- 6 :
◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
17:22:33.68 ID:DCgHWcJk0
-
エスパークス、エスタークじゃねぇのかよ!
という人のための登場人物紹介
川 ゚ -゚) エスパー女子高生。物を呼び寄せる超能力
('A`) クーの幼馴染。雷を操る超能力
(,,゚Д゚) 直情ダメ人間。超脚力の超能力
(#゚;;-゚) スラム街で出会った少女。しゃべれないが、テレパシー能力持ち
( ´_ゝ`) 変態兄。夜間だけ透明人間
(´<_` ) 変態弟。日中だけ透明人間
( ФωФ) 県知事。元『最強』エスパーで氷を操る
( ・∀・) ダイプロ補佐。テレパシー能力
(*゚∀゚) 米国籍のしぃの姉。重力を操る
(*-ー-) 身体が不自由。人の内面の色を視る
- 10 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
17:26:01.73 ID:DCgHWcJk0
-
从'ー'从 アイドル。嫌でも人目を惹いてしまう
( ∵) 悪魔人形。クーの鞄のキーホルダー
川д川 オカ女。空間を構築、接続する能力
( ´∀`) ダイプロ主任。一般人
从 ゚∀从 ダイプロ書記長。現在、中身は母親の方
(゚、゚トソン ロマネスクの秘書
(´・_ゝ・`) ダイプロ一般職員。犬になった人
爪゚ー゚) 爪゚∀゚) 爪゚A゚) ダイプロ一般職員s
フ ´Д`)ク 米国副大統領。実在の人物とは関係ありません
- 16 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
17:29:28.77 ID:DCgHWcJk0
-
(‘_L’) アメリカエスパー施設エスパゴン主任。一般人
(’e’) エスパゴン『フォー・オブ・ア・カインド』の一人。別名:聖杯
ミセ*゚ー゚)リ エスパゴン『フォー・オブ・ア・カインド』の一人。別名:ソードクィーン
( ´ー`) エスパゴン『フォー・オブ・ア・カインド』の一人。別名:ペイジオブペンタクル
( ゚パ) 大陸のスパイ。はわわ、操られちゃいました
(゚-;;゚#) エスパゴン『本当のジョーカー』。その能力は未知数
- 17 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
17:32:29.11 ID:DCgHWcJk0
-
::( Aメ;)「…がふっ」
―VIP総合病院前
―ドクオの血が、雨に滲んで地面に流れる
川;゚ -゚)「…ドクオ!! お前、なんで…!!」
( Aメ;)「…」
( Aメ;)「っう…」
( Aメ;)「…クー、無事か?」
川;゚ -゚)「あぁ、無事だ」
( Aメ;)「そうか……、へへ、良かった」
( Aメ;)「……あ、そうだ」
( Aメ;)「お前、記憶……戻ったんだよな?」
川;゚ -゚)「あ、あぁ、そうだよ、戻った!」
川;゚ -゚)「だから、もうしゃべるな…!!」
- 19 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
17:34:31.33 ID:DCgHWcJk0
-
( Aメ;)「…フヒッ」
( Aメ;)「フヒヒヒヒヒヒッw」
( Aメ;)「…やりゃぁ、出来るじゃんかよ、オレ」
( Aメ;)「クー…」
川;゚ -゚)「なんだ…!?」
( Aメ;)「ごめん…」
( Aメ;)「色々と迷惑かけた……」
川;゚ -゚)「そんなことはない!
いいから、じっとしてろ!!」
( Aメ;)「オレは、さ…」
( Aメ;)「自分が怖かった…」
( Aメ;)「クーが、怖かった……」
川;゚ -゚)「…」
- 21 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
17:36:06.05 ID:DCgHWcJk0
-
( Aメ;)「でも」
( Aメ;)「……案外、どうにかなるもんだな」
( Aメ;)「………幸運の女神さまの言うとおりだぜ」
川;゚ -゚)「…ドクオ?」
( Aメ;)「……ごほっ!!」
( Aメ;)「…ゼェゼェ」
( Aメ;)「…ちっと、休む」
( Aメ;)「…………ホント、ごめんな」
( Aメ;)「クー…」
( Aメ;)「――………」
川;゚ -゚)「ドクオ!? おい、ドクオ!!?」
- 23 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
17:38:03.11 ID:DCgHWcJk0
-
( Aメ;)「………」
川;゚ -゚)「いやだ!! 嘘だろ!!?」
川;゚ -゚)「返事をしろっ!! 目を覚ませ!!!」
川;゚ -゚)「せっかく、せっかく本当に会えたのに…!!」
川; - )「ドクオォォォォォォッ!!!」
(`ー´##)『…カッw』
(`ー´##)『ヒャハハハハハハハハハハッwww』
(`ー´##)『男のほうは死んじゃねーノ!?』
(`ー´##)『死んだなぁ? 致命傷だもんなぁ』
(`ー´##)『安心しろよ、すぐに一緒にさせてやるからよぉぉぉぉぉ!!!』
川 - )「……」
- 26 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
17:40:10.13 ID:DCgHWcJk0
-
(`ー´##)『…――死ねぇ!!』
―シラネーヨがクーに意識を向ける
―彼の能力は、“望む空間に球体状の力場を生み出すこと”
―クーの心臓部分に照準を絞り、放つ
バッツン!!!
(`ー´##)『ヒャハッw』
(`ー´##)『死んだ!! 死んだんじゃねーノ!?
ラストナンバー、最強のエスパーってやつがよぉ!?』
(`ー´##)『ヒャハ、ヒャハハハハハハハハハハッ!!!!』
- 28 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
17:43:12.36 ID:DCgHWcJk0
-
川 - )「…」
川 - )「うるさい」
(`ー´##)『!?』
(`ー´##)『…なに……?』
川 - )「…」
川 - )「ドクオ、ちょっと待てくれ」
川 - )「すぐに終わらせる」
(`ー´##)『どういうことだよ!? てめーは死んだんじゃねーノ!!?』
- 35 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
17:47:00.98 ID:DCgHWcJk0
-
川 - )「うるさいと、言ったはずだが」
川 - )「…」
川 - )「久々に、心底ムカついた」
川 - )「…こういうことを言う柄じゃないが」
川 - ) スゥ…
川#゚ -゚)「…―――お前は、私が、ぶっ殺すっ!!!!!!!」
- 36 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
17:47:56.91 ID:DCgHWcJk0
-
川 ゚ -゚)エスパークーのようです
−第三十八話:譲れないモノ(前編)−
- 41 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
17:50:25.18 ID:DCgHWcJk0
-
―エスパゴン、地下
w( ・∀・)w「一丁あがり、ってな」
(;メメ パ)「……グゥゥゥゥ」
w( ・∀・)w「無理すんなよ」
w( ・∀・)w「頑張ったほうじゃねーの?」
w( ・∀・)w「まぁ、オレ様が強すぎたんだけどなー!!
あーはっはっはっはっはっ!!」
(;メメ パ)「……ガァァァァァァァ!!!」
w( ・∀-)w「…はんw」
.、w( ・∀・(;メメ パ)「…―――!!」
w( ・∀・ 「寝てろ」
- 44 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
17:52:31.65 ID:DCgHWcJk0
-
ドゴォッ!!
(;メメ パ)・∴
w( ・∀・)つ)
(;メメ パ)「……ガッ…ァ」
(;メメ パ)「………ァ」
( メメ ハ )「…」 ガクッ
w( ・∀・)w「はっ、歯応えがねーな」
(;-ー-)「あんた、強いのね…」
(;-ー-)「ものすっごく意外だわ…」
w( ・∀・)w「ひでーな、おい」
w( ・∀・)w「ま、こいつの身体の限界ギリギリまで使ってるからな」
w( ・∀・)w「あんまりやりすぎると、クーのときみたいに燃料切れちまうけどよ」
(*-ー-)「へぇ…」
- 48 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
17:54:06.52 ID:DCgHWcJk0
-
w( ・∀・)w「…」
(*-ー-)「…」
w( ・∀・)w「…」
(*-ー-)「…」
w( ・∀・)w「なんだよ」
(*-ー-)「いや、いつまでその格好でいるのかな、と」
w( ・∀・)w「…」
w( ・∀・)w「へっ」
w( ・∀・)w「そりゃ、もちろん…」
バサッ!!
爪( ・∀・)w爪「しばらく借りるに決まってんだろうがよ!!!」
(;-ー-)「あ、こらっ!!」
- 50 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
17:58:31.98 ID:DCgHWcJk0
-
w( ・∀・)w「ふひゃははははははっ!!」
w( ・∀・)w「せっかく出てきたんだ、そう簡単に戻るかよ!!!」
w( ・∀・)w「できれば、女の身体が良かったけどなぁ!!
ひゃはっ!!」
(;-ー-)「この腐れ悪魔…!!」
w( ・∀・)w「褒め言葉だねぇ!!」
w( ・∀・)w「ヤーイヤーイ、鬼さんこちらー、ここまでおいでー」
(;-ー-)「ぐぅ…」
(;-ー-)「降りてきなさい!!」
w( ・∀・)w「やーなこった、誰が降りるか」
w( ・∀・)w「悔しかったら、撃ち落してみろよ」
(;-ー-)「この……!!」
- 54 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
18:01:51.01 ID:DCgHWcJk0
-
(*-∀-)「…鬼さん……?」
(*-∀-)「むにゃ…、……待つでー…す」
w( ・∀・)w「は?」
ズンッ!!!
w<< ;・∀・ >>w「ぶぐぇ!?」
グシャッァ
、. ・,。., 「ぷぎゃぁ」
(;-ー-)「うわっ…」
(;-ー-)「…」
(;-ー-)「ビコーズ、というか、モララー補佐?
