154 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 19:36:26.23 ID:/JHnIuoH0

エスパークス、エスタークじゃねぇのかよ!
という人のための登場人物紹介

川 ゚ -゚) 新人。物を呼び寄せる超能力

(,,゚Д゚) 先輩。超脚力の超能力

(*-ー-) 身体が不自由。人の内面の色を視る

( ><) 新人。千里眼

ξ*゚听)ξ クソガキ。記憶を刈り取る

( ∵) 悪魔人形。今はクーの鞄のキーホルダー

( ・∀・)プロジェクト補佐。テレパシー能力

(*゚∀゚) 米国籍のしぃの姉。重力を操る
159 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 19:39:16.31 ID:/JHnIuoH0


『おはようございます、朝のニュースです』


『先日、ロビー湾沖で見つかった不審船ですが』

『調査の結果、船籍が某隣国のものと判明しました』

『船内には生活していた痕跡があり、工作員が乗っていたとも考えられます』

『政府は某隣国対し、厳しく言及していく方針です』



160 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 19:40:02.91 ID:/JHnIuoH0

―素直家、食卓


川 ゚ -゚)「ふーん」

川 ゚ -゚)「物騒なニュースが多いものだな」

川 ゚ ゚) モグモグ

川 ゚ -゚) ゴックン


川 ゚ -゚)「…さてっと」

川 ゚ -゚)「紙、紙、紙……あった」


川 ゚ -゚)「『母さんへ 友人のお見舞いに行くので、遅くなります クーより』っと」

川 ゚ -゚)「これでよし」

川 ゚ -゚)「かばん、お弁当、鍵、アホ人形……忘れ物はないな」
162 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 19:41:16.90 ID:/JHnIuoH0


( ∵)「…」

( ∵)「アホ人形つーのは、オレのことか」


川 ゚ -゚)「おはよう、アホ人形。今日は早起きだな」

( ∵)「うるせぇ、このビッチ」

( ∵)「その身体、いつか乗っ取ってやるから覚悟しとけよ」

川 ゚ -゚)「期待せずに待ってるよ」

( ∵)「けっ、食えねえ女だ」

川 ゚ -゚)「誉め言葉と受け取っておこう」

川 ゚ -゚)「ほら、もう出るぞ。黙ってろよ」


( ∵)「っち」

( ∵)「…ん?」
165 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 19:42:51.75 ID:/JHnIuoH0


『次のニュースです』

『今月1日より、リサイクル改定条例が施行されます』

『住民の意見を取り入れる形で改定された本条例』

『この度の改定について、知事からコメントを頂いています』




( ∵)「…」

( ∵)「この波長…」


川 ゚ -゚)「ん? どうかしたのか?」

( ∵)「…」

( ∵)「いや、なんでもねぇ」


川 ゚ -゚)「変なヤツだな」

( ∵)「…お前に言われたくはねぇよ」
168 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 19:44:10.36 ID:/JHnIuoH0



「みなさん、おはようございます」

「県知事の杉浦ロマネスクです」


「今、県が掲げている目標は 限りある資源をいかに有効活用していくか ということであり――」

170 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 19:44:39.46 ID:/JHnIuoH0



川 ゚ -゚)エスパークーのようです

    −第十七話:その名は絶対零度−


172 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 19:47:13.15 ID:/JHnIuoH0


―夕方、VIP総合病院


( ><)「…」


コンコン

「はーい」


( ><)「ビロードなんです。お見舞いに来たんです」

「ビロードくん? 入っていいわよー」



ガラッ


(*゚∀゚)「はぁい! ビロード!」

(*-ー-)「久しぶりね」

川 ゚ -゚)「補習は終わったのか?」

( ><)「うっ……まだなんです」
174 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 19:49:31.95 ID:/JHnIuoH0

( ><)「…って」

( ><)「つーさん、大丈夫なんですか?」

(*゚∀゚)「ダイジョーブでーす」

(*-ー-)「足の骨にヒビが入ってて、どこが大丈夫なの」

(*゚∀゚)「Cは心配性でーす」

(*-ー-)「誰のせいですか」


( ><)「ヒビ、ですか」

川 ゚ -゚)「あぁ」

川 ゚ -゚)「別に入院する必要はないんだが、しぃさんがどうしても、と言ってな」

川 ゚ -゚)「明日、精密検査をする予定らしい」

( ><)「そうなんですか」

( ><)「ボクも遠足行きたかったんです」

川 ゚ -゚)「だったら次のテストは頑張ることだ」

(;><)「うぅ……テストのことは言わないで欲しいんです」


175 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 19:50:55.60 ID:/JHnIuoH0

