- 683 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/13(月)
20:08:07.18 ID:sLyEzynuO
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(´<_` )「校長!体育館が大変なことになっているとの連絡が先生から来ました・・・・」
( ´_ゝ`)「どうした・・・?」
(´<_` )「体育館の外いるドッペルゲンガーが、無理矢理中に入ろうとしていると・・・・・」
( ´_ゝ`)「どれ・・・・・」
校長は椅子から立ち上がると、カーテンを開けて外をみた。
二人のいる放送室は校舎の二階にあり、窓からは体育館が見渡せる。
( ´_ゝ`)「あー・・・・・確かにまずいことになってるな・・・・・」
- 695 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/13(月)
20:42:10.01 ID:sLyEzynuO
- 校長はカーテンを閉じ、再び席についた。
(´<_` )「あれ以来日本政府からの連絡は来ないんですか?」
( ´_ゝ`)「あぁ・・・・・・・・・こっちからも呼び掛けてるんだが・・・・・繋がらないんだ」
(´<_` )「そうですか・・・・・・・・どうなっちゃってるんでしょうね・・・・・・・」
( ´_ゝ`)「さぁな・・・・・・・・・まぁ今は我々の身の安全が第一だよ」
(´<_` )「そうですね。どうにかして体育館の中の人達を救わないと・・・」
( ´_ゝ`)「いや・・・・・まぁそれもそうだが・・・・」
(´<_` )「・・・?」
( ´_ゝ`)「私達のことだよ。さっき校舎の入り口に二人、人影が見えたぞ・・・・・」
(´<_`;)「・・・・・」
- 700 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/13(月)
20:51:30.81 ID:sLyEzynuO
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('A`)「ふぅ・・・・・・・・なんとか落ち着きましたね・・・・・・・」
( ゚∀゚)「あぁ・・・・・・だがいつまでもつか・・・・・・」
ドクオ達は力を合わせ、倉庫にあった木製の板で体育館中の窓という窓を全て塞いだ。
どうにかドッペルゲンガーの侵入は止まったが、今もドンドン、と
外から板を叩く音が聞こえてくる。
木で出来た即席のバリケードは、叩かれるたびにミシミシと音を立てて軋んでいた。
- 704 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/13(月)
21:04:41.99 ID:sLyEzynuO
- ( ^ω^)“でもあれを破られたらどうするお?”
('A`)「・・・・・・人の手で登って来れないように塞ぎ続けるしかないな」
( ゚∀゚)「もうこりごりだぜ・・・・・・・・・・これ以上火傷したくねーよ・・・・・・」
( ^ω^)“大丈夫かお?”
( ゚∀゚)「ん・・・・・まぁたいしたことはなかったけどな・・・・・・・」
('A`)「・・・・・・・・やっぱり最後は死人がでるのは覚悟でドアを開けることになるのかな・・・・・」
( ゚∀゚)「このままずっとここにいる訳にもいかないからな・・・・・・」
- 719 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/13(月)
21:20:57.28 ID:sLyEzynuO
- ( ^ω^)“そういえば戦争はいまどうなってるお?”
('A`)「分かんないな・・・・・・・ブーン、ラジオ持ってきたか?」
( ^ω^)“いやぁ、ショボンの家から直接来たから持ってきてないお”
('A`)「そうか・・・・・・そうだったな・・・・・・・・ショボンのお父さん、ラジオって持ってますか?」
(`・ω・´)「・・・・・・・・」
('A`)「・・・・・・・・・・」
ショボンのお父さんはさっきから一言も喋ろうとしない。
それはまるでドッペルゲンガーにやられた人間のようだった。
- 723 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/13(月)
21:32:33.37 ID:sLyEzynuO
- 死体を置いておくのに適する場所がないため、ショボンのお母さんは未だにショボンの傍に横たわっている。
ショボンもずっと口を閉じたまま、無表情でショボンのお母さんを見つめていた。
('A`)「その・・・・・・・・元気・・・・出してくださいよ・・・・」
(`・ω・´)「・・・・・・・・・・・すまない」
( ゚∀゚)「・・・・・・・・・・・」
( ^ω^)“ショボン・・・・・・・頑張るお・・・・”
(´・ω・`)「・・・・・・・・・・」
ブーンはブーンなりのメッセージをショボンに伝えようとしたが、ショボンには見えていないようだった。
- 725 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/13(月)
21:51:25.19 ID:sLyEzynuO
- (´<_`;)「校長!なんとかしないと私たちもあの体育館と同じ状況になってしまいますよ!」
( ´_ゝ`)「もうなってるじゃないか・・・・」
(´<_`;)「そうじゃなくて、ドッペルゲンガーが中に入ってきちゃうってことですよ!」
( ´_ゝ`)「校舎は鍵も掛けてるし大丈夫だよ。万が一入ってきても、そこにもドアがあるだろ」
(´<_`;)「そこのドアまで来たらもう終わりじゃないですか!」
( ´_ゝ`)「冗談だよ、校舎には入ってこれない。安心しろ」
(´<_` )「・・・・・・・・・・・そうですかね・・・・・・・」
ドンドンドンドン!!!