大丈夫…ですか…?」
(;-ー-)「大丈夫……、じゃないわね、これ」
- 56 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
18:04:37.12 ID:DCgHWcJk0
-
(*゚∀⊂)「…ふぁ」
(*-∀゚)「んー……」
(*゚∀゚)「オゥ、C。グッモーニング」
(;-ー-)「あぁ、お姉ちゃん、起きたのね」
(*゚∀゚)「寝たらリフレッシュしたでーす」
(*゚∀゚)「C! あのハナゲどこですか!?」
(*-ー-)「鼻毛…? あぁ、さっきの人ね」
(*-ー-)「もう戦闘不能って感じよ」
(*゚∀゚)「オゥマイガッ! Cがやったですか!?」
(*-ー-)「いや、私じゃないんだけど…」
(*゚∀゚)「じゃあ、モリャリャですか!?
モリャリャどこでーす」
- 59 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
18:05:35.36 ID:DCgHWcJk0
-
(*-ー-)「…あ」
(*-ー-)「お姉ちゃんの足元かな」
(*゚∀゚)「んー……?」
(*-∀-)人 チーン
(;-ー-)「殺しちゃダメだよ!? たぶん、まだ生きてるから!!」
- 62 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
18:09:00.57 ID:DCgHWcJk0
-
※
( ´_ゝ`)「ん…」
( ´_ゝ`)「……ここは」
( ´_ゝ`)「…」
( ´_ゝ`)「…」
( ´_ゝ`)「…」
( ´_ゝ`)「天国、…か」
(Фω□≡)「残念だったな」
(;´_ゝ`)「みぎゃああああああ!!?」
(;´_ゝ`)「ば、化け物!!?」
- 64 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
18:10:24.14 ID:DCgHWcJk0
-
(Фω□≡)「化け物とは失礼な」
(Фω□≡)「雇い主の顔すら忘れたか?」
( ´_ゝ`)「…」
( ´_ゝ`)「雇い主…?」
( ´_ゝ`)「まさか、……ロマネスクさん?」
(Фω□≡)「正解だ」
( ´_ゝ`)「…なんで、またそんな酷い面で」
(Фω□≡)「名誉の負傷というヤツだ」
(Фω□≡)「それより、ギコは?」
( ´_ゝ`)「中に」
( ´_ゝ`)「門番がいたんで、オレら二人で足止めを……」
(;´_ゝ`)「って、あれ!? あの子!?
いや、パンツは!?」
(;´_ゝ`)「ロマネスクさん、パンツ!
パンツちゃん、見ませんでした!?」
(Фω□≡)「何を言ってるんだ、お前は」
- 66 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
18:13:03.75 ID:DCgHWcJk0
-
(;´_ゝ`)「あ、いや……、あのここにゴスロリパンツの女の子二人組がいませんでしたか?」
(Фω□≡)「あぁ…、女なら逃げたぞ」
(;´_ゝ`)「逃げた!? なんで…!?」
(Фω□≡)「なんで、と言われてもな」
(Фω□≡)「逃げたもんはしょうがないだろう」
(Фω□≡)「ハN;゚ -゚)リ『覚えてろよ!!
てか、スカートは返して!!』 とか言ってたな」
(;´_ゝ`)「なんてことを……、貴重なパンツが…」
(Фω□≡)「…」
(Фω□≡)「弟者はどうした?」
( ´_ゝ`)「へ?」
(Фω□≡)「弟者だ、お前の弟の」
(Фω□≡)「一緒にいるんじゃないのか?」
- 70 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
18:14:42.10 ID:DCgHWcJk0
-
( ´_ゝ`)「…」
( ´_ゝ`)「あ」
( ´_ゝ`)「あーぁ」ハァ…
∴・( ´_(┗┐( < #)「あーぁ、じゃねーよ、このボケっ」
(;´_ゞ`)「ぶべっ!?」
(;´_ゞ`)「て、敵襲!!?」
( < #)「寝ぼけてんな、カス」
( ´_ゝ`)「お、弟者。無事だったのか」
( < #)「無事じゃねーよ!!」
( < #)「誰かさんのせいで、死にかけたよ!!」
( ´_ゝ`)「ピンピンしてるじゃないか」
( < #)「見えないだけで、ボロボロだっつーの!!」
- 74 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
18:16:45.34 ID:DCgHWcJk0
-
(Фω□≡)「弟者、いたのか」
( < )「…ん?」
( < ;)「ひぃぃ!?」
(Фω□≡)「……ロマネスクね」
( < )「…あ、あぁ、ロマネスクさんでしたか」
(Фω□≡)「(なんだかんだ言っても兄弟だな…)」
(Фω□≡)「ここにお前がいるということは、ギコは一人で中に入ったのか?」
( < )「いえ」
( < )「子供と一緒です」
(Фω□≡)「子供?」
( < )「はい」
( ´_ゝ`)「髪がぼっさぼっさで、言葉がしゃべれなくて、でも、何か見たことあるような顔で」
( < )「エスパゴンが家だと言ってました」
- 80 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
18:20:19.62 ID:DCgHWcJk0
-
(Фω□≡)「ここが……、家?」
(Фω□;)「……それは敵じゃないのか?」
( ´_ゝ`)「いや、何か協力的でしたよ」
(Фω□;)「…おい、弟者」
( < )「ここまで来れたのは、そいつのお陰なのは事実ですね」
(Фω□≡)「…」
(Фω□≡)「そうか…、まぁ、入れば分かるか」
(Фω□≡)「私たちも行こう」
(Фω□≡)「ギコ一人では不安だ」
( ´_ゝ`)「へぃ!」
( < )「…ぐ……痛っ」
( < )「兄者、肩を貸してくれないか」
( ´_ゝ`)「え、ヤダ」
( ´_ゝ`)「頑張って歩け」
( < #)「誰のせいでこうなったと思ってるんだよ!!」
- 83 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
18:22:11.07 ID:DCgHWcJk0
-
(Фω□≡)「…」
(Фω□≡)「そういえば、モララーくんたちを見たか?」
( < )「…いえ?」
( < )「こちらに来てるんですか?」
(Фω□≡)「あぁ」
(Фω□≡)「見てないならいい」
(Фω□≡)「(……しぃのこともある、急がないとな)」
( ´_ゝ`)「なぁ、弟者」
( < )「なんだよ」
( ´_ゝ`)「おんぶ」
( < #)「ふざけんな!!」
- 89 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
18:26:07.16 ID:DCgHWcJk0
-
※
―エスパゴン、研究室
ミ;,゚Д-彡「ぐっ…」
(;,゚Д゚) …バラッ
(’e’)「おや、戦意喪失ですか?」
(’e’)「情けない」
(;,゚Д゚)「…うるせぇ!!」
(’e’)「ふふっ、まぁ、仕方のないことです」
(’e’)「格の違い、というものを理解して頂けたでしょうか?」
(;,゚Д゚)「…っ」
- 92 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
18:28:44.66 ID:DCgHWcJk0
-
(゚-;;゚#)「…」
(;,゚Д゚)「…」
(;,゚Д゚)「(あの面、あの身体……)」
(;,゚Д゚)「(まんまチビ助と一緒だ)」
(;,゚Д゚)「(Dの10ってことは……やっぱり……)」
(’e’)「そう、人造人間ですよ」
(;,゚Д゚)「…――!!」
(’e’)「ふふっ、便利なものでしょう?」
(’e’)「でぃには、ありとあらゆる超能力が備わっています」
(’e’)「このようなテレパスによる精神感応もその一つです」
(’e’)「人の手によって生み出された、まさに、完璧なエスパーと言えるでしょう」
- 94 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
18:32:24.78 ID:DCgHWcJk0
-
(;,゚Д゚)「人造人間だと…」
(;,゚Д゚)「そいつはつまり、ダイプロの……」
(’e’)「事情をご存知のようですね」
(’e’)「その通りです」
(’e’)「人工的にエスパーを生み出すため、高岡博士が中心となって行っていた“ナンバーズプロジェクト”」
(’e’)「その研究成果を用いて、更に研鑽を重ね、昇華させたのが、この
でぃ なのです」
(;,゚Д゚)「…っ」
- 98 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
18:34:00.91 ID:DCgHWcJk0
-
(’e’)「つまり」
(’e’)「No.5、ギコ」
(’e’)「あなたの超脚力さえも…」
(゚-;;゚#)「…」
、., キンッ
「っ!!」(;,゚Д゚)(゚-;;゚#),,
ドズンッ!!!
