- 54
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/30(水) 22:57:39.10 ID:yYPWI8LE0
第20話
- 56
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/30(水) 22:59:50.90 ID:yYPWI8LE0
冷たい荒風を総身に受け、
思わずその土埃混じりの風の強さと冷たさに、目を細める。
首元の癒えかけの傷の上に巻かれた包帯がゆるりと解けて、
バタバタと風になびいて揺れた。
相も変わらずの悲しみをたたえた薄暗い曇天に、草木弱々しい乾いた大地。
この邪悪に犯された平地を踏みしめながら、ブーンは、ゆく。
( ^ω^)
- 58
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/30(水) 23:01:35.46 ID:yYPWI8LE0
リムルダールで、ロトの勇者の情報の聞き込みをした。
次に彼が向かったのは、リムルダールから南――――――。
“聖なる祠”と呼ばれる場所であった。
今はそれを目指し、南下している。
- 59
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/30(水) 23:03:41.42 ID:yYPWI8LE0
ローラ姫・・・ツンは、ひとまずリムルダールの安全な場所に置いて来た。
彼女はどうしてもと、ブーンに付いてきたがっていたが、
旅の困難さと危険さを一昼夜かけて説く事で、ようやく納得させてきたのだ。
ツンが戦闘もこなせるというなら話は別だが、
冒険者でもない彼女を連れて、この荒廃したアレフガルドをゆく訳にもいかない。
仮に彼女を伴っても、今のブーンなら彼女を庇護しながら向かう事は出来るかもしれぬ。
それでも、出来るだけ不要な労力や危険は避けるべきだ。
彼女に随分と身を案じられ、それがまた原因で後ろ髪を引かれもしたが、
なに、大丈夫。心配はいらない。
体の怪我も、完治とまではいかないが、ほぼそれに近い。
- 60
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/30(水) 23:06:17.84 ID:yYPWI8LE0
( ^ω^)「・・・おっ」
てつのさそり「シュアアアアアア・・・・・・」
( ^ω^)「魔物・・・か」
( ^ω^)「おまえのようなタイプは、もうとっくに攻略済だお!」
ブーンは、鋼の剣を振るう。
てつのさそり「シュシャアアアアッッ」
- 61
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/30(水) 23:09:17.55 ID:yYPWI8LE0
大型の蠍のような魔物は、その剣さばきを鋏(はさみ)で受け凌ぐ。
凄まじい速度で、剣と鋏が応酬される。
その伝わる感触から、敵の硬度が半端な物では無い事が理解できた。
鉄のように、堅い。
( ^ω^)「・・・はっ!!」
ブーンは、その鋏を掴んだ。そして――――――
((♯^ω^)「ふんぬぅおお・・・・・・ッッ!!」
- 63
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/30(水) 23:11:52.57 ID:yYPWI8LE0
投げ飛ばそうとする。
((♯ ω ))「ぬぎぎぎっ〜〜〜〜っっ」
が。
((♯ ω ))「・・・・・・」
( ^ω^)(重てえ)
無理だった。重かった。
てつのさそり「シイィィィィィッ!!」
敵のしっぽの針が、ブーンを狙い突き出される。
- 64
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/30(水) 23:14:29.04 ID:yYPWI8LE0
( ;゜ω゜))「おおっと!そいつはもう勘弁だお!」シュザッ
ブーンは鋏を離し、後方にステップし、躱す。
以前戦ったさそりの化け物と比べ、さらに堅く、そして重量がある。
前の戦法は通用しない。ならばどうする。
( ^ω^)「・・・・・・」
( ^ω^)「なら」
てつのさそり「シャガッシャッ!!」
再びしっぽの攻撃がくる。
- 66
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/30(水) 23:16:42.05 ID:yYPWI8LE0
( ^ω^)「しっ・・・・・・!!」ビュキャッ
てつのさそり「シャギギイイイイイイイ?!!」
尻尾の先端を、切り落とす。
(♯^ω^)「はっ!やっ!」ビシィッ!
