9 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 19:32:18.03 ID:k6+UEzu10
 
エスパークス、エスタークじゃねぇのかよ!
という人のための登場人物紹介

川 ゚ -゚) エスパー女子高生。物を呼び寄せる超能力

(*-ー-) 身体が不自由。人の内面の色を視る

( ><) これでも高1。千里眼

ξ*゚听)ξ クソガキ。記憶を刈り取る

川д川 オカ女。空間を構築、接続する能力

( ゚∀゚) 変態貧乏大学生。物の価値を操れる

( ´∀`) ダイプロ主任。一般人

( ・∀・) ダイプロ補佐。テレパシー能力

从 ゚∀从 ダイプロ書記長。なんでも半分こにする

从'ー'从 アイドル。嫌でも人目を惹いてしまう

(*-∀-) 米国籍のしぃの姉。重力を操る(意識不明療養中)

('A`) クーの幼馴染。ダイプロでアルバイト中


10 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 19:33:48.14 ID:k6+UEzu10
 
(‘_L’) アメリカエスパー施設エスパゴン主任。一般人

( ゚∋゚) エスパゴン『フォー・オブ・ア・カインド』の一人。別名:焼きごて

ミセ*゚ー゚)リ エスパゴン『フォー・オブ・ア・カインド』の一人。別名:ソードクィーン

( ´ー`) エスパゴン『フォー・オブ・ア・カインド』の一人。別名:ペイジオブペンタクル

| ^o^| エスパゴン下っ端

14 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 19:35:01.30 ID:k6+UEzu10
 
―エスパゴン、職員専用通路


ズンズン

ズンズンズン


ミセ*゚ -゚)リ


ズンズンズンズン


ミセ*゚ -゚)リ


―無駄に広い廊下を、大股で進むミセリ

―その表情はどこか怒りを伴っていた
18 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 19:37:21.38 ID:k6+UEzu10
 
―エスパンゴン、会議室


バーン!!!


(‘_L’)「ん…?」

ミセ*゚听)リ「フィレンクト主任!!」

(‘_L’)「…ミセリさんですか」

(‘_L’)「なんですか、騒々しい」

ミセ*゚听)リ「これ、どーゆーこと!?」

(‘_L’)「これ、とは?」

ミセ*゚听)リ「ニッポンのこと!!」

(‘_L’)「あぁ…」

(‘_L’)「ですから、シラネーヨさんが適役ということで決定したはずですが…」

ミセ*゚听)リ「それは、分かってるの!」

ミセ*゚听)リ「なんで、あのデカいのまで一緒に行ってるのかって言いたいの!!」

(‘_L’)「…」
21 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 19:40:04.80 ID:k6+UEzu10
 
(‘_L’)「でかいの…?」

ミセ*゚听)リ「クックルだよ!」


ミセ*゚∋゚)リ「こいつ、こいつ!!」
   mレ







(‘_L’)「え…?」


ミセ*゚∋゚)リ「?」

(‘_L’)「何も聞いてませよ…?」

(;‘_L’)「一緒に、とは本当ですか?」

ミセ*゚∋゚)リ「本当だよ!」

ミセ*゚∋゚)リ「置き手紙あったもん!!」

(;‘_L’)「み、見せてください!!!」
23 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 19:41:38.81 ID:k6+UEzu10
 
ミセ*゚∋゚)リ「ほら」

ミセ*゚∋゚)リノ□ ペッ




  ディア エスパゴンのエブリバディ




   ニッポンに行ってくるでゴワス




                by 996 ( ゚∋-)☆




(;‘_L’)「…」

(;‘_L’)「なん……だと……?」

ミセ*゚∋゚)リ「…」


24 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 19:42:48.07 ID:k6+UEzu10
 
(;‘_L’)「不味いことになりましたね…」

ミセ*゚∋゚)リ「マズい?」

(‘_L’)「…」

(‘_L’)「あなた以上の、危険人物ですからね」

(‘_L’)「彼は」





ミセ*゚∋゚)リ「…」

ミセ*゚∋゚)リ「ゲイだから?」テーソーノキキ


(;‘_L’)「違います!!」


25 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 19:44:32.24 ID:k6+UEzu10
 


川 ゚ -゚)エスパークーのようです

    −第二十八話:熱く冷たい日−




26 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 19:45:41.73 ID:k6+UEzu10
 

―ダイプロ、ミーティングルーム


パンッ
パンパン、パパン


川д川「それでは〜、クーちゃんの退院を祝して〜」

川д川「かんぱーい」



「かんぱーい」

  カァン!



( ゚∀゚) (>< ) ワイワイガヤガヤ ξ*゚听)ξ (-ー-*)

( ・∀・)(´∀` ) ワイワイガヤガヤ 从 ゚∀从 从'ー'从

32 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 19:48:05.90 ID:k6+UEzu10
 
川 ゚ -゚)「何もここまでやらなくても…」

从 ゚∀从「まぁ、いいじゃん」

从 ゚∀从「良いことなんだしさ」

ξ*゚听)ξ「そーそー」

(*-ー-)「そういうこと」

川 ゚ -゚)「ただ、騒ぎたいだけなんじゃ…」

从;゚∀从「そ、そんなことねぇよ! なぁ?」

(*-ー-)「ほほほ、全くですわ」

ξ*゚ー゚)ξ「…ニヤリ」


川 ゚ -゚)「なんだその『計画通り』みたいな顔は…」
35 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 19:49:47.56 ID:k6+UEzu10
 
( *´∀`)「まぁまぁ、そんなことはどうでもいいモナ」

川 ゚ -゚)「そんなことって、あんた……うっ、酒臭い」

( *´∀`)「じゃんじゃん酒持ってこーい」

( ・∀・)「飲みすぎです」

( ・∀・)「もう少し抑えてください」


从 ゚∀从「!」

从*゚∀从「ダリーンは飲みが足らないんじゃない?」

( ・∀・)「いや、私は下戸だから……」

( ・∀・)「っていうか、なぜ一升瓶を持っているのかな?」

从*゚∀从つ「ほりゃあ!!!」

(・∀・;)「おうふっ!」

ゴボゴボゴボ

(・∀・;)「あぶぶぶぶb」

( *´∀`)「そーれ、一気♪ 一気♪」
39 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 19:51:23.55 ID:k6+UEzu10
 
川 ゚ -゚)「…」

川 ゚ -゚)「もはや、何のお祝いか分からんな」


从'ー'从「クーちゃん、退院おめでとう!」

川 ゚ -゚)「おぉ、渡辺か」

川 ゚ -゚)「わざわざ来てくれたんだな」

从'ー'从「退院したって聞いてね」

从'ー'从「ちょうど、仕事もお休みだったし」

川 ゚ -゚)「そうか、ありがとう」

川 ゚ -゚)「しかし、ずいぶんと久しぶりな気がするな」

从;'ー'从「うん……、もう忘れられてるのかと…」

川 ゚ -゚)「いや、まぁ、なんだ」

川 ゚ -゚)「ファンはちゃんと覚えてるさ」

川 ゚ -゚)「ほら」


('A`)「…」
43 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 19:53:33.54 ID:k6+UEzu10
 
('A`)「(オレも退院したのに、誰も祝ってくれない件…)」

('A`)「(というか、存在を忘れられてるんじゃ…)」

('A`)「……」 ズーン


从'ー'从「何か、落ち込んでるよ?」

川 ゚ -゚)「大丈夫、いつもあんな感じだ」

从;'ー'从「それは、それで…」




( Ξ ) クルクルクル


( ゚∀゚) スチャッ!!

( ゚∀゚)「ヘイ、ビューチフルガール」


从'ー';从「はわ!?」

45 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 19:55:00.59 ID:k6+UEzu10
 
( ゚∀゚)「はじめまして、私、ジョルジュ長岡と申します」

( ゚∀゚)「つきましては、結婚を前提に真剣なお付き合いを…」


(;><)「ちょっとちょっと!!」

(゚∀゚ )「…んだよ、ビロ。人が口説いてるときに邪魔するなんて、男の風上にも置けないやつだな」

(;><)「挨拶と同時に結婚を申し込む人間には、言われたくないんです!」


从'ー'从「あの〜」


 パッ

( ゚∀゚)+「なんですか、マドモアゼル?」

从'ー'从「後ろに〜」


( ゚∀゚)「後ろに?」

从'ー'从「一升瓶を〜」


( ゚∀゚)「イッショウピン? いやいや、一生添い遂げますよ、ボクは」
50 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 19:56:21.17 ID:k6+UEzu10
 
从'ー'从「いや、そうじゃなくて…」



ゴゴゴゴゴゴ

( ゚∀゚)「…?」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

( *( ゚∀゚)


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

( *・( ゚∀゚)



ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


( *・∀(゚∀゚ )


55 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 19:58:17.89 ID:k6+UEzu10
 

ゴッ!!!
ガキン!! ゴキッ!!!


