3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 17:44:05.84 ID:/JHnIuoH0

エスパークス、エスタークじゃねぇのかよ!
という人のための登場人物紹介

川 ゚ -゚) 新人。物を呼び寄せる超能力

(,,゚Д゚) 先輩。超脚力の超能力

(*-ー-) 身体が不自由。人の内面の色を視る

( ><) 新人。千里眼

ξ*゚听)ξ クソガキ。記憶を刈り取る

( ´∀`) プロジェクト主任。一般人

( ・∀・)プロジェクト補佐。テレパシー能力

从 ゚∀从 プロジェクト書記長。なんでも半分こにする

('A`) クーの幼馴染。ダイプロでアルバイト中

(*゚∀゚) 米国籍のしぃの姉。重力を操る

5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 17:45:00.17 ID:/JHnIuoH0

―ダイプロCルーム


(*-ー-)「…はぁ」

(-A-)「…」

(*-ー-)「…はぁ」

('A-)「…あのー」

(*-ー-)「え! 何?」

('A`)「カウンセリング中にため息つかれると、とても不安なんですけど…」

(*-ー-)「あ、ごめんね」

(*-ー-)「…」

(*-ー-)「…はぁ」

('A`)「…」

7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 17:46:26.13 ID:/JHnIuoH0

('A`)「……悩み事でもあるんですか?」

(*-ー-)「…うん、ちょっとね」

('A`)「…」

(*-ー-)「…」

('A`)「…お姉さん、のことですか?」

(*-ー-)「……知ってるんだ」

('A`)「素直さんが教えてくれました」

(*-ー-)「……」

(*-ー-)「(…意外に口が軽いのよね、あの子)」

('A`)「大変そうですね」

(*-ー-)「…そうね」

(*-ー-)「とっても、大変だわ」

('A`)「…」

(*-ー-)「でも、嫌じゃないわ。むしろ幸せなぐらい」

('A`) ?
10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 17:47:08.85 ID:/JHnIuoH0


('A`)「じゃあ、なんでため息なんか?」

(*-ー-)「…」

(*-ー-)「明日、お姉ちゃんと出掛けるの」

('A`)「いいじゃないですか、オレなんてずっと家ですよ」

(*-ー-)「…そうね」

('A`)「どこに行くんですか?」

12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 17:48:42.09 ID:/JHnIuoH0

(*-ー-)「…山」

('A`)「山? また温泉ですか?」

(*-ー-)「…ううん」

('A`)「? 何しに行くんですか?」

(*-ー-)「…」

('A`)「遠足なんて歳でもないでしょうし…」

(*-ー-)「…そうよ」

('A`)「へ?」


(*-ー-)「…遠足よ」

(*-ー-)「明日、遠足に行くの」

14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 17:49:12.48 ID:/JHnIuoH0



川 ゚ -゚)エスパークーのようです

    −第十六話:ラウンジ山を攻略せよ−


18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 17:50:23.79 ID:/JHnIuoH0


―数時間前、ダイプロミーティングルーム


( ´∀`)「つーくんの歓迎会を行いたいと思うモナ」

(,,゚Д゚)「…」

川 ゚ -゚)「…」

ξ*゚听)ξ「…」

(*-ー-)「いきなりですね」

(,,゚Д゚)「ケーキ食べたから、それでいいじゃないですか」

( ´∀`)「それだけじゃ物足りないモナ」

( ´∀`)「パーっと、パーティーでも開くモナ」

20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 17:51:09.20 ID:/JHnIuoH0

(,,゚Д゚)「…」

川 ゚ -゚)「…」

ξ*゚听)ξ「…」

(*-ー-)「要するに飲みたいんですね」

川 ゚ -゚)「未成年陣は放っておいて、飲み会ですか」

ξ*゚听)ξ「大人って汚いよね」


( ´∀`)「そ、そんなことはないモナ、あくまでも歓迎会モナ!」

( ´∀`)「つーくんも行きたいモナ?」

(*゚∀゚)「はーい。パーティ、行きたいでーす」

(* ´∀`)「モナ!」


21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 17:52:04.89 ID:/JHnIuoH0

( ´∀`)「どこに行きたいモナ? 和食、洋食、中華?」

(*-∀-)「ん〜」

 
 ゛Θ ゛
  日  ピコーン

(*゚∀゚)


(*゚∀゚)「ピクニックに行きたいでーす」

(,,゚Д゚)「…」

(*-ー-)「…」

( ´∀`)「…え?」

ξ*゚听)ξ「ピクニックって」

川 ゚ -゚)「外を歩いて、原っぱでサンドイッチを食べるようなやつですか?」

(*゚∀゚)「イエス!」

(*゚∀゚)「外でパーティ、きっと楽しーね!」

23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 17:52:40.24 ID:/JHnIuoH0


( ´∀`)「…あの、つーくん…」

( ´∀`)「…歓迎会だから、できればお店とかで…」


(*゚∀゚)「ノー!!」

(*゚∀゚)「ピクニック!!」

( ´∀`)


川 ゚ -゚)「ノーと言えるアメリカ人」

(,,゚Д゚)「さすがアメリカだな」

ξ*゚听)ξ「ねー」

( ´∀`)

25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 17:53:49.66 ID:/JHnIuoH0

( ´∀`)「し、しかし…」

川 ゚ -゚)「主賓がピクニックと言うんですし、これはもう決定でしょう」

(,,゚Д゚)「ピクニックかぁ、つまりは遠足だよな」

ξ*゚听)ξ「遠足! 遠足!!」

(*゚∀゚)「エンソクでーす!!」

( ´∀`)「…モナ」

(*-ー-)「それはいいとして、場所はどこにするの?」


(*゚∀゚)「ん〜」


(゚∀゚*)

(  *゚)

(゚*  )    ぐる〜り

(   ) !