⊂(゚-;;゚#)= …―(;, Д゚)・∴「がはっ!?」
(;,-Д゚)「…ぐ…ぁ……!?」
(’e’)「このように」
(’e’)「寸分の違いもなく、再現可能です」
- 101 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
18:36:06.27 ID:DCgHWcJk0
-
(;゚;;-゚)【……あっ!!】
(゚-;;゚#)「…」 キュッ
(;゚;;-゚)【……!!】
(;゚;;-゚)⊂(゚-;;゚#) ピタッ
(’e’)「…」
(’e’)「どうかしましたか、D−00s?」
(;゚;;-゚)【……パパ】
(;゚;;-゚)【…それ虐める、ダメ】
(;,-Д゚)「(…それ呼ばわりかよ)」
(’e’)「…ほぉ」
(’e’)「随分と懐いてるようですね」
- 102 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
18:38:10.93 ID:DCgHWcJk0
-
(;゚;;-゚)【…】
(’e’)「…」
(’e’)「D−00s」
(’e’)「私のことを父親と呼ぶならば、行為で示してみせなさい」
(’e’)「その男の腕の一本でもへし折ってね」
(;゚;;-゚)【……!】
(;,-Д゚)「…ぐっ」
(;゚;;-゚)【…】
(’e’)「さぁ、どうしました? お前の力なら、そう難しいことではないでしょう」
- 106 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
18:40:43.78 ID:DCgHWcJk0
-
(;゚;;-゚)【……いや】
(’e’)「……なんと?」
(’e’)「よく聞こえませんでしたが」
(;゚;;-゚)【……いやだ】
(;゚;;-゚)【………それ、大事。壊すのいやだ】
(;,-Д゚)「……!!」
(;,-Д゚)「……チビ助」
(’e’)「やれやれ…」
(’e’)「俗世にまみれて、変な知恵をつけたようですね」
- 109 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
18:42:50.03 ID:DCgHWcJk0
-
(’e’)「でぃ」
(’e’)「……やれ」
(゚-;;゚#)「…」 コクン
(;゚;;-゚)【……っ!!】
(;゚;;-゚)⊂(゚-;;゚#) スッ…
⊂
ズ ドン!!!
:・ ・ (゚-;;゚#)
⊂
ドガシャァァァァンッ!!!!
- 116 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
18:49:27.56 ID:DCgHWcJk0
-
ガラガラッ…
(; ;;-゚)「……げっ、ふ!!!」
(;,゚Д゚)「チビ助っ!!」
(゚-;;゚#)「…」
、., キンッ
(;゚;;-゚)⊂(゚-;;゚#)「…」 ガッ!!
(;゚;; -) ギシッ
∩(゚-;;゚#)
(;゚;; -)【……ぁ、ぐっ……】
∩(゚-;;゚#)「…」 ギリギリギリ
- 115 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
18:48:29.28 ID:DCgHWcJk0
-
(#,゚Д゚)「…この野郎!!」
(゚-;;゚#)「…」
(#,゚Д゚)「離しやがれ!!!」 ダッ!!
(;゚;;-゚)【だ…め……!】
(゚-;;゚#)「……」
(- ;;゚#)「……」
【―――――…………!!!!】
イィィィィィン
(;,゚Д゚)「……――ぁぐっ!?」
(;,-Д-)「があぁぁぁぁぁぁ、頭が…!!?」
- 119 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
18:52:17.19 ID:DCgHWcJk0
-
(’e’)「まさに手も足も出ないというところですか」
(;,゚Д-)「こ、こ…れは……」
(’e’)「脳へ直接力をぶつけてるんですよ」
(’e’)「ふふふふっ」
(’e’)「下手に殴られるより効くでしょう?」
(;,゚Д-)「ぐっ……!!」
(;゚;;-゚)【…パ……パ……やめ…て】
(’e’)「…」
(’e’)「まったく…」
(’e’)「親に意見するとは…、ダメな子供を持ったものです」
- 124 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
18:54:29.70 ID:DCgHWcJk0
-
(’e’)「でぃ」
(’e’)「その廃棄物、とっとと始末しなさい」
∩(゚-;;゚#)「…」 コクッ
(;゚;;-゚)【……っ】
∩(゚-;;゚#)「…」
―同じ顔をした少女同士
― 一方は苦痛に顔を歪め、一方は表情を崩さない
―そして
キュボッ
―高く掲げられた少女が、炎に包まれた
- 128 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
18:57:00.09 ID:DCgHWcJk0
-
…ドサッ
(;,゚Д゚)「……っ!!」
(#,゚Д゚)「て、てめぇ……!!」
―助けようと、再度、飛び掛るギコ
(゚-;;゚#)「…」
ズンッ!!
((;,゚Д゚))「ぐおっ…!?」
―が、頭上から襲ってきた圧力に押さえつけられる
(;,゚Д゚)「こいつは……、つーの…!?」
- 131 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
18:58:04.04 ID:DCgHWcJk0
-
(’e’)「ふふふっ」
(’e’)「素晴らしい、実に素晴らしい」
(’e’)「どうですか、この力」
(’e’)「この能力」
(’e’)「これぞ、人類が到達すべき終着点」
(’e’)「全ては此処にあるのです」
(゚-;;゚#)「…」
(;,゚Д-)「……ぐっ」
(;,゚Д゚)「……狂ってんぞ、てめぇ…!!」
(’e’)「狂う、ですか」
(’e’)「…」
- 142 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
19:05:02.88 ID:DCgHWcJk0
-
(’e’)「狂うとは、何です?」
(’e’)「正常とは、何です?」
(’e’)「何が正しいのか、何が間違ってるのか」
(’e’)「それを判断するのは、誰でしょうか?」
(;,゚Д゚)「…」
(’e’)「それは、強者です」
(’e’)「強い者が全てを決めるのです」
(’e’)「法も、宗教も、倫理も、全てです」
(,,゚Д゚)「……何が言いたいんだよ」
(#,゚Д゚)「何がしてぇんだよ、てめぇは!!」
- 153 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
19:11:57.22 ID:DCgHWcJk0
-
(’e’)「簡単なことです」
(’e’)「私は、世界を変えたいんですよ」
(’e’)「私の、私たちエスパーの、望む世界にね」
(;,゚Д゚)「…はぁ!?」
(;,゚Д゚)「ふざけてんじゃ…」
(’e’)「しかし、でぃがいるとはいえ、人員不足でしてね」
(’e’)「そうだ、No.5」
(’e’)「私の元で働いてみませんか?
もてなしますよ」
(,,゚Д゚)「…は?」
(,,゚Д゚)「…」
(,, Д )「……っ」
(#,゚Д゚)「ざけるなぁ!!!」
- 155 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
19:13:56.18 ID:DCgHWcJk0
-
(’e’)「…やれやれ」
(゚-;;゚#)「…」
、., キンッ
「…っ!!」(;,゚Д゚) (゚-;;゚#)
ドンッ!!!
∴・(;,゚Д( 「がっ…!!」
ドガシャァンッ!!!
(’e’)「…」
(’e’)「あなたも進歩がない」
- 158 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
19:16:17.37 ID:DCgHWcJk0
-
(;,゚Д-)「ごほっ……」
(;,゚Д-)「……ふ、ふざけんなよ」
(’e’)「…ふぅ」
(’e’)「力がないというのは、悲しいですね」
(’e’)「そうは思いませんか?」
(;,゚Д-)「…」
(’e’)「今の世の中、全てを決定してるのはノーマル、一般人です」
(’e’)「我々エスパーはただの駒にしか過ぎません」
(’e’)「異端は疎まれ、ただ利用されるだけです」
(’e’)「違いますか?」
(;,゚Д-)「…」
- 162 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
19:19:41.86 ID:DCgHWcJk0
-
(’e’)「ノーマルに対抗するには、力が必要なのです」
(’e’)「全てを圧倒するような、完全な力が」
(;,゚Д-)「…」
(;,゚Д-)「……それがこいつって訳か」
(;,゚Д-)「そんなことのために、ダイプロを、ウチを襲ったっていうのかよ…」
(’e’)「そんなこと…?」
(’e’)「理解力がないですね」
(’e’)「民には、力という分かりやすい指針が必要なのです」
(’e’)「我々エスパーは、そのために存在するのです」
(’e’)「あなたもエスパーなのですから、分かるでしょう?」
- 168 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
19:21:29.92 ID:DCgHWcJk0
-
(;,゚Д-)「…」
(;, Д )「…っ」
(,, Д )「……ふっ…ざるなよ」
(,, Д )「ふざけるな、ふざけるな、ふざけるな…!!!」
(,, Д )「そんなの、分かるか!!」
(#,゚Д゚)「そんなの、誰も望んじゃいねぇんだよ!!!!」
(’e’)「私が望みます」
(’e’)「それ以上の理由は必要ありません」
(’e’)「折角、チャンスをあげたんですが…」
(’e’)「でぃ」
(’e’)「彼に引導を渡してあげなさい」
- 172 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
19:23:05.42 ID:DCgHWcJk0
-
(゚-;;゚#)「…」
―ゴォン
ミ;,゚Д゚彡「うぉ――…!?」
―闇が、空間を押し潰す
―それは
ミ,, Д 彡「――……!!」
―人を捕らえる恐怖の檻
(’e’)「残念ですよ」
(’e’)「本当にね」
(゚-;;゚#)「…」
- 176 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
19:28:18.41 ID:DCgHWcJk0
-
※
(`ー´#;)『馬鹿な!!』
(`ー´##)『死ね!! 死ねばいいんじゃねーノ!!』
バチッ!!
川 - )「…」
バチンッ!!
