125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 21:17:05.65 ID:WmYGqzyl0


第17話



127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 21:20:00.36 ID:WmYGqzyl0





('A`)「そうだ。気を鎮めて、ゆっくり」

('A`)「ただ、体の内側にある水を、暖めるような感じで」

(;*゚∀゚)「・・・・・・」

('A`)「それを、徐々に沸騰させていくようなイメージだ」

:(*゚∀゚):「う・・・」ホワ・・


つーの体から、微かな光が。


129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 21:21:23.96 ID:WmYGqzyl0


('A`)「お前の中の“水”が、沸点に達したとき・・・魔法は発現する」

('A`)「まずはゆっくり、ゆっくりだ」


(*゚∀゚)「・・・・・・えい!」フワ


(*゚∀゚)「あ、あれ。消えた」

('A`)「力んじゃ駄目だ。体に力を入れず、あくまで精神の高ぶりだけを操作する。
    筋肉に余計な力が入り固くなっていると、魔力の伝導が上手くいかない」

('A`)「まぁ、感覚を掴むのは、なかなか難しいがな」

('A`)「慣れてくると、この“沸騰”の流れを一瞬で行えるようになる。
    それが出来るようになれば、一人前と言って良いだろう」


(*゚∀゚)「は、はい。はー・・・はー・・・」


132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 21:22:48.70 ID:WmYGqzyl0



森の中でドクオは、つーと共に修行していた。




遡り、それは数週間前の事――――――。






134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 21:24:49.68 ID:WmYGqzyl0




(*゚∀゚)「お師匠さま!朝食ができました」


つーは、宿のドクオの部屋に食事を運んで来た。


('A`)「ああ」

(*゚∀゚)「今日は、パンとミルクと、ジャガイモ。
     それに、大奮発して、ゆで卵もつけちゃいました!」


寝床に腰掛けるドクオの前のテーブルに、
膳が置かれ、朝餉(あさげ)の香りが立つ。


136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 21:26:40.62 ID:WmYGqzyl0


食事の内容は質素なもので、これがこの宿の“大奮発”にあたる物だとするなら、
やはりこの宿屋の経営は、上手く立ちいっていないのではないか、と思わせる。


しかし物事の本質は見てくれのみにあらず。
材料は質素でも、とても気を使っているようだ。


パンは焼きたてで温かく、サクサクとしている。

また、ミルクも新鮮で良い香りだ。絞り立てなのではないか。

ホクホクで熱々のジャガイモと、
ちょうどいい塩梅に茹でられたプリプリで柔らかい卵。

それに、塩が添えられる。


決して贅沢と言える物ではないが、
少しでも美味いものを食べさせようと言う気概が見受けられる。


140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 21:28:57.87 ID:WmYGqzyl0


('A`)「美味そうだな。頂くよ」

('A`)「それと、師匠はやめろ。お前に魔法学を教えるつもりはない」

('A`)「そう連日のように来られても、気が滅入る」

(*゚∀゚)「・・・・・・う」


ドクオは、起き抜けでボサボサの頭を掻きむしり、食事に手をつける。


143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 21:31:54.98 ID:WmYGqzyl0


パンを齧り、みみのパリパリとした歯ごたえを楽しむ。
白い生地の部分は、しっとりと柔らかく、甘みさえ感じる。

焼きたての香ばしい香りと、小気味のいい食感で、胃が目覚めていく。

そしてミルクを飲み、流し込んだ。
まろみのある口当たりと喉越しで、ほっとする。


ああ、美味い。




144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 21:33:40.87 ID:WmYGqzyl0


(*゚∀゚)「お、お師匠・・・」

(*゚∀゚)「頼むよ、おねがいだ」

(*゚∀゚)「このとおり!」

(*゚∀゚)「た、卵もういっこつけるよ・・・」


('A`)「・・・・・」モグモグ

(*゚∀゚)「どうしても習いたいんだ・・・お願いします」

(*゚∀゚)「僕も、お師匠みたいになりたいんだ」


146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 21:35:58.03 ID:WmYGqzyl0


