- 8
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 20:46:45.56 ID:dBFBfQv00
第9話
- 9
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 20:48:31.41 ID:dBFBfQv00
( ^ω^)「はふー・・・ ズズー」
('(゚∀゚∩「どうだい、味は?」
( ^ω^)「おいしいですお。胃が落ち着きますお」
朝食として、芋と米をたっぷりの水で煮たものを食べる。
タカオカ亭の味とは比較するべくも無いが、病人食でもあり、
また日頃食べている野草などに比べれば数段美味い。
優しい、落ち着いた味わいだ。
- 11
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 20:51:23.46 ID:dBFBfQv00
('(゚∀゚∩「大分良くなったね、脈間隔も安定してるし、顔色もいい。
これなら、もう退院できるよ。動いても問題ないよ」
( ^ω^)「おかげさまで、この通りですお」
('(゚∀゚∩「ブーン君、あまり無茶はしないようにね」
('(゚∀゚∩「いくら君が腕のたつ冒険者でも、未知の恐ろしさを秘めた魔物はいくらでもいる」
('(゚∀゚∩「相手の素性が解らなければ、逃げるのもまた方法の一つだよ」
( ^ω^)「肝に銘じますお」
('(゚∀゚∩「じゃあお大事にね!」
( ^ω^)「ありがとうございましたお」
- 12
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 20:54:12.64 ID:dBFBfQv00
ブーンは退院した。
礼に、金銭と、旅先でとった薬草や動物の毛皮を渡した。
特に薬草は、珍種で質のいいものだったらしく、喜ばれた。
外に出ると、いっそう温泉の匂いを強く感じる。
( ^ω^)「はぁ・・・いい香りだお」
( ^ω^)「まずは・・・宿屋だお」
ブーンは、宿の確保をする事にした。
村人に宿屋の場所を尋ね、そこへ向かう。
- 13
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 20:56:29.56 ID:dBFBfQv00
小さな、のどかな村だった。
近くの森の、鳥の囁き。
村の人々の、質素で落ち着いた身なり。
老人をいたわる、若者たち。
香る温泉の芳香。
ラダトームのように大きくなく、ガライのような喧噪こそ無いが、
心が安らぐ土地であった。
- 15
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 20:59:17.56 ID:dBFBfQv00
( ^ω^)「ここかお」
宿屋をみつけ、入る。
受付の女性に声をかけられる。
从'ー'从「はーい!お客さん、旅人?お一人ですねぇ」
( ^ω^)「そうですお」
从'ー'从「何泊されます?」
( ^ω^)「うーん・・・まだ解らないけど、ひょっとしたら長い宿泊になるかもしれないお」
( ^ω^)(ロトの勇者の情報を集めるのに、どれだけかかるか解らないお)
从'ー'从「わっかりましたぁ〜〜。では、この名簿に押印か名前を」
( ^ω^)カキ・・・カ・・・キ・・・
从'ー'从「お客さん、長い宿泊になりますと、先に前金でいくらか代金を頂く事になってます」
从'ー'从「ので、とりあえず、5泊分の料金を・・・」
- 17
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 21:02:07.11 ID:dBFBfQv00
( ^ω^)「おっおっ。いくらだお?」
从'ー'从「60Gになりますぅ〜」
言われた料金を支払う。
そろそろ、路銀も節約しなければ。
ガライでの大食が、ここにきて響いてきた。
・・・それでも、タカオカ亭では、かなり安くオマケしてもらっていたのだが。
だが、あの味わいを前にして、小食にとどめる事などできない。
あれでよかったのだと、ブーンは自分をなかば強引に納得させた。
後で、道具屋にいって旅先で手にいれた不要なものを売ってしまおう。
- 19
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 21:04:13.44 ID:dBFBfQv00
( ^ω^)「それにしても、やっぱりラダトームより宿賃が高いお」
( ^ω^)「まぁ・・・あそこは人の多い町だし、流れの旅人も多いから」
( ^ω^)「少ない宿賃でもやっていけるのだけど」
( ^ω^)「ここは観光地だし、割高なのかお」
从'ー'从「お客様、ご存知とは思いますが、この村は温泉が大変有名ですぅ」
从'ー'从「ぜひぜひ、浸かっていってくださいねぇ」
( ^ω^)「もちろんだお!ありがとうございますお」
- 21
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 21:07:30.09 ID:dBFBfQv00
('A`)「ただいま」