川 - )「…」
(`ー´#;)『……ハァ…ハァ』
(`ー´##)『ちっ…』
(`ー´##)『…』
(`ー´##)『…これが、ラストナンバーの能力か』
- 179 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
19:31:02.81 ID:DCgHWcJk0
-
川 ゚ -゚)「…」
川 ゚ -゚)「(集中すればできるものだな…)」
川 ゚ -゚)「(問題は、集中力がもつかどうかだが…)」
―シラネーヨが放つ力場
―しかし、クーには当たらない
―彼女は、その能力によって、全ての軸をずらしていた
(`ー´##)『…厄介な能力じゃねーノ』
―そこから
川 ゚ -゚)「…」
川 ゚ -゚)「…来い」
―攻撃に転じる
- 181 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
19:34:06.23 ID:DCgHWcJk0
-
(`ー´##)『……!!』
(`ー´#;)『…ぐっ』
ゴォン!!!
―大岩がシラネーヨの頭上へと降り注ぐ
―シールドによって直接当たることはないが、衝撃で骨が軋む
(`ー´#;)『…ちっ』
(`ー´##)『…めんどくせーノ』
(`ー´##)『…』
(`ー´##)『オレの能力……』
(`ー´##)『見くびってんじゃねーノ!!?』
川 ゚ -゚)「…!!」
- 183 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
19:36:18.96 ID:DCgHWcJk0
-
―掛け声とともに、シールドが膨張する
―シラネーヨはにやりと笑うと
(`ー´##)『ぶつかるんじゃねーノ!!!』
川;゚ -゚)「……っ!!」
―クーに対して突撃をかけた
ガッ!!
川;゚ -)「がはっ!!」
川;゚ -゚)「……が…ごほっ…」
(`ー´##)『…ふん』
(`ー´##)『どうやら、単発では避けられるみたいじゃねーノ?』
(`ー´##)『それなら――…』
- 185 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
19:38:05.22 ID:DCgHWcJk0
-
(`ー´##)『二箇所同時とか、いいんじゃねーノ!!?』
―シラネーヨが狙いを定める
―場所は、心臓と頭部
川;゚ -゚)「くっ…」
―相手の身体の内部に力場を作り、破裂させる
―それが彼の攻撃手段
(`ー´##)『ヒャハァ!!』
(`ー´##)『死ねっ!!!』
川;゚ -゚)「…!!!」
バッツン!!
- 188 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
19:39:52.08 ID:DCgHWcJk0
-
川; -゚)「……ぐっ!!」
―クーの肩が浅く裂ける
(`ー´##)『……?』
(`ー´##)『肩?』
(`ー´##)『狙いを見誤ったか…』
川;゚ -゚)「……はぁ、…はぁ」
(`ー´##)『ふんっ』
(`ー´##)『なら次は、三箇所じゃねーノ!?』
(`ー´##)『今度こそ、死ね!!!』
川;゚ -゚)「………!!」
川; - )「……―――――!!!」
- 189 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
19:41:39.73 ID:DCgHWcJk0
-
―頭、心臓、鳩尾
―それぞれ、獲物を内から喰らうべく牙を掲げ
、. , ヒュカッ
― 一様に空を切った
(`ー´#;)『なっ!?』
(`ー´#;)『消えた……!!?』
(`ー´#;)『どこに……』
- 193 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
19:44:22.12 ID:DCgHWcJk0
-
「―――ここだっ!!!」
(`ー´#;)『…――――!!!!』
―響く声は、シラネーヨ頭上
―巨大な岩の上にクーは立っていた
川#゚ -゚)「潰れてろぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!」
(`ー´#;)『ちぃぃぃぃぃっ!!!!』
ドゴォォォォォン!!!!
- 195 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
19:46:07.42 ID:DCgHWcJk0
-
……ゴォォォ
川;゚ -゚)「はぁっ、はぁっ、はっ……」
川;゚ -゚)「やったか…?」
川;゚ -゚)「…」
川;゚ -゚)「(自分自身の空間移動……)」
川;゚ -゚)「(土壇場とはいえ、上手くできた…)」
川;- -)「ごほっ……ごほっ…」
川;゚ -゚)「(……身体への負荷がとんでもないな)」
川;゚ -゚)「ごほっ、……でも、ドクオを早く病院に連れて行かないと」
川;゚ -゚)「まぁ、さすがに…」
―クーが大岩の底を覗き込もうとした、そのとき
- 199 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
19:48:12.67 ID:DCgHWcJk0
-
バッツン!!
:: 川;゚ ゚)「―――……ぁ」
―衝撃が彼女に襲い掛かった
川;゚ -゚)「な……に…」
―崩れ落ちる、クー
―視界の端に映る影は
(`Дメメ##)『はぁー…、はぁー…』
―シラネーヨ
- 207 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
19:57:55.21 ID:DCgHWcJk0
-
(`Дメメ##)『あぶねぇんじゃねーノ?』
(`Дメメ##)『死ぬとこだったんじゃねーノ?』
(`Дメメ##)『痛ぇよ、痛ぇよぉぉ』
(`Дメメ##)『チョコが食べたい、ケーキが食べたい、甘いものが食べたい…』
(`Дメメ##)『食わせろ…、もっと食わせろ…』
(`Дメメ##)『お前の全て、オレに食わせろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!』
川;- ゚)「……ぐっ」
川;- ゚)「この化け物……」
(`Дメメ##)『おぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!』
…――ッン!!
―――赤く、鮮血が散った
- 210 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
19:59:46.76 ID:DCgHWcJk0
-
※
(*゚∀゚)「ここですかー!!」
バァン!!
(*゚∀゚)「…んー」
(*゚∀゚)「暗くてよく見えないでーす」
(*-(*゚∀゚)「C、どうですかー?」
(*-ー-)「え…、うん」
(*-ー-)「人の気配はする…」
(*゚∀゚)「モリャリャ、どうですか?」
(メメメ)∀・)「うん、私はもう死にそうだよ」
(*゚∀゚)「だらしないでーす」
(メメメ)∀・)「誰のせい……、って」
(メメメ)∀・)「まぁ、この人形のせいなんだが」
- 213 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
20:01:36.57 ID:DCgHWcJk0
-
( ∵)『んだよ、助けてやったのはオレ様だろうが』
(メメメ)∀・)「返せと言ったはずだ」
( ∵)『あー、すまん。聞こえてなかったぜ』
(メメメ)∀・)「ウソつけ!」
「随分と、騒々しいですね」
(*-(*゚∀゚)「…!!」
(メメメ)∀・)「…!」
(’e’)「…」
(’e’)「今日は来客が多くて、嬉しい限りです」
- 216 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
20:03:53.85 ID:DCgHWcJk0
-
(*゚∀゚)「セントジョーンズ…」
(’e’)「やぁ、久しぶりですね」
(’e’)「元“ジョーカー”」
(’e’)「背中に背負ってるのはお姉さんですか」
(’e’)「役に立たないものですね、あのチャイニーズは」
(*゚∀゚)「…?」
(*゚∀゚)「…フィレンクトはどこでーす?」
(’e’)「フィレンクト?」
(’e’)「…あぁ、あの方ですか」
(’e’)「解雇しました」
(’e’)「もう用済みだったので」
- 221 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
20:06:56.31 ID:DCgHWcJk0
-
(*゚∀゚)「…」
(*゚∀゚)「…モリャリャ」
(∩メ)∀・)「なんだ? フィレンクトというと、ここの主任だな…」
ゴシゴシ
(メ ・∀・)「話の内容から察するに、今はあいつがトップか」
(*゚∀゚)「…」
(*゚∀゚)「カイコってなんですか?」
(;・∀・)「そこかよ!!!」
(;-ー-)「…さよならしたってことよ、お姉ちゃん」
(*゚∀゚)「バイバイですか?」
(*-ー-)「そう、バイバイ」
(*゚∀゚)「…」
(*゚Д゚)「なんでそんなことするですか!!!」
- 225 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
20:09:07.95 ID:DCgHWcJk0
-
(’e’)「…さっき説明したでしょう」
(*゚∀゚)「分かんないでーす!!」
(’e’)「…」
(’e’)「相変わらず、頭が弱い人ですね」
(’e’)「だからこそ、あのやっかいな“最強”との相打ちを望んだのですが…」
(’e’)「私の支配を振り切って、寝返るとは」
(’e’)「最初から最後まで扱い辛い人です」
(メ ・∀・)「…!」
(メ ・∀・)「(そうか、こいつが洗脳した張本人か…)」
(メ ・∀・)「(方法は分からないが、十中八九能力によるもの…)」
(メ ・∀・)「(気をつけないと…)」
(’e’)「無駄ですよ」
(;・∀・)「……!!」
- 229 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
20:10:55.13 ID:DCgHWcJk0
-
(’e’)「私の“盃”はいくら気をつけようと無意味です」
(’e’)「まぁ、そこに一部例外もいますがね」
(’e’)「そもそも」
(’e’)「使う必要すらありませんが」
―カツン
(゚-;;゚#)「…」
(メ ・∀・)「…!?」
(;-ー-)「…すごく、変な感じ」
(;-ー-)「お姉ちゃん、…誰なの?」
(*゚∀゚)「…」
(*゚∀゚)「知らないでーす…」
(*゚∀゚)「…でも、どこかで見たことある顔でーす」
- 231 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
20:13:37.28 ID:DCgHWcJk0
-
(’e’)「ふふっ」
(’e’)「彼女の名前は、でぃ」
(’e’)「現“ジョーカー”ですよ、元“ジョーカー”」
(’e’)「どこかで見たことがあるというのは」
(’e’)「ベースとなった素材が、あなただからでしょう」
(’e’)「言ってみれば、あなたのクローンのようなものです」
(*゚∀゚)「…!!」
(;-ー-)「…そんな」
(;・∀・)「そんな、バカな…!!」
(’e’)「そうでしょうか?」
(’e’)「あなた方の組織にも、いるそうじゃないですか?」
(’e’)「人のクローンが」
(;・∀・)「……っ」
- 234 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
20:15:36.67 ID:DCgHWcJk0
-
(’e’)「もっとも…」
(’e’)「ウチのでぃを、気まぐれで作られた子供などと一緒にしてもらっては困りますがね」
(’e’)「さて、どうしますか?」
(’e’)「私には理想があります」
(’e’)「そして、そのために世界を壊します」
(’e’)「私に従うか否か」
(’e’)「あなた方も、そこで倒れている男のように私に逆らいますか?」
(,, Д )「………」
(;・∀・)「ギコ!!!」
(;-ー-)「ギコくん…!!」
( ∵)『おいおい、情けねーな』
- 235 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
20:17:47.13 ID:DCgHWcJk0
-
(*゚∀゚)「…」
(*゚Д゚)「セントジョーンズ!! ギゴに何したですか!!!」
⊂(゚-;;゚#)「…」
―キィン!!!