(   )Ь「あそこでーす」
28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 17:55:10.15 ID:/JHnIuoH0

(,,゚Д゚)「あそこ、って…」

川 ゚ -゚)「ラウンジ山…か」

(*゚∀゚)「あそこの一番上に行ってみたいでーす」

ξ*゚听)ξ「…一番上って」

川 ゚ -゚)「頂上か。割と大変だな」

(*-ー-)「私はちょっと無理かな」

(*-ー-)「貞ちゃんに頼もうかしら…」

(*゚∀゚)「Cも一緒に行くでーす!」

(*-ー-)「一緒に行きたいのは、やまやまなんだけどね」

(*-ー-)「車椅子で登山はちょっとツライかも」
31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 17:55:59.39 ID:/JHnIuoH0

(*゚∀゚)「ダイジョーブでーす!」

(*゚∀゚)「またおんぶして行きまーす!」


(*-ー-)

(*-ー-)「え」

(*-ー-)「いやいやいや」


川 ゚ -゚)「さすがにおんぶして登山するのは無謀かと」

(,,゚Д゚)「そこそこ高いぞ、あの山」

(*゚∀゚)「ダイジョーブ!!」

ξ*゚听)ξ「なら、いっか」


(*-ー-)「いやいやいやいやいや」
33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 17:57:37.07 ID:/JHnIuoH0




―ヴィン

―大型スクリーンにラウンジ山の断面図が映し出される


从 ゚∀从「諸君、今回の作戦を説明しよう!」

从 ゚∀从「本作戦は歓迎会という、非常に重要な意味合いを持つものである」

从 ゚∀从「心して掛かるように!」


ξ*゚听)ξ「はーい」

(*゚∀゚)「はいでーす!」

(*-ー-)「…はぁ」

(,,゚Д゚)「そういえば、ビロードを見掛けねぇな」

川 ゚ -゚)「なんでもテストの点が悪かったらしくてな」

川 ゚ -゚)「今日も学校だ」

(,,゚Д゚)「休みの日までご苦労なこった」
36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 17:59:01.81 ID:/JHnIuoH0


( ・∀・)「…」

( ´∀`)「…」

( ・∀・)「…」

( ´∀`)「…」

( ・∀・)「なんだこれは…」

( ´∀`)「…和食、洋食、中華……」

37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 17:59:49.02 ID:/JHnIuoH0


从 ゚∀从「じゃ、ここからはさくさくと進めていくぜ」

从 ゚∀从「目標はラウンジ山頂上」

从 ゚∀从「その距離600」

从 ゚∀从「現地の状況によるが厳しい戦いになるかもしんねー」

从 ゚∀从「準備は怠らないようにな」
40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 18:01:03.57 ID:/JHnIuoH0

