- 5
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/05(土) 22:55:02.83 ID:HM5NW0Oe0
第18話
- 6
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/05(土) 22:56:16.15 ID:HM5NW0Oe0
ドクオとつーの眼前に現れたもの。それは――――――
('A`;)「・・・・・・!!」
(*゚∀゚)「お・・・師匠・・・」
(・∀ ・)
巨大な、石の巨人であった。
- 8
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/05(土) 22:57:43.38 ID:HM5NW0Oe0
(・∀ ・)「んん〜〜〜〜??」
(・∀ ・)「ふへはは。チビ。お前らチビだな」
(・∀ ・)「ちっこくって・・・見えねえや。ひひひ」
(・∀ ・)「ニンゲンんんんん・・・ぎひひひひ!」
('A`)「・・・・・・」
((*゚∀゚))「・・・・・・」ガタガタ
ドクオは、その見上げる程の巨体と相対する。
つーは、ドクオの背後で震えて立ち尽くすばかり。
巨人は、にたにたと笑う。
- 10
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/05(土) 22:59:44.09 ID:HM5NW0Oe0
('A`)「・・・・・・なんだ・・・お前は」
(・∀ ・)「んん?俺か。俺はね」
(・∀ ・)「竜王様の直属配下・・・四天王のマタンキよ」
('A`;)「・・・・・・」
- 11
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/05(土) 23:01:05.48 ID:HM5NW0Oe0
竜王。
やはり、魔の者の使いか。
その石で出来た巨躯から、一瞬メルキドの防衛装置かと思ったが――――――。
サイズが違う。あの門番のゴーレムの大きさの、さらに倍はありそうだった。
そして、人語を解すという事は・・・これも魔導傀儡ながらも、
絶大な魔力と英知が込められている証拠。
なにより、圧倒的なその威圧感。
凍り付くような妖気の前に、ドクオは次の一手を見い出せないでいた。
- 12
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/05(土) 23:02:58.08 ID:HM5NW0Oe0
(・∀ ・)「しっかしなぁ・・・なんでこおんなトコに、ニンゲンがいんだよ」
(・∀ ・)「ひひび・・・・・・姿を見られちまったなぁ。
“作戦”が始まるまでは、誰にも見られちゃいけねえってのに」
(・∀ ・)「ま、俺がわざと姿を現したんだけども」
(・∀ ・)「 ひゃははあっはははあはははははははははははは!!!! 」
('A`)「・・・・・・」
((*゚∀゚))
- 14
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/05(土) 23:04:43.83 ID:HM5NW0Oe0
('A`)「“作戦”・・・とは、いったい何だ・・・・・・?」
(・∀ ・)「ああん?さっきからおめえ、質問ばっかりだなぁ」
(・∀ ・)「まあいい、教えてやるよ。俺は今、ゴキゲンなんだ」
(・∀ ・)「今宵は・・・・・・宴だ」
(・∀ ・)「“戦争”っていう名の――――――」
(・∀ ・)「祭りが始まるんだよおおおおおおおおおおおおお!!」
- 17
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/05(土) 23:07:20.45 ID:HM5NW0Oe0
ラダトーム――――――。
( ゚∀゚) クィッ・・・ ゴクン
( ゚∀゚)「か〜〜〜〜っ、うめえ!!酒ってのは、やっぱり良いモンだな」
<ヽ`∀´>「ホルホル。そうだろう、ウチの酒は美味しいニダ」
<ヽ`∀´>「ニダーバー、特製のお酒ニダ」
( ゚∀゚)「こいつを飲んでると、嫌な事も何にもかも忘れちまうぜ」
<ヽ`∀´>「金を落としてくれるのはいいけど、あんまり飲み過ぎないようニダ」
( ゚∀゚)「ああ・・・解ってる、もう一杯」
<ヽ`∀´>「ん?何か、外が騒がしいニダ」
<ヽ`∀´>「・・・・・・? 悲鳴・・・・・・?」
( ゚∀゚)「・・・・・・」グイ・・・チビリ
- 20
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/05(土) 23:09:24.70 ID:HM5NW0Oe0
リムルダール――――――。
鳥の魔獣が、空を埋め尽くす。
( ・∀・)「おいおい・・・・・・なんだいアレ」
( ^ω^)「・・・・・・すごい数だお」
( ・∀・)「・・・・・・」
( ^ω^)「・・・・・・」
( ・∀・)「ま、やるしかないね」
( ^ω^)「だお」
( ・∀・)「君ね・・・・・・頼むから、俺の足を引っ張らないでくれたまえよ」
( ^ω^)「こっちのセリフだお」
- 23
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/05(土) 23:12:03.89 ID:HM5NW0Oe0