(*゚∀゚)「ヘイ、ビロード!」

( ><)「はいなんです」

(*゚∀゚)「それ、何ですか?」

( ><)「あ、あぁ。お見舞いのフルーツなんです」

(*゚∀゚)「わふー!」

(*゚∀゚)「食べよ、食べよ!」

(*-ー-)「クーちゃんが持ってきたケーキ、食べたばかりじゃない」

(*゚∀゚)「ベツ・バーラーです」

(*-ー-)「何、そのメカニックな名前は」

( ><)「ケーキの後にフルーツは危険なんです」

川 ゚ -゚)「酸味が際立つからな」


(*゚∀゚)「かまいませーん。アッポー、アッポープリーズ!」

(*-ー-)「知らないわよ、もう」

川 ゚ -゚)「(この人は、ほんとにアメリカ人なのだろうか…)」
178 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 19:51:54.94 ID:/JHnIuoH0

シャリ、シャリ

(*-ー-)「♪」

( ><)「…すごいんです」


(*-ー-)「ん? これ?」

( ><)「目を瞑ったまま、りんごの皮むきができる人なんて初めて見たんです」

( ><)「練習したんですか?」

(*-ー-)「練習というほどじゃないけどね」

(*-ー-)「そうね、触れてるものに関して言えば、大体の“感じ”は分かるの」

川 ゚ -゚)「視覚とは別の方法で、モノを捉えてるということですか?」

(*-ー-)「まぁ、そんな感じ」

(*-ー-)「言うなれば、触覚と“色視”の能力の併用かしら」


( ><)「それにしても上手なんです」

(*゚∀゚)「Cは昔から器用だったでーす」
180 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 19:52:58.14 ID:/JHnIuoH0

( ><)「昔……」

( ><)「そういえば、つーさんは何年ぶりにこっちに来たんですか?」

( ><)「久しぶりみたいなことを、主任が言ってたんです」


(*゚∀゚)「えぇっと」

(*-ー-)「10年ぐらい前かしら。はい、りんご」


( ><)「ありがとうなんです。10年ですか……長いんです」

川 ゚ -゚)「いただきます。確かに、10年も別々というのは寂しいな」


(*゚∀゚)「こっそりメールはしてたでーす」

(*-ー-)「バレたら怒られちゃうからね。はい、お姉ちゃん」

(*゚∀゚)「うさぎさんでーす! サンクス」
183 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 19:54:04.27 ID:/JHnIuoH0


( ><)「…」

( ><)「(10年……でも、確かあのとき…)」

( ><)「…」

( ><)「(…きっと何かの勘違いなんです)」



(*゚∀゚)「あ、もう時間でーす」

(*゚∀゚)「C! テレビ、テレビ!」

(*-ー-)「もうそんな時間?」

川 ゚ -゚)「何か見たい番組でも?」


(*゚∀゚)「おじゃー!!」

川 ゚ -゚)「…おじゃ?」



184 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 19:56:57.11 ID:/JHnIuoH0


(*-ー-)「『おじゃるまる』ってアニメ。お姉ちゃん、すっかりハマっちゃってて…」

( ><)「サブちゃんの歌がイカスんです」

川 ゚ -゚)「アニメにサブちゃん…?」

( ><)「まったりな〜なんです」

(*゚∀゚)「早く早くー」

(*-ー-)「はいはい」




―ピッ

『某隣国は「ウリは知らないニダ、疑うとは失礼千万、謝罪と賠償を要求するニダ」と、一連の不審船事件を否認』

『政府は、明後日特別会談を実施し、徹底して責任を追求していく姿勢です』





186 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 19:59:40.02 ID:/JHnIuoH0

( ><)「あ、これ」

川 ゚ -゚)「不審船のヤツか」

(*-ー-)「ギコくんとツンちゃんが調べに行ってるヤツね」

川 ゚ -゚)「何かあったんですか?」


(*-ー-)「うん、調べて欲しいことがあるんだって」

(*-ー-)「ホントは私が行く予定だったんだけど、お姉ちゃんのお見舞いがあるから、ちょっと代わってもらったの」

(*-ー-)「明日には、私も現地に行くわ」


(*゚∀゚)「C、おじゃるー!」

(*-ー-)「あぁ、ごめんね。今、変える―」


(*゚∀゚)「…!」

(*-ー-)「…ん?」



187 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 20:01:02.26 ID:/JHnIuoH0


『さて次は、“今週の顔”!』

『毎週、話題の人にインタビューしていくこの企画。今週のお相手は――』

『杉浦ロマネスク知事!!』

『弱冠32歳で県知事になった氏の裏側に迫る!と、いうわけで早速インタビューに赴きました―』




( ><)「この人、最近よく見るんです」

川 ゚ -゚)「うちの県知事か」

(*-ー-)「県知事、か…」

(*-ー-)「…」

川 ゚ -゚)「…?」

189 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 20:01:41.37 ID:/JHnIuoH0