ジャガイモに塩を振り、かぶりつく。

この芋もまた、茹で加減がちょうどいい。
歯ごたえも良し、野菜としての瑞々しい香気も失われていない。

野趣溢れる土の風味が、口いっぱいに広がる。


(*゚∀゚)「ねえ・・・」


つーは、ドクオに寄りすがる。

149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 21:38:56.07 ID:WmYGqzyl0


('A`) ムシャムシャ

('A`)「・・・お前は今、こう考えているだろう」

('A`)「てっとりばやく魔法を覚えてしまおう」

('A`)「そして魔法を覚えて、母親の病気を治そうと」

(*゚∀゚)「・・・・・・」

('A`)「回復魔法は、人間本来の自然治癒力を高めて、その傷を癒すものだ」

('A`)「病気や、古い傷。生まれつきの障害など、時間の経過によって治せない物は無理だ」

('A`)「だから、お前の母親の症状を治すなんて事は出来ない。
    せいぜい、少し体調がよくなる程度のものだ」


(*゚∀゚)「・・・・・・」


152 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 21:42:18.17 ID:WmYGqzyl0


卵にも塩をつける。
そういえば、一口で食うに限るといっていた奴がいたな。

それに習おう。

一口で頬張ると、白身のはじけるような歯ごたえ。
それに、黄身のとろけるように緻密で濃厚な味わいが絡む。

精がつく気がする。良い卵だ。

塩気とあい混ざって、たまらない口福になる。


これは、うまい。


154 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 21:45:03.80 ID:WmYGqzyl0


('A`)「それに、魔法の使役なんて、一朝一夕で身に付く物じゃない」

('A`)「才がなければ、一生を費やしても使えない者もいる程な」

('A`)「普通なら、何年とかけて覚えていくものなんだ」

('A`)「生憎、俺もここに定住する気はない。
    お前に魔法を教えるのは無理だ。諦めろ」


ドクオは、冷たい水をぎゅっと飲み干し、コップをタンと置く。


窓の外から、元気な鶏の鳴き声がする。

生みたてだったのか。うなずける味わいだ。


156 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 21:47:21.34 ID:WmYGqzyl0


(*゚∀゚)「・・・」


(*゚∀゚)「そ・・・それでも・・・」

(*゚∀゚)「どうしても習いたいんだ」

(*゚∀゚)「僕たちは、この街で嫌われてるんだ」

(*゚∀゚)「いつも皆にいじめられる・・・おかあさんが病気なのと、
     僕の父親が罪人だったから・・・」


('A`)「・・・・・・」


159 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 21:49:22.10 ID:WmYGqzyl0


(*゚∀゚)「でも、不思議な力を身につければ、みんなに嫌われないかもしれない」

(*゚∀゚)「おかあさんも、守る事ができるんだ・・・」

(*゚∀゚)「おっお師匠!おねがいです!」

(*゚∀゚)「覚えられなければ、それでもいい!一生懸命やるから・・・」


(*゚∀゚)「僕に“まほう”を教えてください!」


('A`)「・・・・・・」

('A`)「ふー・・・・・・」

(*゚∀゚)「・・・・・・」


161 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 21:51:34.97 ID:WmYGqzyl0


('A`)「俺には俺のやるべき事がある」

(*゚∀゚)「師匠の片手間でもいいよ!」

('A`)「・・・・・・」

(*゚∀゚)

('A`)

(*゚∀゚)



163 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 21:53:33.30 ID:WmYGqzyl0


('A`)「卵」

(*゚∀゚)「?」

('A`)「もう一個、つけてくれるんだろう?」

('A`)「今度はパンに乗せて食べたい。パンも付けてくれ」

(*゚∀゚)「・・・!」

(*;∀;)「おっ・・・ お師匠さまぁああああああ!!」

(;'A`)「こら・・・くっつく・・・な・・・ん?あ、アレ?え?お前、女?」

(*;∀;)「ふえ?」




そして、つーはドクオの弟子になった。



167 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 21:59:21.39 ID:WmYGqzyl0




(*゚∀゚)「それにしても、お師匠さま。
     なんで修行を、わざわざ街から離れた森でやるんですか?」

(*゚∀゚)「これなら、ウチの家でもできるのに」

('A`)「森は、生命のエナジーに満ちあふれている」

('A`)「魔力は、有りとあらゆる生物に宿っているものだからな。
    こうした自然の中で訓練する方が、魔力の流れも掴みやすいものだ」

(*゚∀゚)「ほえー、そうなんだ」


つーは、少し汗ばみ、顔を蒸気させる。湯気となり、宙に消えていく。


(*゚∀゚)「よし、もういっかい」

('A`)(ふむ)