メルキド――――――。
('A`;)「――――――主要都市陥落の・・・・・・魔の軍勢の侵攻・・・だと!?」
(・∀ ・)「ひひひ。そうさ。俺達、魔族はお前らに・・・・・・」
(・∀ ・)「絶望って奴を、与えに来たんだよ」
(・∀ ・)「ぎぎぎぎぎぃっひゃっはっはああああああああああああああああ!!」
巨人は、ゲタゲタと声を上げ、笑う。
肌にビリビリとくるような声の大きさだ。
('A`)「・・・・・・」
((*゚∀゚))「あ・・・ああ・・・」
ドクオは、腕でつーを自分の後ろ側にやる。
- 25
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/05(土) 23:14:24.10 ID:HM5NW0Oe0
(・∀ ・)「ひひひひぃ。俺は、その軍の指揮官様だ」
(・∀ ・)「作戦決行のため・・・・・・この森で待機してたって訳よ」
(・∀ ・)「今、この森にゃあ、俺の部下どもが息を潜めてるんだぜ」
('A`)「・・・・・・」
(・∀ ・)「さて・・・ほんとは、誰にも見られちゃいけねえってよおぉ・・・・・・
あのいけ好かねえ女に言われてたんだ」
(・∀ ・)「こりゃあまじいよなぁ・・・・・・でも」
(・∀ ・)「ここでお前らを殺せば、問題ないよなぁ?」
('A`;)「!!」
- 27
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/05(土) 23:16:14.76 ID:HM5NW0Oe0
巨人は、拳を振り上げる。
(・∀ ・)「問題ッッ――――――」
それを、地面に。
(・∀ ・)「なああああああああいいいいいいぎひいいいいいいいいい!!!!」
叩き落とす。
((((; A ))))「くおおぉっ!?」
(((((*゚∀゚)))「わわわわわ・・・!?」
- 29
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/05(土) 23:17:40.36 ID:HM5NW0Oe0
爆音が響いた。地面が砕ける。
地震のような揺れと衝撃で、ドクオ達は吹っ飛ぶ。
(; A )「うおおおおあああッッ・・・」
土煙が立ちのぼる。
凄まじい衝撃波のせいか、耳がキーンとし、砂埃で視界も明瞭でない。
思考が、一瞬中断される。
(; A )「ぐ・・・・・・」
(; A )「つー・・・つー・・・・・・!!」
- 30
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/05(土) 23:20:02.97 ID:HM5NW0Oe0
煙の中から、巨大なものが鋭い勢いで飛び出した。
巨人の指だ。ドクオの体に、突きささる。
(; A )「があはぁ・・・っっ!?」
ドクオは数メール、空中に上昇した。
そして、地面に落下・・・激突する。
((; A )「かッッ・・・・・・・!!」ドゥッ!!
ドクオは血を吹く。
ブルブルと震え、起き上がり――――――
('A`;)《ギラ!!》
- 31
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/05(土) 23:22:09.24 ID:HM5NW0Oe0
呪文を唱えた。
ドクオの腕から発せられた光り輝く炎が、巨人に向かう。しかし。
(・∀ ・)「なんでいこりゃ」
巨人は、それを片手で受け止める。
(・∀ ・)「あー」
そして、握りつぶした。炎が、散り消える。
('A`;)「な・・・・・・」
- 33
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/05(土) 23:24:16.92 ID:HM5NW0Oe0
(・∀ ・)「なんだよぉ・・・弱っちいじゃねえか」
(・∀ ・)「活きのいい魔力を感じたから出てきたのによ」
(・∀ ・)「がっかり・・・だぁ・・・」
(・∀ ・)「ま、俺様が強すぎるのかぁ?」
(・∀ ・)「ぐひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ、ひゃあはっはははははあは!!!!」
('A`;)「ぐ・・・・・・」
ドクオは、はっとし、周りを見やる。
- 38
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/05(土) 23:26:31.92 ID:HM5NW0Oe0
(*゚∀゚)「・・・・・・・ひ・・・」
つーが、地面に座り込んでいる。
幸いにも、目立った外傷は無い。が、恐怖で震え、立てないのか。
(・∀ ・)「んん、おチビちゃんよぉ」
(・∀ ・)「こわくてこわくて立てないのか」
(・∀ ・)「ひひひぃ」
巨人が、つーにズシンとにじり寄る。
- 39
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/05(土) 23:27:49.68 ID:HM5NW0Oe0
(*゚∀゚)「ひゃ・・・・・・い・・・・・・」
(・∀ ・)「おいおい、ションベンもらしてるじゃねーか!!ぎゃははははは!!」
(・∀ ・)「かああわいいねええ!!」
(; A )「やめろ!!」