ズルズルズル


('A`) ドウセ ダレモ イワッテクレナイ…
('A`) ウツダシノウ

('A`) ア、ナンデスカ
('A`) モララーサン


ゴニョゴニョ



('A`) ……



ゴス!! ベキッ!! ポキン!!
メメタァ!! ヌゥンヌゥン!!!

58 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 20:00:32.86 ID:k6+UEzu10
 
从;'ー'从「…」

从;'ー'从「あの〜」

(;><)「見なかった…、ボクは何も見なかったんです…」

川 ゚ -゚)「過激派団体か、あいつらは」


川 ゚ -゚)「…」

(゚- ゚ 川「…」

川 ゚ -゚)「しかし、相変わらずギコの姿が見えないな」

川 ゚ -゚)「ヤボ用とか言っていたが……、どこまで行ってるんだか」
60 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 20:01:44.89 ID:k6+UEzu10
 
ワイワイ

ξ*゚ -゚)ξ「…」

ξ*゚ -゚)ξ ポケー

ガヤガヤ


川 ゚ -゚)「…?」

川 ゚ -゚)「どうしたんだ、ツン」

川 ゚ -゚)「ボーっとして」

ξ*゚听)ξ「あ、ううん。別に…」

川 ゚ -゚)「考えごとか?」

ξ*゚听)ξ「…」

ξ*゚ -゚)ξ「うん」

川 ゚ -゚)「ギコのことか?」

ξ*゚ -゚)ξ「……うん」

川 ゚ -゚)「そうか」
62 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 20:03:21.09 ID:k6+UEzu10
 
ξ*゚ -゚)ξ「…」

ξ*゚听)ξ「どこ行っちゃったんだろうね、あのバカ」

ξ*゚听)ξ「いつもなら、こういうとき、呼んでもいないのに来るのに」

川 ゚ -゚)「そうだな…」

川 ゚ -゚)「まぁ、用事があると言っていたし」

川 ゚ -゚)「そうのうち、ひょっこり帰ってくるさ」

ξ*゚听)ξ「…」

ξ*゚听)ξ「…そうかな」

川 ゚ -゚)「あぁ」


ξ*゚听)ξ「…」


ξ*゚听)ξ「本当に?」

川 ゚ -゚)「あぁ」

ξ*゚听)ξ「…」
66 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 20:05:17.30 ID:k6+UEzu10
 
川 ゚ -゚)「そんなに心配か?」

ξ*゚听)ξ「…」

ξ*゚听)ξ「…そういうのじゃないもん」

ξ*゚听)ξ「心配とか、そういうのじゃ…」


ξ*゚听)ξ「…」


  ――ただ


ξ*゚听)ξ「…なくて」


  ――ただ、怖いだけ


川 ゚ -゚)「?」

ξ*゚听)ξ「なんでもない」

ξ*゚听)ξ「…」

川 ゚ -゚)「? そうか」
71 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 20:06:50.64 ID:k6+UEzu10
 
ξ*゚听)ξ「…ん」

ξ*゚、゚)ξ …クン

ξ*゚、゚)ξ …クンクン

川 ゚ -゚)「ん?」

ξ*゚听)ξ+「ケーキだ」

川 ゚ -゚)「ケーキ?」

ξ*゚听)ξ「ケーキの匂いがする!」

川 ゚ -゚)「犬かお前は」

ξ*゚听)ξ「あっちだー」

テッテッテッテ


川 ゚ -゚)「おい、待って…」

川 ゚ -゚)「…」

川 - ゚)「…」

川 ゚ -゚)「気のせいかな」

73 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 20:08:40.55 ID:k6+UEzu10
 


―同刻

―ガイドライン国際空港


| ^o^|「到着です」

( ´ー`)「…」

( ´ー`)「…」

( ´ー`)「…」

| ^o^|「何をしているのですか?」

( ´ー`)「…」

( ´ー`)「…」黙々

( ´ー`)
  つ⌒⌒φ ←VIPウォーカー(今週号はスィーツ特集☆)


| ^o^|「…」

75 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 20:10:00.01 ID:k6+UEzu10
 
( ´ー`)「ここのショコラと、ここのモンブランは外せネーヨ」

| ^o^|「…」

| ^o^|「今回の目的、分かってます?」

( ´ー`)「日本縦断スィーツ巡り」

| ^o^|「違います」

( ´ー`)「冗談だーヨ」

| ^o^|「勘弁してください」

( ´ー`)「ジョーカーの回収のついでだーヨ」

| ^o^|「だといいのですが」

( ´ー`)「まぁ、気楽にいくーヨ」


76 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 20:11:08.30 ID:k6+UEzu10
 
( ´ー`)
  つ⌒⌒φ


ヌゥッ…

( ゚∋( ´ー`)
     つ⌒⌒φ


( ゚∋゚)「美味しそう…」


( ´ー`)

| ^o^|


(´ー` )

|^o^ |



( ゚∋゚) ジュルリ


79 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 20:12:10.22 ID:k6+UEzu10
 
|^o^ |「!?」

|^o^ |「クックルさん…?」

( ゚∋゚)「…」

|^o^ |「なんで、あなたがここに…?」

( ゚∋゚)「…」

( ゚∋゚)「…」

( ゚∋゚)「…ヒ・ミ・ツ」


( ゚∋-) ☆ バチッ


|^o^;|「うっ…」

(´ー`;)「…」
81 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 20:12:59.33 ID:k6+UEzu10
 
(´ー` )「…」

( ゚∋-)「…」

(´ー` )「本当に何の用だーヨ?」

( ゚∋-)「…」

( ゚∋゚)「フッ…」

( ゚∋゚)「…回収、手伝ってあげる」

(´ー` )「…」

(´ー` )「許可は?」

( ゚∋゚)「…手紙を残してきたから」


(´ー` )「…」

( ゚∋゚)「…」


( ´ー`)「勝手にするーヨ」

( ゚∋゚)「ウフッ」
85 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 20:14:44.45 ID:k6+UEzu10
 
( ´ー`)「それじゃ、行くーヨ」

( ´ー`)「目指すは……」


( ´ー`)「『ショコラの美味しい店.NO1:マサオ・ジェーリグカ・レーヨ』!」
  つ⌒⌒φ



| ^o^|


| ^o^|「あれ?」

( ´ー`)「ナンダーヨ」

| ^o^|「あの……、ジョーカーの件は…」

( ´ー`)「そんなん 後だーヨ」

|;^o^|「ちょっ…」

( ´ー`)「ちゃんとやるから 心配無用だーヨ」

|;^o^|「はぁ…」

( ´ー`)「レッツゴー」
88 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 20:16:38.80 ID:k6+UEzu10
 

( ゚∋゚)「…」


( ゚∋゚)
 つ⌒⌒φ ペラッ

( ゚∋゚)
 つ⌒⌒φ ←『人気店の“マサオ”の若きパティシエ、正男氏! そのフィンガーテクに迫る!!』


( ゚∋゚)「…」




( *゚∋゚) ジュルリ

90 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 20:18:36.15 ID:k6+UEzu10
 

――
―――


(;´∀`)「気持ち悪いモナ…」

从;-∀从「う〜……ん」


川 ゚ -゚)「飲みすぎです」

(;><)「酒臭いんです」

ξ*゚听)ξ「だめな大人」

(≠゚∀□)

川д川「あらぁ? モララー補佐は〜?」

(*-ー-)「さっき部屋に運ばれたっきり」

(*-ー-)「たぶん、ダウンしてるんでしょうね」

('A`)「(大分、ハッスルしたからな)」

(≠゚∀□)

92 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 20:20:23.17 ID:k6+UEzu10
 
