- 153 : ◆xJiyHZHPtM :2006/01/31(火)
01:13:57.59 ID:HwoOEM10O
- ブーンが学校に行く用意をしていると、ドクオが家に来た。
('A`)「おーい、ブーン!!!!」
( ^ω^)「・・・・??」
ブーンは外に出た。
( ^ω^)“どうしたお”
('A`)「警察から連絡があったんだ!!」
( ^ω^)「・・・・・!!!」
- 161 : ◆xJiyHZHPtM :2006/01/31(火)
01:31:10.01 ID:HwoOEM10O
- ( ^ω^)“ショボンはどこにいるんだお?”
('A`)「警察病院にいるんだってよ!!」
( ^ω^)“ショボン、治ったのかお?”
('A`)「わからない、ただ警察から連絡があって、とりあえず来てくれって言われたんだ」
2人は学校を休み、急いで警察病院へと向かった。
警察病院まではドクオの家の自転車を借りていった。
- 170 : ◆xJiyHZHPtM :2006/01/31(火)
01:55:44.18 ID:HwoOEM10O
- 二人が警察病院につくと、そこにはすでにショボンの両親が来ていた。
J(´・ω・`)し「あら、2人も来てくれたの?」
('A`)「はい」
(`・ω・´)「君達がショボンを助けてくれたんだよね。本当に感謝してるよ」
('A`)「いえいえ」
( ^ω^)「・・・・・・・・・・・」
四人は病院内に入っていった・・・・
- 182 : ◆xJiyHZHPtM :2006/01/31(火)
02:08:47.09 ID:HwoOEM10O
- 中に入ると、四人は個室に連れていかれた。
警察「とりあえずそこにお座り下さい」
四人は席につく。
ブーンのお母さんが最初に口を開いた。
J(´・ω・`)し「ショボンは、息子はいまどこに・・・・・・」
警察「今は別室で寝ています」
(`・ω・´)「それで・・・・・・・・・・息子は・・・・・・」
警察「結論から言うとですね・・・・・・・・・」
('A`)「・・・・・・・・・・」
警察「・・・・・・・なにも分かりませんでした」
(`・ω・´)「・・・・・・・・・・そうですか・・・・・・」
- 195 : ◆xJiyHZHPtM :2006/01/31(火)
02:17:12.84 ID:HwoOEM10O
- 警察「レントゲンや脳の調査など、あらゆる箇所を調べましたが、どこにも異常はありませんでした」
J(´・ω・`)し「今でも・・・・・・・・自殺しようとしてるんですか・・・・?」
警察「・・・・・はい。目を離すことが出来ない状態です・・・」
(`・ω・´)「・・・・・・・息子は・・・・・どうなるんですか!?」
警察「つねに自殺しないよう見張り、点滴を続ければ生きていることは出来ます・・・・・が」
(`・ω・´)「・・・・・・・・・が・・?」
- 202 : ◆xJiyHZHPtM :2006/01/31(火)
02:27:20.10 ID:HwoOEM10O
- 警察「本人に生きる意志がないんです。生きる意志がない人間は、例え点滴を打ち続けたとしても、
おそらくどんどん弱っていくでしょう・・・・」
J(´・ω・`)し「そんな・・・・・・・・・・・」
('A`)「・・・・ちくしょう・・・・・・・・・」
警察「それと、ショボン君のカウンセリングにあたった人間がいます。
おそらく我々よりはショボン君について把握できているでしょう」
(`・ω・´)「その人は・・・・・・・・」
警察「今呼んできます。少し待っていてください」
( ^ω^)「・・・・・・・・・・・・・」
- 225 : ◆xJiyHZHPtM :2006/01/31(火)
03:24:33.54 ID:HwoOEM10O
- カウンセラーが来るまでの間、四人は無言のままだった。
ただ、ショボンのカーチャンは少し泣いているようだった。
ガチャ
ドアが開き、カウンセラーらしき人が入って来た。
ξ゚听)ξ「どうも、今回ショボン君のカウンセリングにつとめさせていただいてます、ツンと申します」
- 231 : ◆xJiyHZHPtM :2006/01/31(火)
03:29:48.55 ID:HwoOEM10O
- (`・ω・´)「・・・・お世話になってます・・・・・・・ショボンの父親です」
J(´・ω・`)し「母です」
ξ゚听)ξ「両親ですね・・・・ショボン君が心配だと思いますが・・・今はとりあえず私の話を聞いてください」