(・∀ ・)「ひひひ、食べちゃうぜえ」
( A )「や・・・ めろ・・・・・・!!」
(#'A`)《・・・・・・ベギラマッッ!!》
(・∀ ・)「! ぬおぅッッ!?」
巨大な炎球が、巨人に直撃する。
- 42
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/05(土) 23:30:07.76 ID:HM5NW0Oe0
((;・∀ ・)「ぐぐぐ・・・ぐぎっ?!」ビキビキ
炎の勢いは巨体を押し・・・・・・それごと後退させる。
木々をバキバキとなぎ倒していく。
('A`;)「・・・つー!大丈夫か!」
(*゚∀゚)「し・・・しょ・・・・・・・」
('A`;)「立てるか・・・今のうちだ!逃げるぞ!」
(*゚∀゚)「は・・・・・・はい・・・」
とてもじゃないが、相手にできるレベルじゃない。
ここは、逃げ――――――
(・∀ ・)「おいおい。逃がさねえよ」
目の前に巨人が立ちふさがる。
その影の下で、ドクオ達は青ざめた。
- 46
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/05(土) 23:32:03.40 ID:HM5NW0Oe0
('A`)「・・・・・・!」
((*゚∀゚))
(・∀ ・)「今のは良かったぜえ。少し痛かったよぉ」
(・∀ ・)「でも、まだまだ力が足んねえなぁ・・・・・・」
(・∀ ・)「ギャヒヒヒヒヒヒッヒヒヒヒヒヒヒヒヒッッッヒヒヒ!!!!」
- 47
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/05(土) 23:33:16.99 ID:HM5NW0Oe0
どうする。どうする。
自分だけならば、魔法を駆使すれば、とりあえず逃げ切れる可能性はあるかもしれない。
いや、それすらもかなり厳しい。
しかし、加えてつーがいる。
移動も遅く、戦闘技術を持たない彼女を連れて逃げる事は――――――
絶望的に困難だ。
額に汗が滲む。
- 50
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/05(土) 23:35:06.33 ID:HM5NW0Oe0
('A`;)「ぐ・・・・・・」
(・∀ ・)「ほいほい」ドォン!
(; A )「・・・がはぁっ!!」
ドクオは、自分の背丈程もある敵の指にはじかれる。
(・∀ ・)「さっきの、もっかいやってみろよ。できんだろ?」
巨人は、倒れもがくドクオの足を踏む。
決して潰し切らないように。痛みを与えるように。
ドクオの足がメシメしと音を立てる。少しずつ、折れ始める。
- 53
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/05(土) 23:37:21.15 ID:HM5NW0Oe0
((; A )「――――――ッッ!!!」
(・∀ ・)「げひっ。ぎひひ。なぁ、おいおい。終わりかい?」
(*゚∀゚)「や・・・めろ・・・・・・」
(*゚∀゚)「お・・・お師匠を離せ・・・!」
つーは、カリカリと巨人の足をたたく。
(; A )「つ・・・にげ・・・・・・ろ・・・!!」
- 57
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/05(土) 23:39:20.71 ID:HM5NW0Oe0
(・∀ ・)「・・・・・・なんだ。おめえはちょっとすっ込んでろ。
今コイツと遊んでんだろ」
(・∀ ・)「よえーしよぉ・・・・・・ちゃんと後で殺すからな」
(* ∀ )「やめろ・・・」
(*;∀;)「やめて・・・・・・おねがい」
(・∀ ・) イラッ
(・∀ ・)「んだぁ、コイ
(# A )《ベギラマ!!》
- 58
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/05(土) 23:41:10.10 ID:HM5NW0Oe0
((;・∀ ・)「ごっ・・・!」ズズン
(#'A`)《ベギラマベギラマベギラマァァァッッ!!!!》
(((;・∀ ・)))「おっどどどあああああああ!??」
高速に放たれる炎の連弾が、巨人の体を砕く。
グラリと揺れ、倒れる。
今度は、すぐには起き上がって来ない。
(; A )「がっ・・・は・・・・・・」
持てる限りの魔力を放出した。
ドクオは、つーの側にヨロヨロと寄る。
- 60
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/05(土) 23:42:25.36 ID:HM5NW0Oe0
(; A )「つー・・・・・・はやく逃げろ。ここは俺が食い止める」
(*;∀;)「お師匠!」
強がりだ。魔力はもう無い。
(*;∀;)「お師匠をおいては・・・」
いいんだ。いけ。早くしないと――――――。
(♯・∀ ・)
(♯・∀ ・)「けっこう・・・ダメージ食らっちまったぜぇ・・・」
(♯・∀ ・)「へへっへへ・・・・・・雑魚のくせによ」
(♯・∀ ・)「うごおおおおあああああああああああああああ!!!!」
- 65
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/05(土) 23:44:35.75 ID:HM5NW0Oe0