169 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 22:01:23.95 ID:WmYGqzyl0



ドクオは、つーに魔法の扱いを教え、驚愕した。


まさかこの短期間で、己の魔力の気配を感じ取れるようにまでなるとは。




171 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 22:03:33.49 ID:WmYGqzyl0


ドクオには、魔法を扱う天賦の才があった。


幼き頃からその片鱗を見せ、周囲からは天才、神童と呼ばれる程に。

血や環境のせいもあるかもしれないが、
他者に比べると圧倒的な才覚を有していたのだ。


そのドクオから見ても、つーの上達ぶりは生半のものではない。

まさに天性のもので、それはドクオの才能をも凌駕するかもしれぬ。


ここ数週間で、つーは既に魔力の流れのコントロールするまでに至った。


その成長に思わず舌を巻く。このまま魔法の教育を続ければ、
将来とんでもない魔術師になるであろう事が予想できる。

173 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 22:05:41.41 ID:WmYGqzyl0



('A`)(ちょいと教えて駄目そうなら、すぐに見限って教えをやめるつもりだったが)

('A`)(信じられない。まさに隠れた才能だ)



:(*゚∀゚):「お師匠!どうですかコレ・・・」

('A`)「ああ、いいな。大分、魔力を溜める力がついたようだ」

('A`)「あとは、その魔力を何に生かすか・・・
    魔力は、あるだけならただの燃料にすぎない」

('A`)「その練った魔力を、自分の使役したい術に合わせて、変容させる必要がある」

('A`)「これからは、その修練だ」


(*゚∀゚)「はい!」


176 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 22:07:35.78 ID:WmYGqzyl0


つーは、ドクオの言う事を何でも素直に聞いた。

気を抜かず、実直に鍛錬する。
ドクオが用事で出かけている時も、宿で一人で練習しているという。


:('A`):「いいか、こうだ――――――」

(*゚∀゚)「おお・・・」


('A`)《ギラ》


岩の上に置いた枯れ棒を、閃光で吹き飛ばす。

ドクオも、つーに教えるばかりでなく、自分の修行も兼ねているのだ。



178 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 22:09:35.33 ID:WmYGqzyl0


(;*゚∀゚)「す、すごいーーーー」


('A`)「こうして瞬時に溜めた魔力を、呪文の言葉とともに解き放つ」

('A`)「呪文の詠唱は、無くてもできないことは無いが、あった方が楽だ」

('A`)「精霊が、そのワードの発音を切っ掛けに、発動の手助けをしてくれる」

(*゚∀゚)「ふーん」


('A`)「とりあえず今日はここまでだ。俺は、街に出かける」

('A`)「家で、魔呼吸の調練をしておけ」

(*゚∀゚)「はい!」




179 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 22:11:31.69 ID:WmYGqzyl0


つーを宿まで送り届け、ドクオは街中に繰り出す。

寄る場所は、本屋、図書館の類いだ。


今日は、大通りにある図書館に行ってみる。
歴史ありげな石造りの大きな建物に入っていく。



('A`)「すいません、ある書物を探しているんだが・・・」




183 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 22:13:55.95 ID:WmYGqzyl0



('A`)


その日、帰路につくドクオの足取りは軽い。
目当ての書物が見つかったのだ。


街の外れにある、宿に向かう。



('A`)「?」

(  ゚∀゚ )('e') 「「あ」」


(  ゚∀゚ )「て、てめェはあん時の・・・!」

(  ゚∀゚ )「ちょっと待てッ」


187 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 22:17:10.85 ID:WmYGqzyl0


('A`)「・・・誰だ?」


(♯ ゚∀゚ )「あの小汚え、宿屋で会ったろうが!あぁ!?」

('A`)「・・・・・・?」

(; ゚∀゚ )「え、マジで覚えてないの?アンタ」

('A`)「いや・・・あまり重要で無い事は、すぐに忘れるたちなんだ。すまない」


(  ゚∀゚ )「ちっ・・・むかつく野郎だ」

('e')「むかつくわ〜マジで」


191 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 22:19:28.28 ID:WmYGqzyl0