ξ*゚听)ξ「センセー」

从 ゚∀从「なんだね、ツンデレ上等兵」

ξ*゚听)ξ「おやつは、いくらまでですか?」

从 ゚∀从「うむ、テンプレートな質問だ」

从 ゚∀从「おやつは300円まで、だ。それ以上はゆるさん」

(*゚∀゚)「300YENですか」

川 ゚ -゚)「…割と厳しいですね」

从 ゚∀从「軍人なら限られた資源の中で、一番良い方法を考えろ。ちなみにバナナは原則として許可しねぇぞ」

ξ*゚听)ξ「えー」

从゚∀从「皮で遊ぶバカがいるからな」

(,,゚Д゚) …ギクッ


41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 18:02:30.61 ID:/JHnIuoH0


(*゚∀゚)「ランチはどうするですか?」

从 ゚∀从「お弁当はこちらで用意する」

从 ゚∀从「しぃ、ツン、クー上等兵は会議終了後、食堂に集合だ」

川 ゚ -゚)「結局、私たちで作るのか…」

(*-ー-)「でしょうね」

ξ*゚听)ξ「梅干は紀州の梅にしようね!」


46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 18:04:30.95 ID:/JHnIuoH0


从 ゚∀从「さて、ルートの確認に移るぞ」


―ヴヴン、チキチキチキ

―スクリーン上、ラウンジ山の麓から頂上へと数本の線が延びる


从 ゚∀从「頂上へのアプローチ方法は3つ」




47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 18:05:16.53 ID:/JHnIuoH0

从 ゚∀从「舗装された道路を伝い、頂上まで行くAコース」

从 ゚∀从「途中までは車で行くことも可能で、子供の遠足等に利用されることが多い一番簡単なコースだ」

从 ゚∀从「ただ、その分単純な移動距離は長いぜ」


从 ゚∀从「次に、ハイキングコースを使うBコース」

从 ゚∀从「Aコースよりも登山感覚が楽しめるためか、一番人気のあるコースだ」

从 ゚∀从「さほどキツイ道のりではないが、独特の山道は疲労が増す」

从 ゚∀从「気をつけないと、すぐにバテちまうぜ」


从 ゚∀从「最後に、道なき道を行くCコース」

从 ゚∀从「実際、コースと呼んでいいかも分からない。獣道を行くコースだ」

从 ゚∀从「レスキューの訓練にも使われるそこは、一度間違えれば遭難という恐ろしさだ」

从 ゚∀从「素人にはお勧めできない」


48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 18:06:01.96 ID:/JHnIuoH0


从 ゚∀从「以上を踏まえた上で、コースをえらb」

(*゚∀゚)「Cコースがいいでーす!!」


川 ゚ -゚)「…」

(,,゚Д゚)「…」

ξ*゚听)ξ「なんで?」


(*゚∀゚)「C、だからでーす」

(*-ー-)「却下」


51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 18:06:27.79 ID:/JHnIuoH0


( ・∀・)「…」

( ´∀`)「…」

( ・∀・)「遠足、ですか…」

( ´∀`)「…」

( ・∀・)「わざわざ外に行かなくても、お店で…」

( ´∀`)「…ノー、って言われたモナ」

( ・∀・)「…」

( ´∀`)「…」

54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 18:08:12.11 ID:/JHnIuoH0

从 ゚∀从「じゃあ、Bコースがいい人」

川 ゚ -゚)ノ

(*-ー-)ノ

(,,゚Д゚)ノ

ξ*゚听)ξノ


从 ゚∀从「Cコースがいい人」

(*゚∀゚)ノシ

(゚∀゚*)ノシ

(*゚∀゚)ノシ

(゚∀゚*)ノシ



(*゚Д゚)「なんで、ワタシ一人ですかー!」

56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 18:10:00.52 ID:/JHnIuoH0

(*゚∀゚)「C、一緒に行くでーす」

(*-ー-)「駄目です」

(*゚н゚)「BOOO!」

(*-ー-)「駄目です」

(*;∀;)「sick…sick…」

(*-ー-)「駄目です」

(*゚∀゚)「…チッ」

(*゚皿゚)「eでーす! ワタシだけでCコースに行くでーす」

(*-ー-)「…もうっ」

(*-ー-)「お姉ちゃん、あんまりワガママばかり言っちゃ…」

川 ゚ -゚)「―しぃさん」

川 ゚ -゚)「ちょっといいですか?」

(*-ー-)「…クーちゃん」
58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 18:11:02.62 ID:/JHnIuoH0


(*゚、゚) ムスー


川 ゚ -゚)「…」

川 ゚ -゚)「あー、お弁当何にしようかなー」

川 ゚ -゚)「玉子焼きに、ミートボールにー」




(*゚、゚)∂″ ピクッ


川 ゚ -゚)「そうだ、 ハンバーグも入れよう」




(*゚、゚)∂″ ピクピクッ


川 ゚ -゚)「あとは何がいいかなー」

61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 18:15:38.70 ID:/JHnIuoH0


(*-、-)「…」

(*-、゚)「…」

(*-、-)「オクトパス…」

(*-、-)「オクトパスさんウインナーが欲しいです」



川 ゚ -゚)「…」

川 ゚ -゚) !

川 ゚ -゚)「あぁ、タコさんか」

川 ゚ -゚)「いいですよ、いくらでも作ってあげます」



∩(*゚∀゚)∩「ホントですかー!!」




62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 18:16:19.85 ID:/JHnIuoH0


川 ゚ -゚)「あぁ、でも残念です」

川 ゚ -゚)「私たちはBコース、つーさんはCコース。コースが違います」



(*゚∀゚)「…」

(*゚∀゚)「ワタシもBコースでーす!!」



川 ゚ -゚)「把握しました」



63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 18:17:21.45 ID:/JHnIuoH0

(*-ー-)「まったく……ありがとう、クーちゃん」

川 ゚ -゚)「どういたしまして」

川 ゚ -゚)「さすがに獣道を、おんぶで行くわけにはいかないでしょう」

(;-ー-)「うっ……そうだったわ」

川 ゚ -゚)「頑張ってください」

(*-ー-)「…はぁ」



ネェネェ

川 ゚ -゚)「ん?」


(,,゚Д゚)「オレ、カニクリームコロッケ(非冷凍食品)!!」

ξ*゚听)ξ「リンゴ! うさぎさんのリンゴ!!」

川 ゚ -゚)「…」
65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 18:17:54.80 ID:/JHnIuoH0


( ・∀・)「…」

( ´∀`)「…」

( ・∀・)「…」

( ´∀`)「…」

(・∀・ )「あ、玉子焼きは甘めで…」

(´∀` )「ミニトマトは入れないでほしいモナ…」



川 ゚ -゚)「…」

川 ゚ -゚)「把握した」


69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 18:19:03.27 ID:/JHnIuoH0



―遠足当日、ラウンジ山

―麓の広場、お立ち台の上にスピーカーを持ったハインが立っている


从 ゚∀从л<「アー、アー」

从 ゚∀从л<「本日は晴天なり、本日は晴天なり」

从 ゚∀从л<「おはよう、おまえら!!」

从 ゚∀从л<「作戦内容の確認をする」

从 ゚∀从л<「目標はラウンジ山頂上、ルートはBコース」

从 ゚∀从л<「ルートを踏破した後、頂上でお弁当を食べる」

从 ゚∀从л<「今作戦は『来たときよりも美しく、お家に帰るまでが遠足です』を最重要課題とする」

从 ゚∀从л<「―さて、準備はいいかね。諸君」



川 ゚ -゚)(,,゚Д゚)(*-ー-)(*゚∀゚)ξ*゚听)ξ( ・∀・)( ´∀`)

