- 4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/19(金) 20:11:00.47 ID:6JP13leB0
エスパークス、エスタークじゃねぇのかよ!
という人のための登場人物紹介
川 ゚ -゚) 新人。物を呼び寄せる超能力
(,,゚Д゚) 先輩。超脚力の超能力
(*-ー-) 身体が不自由。人の内面の色を視る
川д川 オカ女。空間を構築、接続する能力
( ・∀・)プロジェクト補佐。テレパシー能力
从 ゚∀从 プロジェクト書記長。なんでも半分こにする
从'ー'从 アイドル。嫌でも人目を惹いてしまう
('A`) クーの幼馴染。ダイプロでアルバイト中
(´・_ゝ・`) ダイプロ一般職員。犬になった人
- 5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/19(金) 20:13:17.22 ID:6JP13leB0
―○月×日 曇り
今日は生憎の曇り空でどんより
オレもどんより、でもドンウォーリー
朝起きて、学校に行く
数学の課題を忘れて先生に怒られた
ハゲのくせに
黒板を書き写す前に消されて、すこしムカついた
ハゲのくせに
弁当忘れたので購買部にパンを買いに行く
いつものおばちゃんは休みだった
焼きそばパンうめぇ
午後の授業も眠かった
おわり
- 7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/19(金) 20:15:06.41 ID:6JP13leB0
('A`)「あー」
('A`)「マンドクセェ」
('A`)「やっぱ向いてねーよな」
('A`)「日記なんて」
向いてない日記を何故書くのか
何も好きでやってるわけじゃない
ちょっとワケありなのだ
- 10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/19(金) 20:16:51.43 ID:6JP13leB0
川 ゚ -゚)エスパークーのようです
−第十四話:ドクオ奮闘記−
- 11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/19(金) 20:18:57.54 ID:6JP13leB0
【08:00】
起床
眠い、眠すぎる
目覚まし代わりの携帯を手元に寄せて時間を見る
もう8時かよ
欝だ
顔を洗って、服を着替える
歯は夜しか磨かない
和食派のウチだが、朝は食べない
メンドイから
カーチャンが作った弁当を持って登校
- 13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/19(金) 20:21:28.43 ID:6JP13leB0
【08:20】
登校
ぼんやりと脳内で正体不明の敵と戦いながら歩く
こうやると朝の通学路も苦痛じゃない
おすすめ
敵にトドメを刺す瞬間、今まで仲間だと思っていたヤツに裏切られる
しかもヒロイン
そんな馬鹿な
テラツヨス
倒さなきゃ世界に平和は訪れない、でもヒロインだし……
葛藤する心
義理と人情の板ばさみ
なんてやっている間に学校
マジおすすめ
- 16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/19(金) 20:23:58.00 ID:6JP13leB0
【09:00】
授業
ダルイ
なんでオレはこんな所にいるんだろう、という気さえしてくる
オレが存在しているということは、オレがそれを認識しているということだ
そして周りもそれを認識している
じゃあ、オレが認識することをやめたら?
- 17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/19(金) 20:25:22.19 ID:6JP13leB0
('A`)(お、体育か)
('A`)(ありゃ、一年だな)
周りが認識することをやめたら?
('A`)(…)
('A`)(なんでスパッツなんだろうな……)
オレは消えるのか?
('A`)(ブルマ……)
否、自分の存在を否定するなんて不可能だ
('A`)(ブルマ……)
なんてやってる間に授業終了
- 20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/19(金) 20:27:18.17 ID:6JP13leB0
【12:00】
昼休み
弁当食べて寝る
ご飯が寄っていると一日が憂鬱になる
今日は……寄ってるし
でも旨い
しなびたコロッケが旨い
と思ったら、これ晩飯の残りじゃねーか
あ、この煮物もだ
まぁいいけど
とりあえず、ごちそうさまでした
- 23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/19(金) 20:32:08.71 ID:6JP13leB0
飯が食い終わってからは、基本寝る
たまに本を読んだりもするけど
しかし、さっきから流れているこの音楽はどうにかならないのか
気取って洋楽なんか流してんじゃねーよ
手前ら、歌詞の意味分かってんのかよ
悪態をつきつつ、耳にiPodのイヤホンをON
―びーとぎゃーざびーとぎゃーざ♪―
―ズチャ♪ズチャ♪ズチャズチャ♪―
('A`)「…癒される」
(-A-)「おやすみなさい」
- 25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/19(金) 20:34:52.25 ID:6JP13leB0
―
――
―――
「――くん」
「―クオくん」
('A`) !