从'ー'从「あっ!ドクオ様!」
( ^ω^)「ドクオ!」
( ^ω^)「やっぱりドクオもこの宿に泊まっていたのかお」
('A`)「ああ」
('A`)「体の具合はどうかな?」
ブーンは体を振り、元気なそぶりを見せた。
( ^ω^)「おかげさまで、この通りだお」
('A`)「それは、良かった」
- 23
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 21:10:18.99 ID:dBFBfQv00
( ^ω^)「これもドクオ・・・
从'ー'从「ドクオ様!お召し物の洗濯は終わっておりますぅ」
从'ー'从「それと、ご希望のお食事も、いつでもおだしできます」
从'ー'从「何かご用命があれば〜、なんなりとお申し付けください!」
从'ー'从「と、うちの旦那様がいっておりましたぁ」
( ;^ω^)「ドクオ、超VIP待遇だお。何かあったのかお?」
('A`)「・・・さぁね」
ブーンの手続きを済ませた後、二人は外にでる。
- 26
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 21:13:05.58 ID:dBFBfQv00
( ^ω^)「ドクオは、この後どうするんだお」
('A`)「俺は、とある人物の家へ用がある。そこへ寄る」
( ^ω^)「そうかお・・・じゃあブーンは・・・」
この村で、ロトの勇者についての、情報を集めよう。
そこで、また後ほど会う約束を取り交わし、二人は別れた。
- 28
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 21:15:26.22 ID:dBFBfQv00
( ^ω^)
道具屋にいって、手に余る品を売り、換金する。
路銀がいくらか潤う。
今の自分の装備にも、不安を覚える。
武具屋へ行き、品定めをする事にした。
小さな武具屋だった。
武具屋には、自分の他にも客がいた。
- 29
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 21:18:08.86 ID:dBFBfQv00
( ・∀・)「ふーむ・・・ この店にも、伝説のつるぎは、置いていないようだな。
やはり、店屋では手に入らないのだろうか・・・」
( ^ω^)「・・・?」
( ^ω^)「伝説の武器?なんですお?それ」
( ・∀・)「・・・なんだ君は。薄汚い格好をして。君も冒険者かい?」
( ^ω^)(薄汚い・・・)「ええ、まぁ・・・」
( ・∀・)「この地に舞い降りた伝説のロトの勇者が
持っていたと言われる、伝説の武器さ」
( ・∀・)「人手にわたったと聞いていたが・・・
やはりこんなへんぴな村にある訳は無いな。来て損をした」
( ^ω^)「・・・あなたも冒険者ですかお?」
- 30
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 21:21:05.10 ID:dBFBfQv00
( ・∀・)「ふ。まぁ、そうだ」キラン
( ^ω^)(キザな奴だお)「・・・あなたも、竜王討伐の旅ですかお」
( ・∀・)「いや、俺は違う」
( ^ω^)「お」
( ・∀・)「・・・君は、竜王を退治するつもりかい?その為の旅を?」
( ^ω^)「そうだお」
( ・∀・)「無謀だね。正気の沙汰じゃない」
( ^ω^)「!」
- 31
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 21:23:28.64 ID:dBFBfQv00
( ・∀・)「あの伝説の勇者の血の者でさえ、失脚に終わったんだ」
( ・∀・)「君や俺みたいな凡百の人間が、そんな大それた事をなし得るものか」
( ・∀・)「まったく、命知らずの多い事やら」
( ^ω^)「・・・そんなことないお」
( ・∀・)「ん?」
( ^ω^)「例えロトの勇者が駄目でも・・・いつかきっと」
( ^ω^)「いつかきっと、竜王を倒す者が出てくるはずだお」
( ^ω^)「それが自分じゃないとしても・・・」
( ・∀・)「ふぅん」
- 32
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 21:26:08.13 ID:dBFBfQv00
( ・∀・)「なぁ君。なぜ、ロトの勇者は捕われているか」
( ・∀・)「その命を絶たれず、未だ幽閉され続けている。
その、理由を知っているかい?」
( ^ω^)「・・・」
( ^ω^)「わからないお」
( ・∀・)「諸説あるが・・・どうもこういう話らしい」
- 33
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 21:29:02.05 ID:dBFBfQv00
( ・∀・)「伝説のロトの勇者の一族は、この世界の調律者・・・
“精霊ルビス”の加護の下にある」
( ・∀・)「そしてその加護のもと、彼らはその命が、
邪悪によって断たれる、断たれようとしたとき・・・」
( ・∀・)「奇跡の力が発現し、再びこの大地のどこかで