          「イエッサー!!」


70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 18:20:28.92 ID:/JHnIuoH0

川 ゚ -゚)「なんだかんだで、主任と補佐も来たんですね」


( ・∀・)「まぁ、あれだ」

( ・∀・)「保護者的な」

( ´∀`)「モナ」


(,,゚Д゚)「ビロードと貞ちゃんは欠席か」

川 ゚ -゚)「ビロードは行きたがってたがな。貞ちゃんは体力的に無理だそうだ」

(,,゚Д゚)「体力的に? 不健康そうに見えて、割と元気なヤツだと思ってたんだが」

川 ゚ -゚)「さぁ、私に言われてもな」

(*-ー-)「貞ちゃん休みなの?」

(*-ー-)「貞ちゃんの『扉』が頼みの綱だったのに…」

(*゚∀゚)「ダイジョーブでーす!」

(*゚∀゚)「ワタシがおんぶしていきまーす!」

(*-ー-)「いや、さすがにそれは…」

74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 18:23:26.58 ID:/JHnIuoH0

ξ*゚听)ξ「う〜ん、どうしよっか?」

从 ゚∀从л<「…」

从 ゚∀从л<「大丈夫、だぜ?」

(*-ー-)「え?」

从 ゚∀从л<「こんなこともあろうかと――」

从 ゚∀从л<「準備してきたぜ」



从 ゚∀从л<「おんぶ専用椅子『二宮くん』だ!!」


ズバ―――  』 ))  ――――ン



―ハインが背中の大きなリュックから、何かを取り出す

―それはL字型の椅子で、背もたれ部分の裏にベルトが付けてあり、逆から背負えるようになっている



(*゚∀゚)「アーハーっ!」


75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 18:24:36.49 ID:/JHnIuoH0


(*-ー-)「……おんぶ専用椅子…?」

(,,゚Д゚)「ただの椅子にしか見えん」

从 ゚∀从л<「凡人は黙っておもらおう」

川 ゚ -゚)「とりあえずスピーカーから口を離してください」

从 ゚∀从 ムゥ

从 ゚∀从「ま、いいや。使えば分かる」

(*゚∀゚)「やー♪」


(*-ー-)「え、待って」


(;-ー-)「あ、やめ…」



76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 18:25:34.01 ID:/JHnIuoH0





 (-(*゚∀゚)
 ( 』ゝ )ゝ  ドーン




―その姿はまるで二宮金次郎の如く

―マキの代わりに、しぃを背負っている





77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 18:26:22.51 ID:/JHnIuoH0


「…」(-(*゚∀゚)「…」


「もう、どうにでもして…」(-(*゚∀゚)「グレイトゥ!!」


川 ゚ -゚)「これは…」

(,,゚Д゚)「ホント、ただ椅子を背負っただけじゃねーか」

从 ゚∀从「うっさい、凡人」

从 ゚∀从「効果は使ってる本人が一番分かってるはずだ」

ξ*゚听)ξ「何かあるの?」


(-(*゚∀゚)「おぅ!」

(-(*゚∀゚)「これ、全然重くありませーん!」


ξ*゚听)ξ「ホント!?」

川 ゚ -゚)「なんと」

80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 18:27:13.03 ID:/JHnIuoH0

从 ゚∀从「まぁ、多少軽くなってるだけなんだが」

从 ゚∀从「オレの能力(ちから)の応用品でな」

从 ゚∀从「おんぶする者の体重を“半分こ”にする代物だ」

从゚∀从「どうだ?」

(,,゚Д゚)「参りました」



( ・∀・)「…」

( ・∀・)「これ、何気に凄いですね」

( ´∀`)「一山稼げそうだモナ」



从 ゚∀从л< スチャ

从 ゚∀从л<「じゃあ、準備も整ったところで…」

从 ゚∀从л<「いざ! 出発!!」



81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 18:28:02.30 ID:/JHnIuoH0



―ラウンジ山中腹



「……」(-(*゚∀゚)「♪」



      ((-(*゚∀゚)「ホップ、スッテプ、ジャンプー♪」



「…あんまり飛び跳ねないでね」(-;(*゚∀゚)「はいでーす!」




ξ*゚听)ξ「元気だね…」

(,,゚Д゚)「なんだ? もうバテたのか?」

川 ゚ -゚)「おんぶしてやろうか?」

ξ*゚听)ξ「だ、大丈夫だもん!」



82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 18:28:42.36 ID:/JHnIuoH0


( ・∀・)「…」

( ・∀・)「…」

( ´∀`)「…」

( ´∀`)「…運動…不足だモナ…」

( ・∀・)「…まったく…です」

从 ゚∀从「おんぶしましょうか(はぁと)」

( ・∀・)「…」

( ・∀・)「結構だ」 キリッ

从 ゚∀从「いやん、ダーリンの意地っ張り(はぁと)」

(・∀・ )「…助けてください」

( ´∀`)「だが断るモナ」



83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 18:29:54.53 ID:/JHnIuoH0



―現在位置






   (-(*゚∀゚)

