163 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/14(火) 20:42:45.69 ID:zQfWieaDO
ドクオはステージに上がった。


('A`)「ブーン・・・・・・・・音が出ないんだ・・・・・」

(;^ω^)“・・・・・じゃあどうするんだお・・・・・・・ここまできてやめるのかお?”

('A`)「そういう分けにはいかないよ・・・・・・・・ショボンが聞きたがってるんだから」

(;^ω^)「・・・・・・・・・・」

('A`)「ブーン・・・・・・音楽なしで歌えるか・・・・?」

( ^ω^)“・・・・・・・分かんないお・・・・・・”

('A`)「・・・・・けどそれしかないよ・・・・・・・・」

( ^ω^)“・・・・・・でも何を歌えばいいか・・・・・・”

('A`)「なんでもいいよ。ブーンが歌いたい歌を歌えばいい。ショボンもそれを望んでるよ」

( ^ω^)“わかったお・・・・・・”
169 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/02/14(火) 21:14:05.92 ID:zQfWieaDO
('A`)「じゃあブーン、頑張れよ・・・・」


ドクオブーンの肩を叩き、ステージを降りた。


(;^ω^)oΟ(・・・・・・・どうしよう)


体育館にいる人間のほとんどがブーンに注目しているため、このまま黙っているわけにもいかない。


( ^ω^)「い・・・・・・・い・・・いい・・・・・・い、いま・・・・い・・・・」


いつの間にかブーンのどもり症は前と同じに戻ってしまっていた。
173 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/14(火) 21:25:28.34 ID:zQfWieaDO
( ^ω^)「う・・・・・・・う・・・・・うた・・・・うたう・・・・・お・・・・」


体育館は静まりかえっていた。

明らかにブーンは変な目で見られている。

まぁこんな喋り方だからしかたがないのだろう。


(;^ω^)「き・・・・・・・・・・き・・・・聞いて・・・・・・・・く・・・・・・・く・・」


(´・ω・`)「・・・・・・・・・・ブーン・・・」
178 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/14(火) 21:39:34.98 ID:zQfWieaDO
とりあえずブーンは歌を歌うことにした。
このまま頑張って喋り続けても、きっとなにも伝わらないだろう。


( ^ω^)「・・・ね・・・・・・・ね・・ね・・・・・・・」



歌い出しがうまくいかない。

どもり症のせいなのか・・・・・・緊張しているからなのか・・・・・・・・


(;^ω^)「・・・ね・・・・ね・・・・・・・・ね・・・・ね・・・・」


ブーンはだんだん焦ってきていた。
190 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/14(火) 21:57:14.08 ID:zQfWieaDO
ドクオ達は他の人たちに混ざって、ステージにいるブーンを見ていた。


('A`)「おいおい・・・・・・・大丈夫かよ・・・・・・」

( ゚∀゚)「どもり症に戻っちゃったんじゃないか・・・・・・・?」

('A`)「あいつはどもり症でも、歌だけは歌えたんですよ・・・・・・」

( ゚∀゚)「そうなのか・・・・・・・・不思議なこともあるもんだな・・・・・・・・・」

(´・ω・`)「・・・・・・・・・・・・・」

( ゚∀゚)「・・・・・・・・・・・・じゃあなんで・・・・・・歌えてないんだ?」

('A`)「分かんない・・・・・・・・・・けど緊張してんじゃないかな・・・・・・・」




(;^ω^)oΟ(やばいお・・・・・・歌えないお・・・・・・)
204 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/14(火) 22:12:34.62 ID:zQfWieaDO
(´・ω・`)「ブーン!!!頑張れーー!!!!」


突然ショボンが大声で叫んだ。

周りの人たちはびっくりしてショボンを見ている。
ドクオもそのなかの一人だった。



(´・ω・`)「ブーン!!!・・・・・・落ち着いて・・・・・リラックスだよ!!!!」

('A`)「・・・・・・・ショボン・・・・・・」


(´・ω・`)「焦んなくて・・・・・いいから・・・・・・ずっと・・・・待ってるからさ!!!」


( ゚∀゚)「・・・・・・・・・・・」





220 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/14(火) 22:24:36.79 ID:zQfWieaDO
('A`)「・・・・・・・・・・・・ブーン!!!頑張れーーー!!!」


ドクオは目一杯大声を出した。


( ゚∀゚)「頑張るんだブーン!!!」


ジョルジュさんも続く。


川'A')「ブーンおにーちゃーん!!!!」

(`・ω・´)「・・・・・・・・頑張れ・・・・ブーン君・・・・・・」


(´;ω;`)「・・・・ブーン・・・・・・・頑張れ・・・・・・」


気付くとショボンは涙を流していた。
231 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/14(火) 22:36:59.00 ID:zQfWieaDO
「頑張れーーー!!」