('A`)「・・・・・・・・・・」
カウンセラーの女は話を始めた。
- 234 : ◆pcKGa3wZuc :2006/01/31(火)
03:36:59.05 ID:HwoOEM10O
- ξ゚听)ξ「彼にはまずドッペルゲンガーにあった時のことを聞いたんですが、全く喋ってくれませんでした。
何を聞いても、死なせてくれ、殺してくれ、こればっかりなんです」
J(´;ω;`)し「うっ・・・・・・・・・・・・」
ξ゚听)ξ「すいません・・・・・・・お辛いとは思いますが・・・・・・」
J(´;ω;`)し「いいんです・・・・・・・・続けてください・・・・・・・・・・」
ξ゚听)ξ「・・・・・・はい。そして私は、じゃあなぜ死にたいのかを聞きました。」
( ^ω^)「・・・・・・・・・・・・」
- 236 : ◆xJiyHZHPtM :2006/01/31(火)
03:44:00.09 ID:HwoOEM10O
- ξ゚听)ξ「するとショボン君は、こんな世の中、生きていても意味がない、辛いだけだ、こう言ったのです」
('A`)「・・・・・・そういえばそんなこと言ってたな、あの日」
ξ゚听)ξ「私は彼と話していて、ある印象を受けました」
(`・ω・´)「印象・・・・・・・?」
ξ゚听)ξ「はい。それは、絶望、です。彼はあまりに大きな絶望を背負っている、そんな感じがしました」
- 238 : ◆xJiyHZHPtM :2006/01/31(火)
03:56:59.64 ID:HwoOEM10O
- 絶望。
ξ゚听)ξ「ショボン君は、ドッペルゲンガーにあう前は、自殺願望などはなかったんですよね?」
J(´・ω・`)し「はい・・・・・・・・・」
('A`)「それは俺が保証します。俺達は毎日あいつと遊んでたけど、そんなことは一度も言ったことないです」
ξ゚听)ξ「つまり、ドッペルゲンガーにあって、心境が変わった・・・・・・・・
いや、絶望を植え付けられた・・・・・・ってことでしょうか・・・・・・・・・・
あるいは、ドッペルゲンガーは絶望そのものなのかもしれません・・・・・・・・・・・・」
( ^ω^)「・・・・・・・・・・・・」
- 317 : ◆xJiyHZHPtM :2006/01/31(火)
15:01:20.68 ID:HwoOEM10O
- ('A`)「・・・・・・・・・・絶望・・・ですか・・・・・」
ξ゚听)ξ「はい・・・・・・しかしこれは私の勝手な想像です・・・・・・・・
それにドッペルゲンガーがなぜ大量に現れているかは・・・・・わかりません」
(`・ω・´)「そうですか・・・・・・・」
ξ゚听)ξ「お役に立てなくて、申し訳ございません・・・・・・」
J(´・ω・`)し「ショボンには・・・・ショボンには会えるんですか??」
ξ゚听)ξ「今は薬で眠っていますが・・・・・・・お会いすることはできます」
J(´・ω・`)し「ほんとですか!!一目でだけでもいいんで、会わせてください!!」
ξ゚听)ξ「・・・・・・わかりました、ではついてきてください。」
四人はカウンセラーのあとについて部屋を出た。
- 323 : ◆xJiyHZHPtM :2006/01/31(火)
15:44:10.05 ID:HwoOEM10O
- ・
・
・
ξ゚听)ξ「こちらです」
ショボンのお父さんを先頭に、四人は部屋に入った。
J(´・ω・`)し「あぁ・・・・・・・・ショボン・・・・・・」
透明のビニールに仕切られたベッドの上に、ショボンはいた。
数箇所に管がついていて、そこから養分を取り入れているらしい。
身体は痩せこけ、顔色も悪く、とても生きているようには見えなかった。
('A`)「ショボン・・・・・・・・・」
ξ゚听)ξ「ねんのため、ビニールの中には入らないようにしてください・・・・」
そういうと、その女は部屋から出ていった。
- 333 : ◆xJiyHZHPtM :2006/01/31(火)
16:14:33.87 ID:HwoOEM10O
- J(´;ω;`)し「ショボン・・・・・・・・かわいそうに、こんなんなっちゃって・・・・・・・」
( ^ω^)「・・・し・・・・・・し・・・しょ・・・・・・・・」
スー・・・・スー・・・・・スー・・・・・
ショボンの息をする音が聞こえる。
('A`)「・・・・・・・・・・がんばれ、ショボン・・・・・」
(`・ω・´)「・・・・・・・・・・死なないでくれ・・・・・・ショボン・・・!!」