(*-(*゚∀゚)「…!?」
∴・(*゚∀( 「アウチ!!?」
(;-ー-)「きゃぁ!!?」
ガシァァャン!!!
(;・∀・)「つー、しぃ!!」
(’e’)「このように」
(’e’)「抵抗が無意味だと分からせただけですよ」
- 237 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
20:20:01.90 ID:DCgHWcJk0
-
(メ ・∀・)「貴様……」
(’e’)「あなた、ダイプロの主任補佐のモララーさんですね」
(メ ・∀・)「…」
(’e’)「あなたの父親はよく存じ上げていますよ」
(’e’)「日本における超心理学の権威である
マララー氏」
(’e’)「優秀な人間でした」
(’e’)「まぁ、ノーマルにしては、ですが」
(メ ・∀・)「父親の話はやめてもらうか」
(メ ・∀・)「胸糞悪い」
(’e’)「ははっ、これは失礼しました」
(’e’)「偉大な親を持つと、苦労するものですね」
(# ・∀・)「黙れ!!!」
- 240 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
20:21:32.18 ID:DCgHWcJk0
-
(゚-;;゚#)「…」 ヒュッ!!
(;・∀・)⊂(゚-;;゚#) ピタッ
(;・∀・)「くっ…」
(’e’)「不思議ですね」
(’e’)「あなたは確か、ダイプロが再建後に入ったと思いますが?」
(’e’)「今回の件には、直接関係ないのではありませんか」
(メ ・∀・)「…ふん」
(メ ・∀・)「関係のあるなしは私が決めることだ」
(メ ・∀・)「外野からとやかく言われる筋合いはない…!」
(’e’)「そうですか」
(’e’)「…それで、あなたはどうしますか?」
(’e’)「そこらに転がってる人間よりは、頭が回るはずでしょう?」
- 248 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
20:23:59.03 ID:DCgHWcJk0
-
(メ -∀-)「ふっ…」
(メ ・∀・)「私は、ダイプロの人間だ」
(メ ・∀・)「それ以外になるつもりなど、さらさらない」
( ∵)『ひょー、カッコいいねぇ』
(メ ・∀・)「茶化すな!」
(’e’)「…なるほど」
(’e’)「残念です」
⊂(゚-;;゚#)「…」 グッ
(;-∀-)「……っ!!」
…コォォ
(Фω□≡)「凍てつけ」
- 253 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
20:26:32.44 ID:DCgHWcJk0
-
(;・∀・)「ひょっ!?」
―モララーの周囲に氷の槍が突き刺さる
(゚-;; 「…!!」
ゴキンゴキン!!!
(’e’)「おや…」
(’e’)「これはこれは」
( ´_ゝ`)「いえーい! 真打登場ー!!」
( ´_ゝ`)Vm「みんな、見てるー?」
( < )「やめろ、兄者。恥ずかしいから、マジで」
- 258 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
20:29:17.17 ID:DCgHWcJk0
-
(Фω□≡)「…」
(Фω□≡)「辿り着いたぞ」
(Фω□≡)「ようやくな」
(’e’)「おやおや」
(’e’)「今度は、“最強”の登場ですか」
(Фω□≡)「…貴様が、セントジョーンズか」
(’e’)「左様です」
(’e’)「お初にお目にかかりますね」
(Фω□≡)「…」
(Фω□≡)「全ての糸を引きつつ、最後まで姿を見せないとは、悪役そのものだな」
(’e’)「悪役、ですか」
(’e’)「構いませんよ、じきに、それが是とされるのですか」
- 262 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
20:31:33.29 ID:DCgHWcJk0
-
(Фω□≡)「そうはさせん」
(Фω□≡)「皆の無念、ここで晴らさせてもらおうか」
(’e’)「なるほど」
(’e’)「ならば、気をつけたほうがいいですよ」
(Фω□≡)「…?」
(’e’)「懐に」
Σ( Фω□)
(゚-;;゚#) ――キッ
(;Фω□)「ちぃっ!!!」
―氷はすでに溶けていた
―熱量をもった拳が、ロマネスクに迫る
- 268 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
20:33:50.11 ID:DCgHWcJk0
-
( ´_ゝ`)「させるかっ!!!」
ギュルルルッ
(゚-;;゚#)「…」
―影が、少女の足を捕らえるものの
(゚-;;゚#)「…」
バチンッ
― 一瞬で取り払われた
(;´_ゝ`)「ウソーん」
(;´_ゝ`)「って、お前!?」
( < ;)「敵だったのか!!」
- 275 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
20:41:18.78 ID:DCgHWcJk0
-
⊂(゚-;;゚#)⊃「……!」
…――ゴッ!!
―少女の両の手から、圧力が発せられる
―兄者がモロに直撃を食らい、巻き込まれるかたちで弟者も吹き飛んだ
(;´_ゝ`)「ぎゃん!?」
( < ;)「バカ兄……、ぐぁ…!!」
⊃Фω□;)「……ぐっ」
(メ ・∀・)「ロマネスクさん!」
(Фω□;)「…大丈夫だ」
(Фω□;)「あのバカどもは無事じゃないようだが…」
( ×_ゝ×)「きゅう……」
( < ;)「おい、兄者! てかなんで、お前がダウンするんだよ!
あっけなさ過ぎるぞ!!」
- 277 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
20:43:23.15 ID:DCgHWcJk0
-
(Фω□;)「…」
(Фω□≡)「随分と過激な子供だな」
(Фω□≡)「……これが、ダイプロを襲った理由か」
(’e’)「そうですよ」
(’e’)「15年、掛かりましたよ」
(’e’)「それでも、まだ未完成ですがね」
(Фω□≡)「馬鹿げてるな」
(Фω□≡)「人の命を弄び、何を求める」
(Фω□≡)「その先に何があるというのだ」
(’e’)「人類の解放が」
(’e’)「停滞した世界を進化せる、新しい時代が待っているのですよ」
(’e’)「それに、人の命を弄ぶのはそちらの常套手段でしょう?」
(’e’)「違いますか?」
- 281 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
20:46:16.16 ID:DCgHWcJk0
-
(Фω□≡)「…」
(Фω□≡)「私は…、いや、オレは……」
(Фω□≡)「ハインさんのしたこと全てが正しいとは思わない」
(Фω□≡)「あの人は、自らのエゴのためにダイプロを作った」
(Фω□≡)「決して人道的と言えないこともやってきたんだろう」
(’e’)「ふっ」
(’e’)「そこまで分かって、何故私に楯突くのです」
(’e’)「私が望むのは、エスパーの世界」
(’e’)「同意はされど、反対される云われはありませんよ?」
(メ ・∀・)「…」
(+ω□≡)「あの人が何を考えていたかは知らない」
(+ω□≡)「下手をすれば、同じ科白を彼女に言っていた可能性すらある」
(Фω□≡)「だがな…」
- 284 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
20:47:55.58 ID:DCgHWcJk0
-
(Фω□≡)「その空間が、オレは好きだったんだ」
(Фω□≡)「それを、何も知らぬまま、壊され、奪われた」
(Фω□≡)「オレはオレのエゴのために此処にいる」
(Фω□≡)「世界を変えるなら勝手に変えるがいい」
(Фω□≡)「ただ、その前に一発ぶん殴らせてもらうがな!!」
(’e’)「…」
(’e’)「そうですか」
「そ…、そうでーす」
(’e’)「…?」
(*゚∀゚)「悪いことした子は、お尻ペンペンでーす」
(*-ー-)「…ごほっ、女の子には優しくして欲しいものね」
- 287 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
20:49:48.30 ID:DCgHWcJk0
-
(メ ・∀・)「つー、しぃ、無事だったか」
( ∵)『さすがペチャパイーズ』
(*-ー-)「ぶっ殺すわよ」
(*゚∀゚)「C、怖いでーす」
(メ ・∀・)「…大丈夫そうだな」
(*-ー-)、「でも、ギコくんが…」
(,, Д )「………」
(メ ・∀・)「……これは」
(*-ー-)「おそらく、精神系統の攻撃を…」
(メ ・∀・)「…」
(メ ・∀・)「しぃ、頼めるか」
(*-ー-)「頑張ってみます」
- 291 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
20:51:35.63 ID:DCgHWcJk0
-
( < ;)「おい、兄者、起きろ」
( _ゝ )「…」
( < ;)「おいって!!」
( ´_ゝ`)「…」 パチッ
( ´_ゝ`)「…五分後に起こしてくれ」
( _ゝ )「…ぐぅ」
( < #)「死ね、ボケぇぇぇぇ!!!」
( ゚_ゝ゚)「おぅふっ!?」
(;´_ゝ`)「むぁぁぁっ、オレの股間がプリズンブレイク!?」
( < )「起きたか、兄者」
(;´_ゝ`)「いや、もう息子が起きることはないだろう…」
( < )「本当に再起不能にするぞ」
- 294 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
20:53:42.18 ID:DCgHWcJk0
-
(Фω□≡)「…」
(Фω□≡)「今、ここで、お前を叩き潰す」