(♯^ω^)「しあッッ!!」スバァッ!
ブーンの剣撃は、敵の鎧のような甲殻の繋ぎ目の部分に
いとも正確に狙い払われる。
そう。どんなに強固な鎧でも、その繋ぎ目は得てして脆い。
- 67
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/30(水) 23:19:22.34 ID:yYPWI8LE0
しかし言うは容易いが、ブーンの急所を狙いすまして打ち斬る技量と、
彼の剛力あって初めて成せる事。
普通なら、刃も立たぬ。
てつのさそり「ギシイイイイィィイイィイ!!」
(♯^ω^)「ハァッッ!!」ドシュンッ
尻尾と脚が完全になくなった頃、魔物は完全に沈黙した。
- 69
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/30(水) 23:21:32.49 ID:yYPWI8LE0
( ^ω^)「・・・ふぅ」
( ^ω^)「こいつはやっぱり・・・」
( ^ω^)「食えそうにないおね」
剣をガチンと鞘に収めた。
幾多の試練を乗り越え
ブーンの剣は今、確実に研ぎすまされて来ている。
そして、衣切れでボロボロの衣をばさりと翻し、
この絶望の大地を、また歩き始めるのだ。
遠くに、頂上に雪を抱いた山が見えた。
- 72
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/30(水) 23:24:26.58 ID:yYPWI8LE0
砂ざらの平地に、円形状に山脈が連なる。
岩山だ。それを超えてゆく。
なかなか凄い山道だ。
いや、道なんて物はない。
急斜をガツガツと抉り込むようにして、体全体で登る。
剣のような岩が、手に食い込む。
( ^ω^)
足を滑らせて転げ落ちれば、恐らくは重傷という程度では済まないだろう。
慎重に、少しずつ登っていく。
- 73
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/30(水) 23:26:12.82 ID:yYPWI8LE0
コッ・・・
コッ・・・ コッ・・・
( ^ω^)(!)
ゴッ・・・ ドゴッ! ゴッ・・・
( ;^ω^)
ゴッ・・・ コッ
コッ・・・
- 77
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/30(水) 23:29:50.82 ID:yYPWI8LE0
ブーンの顔の、すぐ横を小石が転がっていった。
斜面から転がってくる、石ころや雪、氷塊などにも注意しなければならない。
小さなサイズでも、この山面ではとてつもないスピードで転がってくる。
頭に食らえば、死ぬ。足を砕かれても、死ぬ。
どこに当たっても、衝撃で落ちて死ぬ。
とどのつまり、転がって来ない事を祈るばかりでしかない。
( ^ω^)(ふぅ)
肝を冷やしたが、汗を掻くと危険だ。
山のこの寒さでは、汗はすぐさま凍り付き、凍傷の要因となるからだ。
やはり、ツンはリムルダームに置いて来て正解だった。
- 78
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/30(水) 23:31:39.85 ID:yYPWI8LE0
( ^ω^)
やっと一つの頂上に着いた。
標高の高い岩山から、見下ろす。
さらに強い風に煽られ、よろめきそうになる。
その山々の中心に、それはあった。
( ^ω^)「あれが・・・」
( ^ω^)「“聖なる祠”――――――」
- 80
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/30(水) 23:33:25.65 ID:yYPWI8LE0
瓜゚∀゚)「ん」
瓜゚∀゚)「誰じゃ」
( ^ω^)「・・・・・・ごめんくださいお」
古めかしい扉がギイギイと音を立て、開く。
そして、老人が出迎えた。
顔には幾つもの皺が刻まれる。
以前、雨の祠で出会った、じぃに似た雰囲気を感じた。
であれば、この老人は――――――。
- 81
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/30(水) 23:35:53.89 ID:yYPWI8LE0
