689 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/02/01(水) 18:19:55.34 ID:Rri0wD56O
二人は地図を便りにバイト先へと向かう





('A`)「ここが○○ビルか・・・・・・・・・結構でかいな」

( ^ω^)「・・・・・・・・・・・・・」

('A`)「じゃあ入るぞ?心の準備はOKか?」

( ^ω^)“・・・・・・・・・・・大丈夫だお”


二人はビルの中へと入っていった。
691 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/01(水) 18:23:50.13 ID:Rri0wD56O
職員「ん?君達は・・・・・清掃のアルバイトの面接か?」

('A`)「はい、そうです」

職員「じゃあそこの部屋で待機しててくれ」

('A`)「あっ、わかりました」


部屋に入る二人。

他には面接を受ける人はいないようだ。


('A`)「俺たちだけかよ・・・・・・・・大丈夫かな?」

( ^ω^)“少ないほうが受かりやすくていいお”

('A`)「それもそうだな」


暫くして面接官の男が入ってきた。
698 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/01(水) 18:34:42.22 ID:Rri0wD56O
面接官「それでは面接を始めます」

('A`)「よろしくお願いします」

面接官「話は聞いてるよ、そっちの彼が・・・・・・・ブーン君だね?」

(;^ω^)「はっ・・・・・・・・・・は・・・・・・・い・・」

面接官「そんなに緊張しなくていいよ、まずは名前と年齢を言ってごらん」

(;^ω^)「・・・・・・・・ぶ・・・・ぶ・・・・・・・・ぅ・・・・ん・・・・・・」

('A`;)「あの、聞いてると思いますがブーンはどもり症でして・・・・」
701 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/01(水) 18:46:50.32 ID:Rri0wD56O
面接官「それは聞いていたが・・・・・・・・・・・・ここまで喋れないのか・・・?」

('A`)「その・・・・今はちょっと病状が悪化してまして・・・・そのうち治るとは思うんですが・・・・・」

面接「しかし・・・・・・・いくら清掃の仕事とはいえ、喋れないのでは・・・・・・」

('A`)「いや、その・・・・・・でもこのボードがあれば会話することは出来ます!」

( ^ω^)“お願いしますお”
706 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/01(水) 18:57:41.31 ID:Rri0wD56O
面接官「・・・・・・・・悪いが無理だ。他をあたってくれ」

('A`)「そんな・・・・・・・!!」

面接官「そんなボードじゃ会話に時間がかかるし、仕事が進まんだろう」

('A`)「でも・・・・・・・・・・お願いします!!他に出来る仕事がないんです!!」

面接官「すまないがこっちだってボランティアでやってるんじゃないんだ。
    わざわざ喋れない人間を雇う必要はないだろう」

( ^ω^)「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
712 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/01(水) 19:07:02.03 ID:Rri0wD56O
('A`)「そこをなんとか・・・・・・!!こいつ、今金が無くて家が大変なんです!!」

面接官「だから、いくらそんな話をしても、わざわざ障害者を雇うようなことはできないんだよ」

(;^ω^)「・・・・・・・・・・・・・・・」

('A`#)「・・・・・・・・・・・障害者だと?ふざけんなよ・・・・・・・・・」

面接官「いや・・・・・・」

('A`#)「ブーンはボードがあれば普通に会話出来るし、仕事だって普通に出来る!!
    ブーンのどこが障害者なんだよ!!!」

( ^ω^)“・・・・・・ドクオ、もういいお・・・”
716 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/01(水) 19:17:44.04 ID:Rri0wD56O
('A`#)「・・・・・・・あやまれよ・・・・・ブーンにあやまれよ!!!」

( ^ω^)“ドクオ!もういいんだお!!”

