- 4
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/20(木) 23:07:54.62 ID:t51kUWhL0
第8話
- 6
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/20(木) 23:10:12.99 ID:t51kUWhL0
( ^ω^)「くちゃ、くちゃ、くちゃ」
( ^ω^)「くちゃ、くちゃ・・・」ピク
( ^ω^)(ゴクン)
- 7
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/20(木) 23:11:16.32 ID:t51kUWhL0
ザザッ・・・!
( ^ω^)
おおさそり「シャアアア」
( ^ω^)「魔物かお」
おおさそり「シャハァアア・・・」
( ^ω^)「先手必勝、だお!」タッ
(♯^ω^)「むうおおおっ」シャヒュッ
- 8
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/20(木) 23:12:43.38 ID:t51kUWhL0
ブーンは、魔物の肌に、鉄製の斧を振り下ろす。
しかし。
おおさそり「シャッ!」ガツッ
( ;^ω^)「おお?!」
ブーンの放った斬撃は、魔物の硬い皮膚に、滑るようにはじかれる。
( ;^ω^)「むむっ・・・」
おおさそり「シャファッ」
魔物は、その前足の大きな鋏(はさみ)を、振り回す。
- 10
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/20(木) 23:13:58.07 ID:t51kUWhL0
≡(( ^ω^)≡ 「ふっ!」 シュババッ
ブーンは、巧みなフットワークで、それをかわす。
だが、鋏をかわした瞬間、魔物のしっぽが、
ブーンの顔面めがけ、すごいスピードで繰り出される。
( ;゜ω゜))「むおっ?!」ヒュッ
上体を横に反らし、間一髪でそれを避ける。
いや。かすった。
しっぽの針が、ブーンの頬の皮膚一枚をシッと斬る。
- 11
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/20(木) 23:14:58.11 ID:t51kUWhL0
しかし、敵のしっぽはそのまま、横になぎ払われた。
(( ; ω ))「ぐおほっ・・・!!」ドズンッ
横っ腹に、凄まじい衝撃が入る。
ブーンは、横方向に吹っ飛び、二転三転した。
しかし、すぐにキッと起き上がり、敵の位置を確認する。
頬から血が、つつ、と垂れる。
おおさそり「シャアアア」
- 12
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/20(木) 23:16:34.14 ID:t51kUWhL0
( ;^ω^)「・・・ぅ、ゲホ・・・っ」
( ;^ω^)「やってくれたお・・・」
( ^ω^)「・・・はああああッッ!!」
ブーンは再び、斧の一撃を放った。
おおさそり「シィイイイイ!」ガキッ
その攻撃は、魔物の鋏に捕まれる。
だが。
- 17
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/20(木) 23:20:13.51 ID:t51kUWhL0
( ^ω^)「・・・れで・・・いいお」
( ♯^ω^)「・・・・・・ふんぬォオオオオオお!!!!」
おおさそり「!!?」
ブーンは鋏に捕まれた斧を、敵の重量のある巨体ごと持ち上げる。
( ♯^ω^)「でぁいやあっ!!」
そのまま、背負うように投げ飛ばした。
- 19
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/20(木) 23:23:11.82 ID:t51kUWhL0
おおさそり「シイシャアアアア!」ドザァン!