(*゚∀゚)「でーす!!」
(*゚∀゚)「…」
(*゚∀゚)「そういえば、モリャリャ、クローンってなんですか?」
(・∀・;)「今更!?」
(;´_ゝ`)「はぁ、中腰になっちゃうよ…」
( < )「もういいから、影の操作だけに集中しろ」
(Фω□;)「締まらんのだが…」
- 299 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
20:55:40.73 ID:DCgHWcJk0
-
(’e’)「…」
(’e’)「誰も彼も、同じ言葉を吐きますね」
(’e’)「理解しがたい」
(’e’)「実に理解しがたい」
(’e’)「…でぃ、少し下がっていなさい」
(゚-;;゚#) コクン
(’e’)「いいでしょう」
(’e’)「その身体、その心、血で染め上げましょう」
(’e’)「私の“盃”でね」
―霧が
―血のように赤い霧が、どこからか漂ってくる
- 305 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
20:59:31.41 ID:DCgHWcJk0
-
(Фω□≡)「ぬっ!?」
(*゚∀゚)「…あ!!」
(;-ー-)「これは、あのときの…」
―それは
(;・∀・)「んな……!?」
(;´_ゝ`)「身体が…」
( < ;)「動かない!?」
―身体と心の自由を奪う、赤い呪縛
(’e’)「ふふっ」
(’e’)「どうですか? 我が“盃”は」
- 307 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
21:01:11.56 ID:DCgHWcJk0
-
(’e’)「私の血には、人を操る力があります」
(’e’)「本来ならば直接飲ませるのですが…」
(’e’)「こうやって、空気中に霧散させるだけでも、身体の自由を奪うくらいは出来るんですよ」
(Фω□;)「…ふん、わざわざ自分の能力についてしゃべるか」
(’e’)「しゃっべたところで、何の支障もありませんからね」
(’e’)「分かったところで抵抗もできず、ただ立ってるだけのあなたに何ができます?」
(Фω□;)「……っ」
(*゚皿゚)「ムガー!! 動かないでーす!」
(;・∀・)「くっ…」
(;-ー-)「…っ、ギコくん」
(;-ー-)「ギコくん、起きて…!!」
- 310 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
21:02:50.12 ID:DCgHWcJk0
-
(’e’)「無駄ですよ」
(’e’)「その男は恐怖に縛られています」
(’e’)「まぁ、起きたところで何もできないでしょうが」
(’e’)「さて、どうしますかね」
- 311 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
21:04:12.59 ID:DCgHWcJk0
-
※
暗い
そこはとても暗かった
そして、この暗さをオレは一度経験していた
(,, Д )「………」
闇が次第にオレンジ色に変わっていく
知っている
炎だ
焼けた記憶、焼かれた記憶
- 314 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
21:06:12.92 ID:DCgHWcJk0
-
( ゚∋゚)
大男がいる
見知らぬ顔
見知らぬ腕
その手は赤く塗れていた
あぁ、そうか
こいつが…
こいつが……、あの日
- 316 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
21:07:44.57 ID:DCgHWcJk0
-
( ゚∋゚)
大男が一歩一歩、近づいてくる
動けない
やっぱり、オレは動けない
自慢の足も
調子のいい口も
凍りついたかのように、固まったままだ
- 317 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
21:08:59.65 ID:DCgHWcJk0
-
知っていた
自分が臆病なことは
あのとき、ドクオにクーちゃんを任せたのは
自信がなかったから
オレが、彼女を守れる自信がなかったから
兄貴ぶってみたのは、それを隠すため
強さってのが
力でも、技術でも、超能力でもない
ハートだと言ったのは
自分にそれがないことを知ってるから
- 319 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
21:10:52.27 ID:DCgHWcJk0
-
守りたいものは、たくさんあるのに
それも守れなくて
失ってばっかりで
それが嫌で
そんな自分が嫌いで
( ゚∋゚) つ( Д ,,)
大男が、オレの胸元を掴む
持ち上げられ、ギリギリと首が絞まっていく
苦しい
オレは、このまま死んでしまうんだろうか
- 322 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
21:11:39.73 ID:DCgHWcJk0
-
「……―――ん」
…?
なんだ?
「…―――くん」
声が聞こえる
この声は
(*゚ー゚)「ギコくん!!」
- 324 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
21:13:28.63 ID:DCgHWcJk0
-
あぁ
なんだ、しぃか
(*゚ー゚)「なんだとは失礼ね」
…なんだよ
(*゚ー゚)「ピンチなの、助けて」
いや、オレもピンチなんですけど
- 327 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
21:14:51.36 ID:DCgHWcJk0
-
(*゚∀゚)「ギゴ!!」
…今度はお前かよ
てか、ギゴじゃねぇよ、ギコだよ
(*゚∀゚)「目ぇ、覚ますでーす」
(*゚∀゚)「バーカ」
うるせぇ、お前のほうがバカだろ
バーカ
- 330 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
21:17:56.80 ID:DCgHWcJk0
-
从 ゚∀从「よぉ」
ハインか
…いや、ハインさんか?
从 ゚∀从「さぁ、どっちだろうな」
从 ゚∀从「相変わらず、泣き虫なんだな」
泣いてないっすよ
从 ゚∀从「どーだか」
从 ゚∀从「…そうだな」
从 ゚∀从「もう一回、聞こうか」
何をですか
- 334 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
21:20:12.25 ID:DCgHWcJk0
-
从 ゚∀从「『人はなぜ生きてるのか』」
从 ゚∀从「15年越しの問題だ」
……それは
从 ゚∀从「はい、ブー」
从 ゚∀从「時間切れ」
早っ!?
从 ゚∀从「残念、優勝商品のメガドライブは次回持ち越しになります」
メガドライブ!? なんでそんなの持ってんっすか!?
从 ゚∀从「天才だから」
はいはい、そうですか
…つーか、答えは何なんすか
- 336 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
21:21:38.92 ID:DCgHWcJk0
-
从 ゚∀从「答え?」
从 ゚∀从「んなもんは、ねぇよ」
は?
从 ゚∀从「人の生きてることに意味なんてないのさ」
从 ゚∀从「目的もなくただ生に縋ることもできるし、それを絶つことも容易だ」
从 ゚∀从「15年前にお前が言った、生きる手段のほうがよっぽど真理に近い」
じゃあ、なんでそんな質問したんですか
从 ゚∀从「そんなの決まってんじゃん」
从 ゚∀从「お前らを悩ませたかったから」
最低だ、この人
- 341 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
21:23:35.72 ID:DCgHWcJk0
-
从 ゚∀从「…」
从 ゚∀从「内藤は言った」
从 ゚∀从「何かを残すためだと」
从 ゚∀从「現に奴は、死して尚、誰かの中で生きている」
从 ゚∀从「それは、奴が出した答えだ」
从 ゚∀从「人の生きていることに意味なんてない」
从 ゚∀从「ただ、それを見出すことも出来る」
…
从 ゚∀从「お前の人生、まだまだだろ?」
从 ゚∀从「なんのために生きるのか、探してみろや」
…
……オレが、生きる意味
- 344 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
21:24:58.12 ID:DCgHWcJk0
-
ξ*゚听)ξ「バーカ」
…ツン
ξ*゚听)ξ「あんたはバカなんだから」
ξ*゚听)ξ「悩む前に行動すればいいのよ」
ξ*゚听)ξ「バカバカバカギコだわ」
バカ言い過ぎだろ
バカ
ξ*゚听)ξ「…ふん」
ξ*゚ー゚)ξ「ガキね、本当に」
…そうかもな
- 348 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
21:26:38.75 ID:DCgHWcJk0
-
川 ゚ -゚)「…」
クーちゃん
川 ゚ -゚)「…」
川 ゚ -゚)「バーカ」
おぅふ
川 ゚ -゚)「いいから、早く戻って来い」
川 ゚ -゚)「みんな、待ってるぞ」
…
…みんな
川 ゚ -゚)「そうだ、みんなだ」
- 350 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
21:28:30.17 ID:DCgHWcJk0
-
…クーちゃんも?
川 ゚ -゚)「ま、“一応”な」
…そっか
…
…
クーちゃぁぁぁぁん、大好きだよぉぉぉ!!!
川#゚ -゚)「…」
ぶぇふっ!!!?