蘇生するという言い伝えがあるんだ」
( ;^ω^)「蘇生・・・?」
( ;^ω^)「そんな馬鹿なお」
( ・∀・)「そう。馬鹿な話だ」
- 37
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 21:33:20.15 ID:dBFBfQv00
( ・∀・)「だが、竜王はそれを恐れた」
( ・∀・)「そんな“万が一”を考え、一切の可能性すら許さず」
( ・∀・)「あえて勇者の命をとらず、生かして飼い殺しにすると決めた」
( ・∀・)「歯向かう者への見せしめとして・・・拷問をし続けてね」
( ;^ω^)(・・・ゴクリ)
( ・∀・)「竜王は、狡猾だ。狡猾で、残忍だ」
( ・∀・)「俺達なんかが手向かえば、絶対に殺される。そんなのは目に見えている事だ」
( ・∀・)「俺は、そんな無謀な挑戦はしないんだ」
( ^ω^)「・・・」
- 40
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 21:35:22.44 ID:dBFBfQv00
( ^ω^)「・・・さっき、伝説の武器を探していましたお」
( ^ω^)「あれは、竜王を倒す為のものでは?」
( ・∀・)「ああ・・・あれは、まぁ一種のコレクター精神と・・・」
( ・∀・)「それほど凄い武器なら、自分の身を守る力になる」
( ・∀・)「この世界で利口に生きるコツは、
自分自身だけを守れる力を身につけることだ」
( ・∀・)「他人がどうかなんて考えていたら・・・キリがない」
( ・∀・)「それに、伝説の武器なんて持っていたら、女性にモテるじゃないか」キラリ
( ^ω^)(ウゼェ・・・)
- 42
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 21:38:23.00 ID:dBFBfQv00
( ・∀・)「まぁ、そういう訳だ。せいぜい、君は世界の平和の為に頑張ってくれたまえ」
( ・∀・)「ハハハハハ・・・」
( ・∀・)「さて・・・ぱふぱふでもいくか」スタスタ
そういう言い捨てると、戦士風の男は、武具屋を出て行った。
( ^ω^)「・・・・・・」
- 44
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 21:41:07.76 ID:dBFBfQv00
ブーンは、自分のもつ、鉄の盾を見た。
それは、あの岩山の修行のときに、洞窟の中で見つけたものだった。
その盾の内側には、こう傷が彫り込まれてあった。
『 戦士、クックル――――――ここに眠る。 後の勇士に、希望を託す。 』
( ^ω^)(・・・・・・)
おそらく、これの前の持ち主が、死の寸前に刻み付けたのだろう。
ブーンは、これを見たとき、この盾を持ち帰ろうと決めた。
( ^ω^)「恐ろしい旅でも・・・」
( ^ω^)「ブーンはやるお」
ブーンは、戦いの中で薄汚くなった装備を、変える事にした。
- 45
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 21:45:51.42 ID:dBFBfQv00
( ^ω^)
その後、食料品や薬草、包帯などの医療品、刃物の研石などの
必需品を買いこむ。
先の宿屋では、衣料の洗濯も取り扱っていたので、
旅でボロボロに汚れた服等も、預けた。
宿屋の娘は、ずいぶんおっとりした娘だったが、
任せて大丈夫だろうか。湯でしっかりと消毒もしてほしい。
- 47
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 21:48:20.67 ID:dBFBfQv00
そして、ロトの勇者の情報を集め出す。
通りすがる人や、農作業などしている人を捕まえ、尋ねる。
( ^ω^)「すいませんお。ロトの勇者が、この村に立ち寄ったという話を聞きましたお。
彼について、知っている事があれば、ぜひ教えて頂きたいですお」
- 49
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 21:51:34.49 ID:dBFBfQv00
('A`)「・・・・・・」
ドクオは、あらまきの家にいた。
そこで、大量の書に、目を通している。
('A`)(・・・・・・)
('A`)(・・・やはり)
('A`)(この歴史書によると、ロトの勇者がこの地に降り立ったとき)
('A`)(いくつもの呪文を、このアレフガルドへ伝来させた――――――)
('A`)(我々アレフガルドの人間は、それらを脈々と受け継いできた)
('A`)(口承文学・・・あるいはこうして文献などに残して)
- 50
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 21:53:19.46 ID:dBFBfQv00
('A`)(しかし――――――)
('A`)(ある一定の期間の史実が、すっぽりと抜けている)
('A`)(明らかに・・・ “伝承の断絶” が起こっている)
('A`)(・・・これは何故だ?)