魔物は地面に叩き付けられ、仰向けになる。
脚をバタバタと動かす。
( ^ω^)「・・・これで、いいお」
ブーンは、魔物のその柔らかそうな腹部に、渾身の斧撃を叩き込む。
ドグチャッと、切り潰すような音が聞こえる。
魔物の体液が、噴水のようにほとばしった。
- 23
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/20(木) 23:25:13.85 ID:t51kUWhL0
( ^ω^)つ「・・・っと」ズ・・・
( ^ω^)「うげ・・・グロテスク・・・」ヌロォ
( ^ω^)「・・・こいつは、食えなさそうだお」
ブーンは、斧をピッと振り、斧身についた体液をふり切った。
- 24
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/20(木) 23:28:05.70 ID:t51kUWhL0
( ^ω^)
ブーンは、旅の戦いの中で成長している。
魔物と闘う時は、まず敵の弱点を見つける事。
常に冷静に、相手の力量を探る。
いかに効率よく、敵を打破できるかを思考する。
ただの力押しでは駄目なのだ。
どういう状況で、どんな敵にならば、自分の攻撃が有効か。
戦局を読み、考えながら動く。
それを少しずつ、理解しはじめていた。
- 28
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/20(木) 23:31:13.04 ID:t51kUWhL0
( ^ω^)「ジョルジュ・・・ブーンは、やっとこ自分一人の力で旅ができるようなれたかお?」
( ^ω^)「それにしても・・・」
( ^ω^)「さっきまで噛んでた貝柱・・・飲み込んでしまったお」
( ^ω^)「まだ味があったのに・・・こいつのせいだお」
ブーンはちらと魔物の死骸を一瞥する。
しかし、酷い臭いと凄惨な光景を前に、ブーンの旺盛な食欲はかろうじて減退した。
- 29
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/20(木) 23:33:50.62 ID:t51kUWhL0
そしてまた、ブーンは乾いた大地を歩き出す。
ビュウと風が吹き枯れた草や葉が舞っていった。
( ^ω^)
次の目的地は、マイラ。
ブーンはガライを発ち、温泉地、マイラを目指して移動している。
- 31
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/20(木) 23:36:38.23 ID:t51kUWhL0
从 ゚∀从『ホントにもう、いっちまうんだね・・・』
( ^ω^)『ええ、いってきますお、ハインさん』
( ^ω^)『ハインさんにも、この町の方々にも・・・大変お世話になりましたお』
( ^ω^)『これから、次に勇者が向かったという、マイラに行ってみますお』
从 ゚∀从『うーん、名残惜しいね。もうちょっといればいいのに』
(´・_ゝ・`)『そうだね・・・もっとゆっくりしていっても、いいんじゃないか?』
( ^ω^)『おかげさまでもう、修行に余念なく専念できましたお』
( ^ω^)『大分、力もついたし・・・そろそろ、次のステップに行かなければ』
- 33
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/20(木) 23:39:12.83 ID:t51kUWhL0
从 ゚∀从『そうかい。まぁ、気が向いたらいつでも帰って来なよ。
村の人たちも、アンタが来るのを楽しみに待ってるからね』
( ^ω^)『ありがとうございますお』
*(‘‘)*『ぶーんにいちゃん・・・またきてあそんでね。りゅうおうたおすの、がんばって!』
( ^ω^)『ヘリカルちゃん、頑張ってくるお。応援しててくれお』
(´・_ゝ・`)『わたしらも、あなたの旅を陰ながら応援しますよ。どうか、くれぐれもお気をつけて』
从 ゚∀从『そうだよ。命あってのものだねってことを、忘れんじゃないよ』
『そうだそうだ!』 『ブーンさん、がんばって!』 『竜王なんか、ぶっとばしてくれ!!』
( ^ω^)『みなさん・・・ はいですお!』
- 35
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/20(木) 23:42:15.40 ID:t51kUWhL0
从 ゚∀从『あ、そうだ。これ、もってきな』
( ^ω^)『これは・・・なんですかお?』
从 ゚∀从『ホタテの貝柱を天日で干して、乾燥させたものさ。栄養もあるし・・・』
从 ゚∀从『旨味も凝縮してるから、水に入れて出汁をとっても美味いよ』
从 ゚∀从『乾物だから軽いし、携帯食料には、もってこいと思ってね』
( *^ω^)『ありがとうございますお!』
『ブーンさん、これも持っていきなよ』 『この薬草、袋に入れておくわね』 『ブーンさん!』
( *^ω^)『わわ・・・これは、申し訳ないですお』
- 37