- 353 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
21:30:27.08 ID:DCgHWcJk0
-
川 ゚ -゚)「…」
川 ゚ー゚)「…それだけ元気があれば、大丈夫だろう」
ノ川川 ゚)「待ってるぞ」
…
……待ってるって
…………オレの生きる意味、か
( ゚∋゚) つ(-Д゚,,) パチッ
( ゚∋゚) つ(゚Д゚,,) 「…」
( ゚∋゚) つ(゚Д゚,,) 「おい、おっさん、離せや」
そう言うと
オレは思い切り、その手に噛み付いた
- 356 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
21:31:40.57 ID:DCgHWcJk0
-
※
(*;ー;)「痛ぁぁぁぁぁっ!!!」
(,,゚Д-)「むぉっ…?」
(*;ー;)「ちょっ、ギコくん!! 手、手ぇ!!」
(,,゚Д゚)「…?」
(;,゚Д゚)「うぉっ!? す、すまん!!」
(;,゚Д゚)「…」
(;,゚Д゚)「あの大男はしぃだったのか…」
(;-ー-)「何の話!? うぅ、痛ぁい…」
- 359 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
21:32:43.44 ID:DCgHWcJk0
-
(’e’)「…ほぉ」
(’e’)「“恐怖”を克服しましたか」
(,,゚Д゚)「…」
(,,゚Д゚)「恐怖ね…」
(,,゚Д゚)「生憎、怖いもんが増えただけだよ」
(’e’)「ふっ…」
(’e’)「それなら、もう一度、恐怖を味わってみますか?」
(Фω□;)「ギコ…!! 下がれ!!」
(,,゚Д゚)「あれ? ロマネスクさん…?」
(;´_ゝ`)「旦那!!」
( < ;)「気をつけて!!」
(,,゚Д゚)「あ? 何が…?」
- 361 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
21:35:03.25 ID:DCgHWcJk0
-
(’e’)「無駄ですよ」
(’e’)「私の“盃”は絶対なのですから」
……―サァァァ
(;,゚Д゚)「うぉ!? なんだ…!?」
(;,゚Д゚)「身体が…動かない……!!」
(メ ・∀・)「このバカ…!! 何のために起きたんだ!!」
(*゚∀゚)「バカでーす」
(;,゚Д゚)「なんでバカ呼ばわりされなきゃいけねーんだよ!」
(;,゚Д゚)「てか、補佐に つー!?
なんで、あんたらまでここにいるんだ!?」
(メ ・∀・)「…色々あるんだよ」
(*゚∀゚)「大人のじじょーってやつでーす」
(;,゚Д゚)「…なんだそれ」
- 368 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
21:37:16.47 ID:DCgHWcJk0
-
(’e’)「さて…」
(’e’)「まぁ、これで役者は揃いましたか?」
(’e’)「このまま皆殺しにしてもいいのですが…」
(’e’)「それでは、少々趣に欠けるというもの」
(’e’)「少し、話をしましょうか」
(Фω□≡)「今更、話など…!!」
(゚-;;゚#)「…」
ドズン!!
)ω□;)・∴「がっ!?」
(;´_ゝ`)「げっ」
)+ω□≡))_ゝ`)・∴「ぶっ!!」
( < ;)「ロマネスクさん!!
ついでに兄者も!!」
- 371 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
21:38:33.66 ID:DCgHWcJk0
-
(’e’)「頭に血が上ると冷静な判断ができませんよ」
(’e’)「まぁ、のんびりと聞いてください」
(メ ・∀・)「…」
(’e’)「私が世界を変えようとするのには、理由があります」
(’e’)「今の世界は、腐っていると思いませんか?」
(’e’)「終わらない戦争、消えない差別、連鎖する憎しみ」
(’e’)「何が世界をそうしたのか」
(’e’)「答えは簡単です」
(’e’)「人間なのです」
(’e’)「人は前に進むことを止め、ただブクブクと太っていくだけになってしまいました」
(’e’)「神が人を作ったように」
(’e’)「人以上の者が、彼らを管理しなければならないのです」
(’e’)「そう、つまり我々が、ですよ」
- 376 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
21:40:36.77 ID:DCgHWcJk0
-
(メ ・∀・)「…自らを神と言うのか」
(’e’)「そうですね。世界を平定した後には、そう名乗るのも良いかもしれません」
(’e’)「所詮、ノーマルはノーマルでしかないのです」
(’e’)「ノーマルとエスパーには、一生交わることないの隔たりがあります」
(’e’)「それは皆さんもよくご存知でしょう?」
(,,゚Д゚)「…」
(*-ー-)「…」
(’e’)「15年前、高岡博士に話を持ちかけたのは私です」
(’e’)「一緒に世界を作らないか、とね」
(’e’)「彼女自身の目的は他にあったようですが…」
(’e’)「それに見合う働きはしてもらいました」
(’e’)「そのお陰で、でぃがいるのです」
(゚-;;゚#)「…」
- 379 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
21:42:02.07 ID:DCgHWcJk0
-
(’e’)「私は力を手に入れました」
(’e’)「世界を変えるだけの力をね」
(’e’)「でぃがいれば、国ごと落とすことも可能です」
(’e’)「その力は、あなた方が一番ご存知でしょう」
(*゚∀゚)「むぅ、私のほうが強いでーす」
(メ ・∀・)「そうだな、強い強い」
(*゚∀゚)「モリャリャ、バカにしたでーす!?」
(;-ー-)「ちょっと、お姉ちゃん…」
(’e’)「…」
(’e’)「どこまでも、緊張感のない人たちですね」
(’e’)「まぁ、この際細かいことは気にしませんがね」
- 380 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
21:42:51.76 ID:DCgHWcJk0
-
(’e’)「人は、次のステップへと移るべきなのです」
(’e’)「我々の手、エスパーの手によって」
(’e’)「この腐った世界を変えるには、それしか方法がありません」
(’e’)「ご理解いただけたでしょうか?」
(’e’)「私が目指す世界」
(’e’)「いや、私たちが目指す世界を」
(’e’)「さぁ、これで最後です。選んでもらいましょうか」
(’e’)「私の元で、新しい世界を築くか」
(’e’)「それとも、ここで死ぬのか」
- 381 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
21:44:38.80 ID:DCgHWcJk0
-
(*-ー-)「…」
(*゚∀゚)「…」
(メ ・∀・)「…」
(Фω□≡)「…」
( < )「…」
( メ)_ゝ`)「…」
(,,゚Д゚)「…」
(,,-Д-)「…」
(,,゚Д゚)「答えは、決まってる」
(’e’)「ほぉ」
(’e’)「では、聞かせてもらいましょうか」
(,,゚Д゚)「…」
- 387 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
21:47:03.65 ID:DCgHWcJk0
-
(,,゚Д゚)「お前をぶっと(*-ー-)「絶対に( <
)だろう」
(メ ・∀・)「笑わせないで(Фω□≡)「無駄なことを( メ)_ゝ`)だよな」
(,,゚Д゚)「…」
(*-ー-)「…」
(メ ・∀・)「…」
(Фω□≡)「…」
( < )「…」
( メ)_ゝ`)「…」
(*゚∀゚)「…」
(*゚∀゚)「でーす」
( ∵)『いいチームワークだな』
(’e’)「…」
- 393 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
21:48:53.92 ID:DCgHWcJk0
-
(;,゚Д゚)「なんで合わせないの!? バカなの!?」
(;-ー-)「ギコくんこそ!」
(*゚∀゚)「でーす」
(メ ・∀・)「これだから教養のない人間は…」
(Фω□≡)「教養だけが全てではないだろう」
(メ ・∀・)「…」
(Фω□≡)「…」
( < ;)「何で険悪な感じになってるんですか!?」
( メ)_ゝ`)「あれだな…」
( メ)_ゝ`)「きっと、仲が悪いんだ…!!」
( < ;)「お前、もうちょっと考えてから発言しろよ!」
- 397 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
21:50:52.81 ID:DCgHWcJk0
-
(’e’)「…ふぅ」
(’e’)「話すだけ無駄でしたか」
(’e’)「でぃ」
(゚-;;゚#)「…」
(’e’)「しょうがありません…」
(’e’)「まとめて殺してあげなさい」
(゚-;;゚#) コクン
(’e’)「これをもって、余興は終了です」
(’e’)「同胞が減るのは寂しい限りですが」
(’e’)「致し方ありませんね」
- 402 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
21:52:52.59 ID:DCgHWcJk0
-
― 一歩
(゚-;;゚#)「…」
―また一歩
―少女がギコたちへと近付いていく
(;,゚Д゚)「おいっ、言い争ってる場合じゃねーぞ!!」
(;-ー-)「わ、分かってるわよ」
(;゚∀゚)「むぅぅ、動けないでーす」
(メ ・∀・)「こう、必殺技とかないんですか?」
(Фω□≡)「あるにはあるが、使うだけの体力がない」
( メ)_ゝ`)「歳っすね」
(メ ・∀・)「…」
(Фω□≡)「…」
( < ;)「何故か二人とも怒ってるぞ、兄者!?」
- 408 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
21:55:25.06 ID:DCgHWcJk0
-
―ゆっくりと歩みを進め
―辿り着いたのは
(,,゚Д゚) (゚-;;゚#)「…」
―ギコの前
(,,゚Д゚)「…ちっ、やっぱオレかよ」
(;-ー-)「ギコくん…!!」
(;゚∀゚)「離れるでーす!!」
(,,゚Д゚)⊂(゚-;;゚#) ……スッ
(,,゚Д゚)「…」
(,,゚Д゚)「(こういうときは、きっと名案が…)」
(,,゚Д゚)「(浮かばねぇ…)」
- 413 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
21:57:36.19 ID:DCgHWcJk0
-
(;・∀・)「…やめろ!!」
(Фω□;)「ちぃっ…!!」
―少女の小さな手が、ギコの顔面を掴む
⊂(゚-;;゚#) グッ
(;,-Д-)「……くっ!!」
ゴッ!!