体の一部が欠け壊れ、黒煙をまとう巨人は、近くの大木を地面から引き抜く。
('A`;)「!!」
(♯・∀ ・)「があああああああああああああああ!!!」
激怒している。周りが見えていないのか。
巨人は、その大木を振り回す。
竜巻のような傍若無人な打撃が、辺り一帯に乱打される。
木々は倒れ、地は砕け、風が暴れる。
(; A )「ぐああああああッッ!!」
(* ∀ )「あ、あぐぅっっ!!」
- 66
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/05(土) 23:45:48.52 ID:HM5NW0Oe0
その旋風に巻き込まれ、ドクオとつーは吹っ飛ぶ。
体中に痛みが走る。何がどうなっているかも解らない。
痛い。熱い。空。地面。
あらゆる光景が視界に飛び込むが、ものを考えられる状態ではない。
ただ、ただ蹂躙された。
- 68
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/05(土) 23:47:49.47 ID:HM5NW0Oe0
(・∀ ・)「はぁ、はぁ、はぁ――――――」
(・∀ ・)
(・∀ ・)「・・・・・・きれちまった」
(・∀ ・)「・・・・・・」
マタンキは、辺りを見渡す。
折れた木々の残骸。
夥しい数の地面のクレーター。
大木の下敷きになる、肉のゴミクズ。
- 70
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/05(土) 23:49:27.40 ID:HM5NW0Oe0
(・∀ ・)「・・・はぁ。ちっとばかし体力使っちまったあ・・・・・・」
(・∀ ・)「さて・・・用意するか・・・・・・ぐひひ」
(・∀ ・)「ひゃひひひひひひひひひひひひひひひひひ!!!」
(・∀ ・)「たまんねえ!!時間まで待てねえなぁ・・・」
(・∀ ・)「でも、少しくらいは、予定通りに動かなきゃな・・・・・・ひひ」
(・∀ ・)「ギギギギギヒャハハハ・・・・・・!」
マタンキは、ずしんずしんと何処かに去ってゆく。
(メ A )
(メ* ∀ )
- 72
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/05(土) 23:50:59.16 ID:HM5NW0Oe0
川 ゚ -゚)「――――――竜王様」
クーよ。手筈はどうだ。
川 ゚ -゚)「はい。三国同時侵攻の計画、滞り無く進めております」
川 ゚ -゚)「ラダトームには“黒竜”」
川 ゚ -゚)「メルキドには“巨像”」
川 ゚ -゚)「そしてリムルダールには、“死神”を向かわせております」
川 ゚ -゚)「ただ、リムルダールは水堀がある故――――――」
川 ゚ -゚)「“鳥”とその戦隊も伴わせてあります」
- 74
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/05(土) 23:52:36.00 ID:HM5NW0Oe0
うむ。
川 ゚ -゚)「人間たちの瞳は、絶望で彩られる事でしょう」
くくく・・・ 楽しみだ。
奴らが絶望こそが、我が力の源・・・活力。
のう、クー。
川 ゚ -゚)「・・・・・・」
真っ白なクーの髪が、少しだけ灰色味を帯びる。
川 ゚ -゚)「わたしは・・・・・・」
- 76
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/05(土) 23:54:28.85 ID:HM5NW0Oe0
(メ'A`)「く・・・・・・・つー・・・」
(メ* ∀ )
(メ'A`)「だい・・・じょうぶか・・・・・・」
(メ* ∀ )
(メ'A`)「返事を・・・しろ・・・してくれ」
(メ* ∀ )「・・・・・・ふ」
(メ*゙∀゙) 「・・・・・・ぁ・・・?」
(メ'A`)「つー」
- 81
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/05(土) 23:56:42.46 ID:HM5NW0Oe0
生きていた。
あのとき、ドクオは空中で乱舞する最中、つーを捕まえ抱き寄せた。
そして、自分に残された僅かな魔力をもって、
回復魔法を自分たちにかけ続けていたのだ。
それが功を奏し、かろうじて生存に繋げていた。
しかし――――――
(メ*゙∀゙)「い・・・いだい・・・いたいよぉ・・・」
(メ A ) 「ぐ・・・・・・」
息があるというだけだ。このままでは、二人とも。
- 83
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/05(土) 23:58:22.37 ID:HM5NW0Oe0
(# A )「・・・・・・うああ!」
ドクオは、力を振り絞り、自分たちの上のひしゃげた木々をどかす。
そして下敷きから抜け出したあと、ばたりと倒れた。
(メ A ) 「はぁ、はぁ・・・・」
(メ'A`)「つー・・・きくんだ・・・」
(メ*゙∀゙)「いたい、いたい・・・・・・おししょう・・・」
(メ'A`)「がんばれ、つー。俺の言う事が解るか?聞いてくれ」
(メ*゙∀゙)「は・・・はぃぃ・・・」
- 85