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/20(木) 23:49:05.59 ID:t51kUWhL0
从 ゚∀从『じゃあ、いってらっしゃい、ブーン』
(´・_ゝ・`)『御武運を、ブーンさん』
从 ゚∀从『・・・死ぬんじゃないよ。元気でな』
( ^ω^)『みなさん・・・ 今まで、本当にお世話になりましたお』
( ^ω^)『いって、きますお』
ブーンは、ガライの村の大勢の人間に見送られ、村を離れた。
- 39
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/20(木) 23:50:07.11 ID:t51kUWhL0
( ^ω^)「・・・本当に、いい村だったお」
( ^ω^)「いつか・・・使命を終えたら・・・」
( ^ω^)「あの村で、暮らしたいお」
( ^ω^)「・・・・・・そして・・・」
まってるよ。アンタの従業員枠は、開けておくからさ。
ここは、アンタの第二の故郷だよ。
( ^ω^)
( ^ω^)「・・・」
- 41
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/20(木) 23:52:14.59 ID:t51kUWhL0
ブーンは、竜王を倒す。
その目標の上に、さらにもうひとつ目標ができた。
夢ができた。
その夢の成就の為にも、なし得なければ。
自分に課した、試練――――――。
あの人の言葉は、孤独で、無味無情なブーンの旅に・・・“味”を加えた。
ブーンは、竜王討伐達成とはまた別の、人生の希望を手に入れたのだ。
- 43
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/20(木) 23:55:18.64 ID:t51kUWhL0
( ^ω^)
灰色の空を見つめ、空想する。
いつかあの村で、あの村で――――――。
( ^ω^)「・・・いくかお」
頬から流れる血を、グイと拭う。
先ほどの戦闘で擦りむいた足に、包帯を巻いた。
これでいい。
再び、乾いた大地を歩き出す。
- 45
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/20(木) 23:58:47.91 ID:t51kUWhL0
そろそろ、マイラが見えるはず。
いや、見えた。
前方――――遠方にうっすらと見える、集落のようなものを発見。
恐らく、あれがマイラだろう。
( ^ω^)「あれかお・・・」
( ^ω^)「温泉の名所、マイラ!」
- 46
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 00:01:00.92 ID:dBFBfQv00
それは遠くにぼやけて見える・・・いや、視界が霞んでいる気がする。
( ^ω^)「そろそろ・・・だお」
風が、妙にざわついてる様に感じる。
冷気でひりつくようで、しかしまどろみにも誘うような肌ざわり。
( ^ω^)「そろそろ・・・ん」
( ;^ω^)「ん・・・」クラ
体の異変を感じる。頭がぼーっとする。
何か、おかしい。
- 49
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 00:03:45.48 ID:dBFBfQv00
( ;^ω^)「な・・・なんだお・・・」
( ;^ω^)「おかしいお・・・頭が・・・体が・・・」
吐き気を催す。
たまらず、唾液と胃液の混じりあったものを吐き出す。
( ;^ω^)「こ・・・れは」
( ;^ω^)「うぐ・・・」
( ; ω )「・・・・・・」ドサッ
- 51
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 00:07:03.70 ID:dBFBfQv00
ブーンは倒れる。倒れても、倒れたと気づくのに時間がかかる。
意識が、朦朧としていた。
( ω )「・・・・・・お」
( ω )「・・・・・・」
( ω )
- 52
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 00:09:47.36 ID:dBFBfQv00
川 ゚ -゚)「ふむ。こいつか」
(((( ( ^ω^) ))))
クーは、紫色に煌めく水晶に手をかざして、
その中に映る男を、見る。
川 ゚ -゚)「こいつが・・・竜王様の命を狙う敏腕の者の一人か・・・」
川 ゚ -゚)「斧・・・屈強な体術戦士か・・・」
川 ゚ -゚)「・・・む?何か、倒れたぞ」
川 ゚ -゚)「・・・・・・」
川 ゚ -゚)「まぁいい、次は」
クーが手をユラリとかざすと、水晶の中の景色もグルリと変わる。
- 55
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 00:12:20.04 ID:dBFBfQv00
そこに映し出される、新たな男。
(((( ('A`) ))))
川 ゚ -゚)(!)