     (,,゚Д゚)川 ゚ -゚)ξ*゚听)ξ


         从 ゚∀从( ・∀・)( ´∀`)





―つー&しぃ組が独走体制、クー組はその後、アダルト組は最後尾となっている


86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 18:31:35.24 ID:/JHnIuoH0

※クー組


(,,゚Д゚)「こうやって、ただ歩くだけなのも退屈だな」

川 ゚ -゚)「そうか?」

(,,゚Д゚)「何かやろうぜ」

川 ゚ -゚)「それは構わんが…」

ξ*゚听)ξ「う〜ん」

ξ*゚听)ξ「古今東西とか」

(,,゚Д゚)「何の?」


川 ゚ -゚)「古今東西……」

川 ゚ -゚)「――おでんの具」


ξ*゚听)ξ「…ほぉ」

(,,゚Д゚)「…いいぜ」



87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 18:33:01.65 ID:/JHnIuoH0

川 ゚ -゚)「古今東西―」

(,,゚Д゚)「おでんの具!!」


ξ*゚听)ξ「大根!」

(,,゚Д゚)「たまご!!」

川 ゚ -゚)「牛すじ」

ξ*゚听)ξ「さつま揚げ!」

(,,゚Д゚)「餅巾!!」

川 ゚ -゚)「つぶ貝」

ξ*゚听)ξ「しらたき!」

(,,゚Д゚)「がんも!!」

川 ゚ -゚)「ウインナー」

ξ*゚听)ξ「昆布!」

(,,゚Д゚)「ちくわぶ!!」

川 ゚ -゚)「ロールキャベツ」

91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 18:35:03.52 ID:/JHnIuoH0


ξ;゚听)ξ「ストーップ!!」


川 ゚ -゚)「ん? どうした?」

ξ*゚听)ξ「そんなのおでんの具じゃないでしょ」

川 ゚ -゚)「何を言う。ロールキャベツは立派な具材だぞ」

(,,゚Д゚)「しかし、クーちゃんはイロモノしか食わないのか?」

川 ゚ -゚)「失礼な、出汁が効いたロールキャベツは絶品だぞ」

ξ*゚听)ξ「…ホントに?」



92 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 18:36:22.86 ID:/JHnIuoH0


ξ*゚听)ξ「…」

ξ*゚听)ξ「あれ? しぃとつーは?」


川 ゚ -゚)「ん? そういえば…」

(,,゚Д゚)「先に行ったんだろ。全然気づかなかったけど」

川 ゚ -゚)「大分はしゃいでいたからな、転んだりしてないといいが」

ξ*゚听)ξ「そっか。アダルティーは?」

川 ゚ -゚)「下、だな。微かに声が聞こえる」

(,,゚Д゚)「大分、離れちまったな」


ξ*゚听)ξ「キョウチョウセイがないわね」

(,,゚Д゚)「お前に言われたらオシマイだろ」



93 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 18:37:58.41 ID:/JHnIuoH0


※つー&しぃ組



      (-(*゚∀゚)「♪」

   「…」(-(*゚∀゚)


      (-(*゚∀゚)「Cぃ♪」

  「何?」(-(*゚∀゚)


      (-(*゚∀゚)「シリトリしましょー!」

「いいよ」(-(*゚∀゚)


      (-(*゚∀゚)「ヒュアウィゴー!」



94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 18:39:09.08 ID:/JHnIuoH0


「しりとり」(-(*゚∀゚)「りばーす」


「すいか」(-(*゚∀゚)「かてごりー」


「りゅっく」(-(*゚∀゚)「くろーく」


 「くるま」(-(*゚∀゚)「まるがりーた」


 「たんす」(-(*゚∀゚)「すぃーつ」


 「つみれ」(-(*゚∀゚)「れすきゅー」


 「きゅうり」(-(*゚∀゚)「りたー……」



 「………」(-(*゚∀゚)「………」


 「……ん」(-(*゚∀゚)「あー!! 着いたでーす!!」



95 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 18:40:55.94 ID:/JHnIuoH0

 「………」(-(*゚∀゚)「………」

 「………」(-(*゚∀゚)「………」

  「…ズル」(-(;゚∀゚)「は、はやく行くでーす!」


 「あ、あんまり急ぐと」(-(;゚∀゚)「え?」



            ガッ

                  (о<*);゚)
                  ( ヽ』 /ゝ
              。,;  ^^ ⌒>




                             「キャ――――!!」  「オーノ――――!!」



―足元の石に躓いたつーは転倒

―そのまま二人は、山の斜面を滑るように落ちていった

97 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 18:41:54.23 ID:/JHnIuoH0

※再びクー組


川 ゚ -゚)「ん?」

ξ*゚听)ξ「どうかした?」

川 ゚ -゚)「今、何か聞こえなかったか?」

ξ*゚听)ξ「ん〜、分かんない」

(,,゚Д゚)「山彦とかか?」

川 ゚ -゚)「…いや、気のせいかな」

ξ*゚听)ξ「そう?」

川 ゚ -゚)「あぁ、すまない」

(,,゚Д゚)「じゃ、次はおにぎりの具な」

ξ*゚听)ξ「ほほぉ…」

川 ゚ -゚)「受けて立とう」


98 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 18:42:40.33 ID:/JHnIuoH0