川 ゚ -゚)「知り合いなんですか?」

(*-ー-)「あれ? 説明してなかったかしら」

川 ゚ -゚)「はぁ」


(*-ー-)「…」

(*-ー-)「この人、元・ダイプロのエスパーよ」



川 ゚ -゚)「…」

( ><)「…」




(;><)「え――――!!?」

川 ゚ -゚)「それは、また……衝撃的な事実ですね」





190 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 20:03:04.12 ID:/JHnIuoH0

(*-ー-)「大分前だけどね」

(*-ー-)「その当時、『最強』と呼ばれた人よ」


川 ゚ -゚)「…」

川 ゚ -゚)「そんな人が、なんでダイプロを辞めたんですか?」

(*-ー-)「…」

(*-ー-)「理由は、知らないわ。急な話だったし」

(*-ー-)「面倒見がいいお兄ちゃんだったんだけどね」


( ><)「ダイプロに戻って来たりはしないんですか?」

(*-ー-)「それは、……どうかしら」

(*-ー-)「辞めるとき、主任と大分揉めたらしいから…」

川 ゚ -゚)「そうですか」


川 ゚ -゚)「…『最強』、ね」


192 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 20:04:26.04 ID:/JHnIuoH0

(*-ー-)「…」

(*-ー-)「何か、しんみりしちゃった」

(*-ー-)「あ、おじゃるまる、もう始まってるわね」


(* ∀ )「…」


(*-ー-)「…?」

(* ∀ )「…」


(*-ー-)「お姉ちゃん?」

(*゚∀゚)「…! はーい! なんですか?」

(*-ー-)「どうしたの? ぼーっとして」

(*゚∀゚)「そんなことないでーす」

(*゚∀゚)「おじゃおじゃーの時間でーす」

(*-ー-)「そう? ならいいけど」


193 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 20:05:40.33 ID:/JHnIuoH0


( ><)「まったりな〜、なんです」

川 ゚ -゚)「本当にサブちゃんなんだな」


(*゚∀゚)「…」

(*゚∀゚)





―カンパイ、シマショウ





(* ∀ )「…」



194 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 20:06:32.38 ID:/JHnIuoH0





―サカズキヲ、カワスノデス





(* ∀ )「…」






―スギウラ、ロマネスクヲ





(* ∀ )


196 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 20:07:26.13 ID:/JHnIuoH0


(*-ー-)「ねぇ」

(* ∀ )「…」


(*-ー-)「ねぇっ、てば」

(*゚∀゚)「! はーい、なんですか?」


(*-ー-)「どうしたの? さっきからぼーっとして」

(*゚∀゚)「そんなことないでーす」

(*゚∀゚)「…あれ? COOLとビロードは?」

(*-ー-)「もう帰っちゃったわよ」

(*゚∀゚)「えー? おじゃるーは?」

(*-ー-)「とっくに終わったわよ。見てたんじゃないの?」

(*゚∀゚)「あるぇー??」


197 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 20:08:12.19 ID:/JHnIuoH0


(*-ー-)「…」

(*-ー-)「本当に平気? 明日、来れないけど大丈夫?」


(*゚∀゚)「心配いりませーん! ダイジョーブでーす!」

(*-ー-)「そう?」

(*゚∀゚)「はーい」

(*-ー-)「なら、いいけど…」


198 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 20:08:47.93 ID:/JHnIuoH0


(*゚∀゚)「…」

(*゚∀゚)






―スギウラロマネスクヲ


―シマツ、スルノデス






(* ∀ )
201 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 20:10:19.78 ID:/JHnIuoH0


――
―――


―翌朝、VIP総合病院



ガチャ


「つーさん、おはようございます」

「朝の診察の時間で…」

「…あれ?」

「…」

「もう、また何処か歩き回ってるのね」


「…どこに行ったのかしら?」



202 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 20:11:29.57 ID:/JHnIuoH0



―正午、県庁執務室


( ФωФ)「ふぅむ…」

ポン

( ФωФ)「…」

ポン

( ФωФ)「…」

ポン

( ФωФ)「…」

ポン!

( ФωФ)「よし、終わりだ」
206 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 20:20:43.88 ID:/JHnIuoH0


(゚、゚トソン「―いえ」

(゚、゚トソン「まだまだあります」


( ФωФ)「…」

( ФωФ)「…そろそろ、お昼にしたいんだが」


(゚、゚トソン「とりあえず、この書類全部に判子をお願いします」

(゚、゚トソン「終了次第、昼食にしましょう」


( ФωФ)「…はぁ」

209 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 20:22:38.01 ID:/JHnIuoH0


( ФωФ)「…」

ポン

( ФωФ)「…」

ポン

( ФωФ)「…」

ポン


(゚、゚トソン「午後のスケジュールの確認をします」

( ФωФ)「あぁ」

ポン
211 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 20:24:05.67 ID:/JHnIuoH0