瓜゚∀゚)「客人か。久々よの」
瓜゚∀゚)「まぁ、かけなさい。茶でも入れようぞ」
( ^ω^)「は。ありがとうございますお」
ブーンは荷物をおろし、石造りの椅子に腰掛ける。ヒヤリと冷たい感触だ。
瓜゚∀゚)「して、ここにきた用件を聞こうかね」
( ^ω^)「はい、実は・・・・・・」
瓜゚∀゚)「おっと、その前に」
( ^ω^)「?」
- 83
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/30(水) 23:38:22.75 ID:yYPWI8LE0
瓜゚∀゚)「何か、土産物はないかね。ほら、町の特産品とか」
( ^ω^)「・・・あー」
( ^ω^)「すいませんお。町の名産という訳ではないですが、
こういったものでしたら・・・」
ブーンは荷物の中の、食料袋を漁る。
その中から、干し葡萄(ぶどう)を取り出した。
それは、ブーンが運良く旅の中で見つけた、
野生の葡萄の木の実で作った物だった。
瓜゚∀゚)「おお、これはこれは。葡萄か、ありがたい!」
老人はにんまりとし、茶を入れ始めた。
- 84
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/30(水) 23:40:48.93 ID:yYPWI8LE0
瓜゚∀゚)「ほれ、飲みなさい。体にいい茶葉を使っておる。
外は寒かったろう、これで温まるぞ」
( ^ω^)「ありがとうございますお」
ブーンは、茶をすする。
気圧と気温の低い標高の高めな山を越えてきたので、
温かい飲み物はありがたい。高山で失った水分と、熱を補給する。
はぁ、と一息つけた。
瓜゚∀゚)「うむ、こりゃいいのう。葡萄なぞ、久しぶりじゃ!」
老人は、干した葡萄を口に放り込み、顔を綻ばせた。
- 85
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/30(水) 23:43:06.35 ID:yYPWI8LE0
ブーンも一つ取って、齧る。
自然な甘酸っぱさに、唾液がじわりと湧きだす。
葡萄の胸がすくような、清新な山の香りが鼻に抜け、心がふっと安らぐ。
瓜゚∀゚)「いやあ、こうして人里離れたへんぴな所に住んでおると、
こういった来客の土産が嬉しくてな。これだけが楽しみじゃ、ふほほ!」
土産物を要望されるとは思わなかったが、
ロトの勇者の話を聞けると思えば、喜んで差し出すべきだ。
それでも、大事に食べようと思っていた旅の貴重な甘みを失った事は、
食い意地のはるブーンの意気を、少なからず消沈させた。
- 90
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/30(水) 23:46:41.88 ID:yYPWI8LE0
茶を飲みながら、老人は語りかける。
瓜゚∀゚)「ふむ、まずは自己紹介じゃな」
( ^ω^)「はいですお。僕は、ブーンという者ですお」
瓜゚∀゚)「そうかね、ブーン君。わしは、づー。この“聖なる祠”に住んで長い老いぼれじゃ」
瓜゚∀゚)「君がここにきた目的は、解る。ロトの勇者の事じゃろう」
( ^ω^)「はいですお。そして、貴方は・・・」
( ^ω^)「“3人の賢者の末裔”・・・ですおね?」
瓜゚∀゚)「ふむぅ。そこまで解っておるなら話は早い」
瓜゚∀゚)「いかにも、わしは“賢者達”の末裔じゃ。
ロトから伝えられしものを、代々守っておる」
- 92
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/30(水) 23:48:54.35 ID:yYPWI8LE0
( ^ω^)「づーさんは、何を守られて来たのですかお?」
瓜゚∀゚)「うむ。わしはな――――――」
瓜゚∀゚)「知識じゃ」
( ^ω^)「知識・・・・・・」
瓜゚∀゚)「知識とはつまり・・・」
瓜゚∀゚)「魔の島へ、渡る為の方法」
( ^ω^)「!!」
思わず、身を乗り出す。
机にぶつかり、茶が揺れる。
- 95
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/30(水) 23:52:10.29 ID:yYPWI8LE0