('A`)「・・・・・ブーン・・・・・でも・・・・・」

面接官「・・・・・・すまなかった。しかし、悪いがやはり雇うことは出来ないよ」

( ^ω^)“いいんだお、ドクオありがとうだお”

('A`)「・・・・・・・・・・・・・・・・」

面接官「それじゃあ、部屋から出てくれ」


面接官は部屋を出ようとしている。


('A`)「・・・・・・・・・ちょ、ちょっと待ってください!!」
728 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/01(水) 19:46:42.37 ID:Rri0wD56O
('A`)「オレも働きます!!だからこいつも働かせてやってください!!!
    オレならボードでの会話もなれているし、時間をくう事も少ないです!!」

( ^ω^)「・・・・・・・!!」

面接官「しかし・・・・・・君がはなせても、他のやつとブーン君が直接話せないのではね・・・・・」

( ^ω^)“ドクオ!もういいんだお!ドクオまで学校行けなくなるお”

('A`)「いいんだよ、ブーン。こんな時代にもう学校なんかさ・・・・・・」

( ^ω^)「・・・・・・・・・・・・・・」
730 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/01(水) 19:50:46.96 ID:Rri0wD56O
面接官「それでも、無理なものは無理なんだ。二人いても、喋れないのにかわりわない。
    ごめんな、ブーン君」

( ^ω^)“・・・・・・・わかりまし・・・・”

('A`)「じゃあ俺の分の金はいりません」

( ^ω^)「・・・・・・・!!!!」

('A`)「それなら問題ないでしょう。掃除する人が二人増えるんだから、
    会話が出来なくても、そっちとしてはいいはずです」

面接官「それはそうだが・・・・・・・なんでそこまでするんだ・・・?」

( ^ω^)“そうだお!もういいお!ドクオ!”
737 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/01(水) 19:59:13.69 ID:Rri0wD56O
面接官「それならいいが・・・・・・本当に君はそれでいいのか?」

('A`)「はい」

( ^ω^)「・・・・・・・・・・・・・」

面接官「それでは早速明日から初めてもらう、くれぐれも遅刻しないように」

('A`)「わかりました、では失礼しました」



ブーンはドクオのあとについてビルを出た。
744 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/01(水) 20:26:45.06 ID:Rri0wD56O
( ^ω^)“・・・・・ドクオ、本当にいいのかお?”

('A`)「いいんだよ、どうせ俺は家にいてもすることないしさ」

( ^ω^)「・・・・・・・・・・・」

('A`)「気にすんなよ、ブーン。もとから学校はもう行きたくなかったんだ」

( ^ω^)“ドクオ・・・・・ほんとにありがとうだお・・・・・”

('A`)「じゃあ明日、3時頃お前んち行くからな、寝坊すんなよ!」

( ^ω^)「・・・・・・・・・・・うん」
755 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/01(水) 20:49:14.80 ID:Rri0wD56O
ブーンは家に帰ると、早速カーチャンに報告した。


( ^ω^)“カーチャン、ついにバイトが決まったお”


ぐ〜・・・・・

ブーンのお腹がなった。

そういえば、昨日からなにも食べていない。


( ^ω^)“カーチャン、明日こそはご飯つくってやるお”


仏壇の中のカーチャンは幸せそうに笑っていた。

カーチャンだったら今の状況でも、絶望は希望そのものだ、と言って笑っていただろうか。



明日にそなえて、ブーンは早めに寝ることにした・・・
758 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/01(水) 21:14:33.71 ID:Rri0wD56O
ブーンは夢をみていた。





( ^ω^)「ドクオー!!ショボンー!!どこにいるおーーーー!!」


声が出る。

ブーンはおもいっきり叫んだ。


( ^ω^)「あっ・・・・・・ドクオ!!ショボン!!!そんなところでなにしてるお!!?」



しかしドクオとショボンには聞こえていないようだ。
768 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/01(水) 21:27:50.57 ID:Rri0wD56O
( ^ω^)「おーい、ドクオ!!ショボン!!!」


ブーンは二人に駆け寄った。


( ^ω^)「なにやってるんだお??」

('A`)「・・・・・・・・」

(´・ω・`)「・・・・・・・・」


二人はだまってブーンの方を向いた。


(;^ω^)「な・・・・・・なんだお?」
777 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/01(水) 21:49:36.67 ID:Rri0wD56O
ブーンは二人に捕まえられた。


(;^ω^)「な・・・・なにするお」


('A`)「・・・・・・・・・・・」

(´・ω・`)「・・・・・・・・・・・・・・」


体が動かない。


( ^ω^)「ドクオ・・・・・・・放すお!なにすんだお!」



遠くから一人、誰かが近付いてきた・・・・・
785 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/01(水) 22:00:21.26 ID:Rri0wD56O
あれは・・・・・・・・・・・・カーチャン・・・?