(゚、゚トソン「13:00からVIP小学校で講和」

( ФωФ)「…」

ポン


(゚、゚トソン「14:15からホテルニューソクの創立記念式典」

( ФωФ)「…」

ポン


(゚、゚トソン「16:00から同会場でパーティーになります」

( ФωФ)「…」

ポン


(゚、゚トソン「パーティーには関係団体の他、ホテルオーナーに縁のある議員も多数出席されるようです」

( ФωФ)「…」

( ФωФ)「なるほど、ね」



212 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 20:25:42.95 ID:/JHnIuoH0


( ФωФ)「…議員の名簿はあるかな?」


(゚、゚トソン「はい、ここに」

( ФωФ)「仕事が早くて助かるよ」


( ФωФ)「…」

(゚、゚トソン「…」

( ФωФ)「…」

( ФωФ)「ふぅむ…」

( ФωФ)「ありがとう、大変参考になった」

(゚、゚トソン「いえ」


( ФωФ)「優秀な秘書を持って、私は幸せだよ」

(゚、゚トソン「ありがとうございます」



213 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 20:26:53.34 ID:/JHnIuoH0

( ФωФ)「…」

( ФωФ)「大分時間はかかったが……大体の目星はついている」

( ФωФ)「そろそろ尻尾を掴んでもいい頃合だ」


(゚、゚トソン「…」

( ФωФ)「キミには、迷惑をかけるな」


(゚、゚トソン「いえ」

(゚、゚トソン「私は知事の秘書です」

(゚、゚トソン「何なりとお申し付けください」


( ФωФ)「…」

( ФωФ)「よし! なら、お昼にしようじゃないか」

(゚、゚トソン「…」


( ФωФ)「…だめかい?」

(゚、゚トソン「だめです」
216 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 20:29:15.81 ID:/JHnIuoH0


――
―――


―移動中の車内

―後部座席にロマネスクと秘書のトソンが座っている


ブロロロロロ


( ФωФ)「最近の小学生は大人しいものだな」

(゚、゚トソン「…」

(゚、゚トソン「先程の講和ですか?」

( ФωФ)「静聴というよりも無関心だな、あれは」

( ФωФ)「私が覚えている子供たちは、騒がしいし、落ち着きもなかったが、元気だったよ」

(゚、゚トソン「…」
218 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 20:30:23.72 ID:/JHnIuoH0


( ФωФ)「…」

( ФωФ)「すまない。昔の話だ」

( ФωФ)「まぁ、講和がつまらなかったというのが、一番大きいんだろうがね」


(゚、゚トソン「でしょうね」

( ФωФ)「そこは、フォローをいれて欲しいところなんだが」
223 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 20:36:57.07 ID:/JHnIuoH0






―ッキキキキキィイィイ!!!



 (゚、゚トソン
  (ФωФ )  「!!?」







( ФωФ)「どうした…!?」


運転手「すいません……急に人が…」

運転手「…キミ!! 危ないじゃないか!」



224 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 20:38:49.15 ID:/JHnIuoH0


(゚、゚トソン「大丈夫ですか?」

( ФωФ)「あぁ、キミこそ」

( ФωФ)「まったく、人騒がせな…」


(゚、゚トソン「あれは……女の人、ですか?」

( ФωФ)「女…?」






運転手「急に飛び出してくるなんて、危ないじゃないか!!」

運転手「キミ、そこをどいてくれないか」


(   )「…」





225 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 20:40:27.89 ID:/JHnIuoH0


運転手「キミねぇ…!! 聞いているのかい!?」

( ∀ )「…」



( ФωФ)「…!!」

( ФωФ)「危ない!! 下がれ!!」



運転手「へ?」








(*゚∀゚)「アヒャwww」



―ズンッ!!!
228 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 20:42:42.09 ID:/JHnIuoH0



―ロビー湾、不審船上


(*-ー-)「…むむ」

ξ*゚听)ξ「何か分かった?」

(*-ー-)「う〜ん」

(*-ー-)「なんとも言えないわね」

(,,゚Д゚)「シロってことか」

(*-ー-)「そういうわけじゃないけど、痕跡が弱いの」

(*-ー-)「『工作員がエスパーである可能性』、全くないとは言えないわ」

(,,゚Д゚)「…なるほどね」


ξ*゚听)ξ「かんk、じゃなくて某隣国のエスパーかぁ」

(*-ー-)「あくまでも可能性があるってだけよ」

(,,゚Д゚)「大事にならないといいんだが…」

(,,゚Д゚)「―ん?」
230 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 20:44:59.89 ID:/JHnIuoH0



【ギコ、しぃ、ツンデレ、緊急事態だ! 至急本部へ帰還しろ】



(*-ー-)「モララー補佐?」

(,,゚Д゚)「んだよ、緊急事態って」



【……】

【つーが病院から脱走、街中で暴れている】



(*-−-)「―なっ!?」

(,,゚Д゚)「…場所は?」



【…VIP3丁目の大通りだ。本部に戻って対策を練る、至急戻れ】

232 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 20:47:05.53 ID:/JHnIuoH0