※最後尾、アダルト組


( ´∀`)「…もうすぐモナ…」

( ・∀・)「…なんで…あいつら…あんなに元気なんだ……」

( ´∀`)「もはや、声すら聞こえないモナ…」

( ・∀・)「足が……」

从 ゚∀从「お・ん・ぶ(はぁと)」

( ・∀・)「……謹んで断ろう」

从 -ε从「えー」


( ´∀`)「…やっぱり…お店にしとけば良かったモナ」

100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 18:45:54.10 ID:/JHnIuoH0



―苔とシダ系の植物が多い茂る、鬱蒼とした場所

― 二人が落ちた先はそんなところだった

―しぃがゆっくりと目を開ける


(*-ー-)「…ん」

(*-ー-) !

(*゚∀゚)「C! 目が覚めたですかー」

(*-ー-)「お姉ちゃん……」

(*-ー-)「…」

(*-ー-)「確か、途中で体勢が崩れて…」

(*゚∀゚)「…ソーリー、C」

(*゚∀゚)「転んじゃって、道を外れちゃったでーす」

(*-ー-)「ううん、いいの。大丈夫」

(*-ー-)「それじゃ、戻りましょ」


101 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 18:46:52.33 ID:/JHnIuoH0

(*゚∀゚)「…」

(*-ー-)「…?」

(*-ー-)「どうしたの?」

(*゚∀゚)「…戻るのは、ちょっとムリです」


(*-ー-)「え?」

(*゚∀゚)「道を外れて、崖に落ちちゃったでーす」

(*-ー-)「崖……ここは崖の下?」

(*゚∀゚)「そうでーす」


(*-ー-)「崖を落ちた、って」

(*゚∀゚)「…」


102 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 18:47:18.98 ID:/JHnIuoH0


(*-ー-)「…」

(*-ー-)「お姉ちゃん、怪我してないの?」


(*゚∀゚)「…ダイジョーブでーす」

(*-ー-)「…」

(*゚∀゚)「…」

(*-ー-)「…」


ムギュ

(;゚∀゚)「アウチッ!!」

104 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 18:48:34.75 ID:/JHnIuoH0

(*-ー-)「やっぱり…」

(;-∀-)「ダイジョーブでーす」

(*-ー-)「全然大丈夫じゃないわ! 足、凄く腫れてるじゃない!」

(;゚∀゚)「ヘーキでーす」

(*゚∀゚)「そのうち治りまーす」

(*-ー-)「治るわけないでしょ!」

(*-ー-)「どっちにしろ、これじゃ歩けないわね…」

(*゚∀゚)「…むぅ」


(*-ー-)「まぁ、下手に動くより良いかもしれないけど…」

(*-ー-)「痛いでしょ? なんで言ってくれないの?」


(*゚∀゚)「…」

(*-ー-)「…」


105 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 18:49:06.26 ID:/JHnIuoH0


(*゚∀゚)

(*-∀-)

(*-∀-)「…お姉ちゃん、だからでーす」


(*-ー-)「?」


(*゚∀゚)

(*゚∀゚)「Cに心配はかけないです」


(*-ー-)「…!」


(*゚∀゚)「Cはワタシの妹だから、ワタシが守るでーす」

(*-ー-)「…」



106 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 18:49:44.34 ID:/JHnIuoH0


(*゚∀゚)「姉はキヨシ! です!」


(*-ー-)「…それを言うなら『強し』でしょ」

(*-ー-)「いつから氷川性になったの」

(*゚∀゚)「おぅ……日本語、いとムズカシでーす」

(*-ー-)「…もうっ」


(*゚∀゚) ケラケーラ



(*-ー-)「…」

(*-ー-)「いつも心配かけまくってるでしょ」

(*-ー-)「まったく…」
108 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 18:50:24.24 ID:/JHnIuoH0



―ラウンジ山頂上


ξ*゚听)ξ「着いたー!」

(,,゚Д゚)「おぉー!」

川 ゚ -゚)「いい眺めだ」



( ´∀`)「……」

( ・∀・)「……」



109 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 18:51:23.31 ID:/JHnIuoH0


从 ゚∀从「はい、お水です」


( ´∀`)昌

( ・∀・)昌


( ´Д)ノ ゴクゴクゴクゴク

( -Д)ノ ゴクゴクゴクゴク


( ´∀`)「……げっは、ごほ」

( ・∀・)「……しぬかとおもいました」




ξ*゚听)ξ「…私より体力ないんだ」

(,,゚Д゚)「おっさんだからな」
11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 18:52:40.63 ID:/JHnIuoH0



( ・∀・)「うるさい、体力馬鹿。それに、私はまだおっさんという年じゃない」

( ´∀` )「……」

(・∀・ )

(・∀・ )「いや、主任も充分お若いですよ」




川 ゚ -゚)「おい、哀愁が漂ってるぞ」

(,,゚Д゚)「まぁ、おっさんだからな」

113 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 18:55:59.04 ID:/JHnIuoH0