(≠゚∀□)「…なぁ、ビロ」

(;><)「うわっ!? ……って、ジョルジュさん?」

(≠゚∀□)「目が覚めたら、こんなんだったんだけどさ」

(≠゚∀□)「なんで、オレ怪我してんの? なんで?」

(;><)「それは…、え〜と…」

(;><)「知らないほうが幸せというか…」

川 ゚ -゚)「自業自得だな」

(≠゚∀□)「??」

(≠゚∀□)「よく分かんないんだけど…」

(≠゚∀□)「…」


(≠゚∀□)「で、あの可愛い子ちゃんはどこ?」

(;><)「とっくに帰ったんです」

('A`)「…」ギロリ

94 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 20:22:09.71 ID:k6+UEzu10
 
('A`)「(静まれ、オレの右手よ……!)」

(≠゚∀□)「気のせいか、なんか後頭部がずきずきするんだけど…」

('A`) ゴゴゴゴゴゴ

(;><)「たぶん、気のせいじゃないんです」


(*-ー-)「う〜ん」

(*-ー-)「痛むなら、病院に行ったほうがいいかもしれないわね」

(*-ー-)「結構な出血だったし」

川д川「いつものことだけどね〜」

ξ*゚听)ξ「それは言わないお約束」

(≠゚∀□)「病院っすか…」

(≠゚∀□)「まぁ、しぃさんとクーちゃんが看病してくれるんなら、別に行かなくてm」


川 ゚ -゚)「ボコボコにしてやんよ」

(*-ー-)「顔面修復不可能にしちゃうぞ☆」

(≠゚∀□)
96 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 20:23:20.29 ID:k6+UEzu10
 
(;><)「大人しく行ったほうがいいんです」

(*-ー-)「まぁ」

(*-ー-)「明日、お姉ちゃんのお見舞いに行くから、なんなら一緒に行く?」


(≠゚∀□)「…!」

(≠゚∀□)「ペロ……、これはフラグの予感…!!」

( ><)「そういうのは声に出さないほうがいいんです」

(*-ー-)「ないない」

ξ*゚听)ξ「男って、ばかね」

川 ゚ -゚)「まったくだな」
98 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 20:24:17.06 ID:k6+UEzu10
 
川 ゚ -゚)「…」

川 ゚ -゚)「お見舞い、私も行こうかな」

ξ*゚听)ξ「じゃあ、私もいくー」

( ><)「え、じゃあ、ボクも行くんです」

(*-ー-)「あら、そう?」

(≠゚∀□)「…」

川 ゚ -゚)「ボディーガード的な意味で」

(≠゚∀□)「どんだけ信用ないの、オレ」

川 ゚ -゚)「普段の言動を考えろ」


川д川「私は無理〜」

川д川「明日は、悪魔降ろしの日だから〜」

ξ;゚听)ξ「あくまおろし…?」

(;><)「もう突っ込むのも疲れたんです」

101 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 20:25:32.54 ID:k6+UEzu10
 
从;-∀从「うぅ…」

(;´∀`)「さすがに…」


(*-ー-)「無理しなくていいですよ」


从;゚∀从「いや、オレはいくぞ」

从;゚∀从「みんな、行くのに仲間外れはヤだ」

(*-ー-)「子供か、あんたは」


('A`)「…」

('A`)「(言いだせない…)」

('A`)「(というか、存在すら忘れられている気がする)」

川 ゚ -゚)「…」

川 ゚ -゚)「ドクオくんも行くか?」

('A`)「!」


102 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 20:26:41.51 ID:k6+UEzu10
 
(;'A`)「えっと、その、オレは…」

('A`;) オタオタ

(;'A`) オタオタ

川 ゚ -゚)「行くのか」

(*-ー-)「行くみたいね」

(;'A`)「…」

(;'A`)「……なんで分かったんすか?」

川 ゚ -゚)「なんとなく」

(*-ー-)「視るまでもないわね」

('A`)「(そんなに分かりやすいのかな…)」




(≠゚∀□)「(オレが空気になってる件)」


105 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 20:28:40.99 ID:k6+UEzu10
 
。☆.。☆・.。川д川 翌日よ〜 。☆。。・☆


―ダイプロ駅前


( ><)「遅いんです」

(*-ー-)「うん、遅いわね」

川 ゚ -゚)「先に行ってよう」

('A`)「いいんっすかね」

ξ*゚听)ξ「いいんじゃないかな」







从;゚∀从「ハァハァ…」

(;゚∀□)「ゼーハーゼーハー」

从;゚∀从「みんなは…」

(;゚∀□)「先に行ったんじゃ、ない、っすか」
107 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 20:29:51.64 ID:k6+UEzu10
 
从;゚∀从「お前がちんたら歩くからだ」

(;゚∀□)「たまたま会った俺におんぶを頼んでおいて、その言い草っすか」

从;゚∀从「まだ酒が残ってて、歩くの辛いんだよ」

从;゚∀从「レデーファーストだ。レデーファースト」

(;゚∀□)「…もう少し胸があれば」

从 ゚∀从「あ?」

(;゚∀□)「何もないっす」

从 ゚∀从「…」

(;゚∀□)「…」

112 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 20:31:35.91 ID:k6+UEzu10
 
从 ゚∀从

(;゚∀□)「…?」

从 ゚∀从 ウッ

(;゚∀□)「うっ?」





从  Д从 +。「おええええぇぇぇぇぇぇええ」

(;゚∀□)「ぎゃあああああああ!!!」
115 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 20:33:30.33 ID:k6+UEzu10
 


―VIP総合病院、1Fロビー


( ><)「…」

川 ゚ -゚)「どうした、ビロード?」

( ><)「どこからか悲鳴が聞こえた気が…」

(;'A`)「げ」

ξ;゚听)ξ「悲鳴!?」

川 ゚ -゚)「病院で悲鳴とは、縁起でもないな」

(*-ー-)「私には聞こえなかったけど」

( ><)「確かに聞こえたんです」

川 ゚ -゚)「う〜ん」

川 ゚ -゚)「そういえば、どこからか視線を感じるような」


116 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 20:34:28.88 ID:k6+UEzu10
 
ξ;゚听)ξ「ちょっと、変なこと言わないでよ」

川 ゚ -゚)「冗談だ」

('A`)「(…この人が言うと冗談に聞こえないな)」

( ><)「ボクのは本当なんです」

川 ゚ -゚)「まぁ、いいさ」

(;><)「(さらっと流されたんです!!)」


川 ゚ -゚)「それで、部屋はどこですか?」

(*-ー-)「503号室よ」

(*-ー-)「エレベーターで上がって、一番奥の部屋」

(*-ー-)「…」

(*-ー-)「すぐに分かると思うから、先に行ってて」

('A`)「どうしてですか?」

ξ*゚ー゚)ξ「ふふん」

('A`)「?」
118 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 20:36:27.59 ID:k6+UEzu10
 
ξ*--)ξレm「女がこーゆーことを言うときは、『オテアライ』なの」

ξ*゚听)ξ「勉強不足ね、ドクオ」

('A`)「…」

(*-ー-)「…」

(*-ー-)「そうだけど、言わなくてもいいから」


川 ゚ -゚)「じゃあ、先に行ってます」

ξ*゚听)ξ「えっと、どこだったけ」

( ><)「503号室なんです」

(*-ー-)「そう。すぐに行くから」


('A`)、「すいません、それじゃ…」

('A`)「…」

( 'A)「…」

(*-ー-)「今、変なこと考えたでしょ」
120 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 20:37:09.55 ID:k6+UEzu10
 


ピンポーン
1Fデス



゚ -゚)「それじゃあ、後で」

゚听)ξ「ゆっくりオテアライしてってね!」

'A)「…」


(*-ー-)「さっさと行きなさい」



ピーン
ガー



(*-ー-)「まったくもう…」
123 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 20:39:20.69 ID:k6+UEzu10
 


 ゚ 



(*-ー-)「…」




 ゚ ゚ 『…』




(*-ー-)「…?」







( ゚∋゚)『…みぃっけ』


126 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 20:41:05.45 ID:k6+UEzu10
 


―VIP総合病院、つーの病室


[(*- -)]


('A`)「…」

('A`)「そっくりっすね」

川 ゚ -゚)「顔を見るのは、はじめてだったか」

('A`)「いえ、前にちらっとだけ」

('A`)「…」

('A`)「ずっと寝たきりで?」

( ><)「そうなんです」

('A`)「…そうっすか」

川 ゚ -゚)「あの事件以来か」

ξ*゚听)ξ「…」


127 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 20:42:02.80 ID:k6+UEzu10
 
