)「…」
川- -)「…」
(・A・)「…(今、何か悲鳴が聞こえたような…)」
川- -)「…」
(・A・)「あ」
川- -)「…?」
(・A・)「いや、なんでもない」
川- -)「…そう」
(;・A・)「(か、帰りたい)」
- 392 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 23:56:52.59 ID:/JHnIuoH0
※
山道を駆け下り、田舎道を突っ切り、ひたすら走る流石兄弟
二人とも“何か”から逃げるように、走り続けていた
―ダダダダダダッ
(;-ゝ-)「ひぃひぃ」
(; < )「ふぅふぅ」
(;-ゝ-)「…見た?」
(; < )「見た」
(;-ゝ-)「なんだ…あれ…」
(; < )「分かんない」
- 393 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 23:57:42.24 ID:/JHnIuoH0
(;-ゝ-)「ひぃひぃ……あの山にあんな化け物がいるなんて…」
(; < )「ふぅふぅ……もうあの基地は使えないね…」
(;-ゝ-)「追ってきてるか?」
(; < )「分かんない」
(;-ゝ-)「もし、追いつかれたりしらた…?」
(; < )「……たべられる、とか…」
(;-ゝ-)「やだああああああああ!!!!」(;
< )
- 394 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 23:58:24.63 ID:/JHnIuoH0
―ダダダダダダダダッ
(;-ゝ-)「ひぃひぃ」
(; < )「ふぅふぅ」
(;-ゝ-)「ん?」
(-ゝ-)「待て、ストップ」
(; < )「はぁはぁ……どうしたの…?」
(-ゝ-)「あれ…」
( < )「…?」
- 395 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 23:59:32.52 ID:/JHnIuoH0
(*- -)、「はぁ…」
( < )「…女の子?」
(-ゝ-)「ちげーよ!! あれ!! あの車輪が付いてるヤツ!!」
( < )「車輪、って」
( < )「…車椅子?」
(-ゝ-)「そう、それだ!!」
( < )「え? 何が?」
(-ゝ-)「“車”なんだろ!?
あれがあれば、走るより早く逃げれる!!」
( < )「え」
- 397 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/11(日) 00:00:25.68 ID:i2FlCDyL0
( < )「そうなの…?」
(-ゝ-)「走るよりマシだろ!!」
( < )「違うと思うけど…」
(-ゝ-)「あの化け物に食べられてもいいのかよ!!」
( < )「うっ……」
(-ゝ-)「やるぞ…」
( < )「―分かった」
「その車、くれ…!!」
- 400 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/11(日) 00:02:18.89 ID:i2FlCDyL0
※
―ダダダダッ
(-ゝ-;)「まさか逃げるとは…」
( < ;)「…いきなり“くれ”は、ないよ」
(-ゝ-;)「そうか?」
( < ;)「うん」
(-ゝ-;)「…げふぅげふぅ」
( < ;)「…はぁはぁ」
(-ゝ-;)「もう、走れない」
( < ;)「……ボクも限界…」
- 401 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/11(日) 00:02:59.02 ID:i2FlCDyL0
(-ゝ-;)「…もういい、“あれ”で捕まえる」
( < ;)「…」
( < ;)「…兄者、上手く使えないでしょ?」
(-ゝ-;)「諦めたら、そこで試合終了ですよ」
( < ;)「…走るの諦めてるじゃん」
- 402 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/11(日) 00:03:49.65 ID:i2FlCDyL0
(- -;)「はぁはぁ…!!」
―ギュルン!!