ξ*゚听)ξ「…しぃとつーは?」

ξ*゚听)ξ「先に着いてると思ってたけど」


川 ゚ -゚)「…」

(゚- ゚ 川「…」

川 ゚ -゚)「見当たらないな」

(,,゚Д゚)「どっか散策してんじゃねーの?」

川 ゚ -゚)「それは、あり得るな。まぁ、そのうち見つかるか」


川 ゚ -゚)「…」

川 ゚ -゚)「姉妹(きょうだい)というのは、良いものだな」

川 ゚ -゚)「あの二人を見ていると、そう感じるよ」

(,,゚Д゚)「…」

(,,゚Д゚)「あぁ、そうだな」

川 ゚ -゚)「…?」



114 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 18:56:55.37 ID:/JHnIuoH0


从 ゚∀从л< スチャ

从 ゚∀从л<「はいはい、今から自由行動なー」

从 ゚∀从л<「散策なり何なり好きにしろやーい」



ξ*゚听)ξ「だって」

(,,゚Д゚)「オレらも、ぶらぶらするか」

川 ゚ -゚)「…あぁ」




( ・∀・)「…」

( ´∀`)「…」

( ・∀・)「休みますか」

( ´∀`)「モナ」




115 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 18:57:56.37 ID:/JHnIuoH0



―崖の下、つーとしぃは寄り添うように座っている


(*-ー-)「…」

(*゚∀゚)「…」

(*-ー-)「静かね」

(*゚∀゚)「うん」

(*-ー-)「…」

(*゚∀゚)「…」

(*-ー-)「足は?」

(*゚∀゚)「ダイジョーブです」

(*-ー-)「…」

(*゚∀゚)「…」



116 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 18:59:06.05 ID:/JHnIuoH0


(*-ー-)「…」

(*゚∀゚)「…」

(*-ー-)「…ねぇ」

(*゚∀゚)「…あぅ?」


(*-ー-)「私たちが初めてあった日のこと、覚えてる?」

(*゚∀゚)「Cは覚えてるですか?」

(*-ー-)「もちろん」

(*゚∀゚)「そうですか!」

(*-ー-)「…懐かしいわね」

(*-ー-)「10年ぐらい前かしら」

(*゚∀゚)「イエス」

(*゚∀゚)「あの頃のCはちっちゃかったでーす」

(*-ー-)「当たり前でしょ、子供なんだから」
118 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 19:00:46.11 ID:/JHnIuoH0

(*゚∀゚)「…最初、Cに嫌われてると思ってたでーす」

(*-ー-)「…」

(*-ー-)「…ごめんね」

(*-ー-)「…」


(*-ー-)「ちょっと、聞いてもらえる?」

(*゚∀゚)「…」

(*-ー-)「私ね、お姉ちゃんが羨ましかったの」

(*-ー-)「あの頃はもう車椅子の生活にも慣れていたんだけど」

(*-ー-)「心の底では吹っ切れてなかったんだと思う」


(*-ー-)「…」

(*-ー-)「元気に走り回るお姉ちゃんの声を聞いているとね」

(*-ー-)「泣きたくなっちゃったの」

(*-ー-)「なんで姉妹でこんなにも違うの、って」

(*゚∀゚)「…」

119 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 19:01:24.95 ID:/JHnIuoH0

(*-ー-)「勝手に嫉妬して、飛び出たはいいんだけどね」

(*-ー-)「外の事なんてほとんど知らないから、迷子になっちゃって」

(*-ー-)「それでまた泣きたくなったところに、変な人が来て…」

(*-ー-)「追いかけられて、もう駄目だって時―」


(*-ー-)「お姉ちゃんが助けてくれた」


(*゚∀゚)「…」

(*゚∀゚)「…」

(*-ー-)「あの時、お姉ちゃんが来てくれなかったら…」



(*゚∀゚)

(*-∀-)

(*-∀-)「それは、ちがうでーす」

121 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 19:02:41.98 ID:/JHnIuoH0


(*-ー-)「…?」

(;゚∀゚)「…実は、あの時ワタシも迷子だったです」


(*-ー-)「へ?」

(;゚∀゚)「Cを探しに行ったら、ワタシも迷子になってしまったでーす」


(*-ー-)「だって、気がついた時にはお姉ちゃんが…」

(*゚∀゚)「変な人をやっつけたのは、別の人でーす」

(*-ー-)「…」


(;-ー-)「ホント…?」

(;゚∀゚)「やー」
123 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 19:03:41.10 ID:/JHnIuoH0


(*-ー-)「帰り道を案内してくれたのは…」

(*゚∀゚)「その人に教えてもらったでーす」


(*-ー-)「…」

(*゚∀゚)「…」


(*゚∀゚)「あはっ」

(*-ー-)「あははは」

(*゚∀゚)「あはははは」



124 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 19:04:49.69 ID:/JHnIuoH0


(*-ー-)「何、それ!」

(*-ー-)「ずっとお姉ちゃんが助けてくれたって、信じてたのに!」


(;゚∀゚)「むほぅ! C、ビークールでーす」

(;゚∀゚)「―っ!!」

(;゚∀゚)「アウチ、足が! 足が痛いでーす!」


(*-ー-)「うっ……卑怯な……」

(*-ー-)「…」

(;゚∀゚) ドキドキ



125 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 19:05:20.31 ID:/JHnIuoH0