ξ*゚听)ξ「このまま目を覚まさないのかな…」

( ><)「…」

( ><)「そんなことはないんです」

( ><)「一緒に遊ぼうって約束したんです」

( ><)「友達に…なったんです」

('A`)「…」

川 ゚ -゚)「…」

川 ゚ -゚)「きっと目を覚ますさ」



[(*- -)]



……―――


131 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 20:43:49.17 ID:k6+UEzu10
 


―1Fロビー


( ´ー`)『早速かーヨ』

| ^o^|『来た早々に発見とは、ついてますね』


(*-ー-)「…?」

(*-ー-)「誰、ですか?」


( ゚∋゚)『…』

( ゚∋゚)『…?』


(*-ー-)「…」


( ´ー`)『…?』

( ´ー`)『ん? ジョーカーってこんなヤツだったかヨ?』


132 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 20:44:55.57 ID:k6+UEzu10
 
| ^o^|『私に聞かれても…』

| ^o^|『“私自身”は会ったことがありませんので』

( ´ー`)『…』

( ´ー`)『まぁ、いいヨ』

( ´ー`)『さっさと帰るーヨ』

グィッ

(;-ー-)「いたっ!」

(;-ー-)「な、なんですか!?」

(;-ー-)「ちょっと、離してください…!」


| ^o^|『我々のことが分からないようですが?』

( ´ー`)『記憶が錯乱してんじゃねーノ』

( ´ー`)『セントの“聖杯”をやられてんだ。しょうがねーヨ』


(;-ー-)「いや…!!」
136 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 20:46:14.80 ID:k6+UEzu10
 
( ´ー`)「ウルセーヨ」

(*-ー-)「…!」


ゴッ!!

(;-ー-)、「…うっく」

ガクッ

(*- -)「……」


( ゚∋゚)『…』

(*-( ´ー`)『よいしょ、っと』

( ´ー`)『とりあえず、これでOKだろ?』

| ^o^|『…』

| ^o^|『かなりの強攻策ですね』

( ´ー`)『生ぬるいことやってるから失敗するんだーヨ』

( ´ー`)『これくらいやっても…』


137 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 20:47:16.40 ID:k6+UEzu10
 

「き、きみたち!!」


( ´ー`)『ん?』


医者「そ、その女性をどうする気だ!?」


ザワザワ…


( ´ー`)『…』

| ^o^|『人が集まってきましたね』


医者「もうすぐ警察が来る! それまで、おとなしく…」


( ゚∋゚)『…』

( ´ー`)『やめとくーヨ』

( ゚∋゚)『…』

( ´ー`)『お前の能力じゃ、ここが消し炭になっちまうヨ』

140 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 20:48:28.93 ID:k6+UEzu10
 
| ^o^|『どうしますか?』

( ´ー`)『しったことか』

( ´ー`)『行くーヨ』


医者「ちょっ、動くなと…!!」


バチン!!!


医者;「っ…!?」

医者;「なんだ!?」

医者「見えない……壁…?」


( ´ー`)「ムダダーヨ」


医者「ぐっ……、現代医学の限界か…!」

※違います


( ´ー`)『…』
148 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 20:49:49.85 ID:k6+UEzu10
 
( ´ー`)『ともかく、ジョーカーの回収は終了だーヨ』

| ^o^|『確かに』

( ´ー`)『じゃあ、残り時間はスィーツ巡りだーヨ』

( ゚∋゚)『…』

( *゚∋゚)『(……マサオ)』





― 一行が病院の玄関口に差し掛かったとき



ヒュン!!



―風を切り裂いて何かが飛んできた

151 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 20:50:49.33 ID:k6+UEzu10
 

ドゲン!!!


| ^o^|『…!!』

( ゚∋゚)『…?』

( ´ー`)『今度はなんだーヨ』


―それは、見えない壁に衝突してずるずると崩れ落ちる


(゚#∀□#)


―横に広く伸びたその物体は、かつてジョルジュと呼ばれたものだった


( ´ー`)『なんだこりゃ』

| ^o^|『人、みたいですね』

| ^o^|『外から飛んできましたが』

( ´ー`)『それくらいは分かるーヨ』

( ´ー`)『(何か見覚えがあるーヨ…)』
158 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 20:52:13.28 ID:k6+UEzu10
 
( ゚∋゚)『…』

( ゚∋゚)『…ゲロくさい』


―クックルが僅かに顔を顰めながら、外へと目を向ける


―立っていたのは、女

―色んな匂いを漂わせながら、しかし、すっきりとした顔で玄関口に佇んでいた


从 ゚∀从「おぅおぅ」

从 ゚∀从「どちらさんか知らねーがな」

从 ゚∀从「そいつはオレのダチなんだ」

从 ゚∀从「ナンパするにも、オレに許可とってほしいね」



( ´ー`)『ダイプロの…仲間かヨ』

| ^o^|『面倒なことになりましたね』

( ゚∋゚)『…』

164 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 20:53:14.90 ID:k6+UEzu10
 
( ´ー`)『別にどうってことねーヨ』

( ´ー`)『…』

( ´ー`)「ジャマ ハ サセネーヨ」


从 ゚∀从「日本語…?」


( ゚∋゚)『…』


从 ゚∀从「……この雰囲気」

从 ゚∀从「…ただの外人ってわけじゃなさそうだな」


( ´ー`)『…』


从 ゚∀从「(さっきのを見るに、十中八九エスパーに違いないな)」

从 ゚∀从「(不可視の障壁か…?)」

从 ゚∀从「(それとも別の…)」

从 ゚∀从「…」

167 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 20:54:32.86 ID:k6+UEzu10
 
从;゚∀从「うっ…」

从; )-从「……また、こみ上げてきた」


( ´ー`)『…?』

( ´ー`)『まぁ、いい』

( ´ー`)「サッサト ドクーヨ」


从;゚д从「う、うるせぇ!」

从; )-从「…うぷっ」

从; )-从「(マズイ…)」

从; )-从「(早くケリつけないと…)」

176 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 20:56:13.89 ID:k6+UEzu10
 

ズダッ!!

 、从;゚∀从「たりゃあああああああ!!!」


―気合とともに、飛び掛るハイン


( ´ー`)『…』

( ´ー`)『無駄だーヨ』


―不可視の壁は依然健在であり、それは無謀な特攻のように思われた

―が、しかし






从#゚∀从「“半分に、開きやがれ”!!!」



―力任せに、こじ開けた

182 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 20:57:59.23 ID:k6+UEzu10
 
( ´ー`)『…!』

| ^o^|『なんとなんと!』

( ゚∋゚)『…』


从 ゚∀从「どらあああああ!!!」

( ´ー`)『…っ』


バシッ!!

从 ゚∀从「だっしゃああ!!!」
  つ(*-ー-)



从 ゚∀从「ざまーみろ! ベロベロベロベロベー」


( ´ー`)『ちっ…』

| ^o^|『なんでそんな簡単に手放すんですか』

( ´ー`)『痛いのは嫌いなんだーヨ』

| ^o^|『…』
185 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 20:59:20.02 ID:k6+UEzu10
 
从;゚д从「うっぷ、気持ち悪っ…」

从 -∀从「ふぅぅぅ…はぁぁ…」

从 ゚∀从「しぃ! しぃ、無事か!?」

ペチペチ

(*-ー-)「う……ん…」

从 ゚∀从「おい、おーい!」

バシバシ

(#-ー-)「うぅ…ん」

从 ゚∀从「おぉぉぉい!!!」

ゲシゲシ


(#-ー-)「ったい、ってば!!!」


从 ゚∀从「おぉ、起きた」

(;-ー-)「ハイン…!?」
188 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 21:00:01.35 ID:k6+UEzu10
 
从 ゚∀从「感謝しろやい、もう少しで誘拐されるとこだったんだぞ」

(*-ー-)、「あ、ありがと…」

从 ゚∀从「で、なんなの、あの外人どもは?」

(*-ー-)「私にも、さっぱり……」


(*-ー-)


(*- -)"



(;-ー-)「ハイン!! 後ろっ!!!」


从゚∀从「あ?」





 ゚ ゚


195 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 21:01:43.87 ID:k6+UEzu10
 

 ガッ!!!

( ゚∋゚) つ、゚从・:


―クックルの巨大な手が、ハインの顔面を鷲掴みにした


(;-ー-)「ハイン!!!」


( ゚∋゚)『…』

つ、゚;从「がっ……!?」


(;-ー-)「離せ! この…!!」

( ゚∋゚)『…』

( ゚∋)『…』

ガスッ!!