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/06(日) 00:00:21.63 ID:7IboLaCs0
(メ'A`)「お前は、さっき回復魔法を成功させた・・・」
(メ'A`)「その術を使い、なんとか自分を回復するんだ。そして――――――」
(メ'A`)「街の人に、この事を知らせにいくんだ」
(メ'A`)「魔物の、侵攻が始まろうとしている事を・・・!」
(メ*゙∀゙)「・・・・・・うっ、うっ」
(メ'A`)「俺自身の魔力はもう無い・・・尽き果てた」
(メ*゙∀゙)「ぼくが・・・・・・」
(メ'A`)「お前がやるしかないんだ」
(メ*゙∀゙)「うっ・・・ううっ」
- 87
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/06(日) 00:02:15.22 ID:7IboLaCs0
(メ*゙∀゙)《ほっほっホイミぃ・・・》ヒワ
(メ*゙∀゙)「で、できない。グスン」
(メ'A`)「がんばれ。痛みを考えないように、精神を集中させるんだ」
(メ*゙∀゙)「あうぅ・・・あう」
(メ'A`)「お前なら・・・できる。できるはずだ」
(メ*゙∀゙)「・・・・・・」
(メ*゙∀゙)《ホ・・・・・・イミ・・・》ホワワ
- 91
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/06(日) 00:04:36.46 ID:7IboLaCs0
ドクオの体の傷が癒えていく。
('A`)「・・・・・・つー」
(メ*゙∀゙)「はあ、はぁ」
('A`)「どうして・・・」
(メ*゙∀゙)「・・・ぼ、ぼくは・・・街のひとからきらわれてるんだ・・・」
(メ*゙∀゙)「ぼくのことばじゃ・・・しんよう・・・されない・・・かも・・・」
(メ*゙∀゙)「いっても・・・戦えないし・・・やくにたたない」
(メ*゙∀゙)「あしも・・・おそいし・・・・・・いくまでに・・・じかん・・・かかる・・・」
- 94
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/06(日) 00:07:08.04 ID:7IboLaCs0
('A`)「・・・・・・」
(メ*゙∀゙)「ぼくじゃあ・・・だめなんだ・・・ぼくじゃあ・・・」
(メ* ∀ )「まちのひとたちを・・・・・・」
(メ*;∀;)「おかあさんを・・・っ・・・守れないんだ・・・!」
('A`)
- 97
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/06(日) 00:09:10.75 ID:7IboLaCs0
(メ*;∀;)「だがら・・・おししょうがいって・・・グスン」
(メ*;∀;)「ぼくはいいから・・・まちのみんなを・・・・・・」
(メ*;∀;)「はやく・・・・・・」
('A`)
('A`)「つー・・・・・・すぐ戻る。それまでなんとか耐えるんだ」
('A`)「お前の覚悟――――――」
('A`)「見届けたぜ」
- 98
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/06(日) 00:11:00.74 ID:7IboLaCs0
ドクオは翻し、走りだす。
メルキドの街に向けて。なりふり構わず、泳ぐように走る。
傷は完全に癒えきった訳ではない。
足が地を蹴るたび、痛みも伴う。
しかし走る。
これまで生きてきた中で、一番の速力を出すのだ。
そうとも。今は走るときだ。
- 101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/06(日) 00:13:03.04 ID:7IboLaCs0
望まぬ貧困。
拭えない血筋と過去。
絶対的な力からの暴虐。
身体の障害。
どうにもならない病気。
呪い。
- 103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/06(日) 00:14:41.33 ID:7IboLaCs0
人は皆、不幸を望んで生まれてくる訳ではない。
その境遇に、誰もが抗いたかった。
自分の不幸を、否定したい。
しかしつーは・・・・・・それを受け入れた。
逃げずに認め、対峙したのだ。
自分の命が危険に晒されようとも。
そんな高潔な心をもった彼女を――――――。
誰が馬鹿にできる。誰が蔑めるというのだ。
- 105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/06(日) 00:16:16.78 ID:7IboLaCs0
('A`)
彼女の流した涙を水泡に帰させない為に。
彼女が愛した、大切な物を守る為に。
走れ。走るのだ。
口から血を吹いても構わない。
痛み等どうでもよい。
苦痛等、とうに忘れた。
いけ。風の速さで。光の速さで。
- 107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/06(日) 00:17:27.86 ID:7IboLaCs0
( A )(つー・・・・・・)
(*゚∀゚)
('A`#)(つうううううううううううううううううううう!!!!)