('A`)「ほぁっつ?」
川 ゚ -゚)「ようやく起きたな、もう昼休みは終わりだ」
('A`)「あー」
('A`)「…」
(;'A`)「すいません。次、移動教室でしたっけ?」
川 ゚ -゚)「あぁ、もうみんな移動したぞ」
('A`)「(…酷すぎる)」
- 26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/19(金) 20:36:20.03 ID:6JP13leB0
('A`)「ありがとうございます」
川 ゚ -゚)「ん? いや、いいんだ」
川 ゚ -゚)「…」
川 ゚ -゚)「それじゃあ、遅れるなよ」
ガラッ
('A`)「…」
- 27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/19(金) 20:38:12.58 ID:6JP13leB0
同じクラスの素直クールさん
クールビューティって言葉がぴったりの彼女
今まではあんまり話したことがなく(というか話した覚えがない)
オレなんかとは、一生関わり合いがない人だと思っていたが
なんとびっくり、オレのバイト先で働いていた
そのお陰か、今では少し話をしたりもする
敬語はよしてくれと言われたが、そういうわけにもいかず現状維持
あぁ、そういえば移動教室だっけ
歩くのマンドクセェ
- 30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/19(金) 20:40:49.73 ID:6JP13leB0
【15:30】
授業終了
部活には入っていないので
荷物をまとめて校舎をでる
家とは逆方向の駅へと向かい、切符を買って電車に乗る
途中でローカル線に乗り換える
目的地に直接止まるのはこの電車だけなのだ、しかも各駅停車しか止まらない
到着
降りる人間はオレともう一人
ここら辺は何もないので、付近の住民だろう
改札を出てから通りを挟んで、向こう側
大日本エスパープロジェクト、略してダイプロ
オレのアルバイト先がそこにある
一日の本番はこれからだ
- 32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/19(金) 20:43:10.69 ID:6JP13leB0
【16:00】
外観は小さな総合病院のような感じだ
白が映える作りをしており、清潔感を感じさせる
が
如何せん名前が名前なのと、働いている人間が少ないために人気(ひとけ)がないせいで
周辺の住民からはカルト宗教の集団だとか言われている、らしい
一般公表すればいいのに
とも思うが、堂々と看板を構えてるくせにエスパーの存在は秘密らしい
主任の“方針”だと聞いたが、どういう意図があるのかオレには分からない
一アルバイトには関係のないことなんでしょうね
考えてもどうしようもないので、さっさと中に入ることにする
- 33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/19(金) 20:45:41.93 ID:6JP13leB0
【16:15】
(´・_ゝ・`)「やあ、ドクオくん」
('A`)「あ、デミタスさん。お疲れ様です」
事務室に行くと、数人が作業していた
声をかけてくれたのは、盛岡デミタスさん
ここの一般職員で、気弱だけど優しい人だ
最初に仕事の説明をしてもらって以来、オレの教育係みたいな立場にいる
(´・_ゝ・`)「今日はもう何もないよ」
('A`)「え、そうなんすか」
(´・_ゝ・`)「うん」
- 34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/19(金) 20:46:56.90 ID:6JP13leB0
そう言いつつも、手は絶えずキーボードを叩いている
何もないというのは、オレのやることが何もないということ
仕事といっても、オレのしてることは雑用だけだ
直接仕事を手伝ったりはしない
あるとしたら、苦情、不審者の対応ぐらいだ
(´・_ゝ・`)「うん、だからもういいよ」
もういいよ、というのは「帰っていいよ」という意味ではない
「ここはもういいから、行っておいで」という意味だ
('A`)「はい、それじゃあ失礼します」
(´・_ゝ・`)「いってらー」
ひらひらと手を振るデミタスさん
最近、入院したとかでしばらく休んでいたけど、今ではすっかり元気だ