('A`)「で、なんだ?用がないなら、どいてくれ」


(  ゚∀゚ )「・・・・・・聞いたぜ。お前旅人で、呪われてるんだってな」

('A`) ピク


(  ゚∀゚ )「へへっこりゃあお似合いだぜ。バイキン野郎に、呪い野郎」

(  ゚∀゚ )「せいぜい、仲良しこよしでやってな、ククク」

('e')「へへへ」

('A`)「おい」

(  ゚∀゚ )「あ?」


195 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 22:22:17.96 ID:WmYGqzyl0




('A`)「    どけ    」 ズズ・・・




:((; ゚∀゚ )):「〜〜〜〜ッッ!?」ゾワワッ


(; ゚∀゚ )「く・・・くそ・・・あんだよっ・・・いくぞ、ジョーンズ!」

('e')「あっあにきぃ!待ってくださいうわぁ〜〜〜〜」


('A`)

('A`)「・・・・・・ふぅ」



197 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 22:24:41.79 ID:WmYGqzyl0


('A`)


(*゚∀゚)「あ、ドクオ師匠。お帰りなさい」

('A`)「帰ったぞ。それと、すまないが溜まっている衣類の洗濯を頼む」

(*゚∀゚)「わかりました」

(*゚∀゚)「お師匠、何か気分が良さげですね。何かあったんですか?」

('A`)「ああ。今まで探していた本が見つかった。これで、いちいち街に行かずに済む」

('A`)「これからは、宿に腰を据えての研究になる」

(*゚∀゚)「そうなんだ!おめでとうです」

(*゚∀゚)「じゃあ、洗濯にいってくる!」トタタ


201 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 22:26:58.68 ID:WmYGqzyl0


奥から、女性が現れた。つーの母親、でぃである。


(#゚;;-゚)「ドクオさん」

('A`)「ああ、どうも。お世話になっている」

(#゚;;-゚)「あの娘の、つーの調子はどうですか?」

('A`)「魔法ですか。そうですね・・・」

('A`)「素晴らしい才能です」

('A`)「おそらく、何十年に一人の逸材」

(#゚;;-゚)「まぁ・・・そんなに?」

('A`)「ええ、もしあいつが魔術師を目指すなら・・・」

('A`)「きっと有望なそれになるでしょうね」




202 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 22:29:07.79 ID:WmYGqzyl0


(#゚;;-゚)「そうですか・・・。ドクオさん」

('A`)「はい」

(#゚;;-゚)「つーを、よろしく頼みます。最近のあの子は、本当に楽しそうで」

(#゚;;-゚)「あの子は、私以外の人間とほとんど付き合いが無く生きてきました」

(#゚;;-゚)「町人からも蔑まれ、父親は無し・・・」

(#゚;;-゚)「今までに無い、兄のような存在が、きっと心から嬉しいのでしょう」

('A`)「・・・・・・」

(#゚;;-゚)「あれほど何かに熱中している姿を初めてみます。
     どうかご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いします・・・」


つーの母親、でぃは、ドクオの手を握った。
やはり目が見えないようで、ぎこちない手つきで触れる。

206 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 22:31:47.12 ID:WmYGqzyl0


('A`)「・・・しかし、私もいつまでもここにいる訳ではありません」

('A`)「いくらあの子に才能があるとはいえ、
    私の持ちうる知識の全てを伝えきる事は無理でしょう」

('A`)「私がここを離れた後・・・彼女は、いったいどうするのか」

(#゚;;-゚)「・・・・・・」

(#゚;;-゚)「ドクオさん」

('A`)

(#゚;;-゚)「よろしく・・・お願いいたします」


208 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 22:33:31.07 ID:WmYGqzyl0


でぃは、今一度深く頭を下げた。そして、ゴホゴホと咳き込む。


('A`)「・・・ええ、解りました」


宿の壁の隙間から、ひゅうひゅうと冷たい風が入り込む。

その隙間から、つーが桶に衣類を入れて、
暗がりの中、元気に走り去ってゆく姿が見えた。



そして月日は流れていく――――――。





209 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 22:34:34.49 ID:WmYGqzyl0