そうだ。今の俺の足は。
ただ、つーの為に。
- 108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/06(日) 00:19:09.91 ID:7IboLaCs0
憲兵「・・・・・・ん?アレは」
('A`)ノ■
憲兵1「門内外通行証・・・確か、呪われし者だったか」
憲兵2「入れてやれ」
- 111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/06(日) 00:21:22.95 ID:7IboLaCs0
('A`)「はっ!はぁっ・・・!ぜぇ、ゼェ」
('A`)「・・・・・・サダコ殿!!ぐっ、自警兵団の参謀、サダコ殿はおられるか!!」
憲兵1「なんだ、どうした?」
('A`)「有事だ!今から後、魔物の軍勢がこの街に押し攻めてくる・・・!」
('A`)「それを報告に参った!」
憲兵1「な、何?なんだと!?馬鹿な・・・」
憲兵2「それは真か・・・・・・?」
('A`)「・・・・・・とにかく、今すぐサダコ殿に取り次いで頂きたい!事態は一刻を争うのだ!」
- 112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/06(日) 00:23:22.76 ID:7IboLaCs0
川д川「・・・・・・」
('A`)「・・・・・・」
川д川「なるほどの」
憲兵隊長「サダコ殿・・・・・・これの真偽は・・・」
川д川「嘘だと思いたいが、どうやら本当の様じゃな」
川д川「この者の体から、呪いとはまた別の、邪悪の臭いがしおる」
川д川「そして、残留魔香から、回復呪文の使用の痕跡も見られる」
川д川「つまり先ほどまで、それとの戦闘を繰り広げていたのじゃろう」
憲兵隊長「お、おお!では・・・・・・!?」
川д川「戦じゃ――――――」
- 113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/06(日) 00:25:13.00 ID:7IboLaCs0
川д川「全兵に知らせろ!総員迎撃体勢の準備にかかれ!」
川д川「城壁の全ての魔導傀儡に、魔力を充填!」
川д川「敵の奇襲の目論みを、打ち砕くのだ!」
川д川「全力をもって、魔軍侵攻に備えよ!!」
憲兵隊長「はッッ!!」
- 114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/06(日) 00:27:05.29 ID:7IboLaCs0
('A`)「サダコ殿・・・理解が早くて助かる」
('A`)「信用されぬ可能性もあり得たかと・・・」
川д川「なに、この街を守るのはわしの役目じゃ。よくぞ知らせてくれなすった」
川д川「例えどれだけ薄い可能性でも、この国を脅かす存在があるかもしれぬというなら、
それに対して備えるまでよ」
川д川「くくく、魔物どもめ。目にもの見せてくれるわ」
川д川「今こそ、我が国の誇る防衛力を見せしめるときよ!」
- 118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/06(日) 00:28:26.81 ID:7IboLaCs0
('A`)「ぐ・・・」フラ
川д川「おお、しっかり。ドクオ殿」
川д川「さ。これは、わしが調合した薬草水じゃ。失った魔力も、僅かだが回復する」
('A`)「ぐ・・・つー・・・・・・」
('A`)「ひとり・・・怪我を負った者が森にいるのです。その者を・・・」
('A`)「どうか助けて――――――」
憲兵「サダコ様!!アレを!?」
川д川「ぬっ。まさか、もう来たのか!?」
('A`)「!」
- 121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/06(日) 00:29:44.29 ID:7IboLaCs0
高所で風がいっそう強く吹き付ける城壁から、見渡す。
闇夜、遠くからざわざわとこちらへ行軍してくる。
それは、おぞましい魔物の軍勢。
川д川「なんと・・・危ないところじゃった」
川д川「ドクオ殿が知らせてくれなければ、敵の奇襲にかかり、
確実に壊滅に追い込まれていたろう・・・」
川д川「しかし、こうして備えることが出来た」
川д川「魔の輩め、天誅ぞ!!」
- 122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/06(日) 00:31:14.86 ID:7IboLaCs0
(・∀ ・)「ぎひひひひ・・・」
(・∀ ・)「きたぜきたぜきたぜぇ」
(・∀ ・)「よいこの人間ちゃんは、お眠の時間ってかぁ」
(・∀ ・)「いいか、おまえら。人間共の全てを――――――」
(♯・∀ ・)「ぶっこわせえええええええええええええええええええええええええ」
魔物「「「「「「 オ
オオォォオオォオオ オオオォオオ
オォォオオオッッッッ!!!! 」」」」」」
魔物達が、城壁に向かう。
大なる者は、それをたたき壊そうと。
小なる者は、それをよじ上ろうと。
しかし。
- 124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/06(日) 00:33:28.21 ID:7IboLaCs0
城壁に、光る二つの光。
その二つの光のセットは、壁の端々にどんどん増えてゆく。
(;・∀ ・)「こ・・・これは・・・・・・!?」
ゴーレム「「「「「「ゴオオオオオオオオオオオオオ!!!!」」」」」」
一斉に、城壁から石像達が構築されてゆく。
群れを成すそれらは、魔物をちぎっては投げる。ちぎっては投げる。
魔軍はたじろぐ、さもありなん。
魔物側も応戦するが、相手は痛みも恐怖も知らぬ彫像の兵士。
- 125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/06(日) 00:35:36.14 ID:7IboLaCs0
(;・∀ ・)「ば・・・ばかな・・・・・・なぜ・・・」
ビスッ!