- 37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/19(金) 20:49:13.64 ID:6JP13leB0
事務室を出て、通路をまっすぐ行くとすぐに扉がある
扉には『関係者以外立ち入り禁止』の文字
ここからはエスパー以外入れない
というより入ることができない
('A`)「でも大丈夫」
テッテカテー
('A`)ノ゚「貞ちゃんバッチー」
('A`)「これを付けてる者は自由に入れるのさ」
('A`)「…」
('A`)「……しかしこの赤黒いのは」
('A`)「これは錆だよな…?」
- 41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/19(金) 20:51:36.58 ID:6JP13leB0
扉を開けて先に進む
目指すは通路の一画にある大きな部屋
とある女性との待ち合わせ
さて、日課の始まりだ
- 45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/19(金) 20:54:22.24 ID:6JP13leB0
【18:00】
ギシギシ
「いいわ、そのまま……あっ」
ギシギシ
「もう…無理……っす」
ギシギシ
「んっ……もうちょっと…頑張って」
ギシギシ
「もう…限界……」
- 48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/19(金) 20:57:12.21 ID:6JP13leB0
ドサッ
(;'A`)「あーもう駄目、限界、死ぬー」
(*-ー-)「もう? まだ腹筋50回目じゃない」
('A`;)「もう5セット目なんですけど」
(*-ー-)「だらしないわねー」
('A`;)「くつろぎMAXのしぃさんに言われたくないっす」
(*-ー-)「だって私は別にトレーニングするわけじゃないから……んっ」
(*-ー-)「トレーニングルームのいいとこは、マッサージ機器も充実してるとこね……あぅー」
('A`)「はぁ…」
(*-ー-)「こらこら、休んじゃ駄目よ」
(*-ー-)「健全な精神は健全な肉体に宿る」
(*-ー-)「そういうワケで次は腕立て伏せ100回、やってみましょう」
(*-ー-)「…あんっ」
('A`)「(…気が逸れるから止めて欲しい)」
- 49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/19(金) 20:58:26.11 ID:6JP13leB0
ダイプロのアルバイトたる者
精強な肉体、強靭な精神力が必要である
アルバイトの初日に言われた言葉だ
しぃさん監督の下、理不尽とも言えるトレーニングが続く
しかしそれも必要なこと、らしい
なんでこんなことを、と思っていたが
こんな風に秘密の機関で働くことが夢だったオレは、黙って従うことにした
一般職員のみんなもこれを乗り越えてきてるとか
毎日アルバイトに来ているが、雑用が終わると中日の水曜は除いてほぼトレーニングだ
最近、筋肉痛が酷い
- 51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/19(金) 20:59:37.39 ID:6JP13leB0
(;'A`)「もう……駄目っす」
(*-ー-)「はい、おつかれさま」
(;'A`)「ぐはっ」
(;'A`) ヒィーヒィーフー
(*-ー-)「(大分疲れてるわね、でも頑張ってもらわないと)」
(*-ー-)「(また“あんなこと”にならないように、強くなってもらわないとね)」
(*-ー-)「あ、そうだ」
('A`)「…へい?」
- 56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/19(金) 21:02:32.55 ID:6JP13leB0
(*-ー-)「今週末ヒマ?」
('A`)「…はぁ」
(*-ー-)「そう、良かった」
(*-ー-)「じゃあ、土曜に私の部屋まで来て」
(*-ー-)「時間はお昼過ぎぐらいでいいわ」
('A`)「…」
(;'A`)「…!!」
(*-ー-)「勘違いしないでね、カウンセリングするだけだから」
('A`)「…」
(*-ー-)「というわけで今日はここまで、以上解散!」
('A`)「はぁ」
- 57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/19(金) 21:03:45.96 ID:6JP13leB0