―“何か”が、車椅子の車輪に絡まる
―しっかりと巻きついた“それ”は車椅子を急停車させた
Σ(- -*)「――っ!?」
―ガッ
(メ- -)「……かはっ」
- 404 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/11(日) 00:05:26.46 ID:i2FlCDyL0
(-ゝ-)「やったぞ! 弟者!!」
( < )「珍しい…」
(-ゝ-)「さぁ、車椅子をもらうぞ!」
( < )「…」
(-ゝ-)「どうした…?」
( < )「ボク達、悪役みたいだね」
(-ゝ-)「…」
( < )「これは、あんまり“流石”じゃないね」
(-ゝ-)「…」
( < )「…」
- 405 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/11(日) 00:07:36.05 ID:i2FlCDyL0
(-ゝ-)「…」
( < )「…」
(-ゝ-)「そんなん知るか! オレは自分が可愛い!!」
( < )「…」
( < )「…“流石”だね」
- 407 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/11(日) 00:09:09.21 ID:i2FlCDyL0
(-ゝ-)「そういうわけで、オレはこの車椅子で逃げるぜ!!」
( < )「…」
(-ゝ-)「化け物に食われるなんて、まっぴらゴメンだからな!!」
( < )「…」
( < )「…死亡フラグの匂いが……」
「―あぁ、死んでもらうぜ」
- 408 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/11(日) 00:10:09.52 ID:i2FlCDyL0
―ムンズッ
(, Д )m
/ (-ゝ-)「…!!」
( < ;)「兄者…!!!」
そこに現れたのは、一人の少年
少年は兄者の首根っこを掴むと、高く吊るし上げた
- 409 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/11(日) 00:11:08.23 ID:i2FlCDyL0
(, Д )「よくもまぁ、やってくれたもんだ」
(;-ゝ-)「むぐっ…」
(, Д )「…」
(, Д )「“ウチの”に手を出して、ただで済むと思うなよ」
(;-ゝ-)「…むぅ」
(, Д )「…」
(;-ゝ-)「…こ、の!!」
吊るし上げられた兄者が反撃に移る
しぃの車椅子に絡みついた“何か”が、少年の手首を締め上げる
(, Д )「!?」
- 410 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/11(日) 00:12:07.16 ID:i2FlCDyL0
(, Д )「ぐっ…!!」
少年の手の力が緩み、兄者は解放される
それと同時に、日が沈みきり、黄昏が夜へと移り変わる
―シュオオオオオオ
( ゝ )「―!」
( ゝ )「…」
(・< ・)「日が、暮れちゃったね」
- 413 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/11(日) 00:14:54.99 ID:i2FlCDyL0
(, Д )「…?」
(, Д )「…なんだ? さっきのヤツはどこに行った?」
(, Д )「それにお前は…」
(, Д )「…」
(, Д )「さっきのといい、“お前ら”もしかして“エスパー”か?」
( ゝ )「え、何?」
(・< ・)「エスパー?」
- 417 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/11(日) 00:21:08.71 ID:i2FlCDyL0
(, Д )「…」
(, Д )「…やっぱ、“いる”な。消えてるわけじゃねぇ」
(・< ・)「…!」
( ゝ )「ズルっ…!」
(, Д )「ズルくて結構」
(, Д )「…」
(, Д )「んなことより、だ」
(, Д )「――ガキ共、お仕置きの時間だ」
- 419 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/11(日) 00:24:07.57 ID:i2FlCDyL0
※
(メ- -)「…う…んっ」
―ガッ!