(メ-ー-)、「っ…!!」


つ、゚;从「―――!!!!」
199 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 21:03:24.69 ID:k6+UEzu10
 
( ゚∋-)『…!』

( ゚∋゚)『…』

ガジガジ

つ皿゚;从「――!! ―――!!!」


( ゚∋゚)『…』

( ゚∋゚)『痛いじゃない』


つ皿゚;从「―――!!」

( ゚∋゚)『…』

( ゚∋゚)『煩い女は、嫌い』


( ゚∋゚)「…bye」




    キュゴッ!!!!!


203 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 21:04:42.75 ID:k6+UEzu10
 


―院内、つーの病室


ザワザワ


川 ゚ -゚)「…なんだ?」

( ><)「何か騒がしいんです」



「きゃあああああああ!!!!!」



(;'A`)「なんだ!?」

ξ*゚听)ξ「この声…」

川 ゚ -゚)「しぃさんの声か…!」
206 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 21:05:45.58 ID:k6+UEzu10
 
(>< = ><)

(>< )"

(><;)「そ、外!」

(><;)「あれは、しぃさんとハインさんじゃないんですか!?」

('A`;)「よく見えるな…」

ξ;゚听)ξ「しぃとハインがどうしたの!?」

(><;)「変な人に囲まれてるんです!!」

川 ゚ -゚)「…!」

川 ゚ -゚)「――外か」

川 ゚ -゚)「私が行く」

川 ゚ -゚)「皆はここに残っていてくれ」

(;'A`)「一人だけじゃ危ないっすよ!」

ξ*゚听)ξ「じゃあ、ドクオがついていけばいいんじゃない?」

( 'A`)

('A`)「え?」
209 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 21:06:35.40 ID:k6+UEzu10
 
川 ゚ -゚)「そうか、助かるよ」

(;'A`)「いや、ちょっと…」

川 ゚ -゚)「手を」

( 'A`)「あの…」

川 ゚ -゚)「離すなよ」

('A` )「そっちは、窓ですよ…?」



バサッ!!

w川 ゚ -゚)w


('A`;)「うぇ!?」

214 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 21:08:30.35 ID:k6+UEzu10
 
w川 ゚ -゚)w「しっかり掴まってろよ」

w川 ゚ -゚)w「飛ぶぞ」



(;'A`)「ぎょえええぇぇぇぇぇ!!!!」






ぇぇぇ ぇ  ぇ  ぇ     ぇ






バササッ!!

216 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 21:09:01.63 ID:k6+UEzu10
 
(>< )「…」

(>< )「なんでドクオさんを…?」

ξ(゚- ゚*ξ「…なんとなく、かな」










[(*- -)]「…」



……―――カタッ



( ><)"「ん?」

220 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 21:10:39.51 ID:k6+UEzu10
 


―VIP総合病院前

―焦げた匂いが鼻についた


( ゚∋゚)


―手を離す、クックル




从 ゚ 从




―ゆっくりと崩れ落ちるのは、ハインリッヒ




(;-−-)「ハイン!!! ハインっ!!!!!」

从 ゚ 从「…」

231 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 21:13:12.98 ID:k6+UEzu10
 
( ゚∋゚)『…』


―微かだが、ハインは生きていた


―クックルとしては、確実に焼き殺すつもりだったが

―邪魔をされたのだ


( ゚∋゚)『…誰、かしら?』



ガサッ


―茂みが揺れる




「……遅かったか」



( ФωФ)「下衆が…!」
242 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 21:15:38.23 ID:k6+UEzu10
 

―まってましたよ、ロマネスク

―どこからか、そんな声が聞こえたとき







   ずぎゅる!!


   ('A`)w川 ゚ -゚)w
  、 つ;ФωФ)つ, 「ぶふぅ!!?」






―最強の助っ人は、見事に潰された



251 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 21:17:28.73 ID:k6+UEzu10
 
 w川 ゚ -゚)w バサッ


 川 ゚ -゚)「お?」

 川 ゚ -゚)「何か潰したみたいだな」

 (;'A`)「はー、はー、……死ぬかとオモタ」


(*-−-)「クーちゃん、ドクオくん…!!」


( ´ー`)『また、助っ人かヨ』

| ^o^|『どんどん事が大きくなってますね』

( ´ー`)『…』

( ´ー`)『面倒なのは勘弁だーヨ』

( ´ー`)『クックル』


( ゚∋゚)『…』

( ´ー`)『とっとと片付けるーヨ』

( ´ー`)『みんな焼いちまえばいーヨ』
254 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 21:19:20.51 ID:k6+UEzu10
 
( ゚∋゚)『…』

(゚∋゚ ) ツイ…


( ´ー`)『…シカトかヨ』


 ('A`)「なんだ、あいつら…?」

 川 ゚ -゚)「…」

 川 ゚ -゚)「(あれは、いつだか来てたエスパゴンの人間か?)」

 川 ゚ -゚)「(とすると、狙いはつーさんか)」

 川 ゚ -゚)「(ビロードとツンを残してきて正解だったな)」

 (;'A`)「素直さん、ハインさんが…!」

 川 ゚ -゚)「…!!」


 从 ゚ 从


 川 ゚ -゚)「…っ」

 川 ゚ -゚)「(前にみたいに誤魔化せないな、これは)」
256 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 21:20:26.69 ID:k6+UEzu10
 
 川 ゚ -゚)「…」

 川 ゚ -゚)「…言葉が通じるかはしらないが、そこにいるのはウチの仲間なんだ」

 川 ゚ -゚)「どいてもらおうか」


( ゚∋゚)『…』

( ´ー`)『どけ、だとヨ』

| ^o^|『どきたいのは山々なんですが…』


 (;'A`)「…」

 (;'A`)「これは、非常にまずい状況なのでは…」

 川 ゚ -゚)「そうかもな」

 (;'A`)「応援を…」

 川 ゚ -゚)「呼べれば、な」

 (;'A`)「…」

262 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 21:22:06.65 ID:k6+UEzu10
 
 「すまんが…」

 ムクッ

 (ФωФ;メ)「私のことを無視しないでもらいたいな」


 川 ゚ -゚)「…!!」

 (;'A`)「うぉ!? あんた誰!?」


 (ФωФ メ)「…」

 (ФωФ メ)「(踏んだり蹴ったりとは、このことか)」

 (ФωФ∩)ゴシゴシ

 (ФωФ )「杉浦ロマネスク」

 (ФωФ )「自分のところの知事の名前と顔ぐらいは覚えてほしいものだがな」


 ('A`)「知事って、あの行方不明の?」

 川 ゚ -゚)「…生きていたんですね」

 (ФωФ )「死に損なうのは得意でね」
268 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 21:23:48.75 ID:k6+UEzu10
 
 川 ゚ -゚)「私たちに協力してくれると?」

 (ФωФ )「いや…」

 (;'A`)「え?」

 (ФωФ )「私一人でなんとかしよう」

 (ФωФ )「キミたちには、少々荷が重い相手だ」

 (ФωФ )「せっかく来てもらってなんだが、逃げたほうがいい」

 川 ゚ -゚)「そうはいきません」

 川 ゚ -゚)「あそこで倒れているのは、私たちの仲間です」

 川 ゚ -゚)「仲間をおいて逃げるわけにはいけません」

 (ФωФ )「…」



( ゚∋゚)『なんて言ってる…?』

( ´ー`)『てめーなんて目じゃねーヨ、この変態デブ』

( ´ー`)『って、言ってるーヨ』

| ^o^|『…ホントですか、それ』
271 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 21:25:14.41 ID:k6+UEzu10
 
( ゚∋゚)『…』

( ゚∋゚)『…ムッ』


ボヒュッ!!



―クックルの周囲の空気が弾ける

―熱が形を成し、火球となってクーたちに迫った



 川 ゚ -゚)「…!!」

 (;'A`)「ひぇ!?」

 (ФωФ )「…」

274 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 21:26:10.12 ID:k6+UEzu10
 


―キン!