そんな訳で土曜にしぃさんの部屋を訪れることになった
まぁ、どうせ何もないんだろうけど
少しぐらいは期待してもいいじゃない
しぃさんには、感謝している
出会いは最悪だったが、アルバイトを紹介してくれたのは彼女だ
エスパーではないけれど、エスパーのサポートに回ることはできる
そう言われた
実際、サポートをしている実感はないけど
そのためにも、早くトレーニングを終えて、ちゃんとした仕事の手伝いがしたいと思っている
最近のオレは燃えていた
萌えではなく燃えである
- 59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/19(金) 21:05:41.13 ID:6JP13leB0
―土曜日、ダイプロCルーム
(*-ー-)「いらっしゃい」
('A`)「どうも」
(*-ー-)「…」
('A`)「…」
(*-ー-)「はい、ぼーっとしてないで、そこの椅子に座って」
('A`)「は、はい」
('A`)「…」
(*-ー-)「緊張してるの? 顔“色”が優れないわ」
('A`)「いや、そんなわけも…あります」
(*-ー-)「そう」
- 61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/19(金) 21:07:24.08 ID:6JP13leB0
(*-ー-)「ん〜」
キコキコキコ
(*-ー-) ン〜ット ア、アッタ
キコキコキコ
(*-ー-)「はい、これ」
('A`)「…なんですかこれ?」
(*-ー-)「ハイン特製おしゃぶり『聖母の抱擁』」
(*-ー-)「つけるとまるで、母親に抱かれた子供の様に心が穏やかになるらしいわ」
(*-ー-)「ハインからもらったんだけど、使う機会がなくてね」
(*-ー-)「せっかくだし、試してみたらどう?」
('A`)「(…なんでこんな物もらったんだ?)」
- 63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/19(金) 21:08:24.32 ID:6JP13leB0
('A`)「いや、大丈夫です」
('A`)「というか、さすがにおしゃぶりは…」
(*-ー-)「まぁまぁ、そう言わずに」
('A`)「いやいや」
(*-ー-)「いやいやいやw」
('A`)「いやいやいやいやw」
(*-ー-)「…私の言うことが聞けないの?」
('A`)
- 65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/19(金) 21:11:04.15 ID:6JP13leB0
('◎`)「…」
(*-ー-)「うん、いい感じだね」
('◎`)「…」
(*-ー-)「じゃあ、しよっか(カウンセリング的な意味で)」
('◎`)「…」
(*-ー-)「…」
(*-ー-)「(こんなところ誰かに見られたら、変な噂になるわね)」
д川
(-ー-*)「!?」
(*-ー-)「気のせいか…」
- 70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/19(金) 21:12:30.40 ID:6JP13leB0
('◎`)「はのぅ…いちゅまでこうしてれば、いいんでちゅか?」
(*-ー-)「あぁ、ごめんごめん」
(*-ー-)「それじゃあ、目を閉じて…」
(-◎-)「…」
(*-ー-)「そう、そのまま」
(*゚ー゚) スゥ
(*゚ー゚)「…」
(*゚ー゚)「(大分、安定してきたみたいね)」
(*゚ー゚)「(色が鮮やかに、それでいて深みを増してきてる)」
(*゚ー゚)「(この調子だと能力(ちから)と共存できるかもしれない)」
(*゚ー゚)「(しばらくしたら、コントロールの訓練に移ろうかしら)」
(*゚ー゚)「…」
(*゚ー゚)「……ゴメンネ」
(-◎-)「ほぁい?」
(*゚ー゚)「ううん、なんでもないの」
- 71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/19(金) 21:13:53.95 ID:6JP13leB0
(*-ー-)「…」
(*-ー-)「もう目を開けてもいいわよ」
('◎`)「…」
('◎`)「これ、取ってもらっていいでちゅか?」
(*-ー-)「そう? リラックスできていいと思うけど」
('◎`)「……お願いちまちゅ」
(*-ー-)「分かったから、そんな悲しい“色”しないで」
('A`)「ぷはっ」