川 ゚ -゚)
川 ゚ -゚)「・・・フフ」
川 ゚ -゚)「 ・・・・・・ドクオ・・・ 」
- 57
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 00:15:29.76 ID:dBFBfQv00
( ^ω^)「・・・・・・」
目覚めると、部屋にいた。
どこかの民家の様だ。
その家の、寝床のような所に、ブーンは寝ている。
( ^ω^)(・・・?)
いったいここはどこか。何故、自分はここにいる。
記憶がおぼつかない。
頭痛がし、うまくものを考えられない。
- 58
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 00:18:41.23 ID:dBFBfQv00
('(゚∀゚∩ 「あれ、起きたかい」
一人の男性に話しかけられる。
自分の他に部屋に人がいたのか。ハッとして、声のする方を向く。
( ^ω^)「あ、あなたは・・・ここは」
( ^ω^)「どこですかお?」
('(゚∀゚∩「僕の家。病院なんだよ」
('(゚∀゚∩「ここは、マイラの村なんだよ」
( ^ω^)「・・・マイラ?」
('(゚∀゚∩「そうだよ!」
- 60
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 00:21:26.95 ID:dBFBfQv00
どういう顛末でここに自分がいるのか、ブーンは聞いた。
('(゚∀゚∩「君は、村の近くの平地で倒れてたんだよ」
('(゚∀゚∩「たまたまその近くを通りかかった人に拾われて」
('(゚∀゚∩「この村に運ばれたんだよ」
( ;^ω^)「倒れてた・・・どうしてだお」
( ;^ω^)「今も、少し体の具合が悪いお。病気かお?」
('(゚∀゚∩「うん。 君、旅人だね。倒れる直前に、魔物かなにかに襲われなかったかい?」
( ^ω^)「魔物・・・そうだお。闘ったお。さそりみたいなやつと」
('(゚∀゚∩「ふむ・・・おおさそりだね」
- 61
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 00:24:29.41 ID:dBFBfQv00
('(゚∀゚∩「やっぱり。そのせいだよ」
('(゚∀゚∩「その魔物はね、しっぽに毒を持つんだ」
('(゚∀゚∩「君はそのしっぽに触れて、毒を受けたんだ。
幸い、体内に入った毒がごく微量だった為、大事には至らなかったようだよ」
('(゚∀゚∩「君が運び込まれてから、解毒薬も飲ませたし」
('A`)「お前を発見してから、一応すぐに俺の魔力で回復したしな」
('(゚∀゚∩「多分、そのまま安静にしてれば、すぐになおるよ!」
( ^ω^)「・・・そうかお・・・」
( ^ω^)
( ;゜ω゜)「ドクオ!?」
('A`)「よう。久しぶりだな」
- 63
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 00:27:45.43 ID:dBFBfQv00
家具に隠れてよく見えない位置にいた。
それは、あの黒衣の魔術師、ドクオであった。
( *^ω^)「ドクオ!君がブーンを助けてくれたのかお!」
('A`)「ああ」
そういえば、以前ドクオは、マイラに向かうと言っていた。
あれからずいぶん経つが、まだこの村に滞在していたのか。
- 65
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 00:29:28.61 ID:dBFBfQv00
( ^ω^)「でも、ブーンは確かマイラから割と離れたところで倒れたはずだお」
( ^ω^)「よく、見つけられたお」
('A`)「人里離れた荒野で、魔物を相手に修行・・・と、ちょっとした研究をな」
( ^ω^)「研究?」
('A`)「ああ。それより、無事で良かったな」
( ^ω^)「そうだお!ドクオには、2度も命を救われたお!」
('A`)「そんなに恩を感じられても、困るな。
どちらも、たまたま通りすがったところにお前がいただけなんだから」
( ^ω^))「それでも!ありがとうだ・・・お。??」クラッ
('(゚∀゚∩「ブーン君、しばらく寝て安静にするんだよ!」
- 68
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 00:32:17.47 ID:dBFBfQv00
( ^ω^)「は・・・はいですお。」
('(゚∀゚∩「まだ毒が抜けきってないんだよ。とにかく、水をいっぱい飲んで、
体から水分を出して、悪い毒を出すんだよ」
('(゚∀゚∩「そうすれば、おそらく明日くらいには良くなってると思うよ」