―強烈な衝撃波が見舞われる
―吹き飛ばされたのは
(゚-;; #) 「……がっ…?」
―少女のほうだった
- 418 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
21:59:02.59 ID:DCgHWcJk0
-
(;,゚Д゚)「……な?」
―そして、吹き飛ばしたのは
(メ゚;;-゚)【……はぁ、…はぁ】
―同じ顔をしたもう一人の少女
(;,゚Д゚)「チビ助!!?」
(;,゚Д゚)「無事だったのか…!!」
(;メ)_ゝ`)「うぇ、二人目!?」
( < ;)「どういうことだ!?」
(メ゚;;-゚)【……虐める、ダメ】
- 423 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
22:00:21.94 ID:DCgHWcJk0
-
(’e’)「…D−00s」
(’e’)「まだ動けましたか」
(’e’)「しぶとい…、いや」
(’e’)「さすがの耐久力と言っておきましょうか」
(メ゚;;-゚)【……】
(’e’)「テレパスぐらいしか使えないと思ってましたが」
(’e’)「この状況下で、力に目覚めましたか…」
(’e’)「しかし、私に歯向かうつもりですか?」
(’e’)「お前の親たる、この私に」
(メ゚;;-゚)【……】
(゚-;;゚#)「……ぎっ」
(メ゚;;-゚)【……パパ】
- 428 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
22:02:14.69 ID:DCgHWcJk0
-
(メ゚;;-゚)【………パパと喧嘩したくない】
(’e’)「ふっ、ならば…」
(メ゚;;-゚)【…でも、それ虐めるのダメ】
(’e’)「…」
(’e’)「どこまで低脳ですね…」
(’e’)「この不良品は」
(’e’)「でぃ」
(゚-;;゚#)「…」
(’e’)「さっさと片付けなさい」
(゚-;;゚#)「…」 コクン
- 433 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
22:03:49.09 ID:DCgHWcJk0
-
(メ゚;;-゚)【…あなた】
(メ゚;;-゚)【……私の妹?】
(゚-;;゚#)「…」
(メ゚;;-゚)【……喧嘩よくない】
(メ゚;;-゚)【……やめよう】
(゚-;;゚#)「…」
(’e’)「でぃ」
(’e’)「何をしている」
(’e’)「……お前も捨てられたいのか?」
(゚-;;゚#)「…」
(゚-;;゚#)「…っ」
- 437 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
22:05:40.97 ID:DCgHWcJk0
-
(メ゚;;-゚)⊂(゚-;;゚#) ガキッ!!
(;,゚Д゚)「おい、チビ助っ!!」
(メ゚;;-゚)【あ……ぐっ…】
(メ゚;;-゚)【……もう…やめよう】
(メ゚;;-゚)【喧嘩、よくない……】
⊂(゚-;;゚#)「……ぁが」
(メ゚;;-゚)【……ねぇ?】
(メ゚;;-゚)【……やりたく…ないよね?】
⊂(゚-;;゚#)「が……」
(’e’)「世迷言を!!」
(’e’)「やれ、でぃ!!」
(メ゚;;-゚)【……ね】
⊂(゚-;;゚#)「……っ!!!」
- 442 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
22:08:36.24 ID:DCgHWcJk0
-
(’e’)「でぃ!!!」
⊂(゚-;;゚#)「がぁ…っ!!」
⊂( -;;゚#)「がぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」
ゴキンッ
(メ ;;- )【……がっ、ふ】
(;,゚Д゚)「……―――!!!」
(;-ー-)「いやぁ!!!」
( < ;)「お、おい…!!」
(;メ)_ゝ`)「ちょっと、待て、あいつがこいつで、こいつがあいつで??
お前は誰だ!? そんなエロゲあったよね!?」
( < ;)「お前が言うと余計分からん!!」
- 445 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
22:10:05.02 ID:DCgHWcJk0
-
(ノ-;;゚;)「…ぅぁ」
(ノ-;;゚;)「あぁ……」
(ノ-;;゚;)「あああああああああああああああああ!!!」
(;・∀・)「なんだ…!?」
(Фω□≡)「…これは」
(Фω□≡)「……暴走か!!」
(ノ-;;゚;)「があああああああああああああああああああああ!!!!!」
(’e’;)「暴走だと…!?」
(’e’;)「ちっ…」
(’e’;)「こいつらに力を回した分、支配が弱くなっていたか…!!」
- 449 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
22:11:47.10 ID:DCgHWcJk0
-
(ノ-;;゚;)「ああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」
ギシギシッ
(’e’;)「…ぐっ!!」
(’e’;)「……止むえん」
(’e’;)「落ち着け、でぃ!!!」
( -;;゚;)「あががががっ…」
( -;; ;)「がっ……」
(メ ・∀・)「…!!」
(Фω□≡)「(身体の縛りが、緩んだ…!)」
(Фω□≡)「(好機…!!)」
ミ#,゚Д゚彡「てめぇぇぇぇぇぇぇっ!!!」
ザワッ
( < ;)「ギコさん!?」
(;・∀・)「この、バカ…!!」
- 452 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
22:13:14.68 ID:DCgHWcJk0
-
(’e’)「…!」
(’e’)「今度はそちらが緩んだか…」
(’e’)「しかし、再度縛りなおせば良いだけのこと…!!!」
サ……
(’e’;)「!?」
(’e’;)「なんだ? 霧が…?」
―キラキラと赤い光が舞う
―血の霧は空気中で凝固し、赤い結晶になって輝いていた
(’e’;)「まさか…!!」
(’e’;)「これは……」
(Фω□≡)「…」
- 454 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
22:14:54.64 ID:DCgHWcJk0
-
(Фω□≡)「べらべらと能力を喋るべきではなかったな」
(Фω□≡)「…――“絶対零度”、見くびるなよ」
(’e’;)「ぐっ…!」
(’e’;)「小癪な」
(’e’)「一旦、体勢を……」
(’e’) ギュルルルッ
(’e’;)「なっ、足に!?」
((’e’;)) ズンッ!!
(’e’;)「ぐはっ……」
( メ)_ゝ`)「逃しは――…」
(*゚∀゚)「しないでーす」
- 459 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
22:16:22.12 ID:DCgHWcJk0
-
(’e’;)「き、貴様らぁぁぁぁっ!!!」
(’e’;)「でぃ!! 何をしている!! 私を助けろ!!!」
( -;; #)「…」
(’e’;)「この役立たずがぁぁぁ!!!」
ミ,,゚Д゚彡「残念、だったな」
(’e’;)「っ!!」
ミ,,゚Д゚彡「……チビ助を甘く見てたお前の負けだ」
(’e’;)「待て!! 話を聞け!!」
(’e’;)「私はエスパーの世界を作ろうとしているんだぞ!?」
(’e’;)「貴様らに何の不都合がある!?」
(’e’;)「倒すべきは私ではない!!
この世界だ!!!」
- 463 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
22:17:48.41 ID:DCgHWcJk0
-
ミ,,゚Д゚彡「おーおー、大層なこった」
ミ,,゚Д゚彡「…言っとくがな」
ミ,,゚Д゚彡「エスパーってのは、そんな大したもんじゃねぇ」
ミ,,-Д-彡「普通に悩んで、普通に苦しんで、普通に笑って…」
ミ,,-Д-彡「ちょっと手品ができるってだけで、そこらにいる人間と何ら変わりないんだよ」
ミ,,゚Д゚彡「お前が言うほど、エスパーは凄くないし」
ミ,,゚Д゚彡「この世界は腐ってない」
(’e’;)「バカがっ!!」
(’e’;)「それは貴様が世界を知らないだけだ!!!」
(’e’;)「革命が必要なんだよ!! この世界には!!」
ミ,,゚Д゚彡「それはお前が決めることじゃねぇ」
ミ,,゚Д゚彡「そして、オレが決めることでもねぇ」
ミ,,゚Д゚彡「皆が決めることだ」
- 465 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
22:19:48.50 ID:DCgHWcJk0
-
ミ,,-Д-彡「…つーかさ」
ミ,,-Д-彡「そんなのは、どーでもいいんだ」
ミ#,゚Д゚彡「オレは、オレの大事なものに手を出した、てめぇが許せねぇだけなんだよ!!!!」
ミ#,゚Д゚彡「ぶっ飛べ!!! この野郎!!!!!」
(’e’;)「ま、待て…!!」
―ギコが走る
―どんなものよりも速く
ミ#,゚Д゚彡「おおおおおおおおおおおおっ!!!!」
―どんなものよりも力強く
ミ#,゚Д゚彡「らあああああああああああああああああああっ!!!!」
- 471 : ◆SEOMSVVqUg :2009/04/11(土)
22:21:53.43 ID:DCgHWcJk0
-
―どんなものよりも真っ直ぐに
ミ#,゚Д゚彡つ)e’)
ゴッ ―――シャァッ!!!!!!
∴・ミ#,゚Д゚彡=::つ 、、::・ )e)・∴
―ギコの拳は、セントジョーンズを貫いた
第三十八話了
戻る