放送室の入り口のドアが、音を立てて揺れた。
(´<_`;)「・・・・・・・」
(; ´_ゝ`)「・・・・・・・・・」
- 749 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/13(月)
22:19:58.95 ID:sLyEzynuO
- 体育館内は、唯一ドッペルゲンガーが入ってこようと板を叩く音を除いては、静まりかえっていた。
死者がでたこともあり、みんな疲れきっているのだろう。
ドクコちゃんも泣くのをやめ、ドクオのお母さんの膝に頭を乗せて眠っている。
体育館内にいる3人の先生は、ステージのすみでなにやら話し合いをしているようだ。
おそらくこれからどうするかを話し合ってるのだろう・・・・・・・
- 763 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/13(月)
22:45:32.43 ID:sLyEzynuO
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長い間、沈黙が続いていた・・・・・・・
板が叩かれる音はずっと続いていたが、以外と丈夫だったらしい。
だがこの先もずっともつとも限らない。
ミシミシと軋む音も、徐々に頼りなく、大きな音になってきているようだ。
板の隙間から光が射しこんできている。
時計を見ると昼の1時。
こんなにも一日を長く感じるのは初めてだった。
- 771 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/13(月)
23:00:49.71 ID:sLyEzynuO
- その沈黙を最初にやぶったのは、ショボンだった。
(´・ω・`)「なぁ・・・・・・・・・」
('A`)「ど・・・・どうした、ショボン?」
(´・ω・`)「二人なら・・・・・・・・あと、トーチャンなら分かってくれると思うんだ・・・・」
( ^ω^)「・・・・・・?」
- 788 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/13(月)
23:15:18.20 ID:sLyEzynuO
- (´・ω・`)「本当のお願いだ・・・・・・・・もう・・・・・・・・死なせてくれよ」
( ^ω^)「・・・・・・・・」
('A`)「・・・・・・何言ってんだよ・・・・・・・・せっかくここまで生き延びたんじゃないか」
(´・ω・`)「もういやだよ・・・・・・・・・・・・・死にたいんだよ・・・・・・」
('A`)「・・・・・・・・・・」
(´;ω;`)「二人ならわかるだろ・・・・・・オレが・・・どんなに辛いか・・・・・」
( ^ω^)「・・・・・・・・ショボン・・・・・・・・」
(`・ω・´)「・・・・・・・・・・」
- 794 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/13(月)
23:28:23.32 ID:sLyEzynuO
- ドクオはショボンの裾を掴んだ。
(´;ω;`)「もういやなんだよ!!死なせてくれよ!!!」
('A`)「・・・・・・・・・」
( ^ω^)“ショボンが死んだらみんなもっと辛いお・・・・・”
(`・ω・´)「・・・・・・・・・・」
(´;ω;`)「オレがここまで生きてこれたのはさ・・・・・・・・カーチャンのお陰なんだよ・・・・・・」
( ゚∀゚)「・・・・・・・・・」
(´;ω;`)「もちろん・・・・・・・トーチャンや・・・・・ドクオや・・・・・・うっ・・・・」
( ^ω^)「・・・・・・・・・」
(´;ω;`)「・・・・・・・ブーンにも・・・・・・感謝してるよ・・・・・・」
('A`)「ショボン・・・・・・・・」
- 805 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/13(月)
23:39:03.99 ID:sLyEzynuO
- (´;ω;`)「でもカーチャンがいなかったら・・・・・もうとっくにオレは死んでるよ・・・・・・・・」
('A`)「そんなことないよ・・・・・・・・・・・お前が頑張ったから、今も生きてるんじゃないか・・・・・」
( ^ω^)「・・・・・・・・・・」
(´;ω;`)「オレが入院してる時さ・・・・・・・・カーチャン毎日・・・・・弁当もって来てくれたんだ」
('A`)「・・・・・・そうだったんだ・・・・・・・・・・」
(´;ω;`)「オレは食べなかったんだ・・・・・・・・それでもさ、次の日また違う弁当を作って来るんだよ」
(`・ω・´)「・・・・・・・・・・・・・・・」
(´;ω;`)「なんかオレ・・・・・・・申し訳なくなってきてさ・・・・・・・」
- 814 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/13(月)
23:47:28.12 ID:sLyEzynuO
- (´;ω;`)「オレがいらないって言うとさ・・・・・・・わかったって言って・・・・・・・・」
('A`)「ショボン・・・・・・・」
(´;ω;`)「弁当を・・・・・鞄にしまってさ・・・・・・また次の日に・・・・・・」
( ^ω^)「・・・・・・・・・」
(´;ω;`)「なんかオレ悲しくなってきて・・・・・・・・・・食べるって・・・・言ったんだ」