ショボンは寝たまま動かない。
今目の前にいるショボンは、また前のようなショボンに戻ってくれるのだろうか。
('A`)「・・・・・・・・・ブーン、俺達は出よう・・・・」
ブーンは黙ってうなずき、ショボンの親を残して部屋を出た。
- 343 : ◆xJiyHZHPtM :2006/01/31(火)
17:12:02.51 ID:HwoOEM10O
- ('A`)「・・・・・・・・・あいつ・・・・どうなるんだろう・・・・」
( ^ω^)「・・・・・・・・・・・・・」
('A`)「もう・・・・・・・無理なのかな・・・・・・・・」
( ^ω^)“あきらめちゃだめだお”
('A`)「・・・・・・・・・・・・・・・」
『絶望こそ希望そのものだ』
カーチャンから聞いたこの言葉を、ブーンは思い出していた。
- 349 : ◆xJiyHZHPtM :2006/01/31(火)
17:37:31.76 ID:HwoOEM10O
- もし、あの女が言うように、絶望がショボンをあの状態にしているなら、
ショボンを助ける方法はある・・・・・・・・・
ブーンはそう思った。
('A`)「・・・・・ここにいつもしかたない・・・・・・・・・・・帰るか」
( ^ω^)“うん”
- 356 : ◆xJiyHZHPtM :2006/01/31(火)
18:02:31.76 ID:HwoOEM10O
- ・
・
・
ふたりはドクオの家についた。
( ^ω^)“ドクオ、おねがいがあるお”
('A`)「どうした?」
( ^ω^)“余ってる電池があったら、ゆずってほしいお”
('A`)「電池?何に使うんだ?」
( ^ω^)“ラジオの電池が切れたんだお”
('A`)「わかった。ちょっと待っててくれ」
- 359 : ◆xJiyHZHPtM :2006/01/31(火)
18:14:05.42 ID:HwoOEM10O
- ドクオが電池を沢山持って戻ってきた。
('A`)「これでいいか、ブーン?」
( ^ω^)“こんなにいいのかお?”
('A`)「あぁ、いいよ。それとさ、その自転車も使っていいよ」
( ^ω^)“それは悪いお”
('A`)「いいんだよ、自転車のほうがドッペルゲンガーにあったときも安全だしさ」
( ^ω^)“・・・・・・・ありがとうだお”
('A`)「じゃあ気を付けて帰れよ」
( ^ω^)“うん、ばいばいだお”
- 368 : ◆xJiyHZHPtM :2006/01/31(火)
18:50:16.61 ID:HwoOEM10O
- ブーンは家につくと、早速ラジオに電池を入れ、スイッチを押した。
最近いろんなことがありすぎて、ニュースを聞いていなかった。
《武雲ニュースの時間です・・・・・・・》
ブーンはニュースを聞きながら、ご飯の用意をしようとした。
( ^ω^)oΟ(・・・・・・・しまった!!・・・・・・・もう玄米ないんだったお)
- 374 : ◆xJiyHZHPtM :2006/01/31(火)
18:57:48.62 ID:HwoOEM10O
- ( ^ω^)oΟ(くそー・・・・・・・・腹減ったお・・・・・・・)
ドクオの家に行くことも考えたが、いきなり行くのも悪いのでこの日はあきらめることにした。
( ^ω^)“カーチャンごめんだお。今日は夕飯我慢してほしいお”
- 382 : ◆xJiyHZHPtM :2006/01/31(火)
19:23:52.15 ID:HwoOEM10O
- ( ^ω^)oΟ(やっぱりバイトを探さないとだめかもわからんお・・・・・・・)
ブーンはすることもなくなり、横になった。
家はあるものの、まるでホームレスになった気分だ。
・
・
・
ラジオから聞こえてくるニュースは、やはり世界の戦争の話ばかりだ。
- 404 : ◆xJiyHZHPtM :2006/01/31(火)
20:08:48.75 ID:HwoOEM10O
- もとはブウェート王国とアメソカの争いだったものが、
いまや第三次世界大戦になりつつあるらしい。
ブウェート王国は日本に対しても攻撃をしかけるという声明を出していた。
( ^ω^)oΟ(いったい世界はどうなるんだろうお・・・・・・・・)
アメソカは日本が攻撃を受けたときは全力で支援するといっていたが、
はたして本当なのだろうか・・・・・・・・
それにニュースでは言っていないが、敵は人間だけではない。
まさに、世界は絶望に包まれていた・・・・・