(,,゚Д゚)「…」

(,,゚Д゚)「いや、そんな時間はねぇ」



【なに…?】


ξ*゚听)ξ「ギコ?」

(,,゚Д゚)「直接行く」

(,,゚Д゚)「掴まれ、二人とも」

(*-ー-)「うん…!」



【待て、命令を無視する気か!!】


(,,゚Д゚)「途中でクーちゃんとビロードを拾う」

(,,゚Д゚)「この面子でどうにもならないようなら、どうせ無理ですよ」



【…むっ】

233 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 20:48:29.03 ID:/JHnIuoH0


(,,゚Д゚)「―行くぞ」

ξ*゚听)ξ「うん」

(*-ー-)「…お姉ちゃん」




―ギャン!!!!






調査員「あのー、調査のほうは……」

調査員「あれ?」

調査員「もしもしー?」

調査員「…」

調査員「どこ行っちゃったんだろう…」



234 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 20:50:12.79 ID:/JHnIuoH0



―VIP3丁目、裏通り


( ФωФ)「無事か?」

運転手「はい。あ、ありがとうございます」

( ФωФ)「そうか、良かった」

(゚、゚トソン「しかし、あれは…?」

(゚、゚トソン「先程の車の潰れ方、理解の範疇を超えています」

( ФωФ)「…」



(  *゚)

(゚  )



(゚、゚トソン「明確な攻撃意思を持ってるのでしょうか?」

( ФωФ)「まぁ、そうだろうな」


235 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 20:51:39.14 ID:/JHnIuoH0

( ФωФ)「…」

( ФωФ)「ふぅむ…」

( ФωФ)「私が囮になろう。キミたちはここから逃げろ」


(゚、゚トソン「…! そうはいきません」

運転手「い、一緒に…!!」


( ФωФ)「さっき見たように、相手は“何か不可解な武器”を持ってるようだ」

( ФωФ)「全員で逃げたとして、ここから逃げ切れる可能性は低い」


(゚、゚トソン「それなら私が…!!」

( ФωФ)「いや、私が適任だ」

( ФωФ)「こう見えても、腕っ節には少し自信があるんだ」


( ФωФ)「それに……“アレ”の狙いは恐らく私だ」

239 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 20:53:30.89 ID:/JHnIuoH0

(゚、゚トソン「しかし…!」

( ФωФ)「部下も守れないような者に、知事は務まらんよ」


(゚、゚トソン「…」

(゚、゚トソン「…分かりました」

運転手「えぇ…!? いいんですか? それより早く警察に…」

( ФωФ)「警察は無用。被害が大きくなるだけだ」

運転手「そんな…!」

(゚、゚トソン「分かりました。…運転手さん、行きますよ」

運転手「え、ちょっと待ってください…!」


( ФωФ)「…」

(゚、゚トソン「ご無事で」


( ФωФ)「…」

( ФωФ)…フッ


240 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 20:54:18.43 ID:/JHnIuoH0


(ФωФ )「…」



―ダッ


―ロマネスクが大通りへ飛び出す





(゚、゚トソン「…」

トソン゚听)「さ、早く!」

運転手「は、はい…!」

トソン゚、゚)「…」



―ダッ


242 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 20:55:54.46 ID:/JHnIuoH0


―VIP3丁目、大通り


(*゚∀゚)「…」

( ФωФ)「…」


( ФωФ)「つー……、いや」

( ФωФ)「アメリカのジョーカー、だったか?」


(*゚∀゚)「…」


( ФωФ)「実際、会うのは初めてだな」

( ФωФ)「…」

( ФωФ)「何が目的だ?」


(*゚∀゚)「…」

(*゚∀゚)「アヒャ♪」



243 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 20:57:28.39 ID:/JHnIuoH0


…ミシミシミシ


( ФωФ)「(空間が軋む……)」

( ФωФ)「問答無用というわけか…」

( ФωФ)「(…ここでアメリカが絡んでくるということは…)」

( ФωФ)「(…“やはり”といったとこか)」


(*゚∀゚)「アヒャヒャヒャヒャ!!」


( ФωФ)「そう急くな、逃げも隠れもせん」

( ФωФ)「(確か、精神を病んでいるんだったな…)」

( ФωФ)「…」


( ФωФ)「(……いや、“これ”は何か違うな)」


245 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 21:00:58.52 ID:/JHnIuoH0



…ギシギシギシ



(*゚∀゚)「アヒャ!!」




ギシギシギシ、ギシッ

―バギンっ!!!





念動力によって圧縮された重力の塊が、破裂

重力の波となって、ロマネスクに襲い掛かる

246 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 21:02:57.50 ID:/JHnIuoH0



―が



パキィィィン!!