('A`)(・・・・・・)
('A`)(わからない)
('A`)(とにかく、何らかの理由によって、多くの魔法学が失われた事は間違いない)
('A`)(それならば・・・)
- 53
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 21:56:54.90 ID:dBFBfQv00
/ ,' 3 「どうじゃな?」
('A`)「・・・あらまきさん」
('A`)「アレフガルド歴史書、魔導律史刊・・・これは上巻ですが」
('A`)「やはり、下巻が必要です」
/ ,' 3 「ふむ・・・」
('A`)「この家の蔵書棚は、あらかた探しました。恐らく、この宅にはもう無いのでしょう」
('A`)「片割れの刊、お心当たりはないでしょうか?」
/ ,' 3 「そうだな・・・」
- 55
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 21:59:31.72 ID:dBFBfQv00
/ ,' 3 「わしの記憶が正しければ・・・
おそらく、その魔導書はメルキドの旅商人から買ったものだ」
/ ,' 3 「メルキド発行の図書であれば、下巻はそこにある可能性が高いかの」
('A`)「そうですか・・・」
('A`)「ならば・・・次はメルキドにでも行ってみます」
/ ,' 3 「そうかね」
/ ,' 3 「それにしても・・・」
- 56
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 22:01:20.58 ID:dBFBfQv00
/ ,' 3 「うちの大量の蔵書をこれだけの期間で貪り尽くすとは・・・」
/ ,' 3 「なかなか骨のある青年じゃな」
('A`)「このような流れのものに親切にして頂き、感謝の至りです」
('A`)「ありがとうございました」
/ ,' 3 「わしは何もしとらんよ」
/ ,' 3 「君がそこまで躍起になる・・・その理由は」
/ ,' 3 「君の呪いと関係があるのかね」
('A`)「・・・ある、といえばあります」
/ ,' 3 「ほう」
- 59
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 22:04:14.95 ID:dBFBfQv00
/ ,' 3 「なんにせよ、頑張りたまえ」
/ ,' 3 「わしもかつては冒険者だった」
/ ,' 3 「若かりし頃は、相棒とともに、世界を廻ったものだ」
('A`)「旅をされていたのですか」
/ ,' 3 「うむ。二人旅じゃった。わしの足りないところを相棒が補い・・・」
/ ,' 3 「わしが相棒の足りないところを補う」
/ ,' 3 「一心同体のようなものだったよ」
('A`)「・・・なるほど」
- 61
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 22:08:39.15 ID:dBFBfQv00
/ ,' 3 「年を重ね、二人の体力に限界を感じ始めたとき、わしらの旅は終わりを告げた」
/ ,' 3 「その後、数年のうちに竜王が現れ・・・」
/ ,' 3 「人間と魔物の戦いが始まった」
/ ,' 3 「ラダトーム王家から、伝説のひかりのたまを竜王に奪われてから」
/ ,' 3 「戦局は、いっきに魔のものの手中に落ち入ってしまったのだ」
/ ,' 3 「今が昔の血のたぎる若英の頃であれば・・・」
/ ,' 3 「わしも君のように、竜王を倒さんと旅をしていたかもしれんな」
- 62
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 22:10:25.32 ID:dBFBfQv00
あらまきは、淡々と感情の抜け落ちたような表情で話す。
どこか遠い目で。寂しげで、全てを諦めたように。
このような表情は、あらまきだけではない。
いつも不安を胸に秘め、ただ希望なく生を許されている。
この世界の多くの人間は、この老人と同じなのだ。
- 63
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 22:12:18.31 ID:dBFBfQv00
('A`)「・・・あらまきさん・・・わたしは・・・わたしの旅の目的は」
('A`)「竜王を倒す事が本懐ではないのです。それはあくまで・・・」
/ ,' 3 「・・・いいさ。解っておる」
/ ,' 3 「君がどのような目的で旅を続けようとも、誰にも責められる所以などない」
/ ,' 3 「誰も責めてはいかんことだ」
/ ,' 3 「君は、君の好きに思う通りの事をしなさい」
/ ,' 3 「かつて、わしらがそうだったようにな」
('A`)「・・・・・・はい」
- 65
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 22:15:49.21 ID:dBFBfQv00
('A`)「あらまきさ
ドクン
(('A`))(!)
ドクン・・・ ドクン・・・
((;'A`)(・・・く・・・これは・・・!)
/ ,' 3 「!?」
- 68
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 22:18:02.91 ID:dBFBfQv00
疼く。疼く。また、寄ってくる。
魔のものが。
自分の魔力に惹き付けられる。
(;'A`)「・・・ぐ、あらまきさん・・・」
/ ,' 3 「ドクオ君・・・君は・・・」
そとから、悲鳴が聞こえる。
/ ,' 3 「む」
('A`)「・・・・・・!」
二人は、外へ飛び出す。
- 70
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 22:21:48.00 ID:dBFBfQv00
( A )(くそ・・・くそっ・・・!)
ドクオの胸中に、ドス黒い負の感情が去来する。
またか。
またなのか。
またしても、俺は――――――
二人は、悲鳴の声のする方へ、走り出す。
to be continue...!!
- 71
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 22:23:35.51 ID:dBFBfQv00
('A`)ドクオの今のステータス
LV16
こんぼう
くろのろーぶ
しのくびかざり
今回登場した敵:なし
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