―しかし、それが彼女たちに届くことはなく

―火球は白い煌めく塊に姿を変え、粉々に砕け散った



 *(ФωФ )** +


 (;'A`)「すげ…」





 (ФωФ )「仲間、か」

 (ФωФ )「懐かしい響きだ」

 川 ゚ -゚)「…」

282 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 21:28:11.33 ID:k6+UEzu10
 
 (ФωФ )「しかし」

 (ФωФ )「彼女たちはキミたちの仲間であると同時に、私の古い友でもある」

 川 ゚ -゚)「…」

 (ФωФ )「譲れない、か」

 川 ゚ -゚)「もちろん」

 (ФωФ )「ふむ…」
 
 (ФωФ )「それなら、共同戦線といこうじゃないか」

 ('A`)「共同戦線…?」

 (ФωФ )「あぁ、目的は彼女たちの奪還だ」

 (ФωФ )「それでいいだろう?」

 川 ゚ -゚)「…」

 (ФωФ )「どうした? 怖気づいたかね」

 川 ゚ -゚)「まさか」

 川 ゚ -゚)「望むところですよ」

 (ФωФ )「よい、返事だ」
284 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 21:29:12.79 ID:k6+UEzu10
 
 (ФωФ )「…そちらの彼も、でいいかな?」

 (;'A`)「え」

 (;'A`)「いや、オレは…」

 川 ゚ -゚)「…すいません。ドクオくんは、エスパーではないので…」

 (ФωФ )「そうなのかい?」

 (;'A`)「…」

 川 ゚ -゚)「…」

 (ФωФ )「…」

 (ФωФ )「ふむ…」


 ( ФωФ)「では、止しておこう。キミと私だ」

 川 ゚ -゚)「がってん承知の助です」

 ( 'A`)「…」

287 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 21:29:41.64 ID:k6+UEzu10
 
( ´ー`)『なんだか、やる気みたいだーヨ』

( ゚∋゚)『…』

| ^o^|『どうしましょう』

( ´ー`)『とっとと帰りたいとこ、なんだが…』


( ゚∋゚) ゴゴゴゴゴ




 ヒュバッ

  、.      ゚ ∋゚




| ^o^|『あ』

( ´ー`)『もうシラネーヨ』
291 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 21:31:22.20 ID:k6+UEzu10
 


   (゚Θ゚)



―超高速で迫る鳥面(※笑うところではありません)


―振りかぶる巨大な腕



 (;'A`)「き、きた!!」

 ( ФωФ)「下がってろ!!」





     ガァンッ!!!

 ∴・( ゚∋゚)つ∩(ФωФ )・∴


―それを、ロマネスクは正面から受け止める

300 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 21:32:48.55 ID:k6+UEzu10
 
 (ФωФ )「!!」

 ( ゚∋゚)『…』

 ( ゚∋ )『…』

 (ФωФ )「むっ…」

 ( ゚∋゚)『…融けろ』


ジュゥゥゥゥ!!!


 (+ωФ;)「ぐっ…!?」


―互いの腕と腕が交差したところより、白い煙が上がった

―ククッルの腕部が燃えるように赤く滾(たぎ)っている



 ( ゚∋゚)『…?』

304 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 21:35:11.63 ID:k6+UEzu10
 
 ( ゚∋゚)『融けてない…』

 (+ωФ )「…」

 ( ゚∋゚)『“絶対零度”…』

 (+ωФ )「ふむ、私の防御壁を溶かすほどか…」


 (ФωФ )「まぁ」


 *(ФωФ )*+ キン…


 (ФωФ )「全力ではないのだがね」
 
 ( ゚∋゚)『…ムッ』

310 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 21:39:11.72 ID:k6+UEzu10
 
 川;゚ -゚)「(子供のケンカか…)」

 川 ゚ -゚)「(まぁ)」

 川 ゚ -゚)「(引き付けてくれるのは、ありがたいけどな)」

 w川 ゚ -゚) バサッ

 w川 ゚ -゚)「ドクオくん、危なくなったら逃げるんだぞ」


 ('A`)「…あ」




 ギュッン!!

 :・ 、



 ('A`)「…」

318 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 21:42:37.48 ID:k6+UEzu10
 
( ´ー`)『ん…』

,w川 ゚ -゚)w, バサッ

w川 ゚ -゚)w「二人を返してもらおうか」

( ´ー`)「NO」

( ´ー`)『と、いえる外国人だーヨ』

w川 ゚ -゚)w「それなら力ずくで、取り返すだけだ」


―呼び出すのは、岩石

―目標は、不審外国人エスパー


ヒュ
パッ


ゴォン!!



―しかし

―見えない壁はびくともせず、大岩は砕けて落ちた
321 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 21:43:24.15 ID:k6+UEzu10
 
( ´ー`)『オゥ、危ねーヨ』

( ´ー`)『物質のテレーポートかヨ』

| ^o^|『aportation(物質呼び寄せ)ですか』

( ´ー`)『あぁ、それだーヨ』

( ´ー`)『確か、本部でそんな話をしてた気が…』


ゴゴン!!!


( ´ー`)『だから、無駄だーヨ』

w川 ゚ -゚)w「むぅ…」

w川 ゚ -゚)w「(妙な障壁……、超能力か…)」

w川 ゚ -゚)w「(しぃさんとハインさんをテレポートすることが出来れば、一番てっとり早いんだが…)」

w川 ゚ -゚)w「(ムリ、か)」

(*-ー-)「クーちゃん…」

( ´ー`)『まぁ、諦めるーヨ』

( ´ー`)『それじゃあ、さっさと…』
326 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 21:45:05.09 ID:k6+UEzu10
 

  ガシッ

つ< ´ー`)


(´ー` )『…?』

(メ ゚∀゚)つ「オレを忘れちゃ困るぜ〜」

(´ー` )『(“壁”の内側にいたのかヨ)』

(´ー` )『誰だヨ』

(メ;゚∀゚)「フーアーユーって言ったね、今」

(メ ゚∀゚)「つーか、あんたどっかで見たことある顔だな…」

(´ー` )『…』

(´ー` )「シラネーヨ」

(メ;゚∀゚)「――っ!」

(メ;゚∀゚)「…! シラネーヨさん、か!?」

(メ ゚∀゚)「あんた、なんでこんなとこに…!!」

(´ー` )『しらねーって、言ってるヨ』
331 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 21:47:15.11 ID:k6+UEzu10
 

    ゲシッ!!!

∴・( ∀(┗┐=(´ー` )『どけーヨ…!』


( ∀(┗┐(´ー` )『…?』



(-∀(メ)「…」

(゚∀(メ)「なんで、あんたがこんなトコにいるかは知らねぇが…」

(゚∀(メ)「…」

(゚∀(メ)「…オレぁ、よ」




(# ゚∀(メ)「おんにゃの子をイジメる奴だけは、許せねぇんだよ!!」

335 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 21:48:53.90 ID:k6+UEzu10
 
     ガシッ

(# ゚∀(メ)∩┐(´ー`;)『!?』


 (´ー`;)『…ちょっ』
∩# ゚∀(メ)∩「どらああああああ!!!!!」


(# ゚∀(メ)「ふんぬぅ!!!」


 ビターン!!!!

 ,: (´ー`;)『が、はっ…』


(# ゚∀(メ)凸「てめぇの価値はクズ以下だ、ファッキュー」


(*-ー-)「ジョルジュくん…!」

( ゚∀(メ)「しぃさん、もう大丈夫ですよ」

( ゚∀(メ)「貴女の王子が助けに…」

(*-ー-)「そんなことよりハインが!!」

( ゚∀(メ)「(そんなこと…)」
340 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 21:50:29.40 ID:k6+UEzu10
 
( ゚∀(メ)「まぁ、女性は皆平等ってね…」

( ゚∀(メ)「ハインさ〜ん、貴女の王子でもあるジョルジュn」





( ゚∀(メ) .