(*-ー-)「…まぁ、いいわ」

(*-ー-)「お姉ちゃんが来てくれなかったら、ずっと塞ぎこんだままだったろうし…」

(*゚∀゚)「…ホワイ?」


(*-ー-)「いいの。それより、助けてくれた人って…」

(*゚∀゚)「…」

(*-ー-)「誰? 知ってる人?」

(*゚∀゚)「…」


(*゚∀゚)「それは――」



126 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 19:05:56.52 ID:/JHnIuoH0



―ガサッ



(*-ー-)「―!」

(*゚∀゚)「!!」


(*-ー-)「なに…?」

(*-ー-)「まさか、熊……とか」


(*゚∀゚)「ベアー!?」

(*゚∀゚)「…!!」

(*゚∀゚)「今度こそ、Cはワタシが守るでーす」



127 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 19:06:16.41 ID:/JHnIuoH0



゚) ガサガサ




(*゚Д゚)「クリティカルヒーットでーす!!」

(*-ー-)「―あ!」

(*-ー-)「ちょっ、お姉ちゃん待って!」




…ズズン!!!





128 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 19:06:44.31 ID:/JHnIuoH0


――
―――


从 ゚∀从「大変だったな」

ξ*゚听)ξ「大丈夫?」

川 ゚ -゚)「腫れが酷いな、早く病院に行こう」

(*-ー-)「…」

(*゚∀゚)「…」



 _ 「…」



(*-ー-)「…その」

(*゚∀゚)「…ごめんなさい」



129 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 19:07:27.29 ID:/JHnIuoH0


从 ゚∀从「あぁ、事故だし仕方ねぇよ」

ξ*゚听)ξ「そうそう」

川 ゚ -゚)「気にせず早く病院に行ったほうがいいぞ」



 _ 「…おい」

 _ 「無視か! 完全に無視か!!」




川 ゚ -゚)「うるさい、一次元」

ξ*゚听)ξ「女の子の話を盗み聞きするなんて、サイテーね」



130 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 19:08:09.98 ID:/JHnIuoH0



 _ 「してないって! 無実だ!!」




(*゚∀゚)「ギゴ、こんな姿になって……」




 _ 「やったのはお前だろう!」

 _ 「大体オレは『ギゴ』じゃねぇ。 ギ、コ、だ」




(*゚∀゚)「……ギ、ゴ」




 _ 「ワザとだろ、お前」


132 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 19:08:47.72 ID:/JHnIuoH0



(*゚∀゚)「よーし! お弁当食べましょー!!」




 _ 「無視か!! また無視ですか!!」




ξ*゚听)ξ「というか、ホント病院行ったほうがいいよ」

从 ゚∀从「骨まではイってないっぽいけどな」

(*゚∀゚)「とりあえず、ご飯食べてからでーす!」

川 ゚ -゚)「まぁ、本人がそう言うなら、それでもいいけどな」



133 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 19:09:28.73 ID:/JHnIuoH0


(*-ー-)「もう、食い意地張ってるんだから」

(*゚∀゚)「ランチはオナゴのロマンでーす!」

(*-ー-)「はいはい」


(*-ー-)「…」

(*-ー-)「(結局、聞きそびれちゃった…)」

(*-ー-)「(あとでまた聞こう)」





 _ 「…」

 _ 「あれ? オレ食えなくね?」

135 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 19:09:59.12 ID:/JHnIuoH0



( ・∀・)「…平和ですね」

( ´∀`)「…まったくモナ」

( ・∀・)「…」

( ´∀`)「…」

( ・∀・)「…」


( ´∀`)「…ホントに、まったく、その通りだモナ」


143 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 19:18:59.65 ID:/JHnIuoH0



―某所、会議室


( _L )「困りましたね…」

( e )「何か問題でも?」

( _L )「“ジョーカー”が研修を延期する、と」

( e )「ほぅ…」

( e )「まだ、なんでしょう?」

( _L )「えぇ、まだ接触もしていません」

( e )「しかし、なんでまた」

( _L )「ピクニックの最中に、怪我をしたそうです」

( e )「ピクニック! いいですねぇ……私も行ってみたいですよ」

( _L )「ご冗談を」



144 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 19:20:33.96 ID:/JHnIuoH0


( e )「冗談ではありません、是非行ってみたい」

( e )「ひさしぶりに、外の空気を思い切り吸いたいものです」

( e )「…延期は、困りますか?」

( _L )「あまり時間がないもので」

( _L )「できれば早急に片付けたいんですよ」

( e )「まぁ、近いうちに解決しますよ」

( e )「私の“盃(さかずき)”は絶対です」

( e )「少し、神経質になりすぎなのでは?」

( _L )「持て余していたはいえ、彼女は我々の“切り札”です」

( _L )「できれば確実に事を進めたいんですよ」

( e )「そういうものですか」

( _L )「えぇ」



145 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/10(土) 19:21:09.09 ID:/JHnIuoH0


( e )「そうだ、一献いかがですか?」

( _L )「…遠慮しておきます」

( e )「“何も入っていませんよ?”」

( _L )「気持ちの問題ですよ」

( e )「そうですか」


―そう言って男はグラスを傾ける

―ゆっくりと飲み干されたそれは、血のように赤かった



第十六話了

戻る

inserted by FC2 system