(;・∀ ・)「グッ!?」
城壁の上から降り注ぐ、矢、投石。
みるみる魔物たちが壁から落とされていく。
(;・∀ ・)「な・・・なんでだ・・・・・・どうして、これほど周到な用意が・・・」
(;・∀ ・)「――――――」
- 128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/06(日) 00:38:09.60 ID:7IboLaCs0
(・∀ ・)「ふ」
(♯・∀ ・)「ざけるなああああああああああああああああああ」
マタンキは、吠える。
空気がビリビリと痺れる。
(♯・∀ ・)「おおおおおれのおおおおおおおお計画ううううううううううううう」
(♯・∀ ・)「じゃああああまああああああああするなあああああああああああああああ」
マタンキは、拳を振るう。
辺りのゴーレムを、一撃で粉砕してゆく。
そして、壁を殴り、壊そうとする。
射矢、投石など気にも止めない。
- 130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/06(日) 00:41:54.37 ID:7IboLaCs0
そして、城壁をものすごい勢いで殴りつける。
衝撃で大地揺るがし、鳴動する程に。
憲兵1「な・・・なんだありゃ・・・・・・」
憲兵2「ひっ・・・ば、ばけものだ!」
憲兵3「壁が・・・壊されるぞ!」
なんという剛力。
あれ一つで、率いる魔物の軍勢に等しい戦力はあるだろう。
奴が中に、入れば、街は。
(♯・∀ ・)「ぎぎぎぎぎぎぎゃああああああらああああああああああ!!!!」
- 131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/06(日) 00:43:08.88 ID:7IboLaCs0
マタンキは、その分厚い壁を壊した。
(・∀ ・)「――――――」
その先に。
('A`)
(・∀ ・)「き・・・・・・」
- 134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/06(日) 00:44:55.85 ID:7IboLaCs0
(♯・∀ ・)「きさまああああああああああああああああああああ」
(#'A`)《 ベギラマアアアアアアアアアアッッッッ!!!! 》
大砲のような炎球が、巨人を彼方まで吹き飛ばす。
- 135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/06(日) 00:46:22.81 ID:7IboLaCs0
(((♯・∀ ・)「グギギギギギギッギギギイイイイイイ」
ミシ・・・ミシ・・・
(((♯・∀ ・)「たい・・・きゃく・・・・・・」
ベキバキッ・・・!
(((♯・∀ ・)「退却だああああああああああああああ」
バ・・・キャアッッ!!