( ゚∀(メ)「…?」

( ゚∀(メ)「あ…れ……」


―腹部に熱を感じる

―視線を下に向けると、わき腹が赤く染まっていた


(;゚∀(メ)「なん……だと…?」

(;゚∀(メ)「いや、冗談じゃなくて…さ」


| ^o^|『…』

52 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 21:54:20.27 ID:k6+UEzu10


―硝煙

―再度、乾いた音が響く




(;゚∀(メ)「がっ……!!」

(  ∀(メ)「は……」





w川;゚ -゚)w「ジョルジュ!!」

(;-−-)「…いや」



((;-−-))「いやああああああああああ!!!!!」





354 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 21:54:55.39 ID:k6+UEzu10
 


―院内、つーの病室


「いやああああああああああ!!!!!」


ξ(゚- ゚;ξ「しぃの声…!」

ξ(゚- ゚;ξ「ビロード! 下はどうなってるの!?」

(><;)「…」

(><;)「ジョルジュさんが……、撃たれました」

ξ(゚- ゚*ξ「そう…」


ξ(゚△゚;ξ「って、ええええええええええ!?」


ξ(゚△゚;ξ「たたたた大変じゃないっ!!」

(;><)「当たり前なんです!!」
356 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 21:55:49.68 ID:k6+UEzu10
 
ξ(゚△゚*ξ「どどどどどうする!?」

(;><)「そんなこと……!!」


(;><)


(;><)「え……あ……」

ξ(゚- ゚*ξ「…?」


ξ*゚听)ξ







   ( *゚∀)「…」




(;><)「つ、つーさん!?」

ξ;゚听)ξ「え!? ええええ!!?」
364 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 21:57:28.54 ID:k6+UEzu10
 
( *゚∀)「…」

( *゚∀)「Cぃ…」

( *゚∀)「Cが、泣いてるでーす」

(;><)「しぃさんの声で……目覚めたんですか…?」

ξ*゚听)ξ「あ、それロマンチック」





( *゚∀)「…」

(*゚∀゚)゛ ギシッ

(*゚∀゚)「Cを泣かすのは、お前らですか?」




(;><) 「え゛……?」 ξ(゚△゚;ξ


368 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 21:58:52.49 ID:k6+UEzu10
 


―院外、玄関前


「おい、あれって拳銃じゃねぇの…!?」

「まさかぁ…」

「映画か何かの撮影だろ?」

「ママー、あのお姉ちゃんお空飛んでるよー」

「そんなわけ……げぇ!!?」

「だからー、撮影だって」



(;'A`)「ジョルジュさんが…」


(ФωФ;)「くっ…!」

( ゚∋゚)『…』

(ФωФ;)「…」

( ゚∋゚)『よそ見、良くない』
371 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 22:00:22.66 ID:k6+UEzu10
 

     ドンッ!!!!

( ゚∋゚) =つ : :::∩ωФ;)・∴


(ФωФ;)「ぐ…!!」

(ФωФ )「…」

(ФωФ )「(こいつ……)」



( ゚∋゚)『あはっ♪』


ボボボボボッ


―クックルの周囲に、灯火が広がる

―ちろちろと瞬くそれは、一見すると蝋燭の火のようにも見える

376 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 22:02:45.35 ID:k6+UEzu10
 
(ФωФ )「…!!」

(ФωФ )「輝き、聳(そび)えろ! 氷の壁よ!!」


ゴキン!!!


―それに対しロマネスクは、これでもかというほど巨大な氷の壁を築く


('A`)「(かっけぇ…)」


―きらきらと目を輝かせるドクオはさて置いて

―炎が、氷壁に衝突する


―その小さな炎は じゅっ という音を立てて消える

―と、思いきや



ゴォ!!!!


― 一瞬で、業火が壁を包み込んだ
382 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 22:04:38.00 ID:k6+UEzu10
 
(ФωФ )「…!」


( ゚∋゚)『あははっ』


(ФωФ )「…」

(ФωФ )「楽しんでいるところ、すまんが」


( ゚∋゚)「…?」


(ФωФ )「想定内だ」



―ロマネスクの言葉と共に、氷壁から溶け出した水が収束する

―水滴が固まり、無数の氷の弾丸と化す



( ゚∋゚)『…!』

385 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 22:06:17.30 ID:k6+UEzu10
 

―それらは、一斉にクックルへと向かって発射された


ゴォ!!


―焼き払うも、数が数である

―氷弾が炎を圧倒しはじめる



( ゚∋゚)『ム…』

チッ!

、(ー゚∋゚)


―だがしかし、それでもわずかに頬に傷をつけるだけに終わった


(ФωФ )「…」

(ФωФ )「(これは決着がつかんな…)」

387 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 22:06:49.58 ID:k6+UEzu10
 

(ー゚∋゚)『…』


(∩゚∋゚)『…』

(‐゚∋゚)∩『…血』


(ФωФ )「?」



(;'A`)「!!」

(;'A`)「(これは、血を見るとプッツンしちゃうとかいう流れ――)」

(;'A`)「ロマネスクさん! 危ない!!」


(ФωФ )「…?」


389 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 22:07:51.41 ID:k6+UEzu10
 
「すげー、火でたぞ! 火!!」

「なんだありゃCGか?」

「いや、CGじゃないだろ…」

「じゃあ、特撮?」

「それも違うと思う」



| ^o^|『ふむふむ』

| ^o^|『事が大きくなると困りますね、本当に』

( ´ー`)『てめぇが大きくしてんだろヨ』

( ´ー`)『…』

( ´ー`)『そろそろ、ポリスも来る。いいかげん帰るヨ』

w川;゚ -゚)w「くっ…」

( ´ー`)『残念だったな』

( ´ー`)『ジョーカーは回収させてもらうヨ』

(;-ー-)「…くぅ」
393 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 22:09:08.34 ID:k6+UEzu10
 
( ´ー`)『…』


(  ∀(メ)


( ´ー`)『……ジョルジュだったか』

( ´ー`)『死に目を見るのは二回目だーヨ』

( ´ー`)『…』

( ´ー`)『クックル』





(‐゚∋゚)∩ ゴゴゴゴゴゴゴ


(ФωФ;)「…?」

(;'A`)「…」


( ´ー`)『ん?』


397 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 22:10:32.19 ID:k6+UEzu10
 


(‐゚∋゚)『…』

( *゚∋゚)『クール…』






(ФωФ )「は?」

('A`)「へ?」



( *゚∋゚)『…私に傷をつけるとは、ね』

( *゚∋゚)『ぞくぞくしちゃう…』

( *゚∋゚)『それに…』

( *゚∋゚)『よく見ると、いい男…』


( *゚∋゚) ジュルリ

407 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 22:14:00.65 ID:k6+UEzu10
 

   ゾクゾクゾク!!

―ヘ√(;ФωФ)――「!?」


(;ФωФ)「なんだ…? 鳥肌が…」

(;'A`)「すごく、貞操の危機です……」




( ´ー`)『ぅおい』

( ´ー`)『そんなの、後にするヨ』

( ´ー`)『とりあえず帰るーヨ』

( *゚∋゚)『…』

(*゚∋゚) プイッ


( ´ー`)『…また、シカトかよ』


408 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 22:15:07.56 ID:k6+UEzu10
 
w川 ゚ -゚)w「…」

w川 ゚ -゚)w「どうにかしないと…」


―野次馬が、ぎゃーぎゃーと騒いでいる


w川゚ -゚)w「後でツンに頼むのも一苦労だな…」



―その中に、一部違う悲鳴が混じっていることに気付く

―それはどこか聞き覚えのある、嬌声じみた高い声



w川 ゚ -゚)w「…なんだ?」

414 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 22:18:02.12 ID:k6+UEzu10
 
―声と一緒に音も聞こえた

―何かが、砕かれ、潰されるような音が上から下へと響いてくる


ドガガガガガガガガガ―――!!!!


「きゃあです――――!!!」

「いや―――――――!!!」


( ´ー`)『ん・・・?』

| ^o^|『…』

w川 ゚ -゚)w「なんだ?」


―音の源は、病院

―破砕音は次第に大きくなり、玄関口でその最大を奏でた



   ずごぉん!!!!!!!


416 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 22:19:45.45 ID:k6+UEzu10
 
ウワー、タスケテー
ギャー、ナニー!?
ナ、ナンダー!?


( ФωФ)「病院が…!?」

(;'A`)「変な煙出てますよ!?」

( ゚∋゚)『…?』



;><)「ケホっ、ケホっ」

;゚听)ξ「いやぁ!!」


w川 ゚ -゚)w「ビロード、ツン…!?」

w川 ゚ -゚)w「ということは、これは……」






 (*゚∀゚)「アヒャ」

419 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 22:21:13.03 ID:k6+UEzu10
 
(;-ー-)「お姉ちゃん!!?」



(*゚∀゚)″

(゚∀゚*)「C…?」



(;-ー-)「…!!」

(;-ー-)「お姉ちゃん、逃げて!!! この人たちの狙いh」


| ^o^|『騒がないでいただきたいですね』

ガスッ!