- 823 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/14(火)
00:02:49.87 ID:zQfWieaDO
- (´;ω;`)「カーチャンすげー嬉しそうな顔してさ・・・・・・・・弁当を出してくれた」
( ;ω;)「・・・・・・・」
(´;ω;`)「オレの好物ばっかだったんだよ・・・・・・・・毎日毎日大好物ばっかりだった」
('A`)「・・・・・・・・・」
(´;ω;`)「・・・・そうしたらちょっと元気がでてきてさ・・・・・」
( ;ω;)「・・・・・・・・・・・うっ・」
(´;ω;`)「カーチャンの弁当があったから・・・・・・オレは今生きていられるんだよ・・・・・」
(`・ω・´)「・・・・・・・・・」
(´;ω;`)「退院させられてからもさ・・・・・・・オレの好きな物ばっかりで・・・・・・・」
- 829 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/14(火)
00:12:53.52 ID:zQfWieaDO
- (´;ω;`)「それなのにオレは・・・・・・・カーチャンに何もしてあげられなかった・・・・・・」
( ;ω;)「・・・・・・・・」
(´;ω;`)「オレ・・・・カーチャンに恩返しするためなら・・・・生きるのも悪くないかなって・・・・・
ほんの少しだけど・・・・・そう思ってたんだ・・・・・・」
(`・ω・´)「ショボン・・・・」
(´;ω;`)「でもカーチャンは死んじゃった!!結局なんにも・・・・・・してあげられなかった・・・・・」
(`・ω・´)「だから・・・・・・死ぬって言うのか・・・・・・?」
- 833 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/14(火)
00:21:05.67 ID:zQfWieaDO
- (`・ω・´)「そうじゃないだろ、ショボン。死んだカーチャンの為にも、少しでも長生きをする、
それがお前のできる唯一の・・・・・・・・親孝行だろ」
( ;ω;)“そうだお・・・・・・死んだって・・・・・なんにもならないお”
('A`)「ショボン・・・・・・・お願いだよ・・・・・」
( ゚∀゚)「・・・・・・・・・・・・」
(´;ω;`)「みんな・・・・・・・・・・でもオレは・・・・・・死ぬよ」
- 843 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/14(火)
00:32:24.32 ID:zQfWieaDO
- ('A`)「なんでだよ・・・・・・・ショボン・・・・・・」
(´;ω;`)「ドクオ・・・・・・・分かってよ・・・・・」
('A`)「・・・・・・・・・・・・・・・・分かんないよ・・・・・・・」
(´;ω;`)「なんと言われようと・・・・・・・・・もう無理なんだよ・・・・・・・・・」
('A`)「・・・・・・・・・・・」
ショボンはすっと立ち上がった。
(´;ω;`)「ブーン・・・・・・一緒に遊んだりして・・・・・・すごく楽しかったよ」
( ;ω;)「・・・・あっ・・・・うぇ・・・・・・・」
(´;ω;`)「早くどもり症が治るといいな・・・・・・・・・・・・」
( ;ω;)「う・・・・・・・・・・・うぅ・・・・・・うん」
(´;ω;`)「オレがあげたラジオ・・・・・・・・・・だいじに使ってくれよな・・・・」
( ;ω;)「うぁ・・・・・・・・・あぅ・・・・うぅ・・・」
- 852 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/14(火)
00:43:18.08 ID:zQfWieaDO
- (´;ω;`)「・・・・・・トーチャン・・・・・・・・・・・・・・・・」
(`・ω・´)「・・・・・・・・・・・・ショボン・・・・・」
(´;ω;`)「うわぁぁぁぁぁあああああああああああああぁぁぁ・・・」
ショボンはトーチャンに抱きついた。
(´;ω;`)「・・うっ・・・・ごめん・・・・トーチャン・・・・ごめん・・・・」
(`・ω・´)「・・・・・・・ショボン・・・・・・・お前にこれ以上辛い思いはさせたくない・・・・・・・」
(´;ω;`)「うぅ・・・・・うあ・・・・うぅぅ・・・・・・・・」
(`;ω;´)「お前の・・・・・・やりたいようにやれ・・・・・もう・・・・・止めないから・・・・・」
(´;ω;`)「あ・・・・・・・あり・・・がと・・・・・う・・・うぅ・・・」
- 875 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/14(火)
01:03:58.66 ID:zQfWieaDO
- ショボンはトーチャンから離れた。
(´;ω;`)「ありがとう・・・・・・・・みんな」
そのままショボンは後ろを向く。
(´;ω;`)「倉庫には・・・・・・・・・・暫く近づかないでね・・・・・・・」
そう言い残して、ショボンは歩きだした。
もう誰も止めに行くことは出来なかった。
( ;ω;)「・・・・・・・・」
('A`)「・・・・・・・・・・・」
(`;ω;´)「・・・・・・・・・・・」
ショボンは振りかえることなくゆっくりと、一歩一歩を踏みしめて歩いていく。
ショボンがだんだん小さくなる・・・・・・・
( ;ω;)「・・・・・・・・・・ショボンーーーーーーーー!!!!!!!!!」