('A`)「…」
('A`)「『聖母の抱擁』…」
('A`)「自分で取ることができない辺りが恐ろしい…」
(*-ー-)「あ、そうなんだ」
('A`)「(…知らなかったのかよ)」
- 73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/19(金) 21:16:40.32 ID:6JP13leB0
(*-ー-)「そうだ、ドクオくん」
('A`)「はい?」
(*-ー-)「え〜っと」
(*-ー-)「はい、プレゼント♪」
('A`)「……なんすか、これ」
(*-ー-)「日記、よ」
('A`)「日記って……え?」
(*-ー-)「些細なことでいいわ、何でもいいから書いてみて」
(*-ー-)「次のカウンセリングのときに持ってきてもらうわ」
('A`)「マジっすか」
(*-ー-)「マジっす」
('A`)「…」
(*-ー-)「みんなが通った道よ、頑張って」
('A`)「(…そう言えば何でも通用すると思ってるだろ)」
('A`)「…うっす」 ←でも逆らえない人
- 77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/19(金) 21:19:29.94 ID:6JP13leB0
ピンポンパンポーン
ドクオ臨時事務官、ドクオ臨時事務官
モララー補佐がお呼びです
至急、モララールームまでお越しください
繰り返します――
('A`)「お」
(*-ー-)「だって」
('A`)「はい」
('A`)「それじゃあ、オレはこれで」
(*-ー-)「うん。日記、楽しみにしてるわ」
('A`)「…期待しないでください」
(*-ー-)「さぁね。さ、早く行かないと」
- 79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/19(金) 21:21:43.39 ID:6JP13leB0
('A`)「はい、それじゃ」
(*-ー-)「はい、バイバイ」
ガチャ
(*-ー-)「…」
(*-ー-)「モララー補佐がドクオくんに何の用かしら?」
- 80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/19(金) 21:22:52.37 ID:6JP13leB0
※
―ダイプロ第一通路
('A`)「日記かぁ…」
('A`)「…」
('A`)「だり…」
('A`)「…」
('A`)「しかし、何の用だろ?」
('A`)「…行きゃ分かるか」
('A`)「…」
('A`)「…!」
(,,゚Д゚)「…」
- 81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/19(金) 21:24:48.26 ID:6JP13leB0
('A`)「…どうも」
(,,゚Д゚)「あぁ」
('A`)「…」
(,,゚Д゚)「…」
(;'A`)「…」
(,,゚Д゚)「…」
(,,゚Д゚)「補佐から呼ばれてんだろ? 早く行ったほうがいいじゃねーの?」
(;'A`)「は、はい」
('A`)「じゃあ、失礼します」
(,,゚Д゚)「…」
('A`)「…」
- 85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/19(金) 21:26:03.25 ID:6JP13leB0
エスパーのギコさん
オレはこの人が苦手だ
なんつーか怖い
お調子者で軽い人だと皆は言うけど、オレにとっては畏敬の対象でしかない
最初会ったときはそうでもなかったんだけど
オレ、
何か怒らせることしたかな?
胸にしこりを感じながら、補佐の部屋へと急ぐことにした
- 88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/19(金) 21:27:12.84 ID:6JP13leB0
※
―ダイプロモララールーム
コンコン
「すいません、ドクオです」
( ・∀・)「開いているよ」
ガチャ
('A`)「失礼します」
( ・∀・)「やあ、久しぶりだね」
('A`)「はい」
('A`)「…」
( ・∀・)「貞子から、キミがこちらに来てると聞いてな」
('A`)「はぁ」
- 91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/19(金) 21:29:40.90 ID:6JP13leB0