(メ- -))「―っ!!」
意識を取り戻すと同時に、私は再び衝撃に襲われた
- 421 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/11(日) 00:25:21.74 ID:i2FlCDyL0
(*;v;)「〜〜〜!!!」
思わず身が強張るが、何のことはない
つーが泣きながら私を抱き締めていた
だから、痛いって
(メ- -)「…」
あの二人組みはどうしたのだろう…
車椅子を欲してたが、それは今、私が腰掛けている
この人が座らせてくれたのだろうか
(メ- -)「…」
- 422 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/11(日) 00:27:03.08 ID:i2FlCDyL0
すごく怖かった
知らない場所で、知らない人に襲われた
今、思い出しても身体が震える
…
でも、その恐怖はこの人が取り払ってくれたみたいだ
安心感からか、思わず涙が出た
(メ; ;)「…!!」
その後は、わんわん泣いた
つーも泣いていたので、二人で泣いた
泣いて、泣いて、泣いて、また泣いて
そうしたら、ちょっぴり気持ちが晴れた気がした
- 427 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/11(日) 00:29:45.01 ID:i2FlCDyL0
(*;v;)「〜〜〜!!!」
つーはまだ泣いていた
泣きながら何か言っている
こんなことなら、ちゃんと英語を勉強しておけば良かった
(*- -)「…」
(*- -)「…よしよし」
(*;v;)「〜、〜〜」
つーの頭を優しく撫でる
これじゃ、どっちが上か分からない
- 428 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/11(日) 00:31:00.28 ID:i2FlCDyL0
(*- -)「…」
―この人はいい人だ
それは最初から分かっていた
でも、いきなり『お姉ちゃん』だと紹介され
訳の分からない言葉で馴れ馴れしく接してくる人を、正直好きになれなかった
それは、たぶん嫉妬
同じ姉妹なのに、あまりに違う
それが悔しくて、そんな自分が惨めで、……堪らなかった
- 434 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/11(日) 00:44:50.31 ID:i2FlCDyL0
いらいらしていた私は、話かけてきた彼女を突き飛ばしてしまった
彼女は体勢を崩したままテーブルに突っ込んだ
場の空気が、変わる
私は、衝動的に飛び出した
でも、彼女は
私を助けてくれた
私の無事を喜んでくれた
―何より、一緒に泣くことができた
言葉も通じない異国育ちの彼女を、誰より身近に感じた
私と変わらないな、と少し頬が緩んだ
同じ匂いを感じさせる彼女の抱擁は、心地よかった
…少し、力強いが
- 435 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/11(日) 00:48:49.39 ID:i2FlCDyL0
(*- -)「…」
(*- -)「“お姉ちゃん”」
(*- -)「…ありがとう」
通じるわけはないと思いつつも、日本語でお礼を言う
こっちの方が気持ちが伝わる気がした
そんな意図を汲み取ってくれたのか
“お姉ちゃん”は (*^v^)『Hi♪』 と笑顔で答えてくれた
- 437 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/11(日) 00:50:35.50 ID:i2FlCDyL0
―その後の一週間、私は“お姉ちゃんのお守り”という地獄を味わうことになるのだが
―その分、お姉ちゃんのことがよく分かったので良しとする
― 一週間後
―また会う約束とこっそりメールアドレスの交換をして、お姉ちゃんと別れる
―『ニホンゴ、勉強する』と、言っていたが本当かどうかは分からない
―今度会うときは、私から抱きしめてやろうと思う
― …
― …無理かもしれないけど
- 439 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/11(日) 00:53:28.14 ID:i2FlCDyL0
※
―夜道に怪しげな影が一つ
―その頭には大きなたんこぶを、こさえている
⌒
(・< ・)「痛い…」
⌒
( ゝ )「…いてぇ」
⌒
(・< ・)「…強かったね、あの人」
⌒
( ゝ )「…あぁ」
⌒
(・< ・)「…『流石』、だったね」
⌒
( ゝ )「……そうかもな」
- 440 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/11(日) 00:54:28.46 ID:i2FlCDyL0
⌒
(・< ・)「化け物はどこに行ったんだろうね」
⌒
( ゝ )「ラウンジ山にいるんじゃね?」
⌒
(・< ・)「…新しい寝床、探さないとね」
⌒
( ゝ )「…あぁ」
⌒
(・< ・)「…」
⌒
( ゝ )「…」
⌒
(・< ・)「…」
⌒
( ゝ )「いてぇ」
- 442 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/11(日) 00:58:27.18 ID:i2FlCDyL0
―数年後、流石兄弟は少年に再び戦いを挑む
―結果は、悲惨なもので、またこてんぱんに負けてしまう
―ただ
―この戦いで兄弟は“あること”を確信する
『この人は、“流石”だ』
―その後、兄弟は少年に弟子入りを申し込むのだが
―それはまた、別のお話
番外編第一話了
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