(;-ー-)「うっ…」

(;-ー-)「今日の私、殴られ…すぎ……あぅ」


(*゚∀゚)「…!」

423 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 22:22:53.06 ID:k6+UEzu10
 
( ´ー`)『今、なんて言った…ヨ?』

| ^o^|『暴れないで、と』

( ´ー`)『お前じゃねーヨ、この女だヨ』

| ^o^|『オネーチャン ナゲテー』

( ´ー`)『投げてどうするんだーヨ』


( ´ー`)『…』

( ´ー`)『ジョーカーが、二人』

( ´ー`)『そういえばジャパンに妹がいるとか、パーティで話してたーヨ』

( ´ー`)『ということは、こっちは妹で、あっちがジョーカーかヨ』

| ^o^|『なるほど』

( ´ー`)『まったく紛らわしいーヨ』

( ´ー`)『さっさと本物捕まえて…』

427 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 22:25:46.79 ID:k6+UEzu10
 


ズン!!!



(( ´ー`))『…!!』

|| ^o^||『!!』


―重低音が響く同時に、地面が沈む


(*゚∀゚)「C、傷つける、許さないでーす」

(*゚∀゚)「…」

(*゚∀゚)『シネ』


―更に重圧を加える、つー


( ФωФ)「まずい…!!」

('A`)「え、なに?」


433 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 22:27:52.67 ID:k6+UEzu10
 
w川 ゚ -゚)w「みんな!」

(;><)「わわわわ…」

ξ*゚听)ξ「きゃっ…!」



( ゚∋゚)『…崩れる』

( ゚∋゚)″

( ゚∋゚)『…』



ξ*゚ )ξ「――――っ」

ξ* )ξ「――…は…」




―圧力に耐え切れなくなった大地が、悲鳴のような音を上げ崩壊した




437 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 22:29:13.82 ID:k6+UEzu10
 

……
………

―路地裏

―大通りを救急車やパトカーが行き過ぎていく

―おそらく病院での一件だろうと予測がついた


( ゚∋゚)『…』

( ´ー`)『サンキューだーヨ』

( ゚∋゚)『…』

( ゚∋゚)『ブームは間に合わなかった…』


( ´ー`)『あいつは、捨て駒だーヨ』

( ´ー`)『“代え”はいくらでもいるーヨ』

( ゚∋゚)『…』

440 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 22:30:24.89 ID:k6+UEzu10
 
( ゚∋゚)『ジョーカーの回収は…?』

( ´ー`)『んー』

( ´ー`)『結果的に置いてきたが…』


(*- -)


( ´ー`)『こっちに大事な妹がいるんだ。自ずと追いかけてくるだろーヨ』

( ゚∋゚)『…じゃあ、帰る?』

( ´ー`)『いんや』

( ´ー`)『スィーツ巡りが先だーヨ』

( ゚∋゚)『…ワタシ帰る』

( ゚∋゚)『“これ”は、連れてく』

( ´ー`)『よろしく頼むーヨ』

( ゚∋゚)『…適当に』

445 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 22:32:07.13 ID:k6+UEzu10
 
( ´ー`)『…』

( ´ー`)『クックル』

( ´ー`)『“絶対零度”は別にいいのかヨ』

( ´ー`)『お気に入りじゃねーノ?』

( ゚∋゚)『…』

( *゚∋゚)『…ウフッ』

(;´ー`)『うっ…』

( *゚∋゚)『大丈夫』


( *゚∋゚)『ツバ、つけといたから…』


448 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 22:33:40.73 ID:k6+UEzu10
 



川 - -)「ん…」

川 ゚ -゚) パチッ

川 ゚ -゚)「…」

川 ゚ -゚)「氷…?」

川 ゚ -゚)「……冷たい」

( ФωФ)「大きなたんこぶが出来ていたのでね」

( ФωФ)「目は、覚めたかい」

川 ゚ -゚)「杉浦、知事…?」

( ФωФ)「ロマネスクで構わんよ」

川 ゚ -゚)「……ここは?」

( ФωФ)「ダイプロのレストルームだ」

( ФωФ)「…変わっていないものだな」

川 ゚ -゚)「…」

453 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 22:35:10.66 ID:k6+UEzu10
 
川 ゚ -゚)「…」

川 ゚ -゚)「あいつら……いや、みんなは?」

( ФωФ)「…」

川 ゚ -゚)「…」

川 ゚ -゚)「ハインさんは? ジョルジュは? しぃさんは?」

( ФωФ)「…」

( ФωФ)「ハインとジョルジュは病院」

( ФωФ)「一命は取り留めた」

( ФωФ)「しぃは、……連れていかれたよ」

川 ゚ -゚)「――!!」

( ФωФ)「追うだけ無駄だぞ」

( ФωФ)「それにキミが行ったところで、何が出来るわけでもないだろう」

川 ゚ -゚)「しかし……」

( ФωФ)「借りは返す」

( ФωФ)「そのために、私は戻ってきたのだ」
455 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 22:35:44.90 ID:k6+UEzu10
 
川 ゚ -゚)「…」

川 ゚ -゚)「つーさん…」

川 ゚ -゚)「つーさんは、どうしてるんですか?」

( ФωФ)「…」

( ФωФ)「体は大丈夫のようだな」


川 ゚ -゚)「…」コクッ

( ФωФ)「付いてきたまえ」
458 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 22:37:09.11 ID:k6+UEzu10
 
―ダイプロ隔離部屋


キィ…

川д川「あら、もう大丈夫なの〜?」

川 ゚ -゚)「貞ちゃん…」

川д川「つーちゃんに、会いにきたのね〜」

川 ゚ -゚)「あぁ」

( ФωФ)「…」



カタン

(*゚∀゚)「Cぃ…?」


川 ゚ -゚)「…」

川 ゚ -゚)「つーさん…?」

460 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 22:38:23.21 ID:k6+UEzu10
 

(*゚∀゚)「…」

( *゚∀)「Cぃ…」

( *゚∀)「Cは、……どこ…でーす…」




川 ゚ -゚)「…」

川 ゚ -゚)「これは一体…」

( ФωФ)「…」

( ФωФ)「力を使い切ったのか、ずっとこの調子だ」

( ФωФ)「以前も思ったが、強力な暗示か何かをかけられているようだな」

川 ゚ -゚)「暗示?」

( ФωФ)「ヒプノシス、超能力による催眠状態」

( ФωФ)「おそらくだが」
464 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 22:40:08.87 ID:k6+UEzu10
 
川 ゚ -゚)「じゃあ、つーさんは…」

川д川「精神崩壊一歩手前」

川д川「って、とこかしら〜」

川д川「妹に対する想いだけで、かろうじて現世と繋がってるにすぎないわ〜」

川 ゚ -)「そんな…」

川 ゚ -)「…」

川 ゚ -゚)「まさか、それを行った奴等というのは…」






( ФωФ)「――エスパゴン」





( ФωФ)「それが、全ての黒幕だよ」


468 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 22:41:26.36 ID:k6+UEzu10
 



ξ( ¥ )ξ「…」

テクテクテク

ξ( ¥ )ξ「…」

テクテクテク


(´・_ゝ・`)「あ、いた…!」


(¥ξ*゚)"


(´・_ゝ・`)、 「探しましたよ」

(´・_ゝ・`) 「主任がお呼びです。至急、ミーティングルームに、と」

ξ*゚听)ξ「…」

476 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 22:43:19.04 ID:k6+UEzu10
 
ξ*-)「そう…」


(´・_ゝ・`)「え?」


ξ( ¥ )ξ「…」

テクテクテク



(;´・_ゝ・`)「あ、ちょっと…!」



キィ…
バタン



ξ*゚听)ξ「…」

ξ*゚听)ξ「……」


482 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 22:44:39.10 ID:k6+UEzu10
 




―あのとき


―見てしまった




ξ*゚听)ξ「…」




―つーの重力波によって、足元が崩れる際


―一瞬だけだが、鮮明に、網膜に焼きついた



485 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 22:45:39.40 ID:k6+UEzu10
 




ξ*゚听)ξ「…」





―追憶の底に、沈んでいたモノが

―赤い炎に照らされて全貌を明らかにする






―焼かれた記憶


―それは、自ら焼き切った記憶





490 : ◆SEOMSVVqUg :2008/07/21(月) 22:46:29.89 ID:k6+UEzu10
 





―思い出した




( ゚∋゚)





―あいつは


―私と

―私の大事な人を殺したヤツだ






第二十八話了

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