乾いた音を立てて、それは四散する

ロマネスクの周りには、きらきらと光る結晶が漂っている





*( ФωФ)*+「…」


*( ФωФ)*+「…急くな、と言っている」

251 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 21:04:49.39 ID:/JHnIuoH0




(*゚∀゚)「アヒャ?」




( ФωФ)「…」

( ФωФ)「こう見えても、“腕っ節には少し自信がある”んでね」

( ФωФ)「霜焼けにならんように注意することだ――」

253 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 21:05:59.05 ID:/JHnIuoH0



―VIP3丁目、大通り


ギャギャギャ―――!!


(,,゚Д゚)「ズザー!!」

(,,゚Д゚)「…」

( ><)「大分慣れたんです…」

ξ*゚听)ξ「うん…」


(゚Д゚,,)「…」

(,,゚Д゚)「いねぇ!!」


(,,゚Д゚)「つーか、さみぃ!!」

ξ*゚听)ξ「息が白いよ…」

(( ><))「まままだ冬には早いんですすすす」

255 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 21:07:28.80 ID:/JHnIuoH0

(,,゚Д゚)「異常気象か…?」

(,,゚Д゚)「……いや」

(,,゚Д゚)「……」


(,,゚Д゚)「ビロード、あの馬鹿はどこだ!?」

(( ><))「ええええ? 馬鹿?」


( >< )


(,,゚Д゚)「こっちみんじゃねぇ!! つーだよ、つー!! あいつはどこだ!!」

ξ*゚听)ξ「ギコ、この寒さって…」

(,,゚Д゚)「……たぶん、な」

( ><) ?

258 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 21:08:28.24 ID:/JHnIuoH0

(,,゚Д゚)「ほれ、いいから。とっとと探す」

( ><)「最近、便利屋扱いになってる気がするんです」

( ><) スゥ

( <●><●>) デュワッ

( <●><●>) ジジジジジジ

( <●><●>)「…」

( <●><●>)「ちょっと前までここにいたようですね、今は……廃工場の方に“ひずみ”が見えます」


(,,゚Д゚)「廃工場…? なんでそんなとこに」

( <●><●>)「…待ってください」

( <●><●>)「反応が2つ。つーさんと思しきモノと、もう一つあります」


(,,゚Д゚)「もう一つ、ね」

ξ*゚听)ξ「じゃあ、やっぱり…」

(,,゚Д゚)「……」

260 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 21:09:42.83 ID:/JHnIuoH0




「おーい」



w川 ゚ -゚)w バッサバッサ
 ゝ(*-ー-)







ξ*゚听)ξ「クー、しぃ!!」

川 ゚ -゚)「ギコ、飛ばしすぎだ」

川 ゚ -゚)「人を抱えた状態で、そんな速度は出せん。置いていかないでくれないか」

(,,゚Д゚)「そうか? すまねぇ」

ξ*゚听)ξ「…」

( <●><●>)「(ギコさんが連れてる人をお構いなしなのは、分かってます)」


261 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 21:11:11.52 ID:/JHnIuoH0

(*-ー-)「そんなことより…」

(*-ー-)「お姉ちゃん…! お姉ちゃんはどこ…!?」

(,,゚Д゚)「ここにはいねぇ」

(,,゚Д゚)「廃工場の方だ」

(*-ー-)「なら、早く………」


(*-ー-)「…」

(,,゚Д゚)「気付いたか?」

(*-ー-)「この冷気は…」

(,,゚Д゚)「廃工場には反応が2つ。つーと、もう一人誰かがいる」

(*-ー-)「なんで…」


川 ゚ -゚)「…」

川 ゚ -゚)「すいませんが、話が読めません」

( <●><●>)「同上です」

263 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 21:12:46.02 ID:/JHnIuoH0

(,,゚Д゚)「あぁ、ええっと…」

(*-ー-)「いい、私が説明するわ」

(*-ー-)「…」

(*-ー-)「この前、県知事がエスパーだって話したわよね」

(*-ー-)「別名『最強』、それともう一つ呼び名があるの」


川 ゚ -゚)「…」

(*-ー-)「その名は『絶対零度』、冷気を操る超能力者(サイコキノ)よ」


川 ゚ -゚)「じゃあ、これは…」

(*-ー-)「たぶん、彼の仕業ね。所々、破壊されてるのは……お姉ちゃんかもしれないけど」


(*-ー-)「…」

(*-ー-)「なんでお姉ちゃんが、彼と一緒にいるのか分からないけどね…」

(,,゚Д゚)「二人で仲良くしてるわけじゃ、なさそうだな」


264 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 21:13:42.57 ID:/JHnIuoH0


(*-ー-)「…急ぎましょう」

ξ*゚听)ξ「うん!」

(*-ー-)「…」

(*-ー-)「お姉ちゃん……」



川 ゚ -゚)「…」

川 ゚ -゚)「“最強”と“最凶”か」


266 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 21:16:16.83 ID:/JHnIuoH0



―廃工場



つーの重力波が凍った地面を砕き、氷の粒が宙に舞う

舞い上がった氷の粒がさらに砕かれ、氷の霧となる


廃れた工場の一角が、まるで幻想のように輝き、揺らめいていた





( ФωФ)「(綺麗なものだな…)」

269 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 21:18:17.11 ID:/JHnIuoH0


―バキン!!