邪悪の軍勢が、撤退してゆく。
城壁から、わっと兵士の歓声がわき起こる。
讃えあう人と人。鳴らされる太鼓。
- 137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/06(日) 00:48:10.46 ID:7IboLaCs0
('A`;)「はっ、はっ、ハァッ・・・!」
川д川「ドクオ殿!」
('A`)「頼む・・・森に・・・重傷の子供がいるんだ・・・」
川д川「森?森とな。どこの森じゃ?正確な位置は・・・・・・」
('A`)「・・・・・・!」
('A`)「くっ」
('A`)「サダコ殿・・・先ほどの薬草、頂けるか!」
川д川「あ、ああ」
- 139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/06(日) 00:50:30.10 ID:7IboLaCs0
('A`)
ドクオは走る。
ボロボロの体で。
あの森へ。急げ。急げ。
- 141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/06(日) 00:51:54.29 ID:7IboLaCs0
- 143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/06(日) 00:53:57.45 ID:7IboLaCs0
('A`)
(メ* ∀ )
('A`)「つー」
(メ* ∀ )
(メ* ∀ )「・・・・・・」
('A`)「!!」
- 144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/06(日) 00:55:45.47 ID:7IboLaCs0
生きている。
魔力の調練を積んだ成果か。
自分の身体の傷を、無意識に少しずつ少しずつ癒していたのだろう。
だが、脈拍も弱い。呼吸も、ほとんどしていない。
絶望的な状況だ。
この怪我に、上っ面の適応処置で、薬草や包帯をしたところで、間に合いそうにない。
必要なのは、呪文による回復。
しかし、自分の魔力は、もう限界に等しい。
手持ちの薬草を使用しても、すぐには回復しないだろう。
- 146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/06(日) 00:57:21.59 ID:7IboLaCs0
('A`)「・・・・・・」
('A`)「ふー・・・・・・」
古代の失われた魔術の一つに、自分の生命力を魔力に変換し、
使役するという魔法が存在したはずだ。
ドクオが、これまでの文献での研究を重ねて得た結論の一つ。
それを、今ここで行う。ぶっつけ本番だ。
自分の生命力の全てを魔力に変換しきってしまえば、
確かにつーは助けられるかもしれない。
しかし、それでは自分が死ぬ。
違えれば、一貫の終わり。
- 147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/06(日) 00:59:05.32 ID:7IboLaCs0
( A )「・・・・・・」
ドクオは今、試されている。
魔術師として生きて来た己の人生を。
つーとの絆の強さを。
いや・・・仮に死んでも。
生きてくれる。つーが。
継いでくれる。この世界の行く末は、きっとあの男が。
( ^ω^)
- 149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/06(日) 01:01:10.73 ID:7IboLaCs0
( A )「・・・・・・ぁぁ」
ドクオは、覚悟を決める。
そう。あの時の、つーのように。
(# A )「ああああああああああああ!!!!」
ドクオの体から、金色の光の粒子が溢れ出す。
それが、二人を包み込んだ。
- 151 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/06(日) 01:02:24.46 ID:7IboLaCs0
(* ∀ )
(*゚∀゚)「・・・・・・」
(*゚∀゚)「・・・・・・」
(*゚∀゚)「あれ」
( A )
(*゚∀゚)「おししょう・・・?」
( A )
- 153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/06(日) 01:04:12.61 ID:7IboLaCs0
( A )
('A`)「・・・・・成・・・功・・・か」
(*゚∀゚)「ぼ・・・ぼくは・・・?」
('A`)「つー・・・・・・おまえは本当に・・・」
('A`)「大した・・・奴だ・・・そして・・・礼をいう」
('A`)「お前のおかげで・・・俺は魔術師としても・・・一歩成長できた・・・」
('A`)「ありがとう」
('A`) トサッ
- 157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/06(日) 01:06:34.27 ID:7IboLaCs0
(*゚∀゚)「お、おししょう?!」
(*゚∀゚)「あ・・・・・・」
(-A-) スー・・・ スー・・・
(*゚∀゚)「寝てる・・・・・・」
夜が、明けようとしていた。
今は朝焼けも無い、この世界に。
いずれ、平和の光で満たせる日が来るのだろうか。
眠りに落ちていくドクオの、心の中に溢れるような希望の光で。
- 164 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/06(日) 01:11:44.60 ID:7IboLaCs0
(*゚∀゚)「お師匠様・・・・・・」
(*゚∀゚)「ありがとう」
(-A-)
つーは、手を伸ばす。
眠り行く戦士の、その安らかな輪郭に。
未来への希望を抱きながら。
そっと――――――指先が触れる。
to be continued...!!
- 167 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/06(日) 01:18:10.68 ID:7IboLaCs0
('A`)ドクオの今のステータス
LV23
こんぼう
くろのろーぶ
しのくびかざり
今回登場した敵
(・∀ ・):“ストーンマン”マタンキ。竜王直属の配下、四天王が一人。
メルキドのゴーレムと同じく、石製の魔導傀儡である。
凄まじい腕力の魔物。軍勢を率いてメルキドを滅ぼそうとした。
- 174 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/06(日) 01:28:03.98 ID:7IboLaCs0
- ちょいと補足。
ドクオが使ったのは、“自分の生命力を魔力に還元する方法”で、
特定の呪文ではありません。その後、ベホイミでもしたと考えて頂ければ。
投下終了後になんという言い訳。
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