( ;^ω^)「す、すいませんお」
瓜゚∀゚)「ほっほ、慌てるでない、若者よ」
瓜゚∀゚)「そう、魔の島とは、あの彼方に禍々しき邪気放つ呪いの地」
瓜゚∀゚)「忌々しき竜王のいる、絶海の孤島よ」
( ;^ω^)「・・・・・・」 ゴクリ・・
瓜゚∀゚)「あの陸の孤島には、特殊な結界が張られておる。
加えて、海路、空には魔物がわんさとおるが・・・」
瓜゚∀゚)「その結界の力を弱め、魔除けの力を放つ“橋”を渡す方法がある」
瓜゚∀゚)「それは、ある物を集める事じゃった」
( ^ω^)「あるもの・・・・・・」
- 97
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/30(水) 23:54:13.57 ID:yYPWI8LE0
瓜゚∀゚)「そのある物こそが、わしの他の賢者達が受け継いできたもの・・・・・・」
瓜゚∀゚)「すなわち、 “太陽の石” と、 “雨雲の杖” じゃ」
( ^ω^)「おお・・・・・・!」
雨雲の杖。
それは以前、雨の祠で、同じく賢者であるじぃに聞いた話では、
ロトの勇者が、じぃの試練を見事破り、持ち去ったという物だ。
あれは、その為の物だったのか。
- 99
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/30(水) 23:57:15.35 ID:yYPWI8LE0
瓜゚∀゚)「そして、ロトの勇者はわしのもとへ・・・」
瓜゚∀゚)「その二つを持って来たのじゃ」
( ^ω^)「なるほど」
瓜゚∀゚)「わしは、それら二つから、賢者の秘術の力を用いて」
瓜゚∀゚)「あの島への架け橋となる・・・ “虹のしずく” を作り上げた」
( ^ω^)「 虹のしずく・・・・・・ 」
- 101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 00:00:30.74 ID:rgS5053V0
瓜゚∀゚)「そう。それを持ち、ロトの勇者、モナーはあの島へ向かっていったのじゃ」
瓜゚∀゚)「結果は・・・・・・お主も知るところじゃろう」
( ^ω^)「・・・・・・」
しんとした空気になる。
しかしづーは、干し葡萄をつまんでうっとりした表情を浮かべる。
( ^ω^)「今、その虹のしずくを手に入れる事は出来ますかお?」
瓜゚∀゚)「・・・材料さえあれば、できる」パクパク
瓜゚∀゚)「ただ此処にはもう、雨雲の杖はあるが、太陽の石が無い」
瓜゚∀゚)「“しずく”を作る過程で、消えてしもうたのだ」
( ^ω^)「おお・・・」
- 103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 00:03:21.95 ID:rgS5053V0
瓜゚∀゚)「じゃが、方法が無い事も無い」
( ^ω^)「むっ。それは、いったい?」
瓜゚∀゚)「方法は2通り考えられる」
瓜゚∀゚)「まず一つは、太陽の石を授けられた賢者の下を訪ねること」
瓜゚∀゚)「そこに、まだ太陽の石の、原石の欠片でも残っていれば、
それを使って再びしずくが作れる」
瓜゚∀゚)「もう一つは、勇者が使った、虹のしずくを手に入れる事」
瓜゚∀゚)「それに再び魔力を足せば、理論上はもう一度使用できるはず・・・」
- 104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 00:05:37.49 ID:rgS5053V0
瓜゚∀゚)「ただし、それは絶望的じゃろうな」
瓜゚∀゚)「あの時つかったしずくは、“橋”としての役目を終えたとき、
海に滴り落ちてしまった筈よ。リムルダール側の大陸の近くに沈んでいるはずじゃが・・・」
瓜゚∀゚)「雫とは言う物の、アレはいってみれば魔力変換機じゃ」
瓜゚∀゚)「水に溶けたりする事は無いとはいえ、
広大な海に沈んでしまっては、見つける事は不可能じゃろうからのう」
( ^ω^)「なるほど・・・」
しばしの時の間、二人の間に沈黙が訪れた。
- 105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 00:07:34.16 ID:rgS5053V0