( ФωФ)「無駄だ」

(*゚∀゚)「アヒャヒャヒャヒャヒャ!!」




―バキン!!

―バギンッ!!!



(*゚∀゚)「アヒャ、アヒャヒャヒャヒャ!」

( ФωФ)「…」


( ФωФ)「そんな力の使い方をしていると、…死ぬぞ」



270 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 21:19:43.98 ID:/JHnIuoH0


(*゚∀゚)「ヒャハーッ!!」



―バギン!!ゴギンッ!!!!



( ФωФ)「ぐっ…」

( ФωФ)「無茶苦茶だな…」


( ФωФ)「…」

( ФωФ)「(無理矢理にリミッターを外されてる、といった感じだな…)」

( ФωФ)「(身体が壊れようとお構いなしか)」



271 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 21:21:16.76 ID:/JHnIuoH0


(*゚∀゚)「アヒャヒャヒャ!!」



―バキンッ!!




( ФωФ)「…」

( ФωФ)「(埒が明かん)」

( ФωФ)「(折を見て逃げるつもりだったが、中々難しいな)」


(*゚∀゚)「…」


( ФωФ)「…?」

( ФωФ)「(攻撃が止んだ…? チャンスか?)」


(*゚∀゚)「…」

273 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 21:23:09.99 ID:/JHnIuoH0


(* ∀ )

(* ∀゚)「…ァヒャ」





…ミシッ

ミシミシミシミシ!!

――ギ、ギギギギギギギギ!!!





(*゚∀゚)゚「アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!!」


( ФωФ)「!!」

( ФωФ)「これは…!!」



274 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 21:24:15.39 ID:/JHnIuoH0




それは、極限まで圧縮された重力の塊

空気を、光を、周囲にあるもの全てを飲み込む黒い渦





( ФωФ)「(…“ドラゴン圧縮”)」


( ФωФ)「(全てをDATに還す、ブラックホール)」

( ФωФ)「(噂には聞いていたが、まさかこの目で見れるとはな…)」



(*゚∀ )゚)「グガ…アヒャヒャヒャ!!」




ギギギギギギギギギギギギギギ!!!!

279 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 21:33:35.22 ID:/JHnIuoH0



(;ФωФ)「ぬぅ…」

( ФωФ)「(さすがに、これは凌げんか…)」

( ФωФ)「(逃げるしか………ぬ?)」






―ザッ


(*-ー-)「お姉ちゃん!!」

(,,゚Д゚)「つー!!」

ξ*゚听)ξ「寒っ!!」

川 ゚ -゚)「あれは…なんだ?」

( <●><●>)「あれは高密度の重力の渦。事態がクライマックスなのは、分かってます」

282 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 21:35:25.95 ID:/JHnIuoH0



(* ∀゚)゚))「ガッ……」



(;-−-)「お姉ちゃん!!!」

(;ФωФ)「お前ら…!! なんでここに…!!」


(,,゚Д゚)「ロマネスクさんこそ!!」

(;ФωФ)「私のことはいい!! 危ないから下がって――」







(*(*゚∀゚゚))「AHYAHYAHYAHYA!!!!」





284 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 21:36:39.91 ID:/JHnIuoH0

川;゚ -゚)「―!!」

ξ;゚听)ξ「何!?」

(;<●><●>)「回避不能!! 回避不能!!」


(ФωФ;)「くっ――!!!!」

(ФωФ;)「(間に合わん……!!)」





―ゴッ





つーが、ブラックホールを膨張させ破裂させようとした瞬間

黒が白に移り変わる


―全ては白く眩い光に包まれた



285 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 21:38:42.06 ID:/JHnIuoH0




それは一瞬のような、数時間のような不思議な感覚

クーは閉じていた目をゆっくり開ける


―そこには、倒れているつーの姿




川 ゚ -゚)「つーさん!!」

(*-−-)「お姉ちゃん!!」


(,,゚Д゚)「…ロマネスクさん?」

( <●><●>)「高密度エネルギー体は消滅」

( <●><●>)「ここにいるのはボク達と、…つーさんだけです」

ξ*゚听)ξ「うそ……消えちゃった…の?」



286 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 21:41:05.32 ID:/JHnIuoH0