( ・∀・)「まぁ、取って食おうってわけじゃない」
( ・∀・)「ちょっと聞きたいことがあるんだ」
('A`)「…」
( ・∀・)「あ、座っていいよ」
('A`)「…」
( ・∀・)「単刀直入に聞こう」
('A`)「…」
( ・∀・)「キミは『逆てるてる坊主』くんか?」
('A`)「…」
('A`)「は?」
- 93 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/19(金) 21:31:29.06 ID:6JP13leB0
( ・∀・)「ペンネーム『逆てるてる坊主』くんか、と聞いている」
('A`)「――!!!」
('A`)「……どうして、それを…」
( ・∀・)「やはりそうか」
( ・∀・)「地域と内容、それにキミが“信者”の一員だという噂を聞いてね」
('A`)「…っく」
('A`)「まさか、あなたも?」
( ・∀・)「フッ……あぁ、信者だよ」
( ・∀・)「ペンネーム『ナベタソハァハァ』とは私のことだ」
('A`)「!!!」
('A`)「あなたが“あの”『ナベタソハァハァ』!?」
('A`)「独創的なセンス、脈絡のない文章、そして圧倒的なまでの愛情」
('A`)「あなたが伝説のハガキ職人『ナベタソハァハァ』…!!」
( ・∀・)「噂が一人歩きしたまでだよ」
- 94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/19(金) 21:33:31.69 ID:6JP13leB0
( ・∀・)「そういうキミこそ、新人の中ではずば抜けている」
( ・∀・)「実は縦読みというラジオではよく分からない行為、自分のオナネタを披露する羞恥心のなさ、そしてやはり愛に満ちている」
( ・∀・)「昨日の夜は熱かったな、『逆さてるてる坊主』」
('A`)「えぇ、コンサートチケットの先行予約でしたからね」
('A`)「自分の携帯、親の携帯、実家の電話、全て動員しましたよ」
( ・∀・)「フッ……私なんてダイプロの通信回線を全てそれに回したぞ」
('A`)「…!!」
('A`)「さすが、モララー補佐、いや『ナベタソハァハァ』」
( ・∀・)「ちなみに今までの放送は全て録音してある」
( ・∀・)「昨日の熱いバトル……聴くかい?」
('A`)「フッ……もちろん」
- 97 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/19(金) 21:34:49.54 ID:6JP13leB0
『はーい、みんなこんばわー』
『金曜の夜、みんな何をしてるかなー?』
『私はもう眠いよ〜』
コレガ ゲンテイハッピダ
ホウホウ
ソシテ メガホン
イヤ ナカナカ
『今日はコンサート先行予約があるからね』
『みんな寝ちゃだめだよ〜』
『それじゃあ』
『ナベ☆ラジ!! 始まるよー!!』
キテミルカ?
イインデスカ?
アァ ナカマダカラナ
ワーイ
- 98 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/19(金) 21:36:54.94 ID:6JP13leB0
ジャア ウワギヲヌイデクレ
ハイ
ン? サイズガ チイサイカ?
チョット キュウクツデス
ホラ カシテミロ
ガチャ
从 ゚∀从「失礼しまーす」
从 ゚∀从「ダーリン、3時のおやつですよー(はぁと)」
('A`( )
('A`(∀・ )
- 102 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/19(金) 21:38:13.44 ID:6JP13leB0
从 ゚∀从「…」
『さて、次のお葉書は……』
『VIPのナベタソハァハァさん! えぇっと、新曲凄く良かったです。コンサートも凄く楽しみです好きな下着メーカーを教えてください』
『いつもありがとう〜、どこ下着を使ってるかはヒミツだけど、コンサート情報は番組最後になるからみんな起きててね〜』
『じゃあ、次のお葉書……』
- 104 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/19(金) 21:39:38.64 ID:6JP13leB0
从 ∀从「…」
从 ∀从「…ドクオぉ」
('A`) (((・∀・ )ススス
从#゚∀从「人様のダーリンに手を出すとはいい度胸だ…」
从#゚∀从「その身体、“半分こ”にしてやんよ!!!」
ギャワ――――!!!