「落ち着けよーーー!!」


周りからもちらほらと声があっている。



(´;ω;`)「ブーン!!!!頑張れーーー!!!」


ショボンは何度も何度も繰り返し叫んでいた。
246 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/14(火) 22:52:58.47 ID:zQfWieaDO
( ^ω^)oΟ(みんな・・・・・・・・・)


みんなが応援してくれているのが聞こえてきた。
ショボンの声も聞こえてくる。


( ^ω^)「じゃ・・・・・・じゃあ・・・・う・・・・・うた・・・・・・・・・うお・・・・・!!!」


さっきまでは無反応だった人たちから、拍手が返ってきた。

「頑張ってーー!!!」

「ブーン君頑張れーーー!!!!」



突然体育館の電気が消え、ステージの上に照明が照らされた。
誰かの・・・・・・・・恐らく先生のはからいだろう。


体育館は再び静まりかえる・・・・・・


('A`)「・・・・・・・・・・」
256 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/14(火) 23:21:57.42 ID:zQfWieaDO
( ^ω^)「ね・・・・・・・・・ね・・・・・」


(´・ω・`)「頑張れ・・・・・・・・・・ブーン・・・・・・」


ブーンは一度呼吸を整え、再び口を開く。


( ^ω^)「・・・・熱が出たりすると〜  気付くんだ  僕には身体があるってこと〜

     鼻がつまったりすると〜  分かるんだ  今まで呼吸をしてきたこと〜

     君の存在だって何度も確かめはするけど〜  本当の大事さはいなくなってから知るんだ〜」
281 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/15(水) 00:00:09.31 ID:HS4qNNHpO
( ^ω^)「のべられた手を拒んだ  その時に〜  大きな地震が起こるかもしれない

     のべられた手を守った  その時に  守りたかったのは自分かもしれない

     君の存在だってもうずっと抱き締めてきたけど  本当に怖いから離れられないだけなんだ

ランラララーラー・・・・・・・・・・」


('A`)「・・・・・・・」

( ^ω^)「人と話したりすると〜  気付くんだ  伝えたい言葉がないってこと〜

     適当にあわせたりすると〜  わかるんだ  伝えたい気持だらけってこと〜

     君の存在だってこうして伝え続けるけど  本当のありがとうはありがとうじゃ足りないんだ」
283 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/15(水) 00:01:17.82 ID:HS4qNNHpO
( ^ω^)「年を数えてみると〜  気付くんだ  些細でも歴史を持っていたこと〜

     それとほぼ同時に〜  わかるんだ  それにも終わりが来るってこと〜

     君の存在だっていつでも思い出せるけど  本当に欲しいのは思い出じゃない  今なんだ〜

     君を忘れた後で〜  思い出すんだ  君との歴史を持っていたこと〜

     君をなくした後で〜  見つけ出すんだ  君との出会いがあったこと

     誰の存在だって世界ではとるにたらないけど  誰かの世界はそれがあって作られる

     君の存在だって何度も確かめはするけど  本当の存在は  いなくなってもそこにいる〜・・・

     ランラララーラー・・・・・・・・・」


(´・ω・`)「・・・・・・・・・・・・・・・」
330 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/15(水) 00:37:14.00 ID:HS4qNNHpO
パチパチ・・・・・・・


どこからか拍手が鳴り始め、その音はだんだん大きくなっていく。


( ^ω^)「あ・・・・・あ・・・あり・・・・が・・・が・・・とう・・だ・・・・お・・・」


やがて拍手の音は体育館全体を包み込んでいった。


('A`)「よかったな・・・・・・・・ショボン・・・・・・」

(´;ω;`)「あぁ・・・・・・・・最後にブーンの歌が聞けて良かったよ・・・・・・・・」

('A`)「死んだらもうブーンの歌が聞けなくなるんだぞ・・・それでも・・・・・・・」

(´;ω;`)「もう俺は満足だよ・・・・・・・・何を言われようと・・・・もう決めたことなんだ・・・」

('A`)「・・・・そう・・・・・・か・・・・」
333 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/15(水) 00:39:09.56 ID:HS4qNNHpO
人々は拍手をしたまま、ステージに近寄ってきた。


「よかった!いい歌だったよ!」

「歌うまいな!感動したよ!!」


( ^ω^)「あ・・・・ありが・・・・・と・・・だ・・・・だお・・!!」


「またいつか歌ってくれよな!」

「その時は教えてくれよ!!」

( ^ω^)「わ・・わ・・・・わわ・・・わかっ・・・・た・・・お・・・・!」





その時、人混みをかきわけ一人の男がステージの上にのぼってきた・・・・・






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