(* ∀ )「……」


川 ゚ -゚)「脈が弱い、呼吸も浅い…」

川 ゚ -゚)「すぐ、病院に!!」


(,,゚Д゚)「あ、あぁ」

(*-−-)「私も…!」

(,,゚Д゚)「…分かった」

(,,゚Д゚)「オレはつーとしぃを、病院に連れて行く。みんなは、ロマネスクさんを探してくれないか」

川 ゚ -゚)「把握した」

ξ*゚听)ξ「うん。…そうだよね、どこかにいるはずだもん」


( <●><●>)「…」

( <●><●>)「(…微かにオーラを感じますが、正直微妙なところですね)」



287 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 21:43:31.81 ID:/JHnIuoH0


(* (,,゚Д゚)「よいしょ、っと」

(* (,,゚Д゚)「じゃあ、…頼むな」




―ギャン!!!




川 ゚ -゚)「…」

川 ゚ -゚)「…まずは工場周辺から探そう」




その後、日が暮れるまで捜索を続けたが

結局、ロマネスクは見つからなかった



288 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 21:44:39.19 ID:/JHnIuoH0



モララーに連絡しダイプロへと帰る道の途中、クーは思考を巡らせる



―何故、つーはロマネスクを襲ったのか


―たまたま、つーが暴れていた場所にロマネスクが鉢合わせたのか


―それとも、知らせを受けたロマネスクが駆けつけたのか




ロマネスクが消え、つーが倒れた今、真相を知ることは不可能に近かった

濡れた靴が冷たく、地面を踏みしめる毎に嫌な音を立てた




289 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 21:46:07.65 ID:/JHnIuoH0




―暗く、淀んだ空気の裏路地

ふらふらと覚束ない足取りで歩いている男がいた



( ФωФ)「…はぁ…はぁ」

( ФωФ)「…ぐっ」


―ドサッ

( ФωФ)「…」

( ФωФ)「さすがに…もう歩けん…」

( ФωФ)「…」

( ФωФ)「(……あの瞬間――)」



つーが、ブラックホールを解き放とうとした瞬間

ロマネスクはクー達を守るように、ブラックホールの前に立ち塞がった
291 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 21:47:40.52 ID:/JHnIuoH0




川;゚ -゚)「―!!」

ξ;゚听)ξ「何!?」

(;<●><●>)「回避不能!! 回避不能!!」


(ФωФ;)「くっ――!!!!」

(ФωФ;)「(間に合わん……!!)」





―ゴッ





293 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 21:48:44.08 ID:/JHnIuoH0




(ФωФ )「―っち」

(ФωФ )「…くそが」






―ッキン!!!






鋭い音がその場に響く

だが、その音を聞くことができた者はいない




294 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 21:50:54.59 ID:/JHnIuoH0




―ロマネスクただ一人を除いて



( ФωФ)「…」





* (* ∀ ) *+


* 川  - ) *+

* (* ー ) *+

* (,, Д ) *+

* ξ* )ξ *+

* ( < >< >) *+



298 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 21:59:28.25 ID:/JHnIuoH0



全ては凍てつき、停止していた

それは、念動力による原子の停滞

空気を、光を、時すらも凍てつかせる最大級の冷気







( ФωФ)「エターナルフォースブリザード」

( ФωФ)「――全ては、凍る」




―その名は、『絶対零度』




305 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 22:02:22.51 ID:/JHnIuoH0


黒が白に移り変わる

黒い渦は透き通るほど白くなり、粉々に砕け散る



( ФωФ)「…」

( ФωФ)「しばらくすれば、氷は溶ける」



* (* ∀ ) *+



( ФωФ)「…」

314 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 22:07:15.31 ID:/JHnIuoH0


( ФωФ)「…」


(; ω )「…が…っは」


(;ФωФ)「…」

(;ФωФ)「やはり身体への負担が大きいか…」

(;ФωФ)「…」

( ФωФ)「次は、友として会いたいものだな」

( ФωФ)「…」




―ザッ



316 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 22:08:37.76 ID:/JHnIuoH0



―再び、裏路地奥



(;ФωФ)「…」

(;ФωФ)「っぐ……どうにか歩けるか…」


フラフラ


(;ФωФ)「…」

(;ФωФ)「(しばらくは、まともに動くこともできんな…)」


(;ФωФ)「(家に戻るのも危険か…)」

(;ФωФ)「…」

319 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 22:09:38.48 ID:/JHnIuoH0


(;ФωФ)「(私に万が一のことあった場合のことは、トソンくんに伝えてある」

(;ФωФ)「(しかし、“あの件”がある以上、油断はできん)」

(;ФωФ)「(身を潜めているしかないか…)」


(;ФωФ)「…」

(;ФωФ)「友として、か…」

(;ФωФ)「叶わぬ願いだな…」



―消えるような声で呟く、ロマネスク

―ため息を一つつくと、溶け込むように路地の奥へと消えていった



第十七話了

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