瓜゚∀゚)「いくのかね?」
( ^ω^)
茶をすすりながら、づーは問う。
先ほどまでの飄々とした空気は無い。
真剣さを称えた眼で、ブーンを見つめる。
- 108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 00:10:07.34 ID:rgS5053V0
( ^ω^)「お・・・」
瓜゚∀゚)「あの魔の島に挑むという事が、どれだけ命知らずな事か・・・
ロトの勇者・・・モナーを追って来た君にならわかる筈じゃろう」
瓜゚∀゚)「あれは、勇者は強かった。しかし破れた」
瓜゚∀゚)「竜王はこの世界の聖なる希望である、
“光の玉”をラダトームから奪い去ってから後・・・」
瓜゚∀゚)「宝玉の力を用いて、次々に魔物を生み出す。
自身もまた、その悪しき力をどんどん肥大させている」
瓜゚∀゚)「モナーが挑んだあの時よりも、さらに強力に力を蓄えている筈じゃ」
瓜゚∀゚)「自殺に等しいと、言われた事は無いかね。わしもそう思う」
瓜゚∀゚)「恐ろしくは、ないか?」
- 110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 00:12:15.14 ID:rgS5053V0
( ^ω^)「恐ろしいお」
瓜゚∀゚)
( ^ω^)
瓜゚∀゚)「無謀だとは思わんかね」
( ^ω^)「思うお」
瓜゚∀゚)
( ^ω^)「無謀だお。恐ろしいお」
瓜゚∀゚)
( ^ω^)
( ^ω^)「でも、いくお」
- 112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 00:14:42.59 ID:rgS5053V0
瓜゚∀゚)「うむ」
瓜゚∀゚)「君は、この澱み濁りつつある世界を」
瓜゚∀゚)「未だ愛しているのだな」
づーは、にっこりと微笑んで頷いた。
瓜゚∀゚)「恐れを知らぬ戦士など居ない」
瓜゚∀゚)「己の中に潜む恐怖の存在に目を背けず、
認め、砕き、打ち勝ってこそ本当の戦士よ」
瓜゚∀゚)「時として、その恐怖が君に牙を剥くかもしれん」
瓜゚∀゚)「それに飲み込まれんよう、気をつけなさい」
瓜゚∀゚)「恐怖を克服する勇気を持てば・・・きっと誰もが“勇者”になれるのだ」
( ^ω^)
- 113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 00:17:32.78 ID:rgS5053V0
瓜゚∀゚)「ラダトームじゃ。ラダトームにいくのだ、若き戦士よ」
瓜゚∀゚)「そこに・・・・・・お主の求める最後の“賢者”が居る筈じゃ」
瓜゚∀゚)「太陽の石を・・・ここに持て。さすれば、道は開かれん」
( ^ω^)
ラダトーム。
ローラ姫も連れている今、次の行き先がラダトームである事は幸いだった。
自分は少しずつ、少しずつ・・・近づいて来ている。
技量も、場所へも。あのロトの勇者へ。
諸悪の根源――――――宿敵の、竜王の元へ。
- 115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 00:19:54.38 ID:rgS5053V0
次なる目的地は、わが故郷。
全てのはじまりの地、あのラダトームだ。
( ^ω^)(ギコ。待ってるお。今、帰るお)
( ^ω^)(お前の魂を・・・・・・お前の勇気を――――――)
共に連れて行くお。世界の平和を、一緒に掴みとるために。
to be continued...!!
- 117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 00:23:40.62 ID:rgS5053V0
( ^ω^)ブーンの今のステータス
LV19
はがねのつるぎ
はがねのよろい
てつのたて
今回登場した敵
てつのさそり:表皮が鉄のように堅いさそりの魔物。
この魔物もまたしっぽに毒をもつが、以前のさそりの上位互換。
これを呪文無しで倒せるなら、一人前の戦士と言って良いだろう。
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