タスケテー
イヤ、ムリムリ
ナカマジャナイデスk…ウワー
- 111 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/19(金) 21:42:10.54 ID:6JP13leB0
※
(メ'A`)「…ぅぅ」
(メ'A`)「散々な目にあった」
(メ'A`)「生きてるのが不思議だ…」
('A`)「…」
('A`)「…日が沈むな」
('A`)「…」
('A`)「久々に、行ってみるか」
- 116 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/19(金) 21:44:22.61 ID:6JP13leB0
―ラウンジ山麓の“ヒミツの場所”
―土曜の夕方
―誰も来ないはずのそこに、今日は先客が一人いた
- 120 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/19(金) 21:47:26.92 ID:6JP13leB0
ノ(゚ ゚川 サァ…
(゚- ゚川 "
川 ゚ -゚)「…やぁ」
('A`)「…」
('A`)「ど、どうも」
('A`)「…素直さん、どうしてこんなとこに?」
川 ゚ -゚)「…」
川 ゚ -゚)「散歩してたら、たまたまいい休憩場所を見つけてな」
川 ゚ -゚)「そこの小屋で少し休んでただけさ」
('A`)「…そうですか」
川 ゚ -゚)「あぁ」
('A`)「…」
川 ゚ -゚)「…」
- 123 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/19(金) 21:49:08.98 ID:6JP13leB0
('A`)「…」
川 ゚ -゚)「最近、トレーニングしてるそうだな」
('A`)「あ、はい」
川 ゚ -゚)「キツイか?」
('A`)「割と」
川 ゚ -゚)「そうか」
('A`)「…」
- 126 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/19(金) 21:50:39.73 ID:6JP13leB0
川 ゚ -゚)「…私も鍛え直さないとな」
('A`)「鍛え直す、ですか?」
川 ゚ -゚)「あぁ」
川 ゚ -゚)「まだまだ私は弱い」
川 ゚ -゚)「…もっと強くなりたいんでな」
('A`)「…」
('A`)「そうっすか」
('A`)「頑張ってください」
川 ゚ -゚)「ん」
('A`)「…」
川 ゚ -゚)「…」
- 129 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/19(金) 21:53:09.01 ID:6JP13leB0
('A`)「…」
川 ゚ -゚)「…」
川 ゚ -゚)「…いい場所だな」
('A`)「は、はい」
('A`)「…」
('A`)「オレのとっておきです」
('A`)「昔はよく――」
川 ゚ -゚)「…」
―あ、れ?
―なんだ? 昔はよく…? なんだ?
- 132 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/19(金) 21:55:47.24 ID:6JP13leB0
('A`)「―遊んでました」
川 ゚ -゚)「…」
川 ゚ -゚)「そうか」
―違う
―何か違う
―大切な“何か”が、抜けている
- 134 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/19(金) 21:56:53.44 ID:6JP13leB0
('A`)「…」
川 ゚ -゚)「…」
('A`)「…」
川 ゚ -゚)「…」
―思い出せない
―いや
―“覚えがない”
―なのになんで、こんな“違和感”を感じるんだ
- 136 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/19(金) 21:59:50.05 ID:6JP13leB0
川 ゚ -゚)「さて、と」
川 ゚ -゚)「私は帰るよ」
('A`)「あ、……はい」
川 ゚ -゚)「…」
川 ゚ -゚)「…」
川 ゚ -゚)「“またな”」
('A`)「はぁ…」
川 ゚ -゚)「…」
川 - -)「…」
川川 ) ザッ
('A`)「…」
- 138 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/19(金) 22:01:23.50 ID:6JP13leB0
―違和感の正体は分からない
―ただ
―少し寂しそうに去っていく素直さんの後ろ姿を見たとき
―何故か、胸が痛んだ
- 141 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/19(金) 22:03:55.07 ID:6JP13leB0
※
―夜、ドクオの部屋
('A`)「…」
('A`)「日記、…書かないとな」
('A`)「…」
('A`)「…」
('A`)「あー、駄目だ」
('A`)「…」
('A`)「あ、そうだ。昨日のナベ☆ラジ、CDに落としてもらったんだった」
('A`)「…それ聞きながらやろ」
- 143 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/19(金) 22:04:24.79 ID:6JP13leB0
ウィーン
ピッ
『はーい、みんなこんばわー』
『金曜の夜、みんな何をしてるかなー?』
『私はもう眠いよ〜』
- 146 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/19(金) 22:05:33.79 ID:6JP13leB0
―○月△日 晴れ
今日から日記をつけることになった
初日から色々あった
天気は快晴、お出かけ日和
昼過ぎからダイプロに行く
しぃさんの部屋に行って、信じれないところで同志と会った
ハッピいいなぁ
死にかけたけど
あと久々にラウンジ山の方へ行った
素直さんがいて驚く、少しだけ話したけどすぐに帰ってしまった
特に何を話したわけでもない
それなのに、このもやもやは何だろう
分からない
けど――
- 148 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/19(金) 22:08:53.67 ID:6JP13leB0
『―はい、逆さてるてる坊主さんありがとう!』
『さてリクエストだね〜、えぇと…』
『Crystal Kay の こんなに近くで… だよ!』
けど
これはきっと大切なことだと思う
第十四話了
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