( ^ω^)「そうですかお・・・先生、ありがとうございますお」
('A`)「じゃあ、俺はそろそろ行く。ブーン、ゆっくり休め。
長旅の疲れもあるだろうからな」
( ^ω^)「ドクオ。本当に、礼を言うお」
('A`)「もういいさ。じゃあ、体調が良くなれば、また会おう」
ドクオは部屋から出て行った。
- 69
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 00:35:49.16 ID:dBFBfQv00
('(゚∀゚∩「じゃあ、君もここで静かに寝てるんだよ。
あとで、薬と水と食事をもってくるからね」
( ^ω^)「はいですお」
ナオルヨ医師も、退室する。
ブーンだけが残り、シンとなった。
外の強い風で、木窓がガタガタと鳴る。
- 71
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 00:38:38.64 ID:dBFBfQv00
部屋の調合された薬品や薬草の香りに混じり、
微かに温泉の臭いもする。
ブーンは温泉というものに入った事はなかったが、
その癒されるような香りを嗅げば、それが薬湯の匂いなのだと理解できた。
体の調子が良くなれば、湯につかろう。
ドクオと一緒に。
そう、彼には命を何度も救ってもらった。
- 72
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 00:40:46.62 ID:dBFBfQv00
もちろん、ドクオだけではない。
他の、色々な人間に助けられ、支えられ今まで旅をしてこれたのだ。
(´・_ゝ・`)
从 ゚∀从
( ゚∀゚)
('A`) (,,゚Д゚) (*゚ー゚)
己の強さ一本のみで、冒険を続けて来られたなどとは、
口が裂けても言えない。
( ^ω^)
- 74
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 00:43:44.57 ID:dBFBfQv00
そう。それが旅だ。いや、人生なのだ。
自分のみでは生きられない。
いつも誰かに寄りすがる事で、かろうじてその命を永らえている。
駄目な時もある。救われず、報われない時もある。
( ^ω^)(・・・・・・)
――――――――――――――――
母 (,,゚Д゚) (*゚ー゚)
――――――――――――――――
- 75
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 00:46:51.35 ID:dBFBfQv00
自分も、ドクオも。今は亡き母親も、ギコもしぃも。誰もかれも。
密接に絡まりあって、生きている。命と命の螺旋状を紡いでゆく。
それが、“生きる”という事だ。
( ^ω^)
それを、忘れてはならない。
我力のみで生きることなど、できない。
いかに強くなれど、その心には慢心を許さず。
それでこそ、世界を救おうとせん歴戦の勇士たりえるのだから。
- 78
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 00:49:12.31 ID:dBFBfQv00
“( ^ω^)『ジョルジュ・・・ブーンは、やっとこ自分一人の力で旅ができるようなれたかお?』”
( ^ω^)「・・・恥ずかしい事をいったもんだお」
( ^ω^)「ギコ」
( ^ω^)「大丈夫だお」
( ^ω^)「ブーンは強くなるお。精神(ココロ)も、肉体(カラダ)も」
( ^ω^)「・・・みてて、くれお」
- 81
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 00:51:21.71 ID:dBFBfQv00
そう一人ごちた瞬間、毒気のせいか、目眩がした。
外から、何やら心安らぐ音色が聞こえる。
そしてそのまま、ひとときの眠りに落ちる。
to be continue...!!
- 82
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 00:54:47.61 ID:dBFBfQv00
( ^ω^)ブーンの今のステータス
LV13
てつのおの
くさりかたびら
てつのたて
今回登場した敵
おおさそり:大型のさそりの魔物。その体表は硬い殻で覆われ、高い防御力を誇る。
その尾には強い毒をもち、じかに刺されれば死亡はまぬがれない。
(今回ブーンは触れた程度だったので、絶命には至らなかったようだ)
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