( ^ω^)「カーチャン!!生きてたのかお!!カーチャン!!!」

('A`)「・・・・・・・・・・」

(´・ω・`)「・・・・・・・・・・・」

( ^ω^)「カーチャン!!ブーンはここだお!!ここにいるお!!!」


その人間はどんどん近付いてくる。


( ^ω^)「カーチャン!!ブーンは元気だお!!カーチャンいなくてもちゃんとやっていけてるお!!」


ドクオとショボンは手を掴んだまま、放そうとしない。
788 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/01(水) 22:05:12.82 ID:Rri0wD56O
(#^ω^)「二人とも放せお!!カーチャンのところに行かせろお!!」

('A`)「・・・・・・・・・・・・・」

(´・ω・`)「・・・・・・・・・・・・・」


それでも二人は無言のまま、ブーンを掴んでいる。


(#^ω^)「くそっ!!・・・・・・・・カーチャーーン!!!!」


どんどんと近付いてくる・・・・・・


あれは・・・・・・・・・・カーチャン・・・・・か?
791 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/01(水) 22:15:22.97 ID:Rri0wD56O
( ^ω^)「・・・・・・・・・・カーチャン?」


違う・・・・・・カーチャンじゃない!!


( ^ω^)「お前は・・・・・・・・・・」


ブーン・・・そこにはブーンが立っていた。


( ^ω^)「うわぁぁぁぁああああああああああああああああああああああ」



ブーンは悲しそうな目でこっちを見ていた。
796 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/01(水) 22:25:29.95 ID:Rri0wD56O
( ^ω^)「来るなお!!こっち来るなお!!」


そのブーンはゆっくりと近づいて来る。


( ^ω^)「お前らのせいでドクオのトウチャンは・・・・・・・ショボンは・・・・・・・・
     カーチャンは・・・・・・・・・・・・・・・・」


そしてブーンの正面まで来ると、そのブーンはにっこりと微笑んだ。



J( 'ー`)し「ブーン・・・・・・・がんばって生きるのよ・・・・・・・・」

( ^ω^)「カーチャン!!!どこだお!!!??どこにいるお!!????」

はっきりと、カーチャンの声が聞こえた。

797 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/01(水) 22:34:07.44 ID:Rri0wD56O
J( 'ー`)し「絶望にひたっている時こそ、希望はみつけやすいものだわ・・・・・・
     ・・・生きていれば、必ず幸せは訪れるのよ・・・・・・・」

( ^ω^)「カーチャン・・・・・・・・・・」

J( 'ー`)し「ブーン、この世に幸せな人間はいないわ・・・・・・・・・・・
     人は、不幸になったとき、初めて自分が幸せだったと気付くの。
だからブーンは今、今が幸せだと感じれる心を持ってちょうだい・・・・・・・」

( ^ω^)「・・・・・・・・・・・・・・わかったお」
802 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/01(水) 22:40:33.01 ID:Rri0wD56O
J( 'ー`)し「私はブーンのおかげで、幸せを感じることができたわ・・・・・・・・・・・・・」

( ;ω;)「・・・・・・・うっ・・・・・・・カーチャン・・・・・・」

J( 'ー`)し「それじゃあね、ブーン。元気に生きるのよ・・・・・・」

( ;ω;)「カーチャン!!!!!まってお!!!!!僕もいくお!!!!!」

('A`)「ブーン!!!」


(#;ω;)「放せお!!!」


(´・ω・`)「ブーン!!!!!」


(#;ω;)「カーーチャーーーーン!!!!」


('A`)「ブーン!!!」


( ;ω;)「うわぁぁぁぁぁああああん」


(´・ω・`)「ブーン!!!!!!!!」
811 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/01(水) 22:54:22.87 ID:Rri0wD56O
('A`)「ブーン!!!!!!!!!!」




( ;ω;)「・・・・・はっ」


ブーンは目を覚ました。

慌てて時計を見る。3時半、よかった、遅刻じゃない。


('A`)「おーーいブーン!!!」


ドクオがもう来ているらしい。
いそいで用意をして外に出た。


('A`)「まったく・・・・・・寝てんのかと思ったよ」

( ^ω^)「・・・・・・・・ご・・・・・・ご・・・・・・・」

現実ではやはり夢のようにはいかなかった。

( ^ω^)“ごめんだお”


二人は急いでバイト先へ向かった。
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