213 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 22:36:43.94 ID:WmYGqzyl0



早朝から、ドクオとつーは森に来ていた。



('A`)

(*゚∀゚)


(*゚∀゚)「ふー・・・」

(*゚∀゚)「・・・・・・」

(*゚∀゚)《ホイミ》



215 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 22:38:17.42 ID:WmYGqzyl0


桃色の光を、自分の指に当てる。つーの指のささくれが、治った。


(*゚∀゚)「ほ・・・」

(*゚∀゚)「ほあああ・・・!」


('A`)「できたな」

(*゚∀゚)「・・・・・・」

(*;∀;)「うっ・・・」


('A`)「まさかこの短期間に、呪文を会得するとはな・・・たいしたもんだ」

('A`)「おめでとう」

(*;∀;)「お、お師匠・・・」




216 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 22:41:19.29 ID:WmYGqzyl0


('A`)「これは、祝餞だ」


ドクオは、懐から金の粒を取り出す。


(*゚∀゚)「えっ・・・」

('A`)「これで、何か美味いものでも買って、母親を喜ばせてやれ」

('A`)「お前の進歩も見せてやれば、殊更嬉しいだろう」

(*;∀;)「・・・・・・うぐっ・・・お師匠様!」

(*;∀;)「あり・・・あいがとう・・・ごでます・・・!」


218 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 22:43:30.29 ID:WmYGqzyl0


この街では、金の資材価値が他国と比べ高いようだった。
小さいサイズでも、かなりの値打ちになる。


つーは、ドクオに抱きつく。鼻水がついて、汚いと思った。


('A`)「今日はここまでにして、帰るか。そろそろ暗くなる頃だ」

(*゚∀゚)「はい!」

(*゚∀゚)「今日の夕食は・・・お肉にします!師匠も食べて下さいね!」

('A`)「楽しみだ」


ドクオ達は支度をし、帰ろうとする。


その時。

224 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 22:47:31.25 ID:WmYGqzyl0



('A`)(!)ザワッ・・・


('A`)(なんだ?・・・この感じ・・・)

('A`)(何か強烈に冷たい・・・痺れるような・・・この感覚は・・・!)


(*゚∀゚)「お、お師匠様・・・何か嫌な感じが・・・」

('A`)「・・・・・・」

('A`)「魔の気配だ」




227 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 22:49:54.16 ID:WmYGqzyl0


(*゚∀゚)「で、でも・・・お師匠の魔除けの呪文が効いているんじゃ・・・」

('A`)(・・・・・・“トヘロス”は、位の低い魔物にしか通用しない・・・)

('A`)(そして野生の魔物では、ここまでの魔力は有さない・・・)

('A`)(このひりつくような感覚・・・これは・・・!)


('A`)「つー・・・俺の後ろについて離れるな」

(;*゚∀゚)「は・・・はい」



木々がざわざわと揺れる。風がどう、と吹き木の葉が散りゆく。





228 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 22:51:50.04 ID:WmYGqzyl0



(*゚∀゚(;'A`)


瞬間――――――地面が、ボコリとめくれ上がる。


('A`)「!」

(*゚∀゚)「わわっ・・・!?」


そして、噴火の如く地面が爆発する。土塊が飛散し、ドクオ達にかかる。


(; A )「くっ・・・!?」

(; A )(これは・・・この気配は!?)


235 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 22:54:04.39 ID:WmYGqzyl0


なんだ。なんだこの、強大で凶悪な――――――妖気。



“あいつ”に、似ている――――――。


心臓の鼓動が早くなる。そして、首もとの脈動も。



土埃がハラハラと消え、その中から巨大な物が現れた。



237 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 22:55:29.58 ID:WmYGqzyl0



ドクオは、思い切り見上げる。



(;;;;;;;;;;;)「おーれさまぁはぁ・・・竜王直属配下・・・」





(・∀ ・)「――――――四天王・・・・・・ “ ストーンマン ” マタンキ・・・!! 」





巨人が、ドクオ達の前に立ちはだかる。




to be continued...!!




240 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/24(木) 22:57:30.56 ID:WmYGqzyl0


('A`)ドクオの今のステータス


LV20

こんぼう
くろのろーぶ
しのくびかざり


今回登場した敵

???



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