- 49 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/10(金)
23:59:42.19 ID:ZVBAbugTO
- ('A`)「こっちです、来て下さい」
ドクオはショボンのお父さんを、自分達が確保していた場所に案内した。
ショボン、ドクオのカーチャン、ドクコ、ジョルジュさんの四人はまだ眠っている。
('A`)「ここです」
(`・ω・´)「・・・・・・・・・・」
ショボンのお父さんは背負っていたショボンのお母さんを、静かに床に下ろした。
仰向けに横たわったショボンのお母さんは、
まるで入院した頃のショボンの様だった。
- 54 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/11(土)
00:03:37.02 ID:ZVBAbugTO
- ('A`)「ショボンのお母さんの火傷は・・・・・・・・大丈夫なんですか?」
(`・ω・´)「ここに来るまでにいくつか病院に寄ったんだか・・・・・・・・・どこもやっていなかった」
( ^ω^)「・・・・・・・・」
(`・ω・´)「火傷はかなりひどい状態だよ・・・・・このまま放っておいたらどうなるか・・・・・・」
('A`)「・・・・・・・・・・」
(`・ω・´)「私があのときもっとしっかりしていればこんな事には・・・・・・・」
('A`)「自分を責めちゃだめですよ・・・・」
(´・ω-`)「・・・・・・・・・ん・・・?」
- 66 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/11(土)
00:12:09.05 ID:3Wrzt/MWO
- ('A`)「あ・・・・・ショボン、おはよう・・・・」
(´・ω・`)「あぁ、おはよう・・・・・・・・・・・・・・・・・!!!」
(`・ω・´)「ショボン、心配かけて悪かったな」
(´・ω・`)「トーチャン!!!無事だったんだ!!!」
(`・ω・´)「あぁ・・・・・・・」
(´・ω・`)「よかった・・・・・・・ん?カーチャン・・・・・・・?」
(`・ω・´)「カーチャンは私をかばって・・・・・・・・自分のドッペルゲンガーにやられてしまった・・・・・」
(´・ω・`)「え・・・・・・・・・・」
- 70 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/11(土)
00:18:08.76 ID:3Wrzt/MWO
- (´・ω・`)「うそだ・・・・・・・・・カーチャン!!返事しろよカーチャン!!!」
('A`)「ショボン・・・・・・・・」
(´・ω・`)「なんで起きないんだよ!!!カーチャンどうしちゃったんだよ!??」
(`・ω・´)「カーチャンはな・・・・私のドッペルゲンガーにもやられて・・・・・・腹に大火傷をしてる」
(´・ω・`)「・・・・・・・・」
(`・ω・´)「今は気を失ってるんだ・・・・・・・・そっとしといてあげてくれ」
(´・ω・`)「・・・・・・・・カーチャン・・・」
- 76 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/11(土)
00:39:33.88 ID:3Wrzt/MWO
- 少しして、他の三人も目を覚ました。
体育館にいる人々も少しだが起き始めている。
そして、外の状況が徐々に体育館内部の人間に知れわたっていった。
「おい、窓から外見てみろよ!!」
「なんだ・・・・・・?」
「ドッペルゲンガーだよ!!」
「あれがそうなのか??」
「うわぁ!!俺がいるよ・・・・・!!」
「まじかよ・・・・・・・・・もう外出れないじゃねーか!!」
- 42 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/11(土)
21:00:24.18 ID:3Wrzt/MWO
- ブーンは再びはしごを登り、もう一度外を見た。
100人はいるだろうか・・・・・・さっき見たときよりは、確実に増えている。
( ゚∀゚)「なんだ?どうしたんだ?」
('A`)「外にドッペルゲンガーが集まってきてるんですよ・・・・・」
( ゚∀゚)「・・・!!・・・やっぱりドッペルゲンガーは本人に引き寄せられるんだな・・・・・」
川'A')「カーチャン・・・・・・・怖いよ・・・」
8('A` )8「大丈夫よ・・・・・・・そのうちいなくなるわ・・・・・・」
('A`)「おーいブーン!その中に俺たちの誰かのドッペルゲンガーはいるか?」
ドクオははしごの上にいるブーンに向かって叫んだ。
- 45 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/11(土)
21:07:33.24 ID:3Wrzt/MWO
- ( ^ω^)「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!!」
いた。
さっき見た時はいなかったのに、今はいる。
ドクオとジョルジュさんが、ドッペルゲンガーの群れの中にはっきりと見えた。
(;^ω^)「・・・・・・・・・」
('A`)「おーいブーン・・・・・どうした?」
はしごの上からでは会話が出来ないので、ブーンはとりあえずはしごを降りる。
降りながら、ブーンは考えた。
これは二人に伝えるべきなのだろうか・・・・・
- 47 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/11(土)
21:11:31.32 ID:3Wrzt/MWO
- 結論のでないまま、ブーンは床に着いた。
('A`)「どうだったんだよ・・・・・?」
( ^ω^)「・・・・・・・・・」
('A`)「・・・・・・・・いたんだな・・・?」
( ^ω^)“・・・・・・・いたお”
8('A` )8「・・・・・!!!」
('A`)「で・・・・・・・誰のだ?」
( ^ω^)“・・・・・ドクオと・・・・・ジョルジュさん・・・・・”
( ゚∀゚)「・・・!!!」
('A`)「ついに俺にも来たのか・・・・・・・」
(`・ω・´)「・・・・・・・・」
('A`)「でも、ジョルジュさんのは俺が消したはず・・・・・」
( ^ω^)“でも・・・・・・確かにいたんだお”
- 54 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/11(土)
21:16:53.76 ID:3Wrzt/MWO
- ('A`)「いくら消しても無駄ってことか・・・・・」
( ゚∀゚)「・・・・・・」
(`・ω・´)「ということは私も安全じゃないってことだな・・・・」
8('A` )8「ドクオ・・・・・・・気を付けてね・・・・・」
('A`)「大丈夫だよ、母さん・・・・・」
川'A')「おにーちゃん・・・・・・・・」
(´・ω・`)「・・・・・・・・・・・」
- 57 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/11(土)
21:24:17.46 ID:3Wrzt/MWO
- 時間がたつにつれ、辺りは騒がしくなってきた。
「うわぁぁああああああん・・・・・外に僕がいるよぅ・・・・・・」
「もういやだ・・・・・俺は自分のドッペルゲンガーが来る前に逃げるぞ・・・・・・」
「俺もだ!早くドアを開けろ!!」
先生「落ち着いてください!」
「そうだ、落ち着け!!今ドアを開けたらどうなるか分かるだろ!!」
「うるせー!外にはまだ100人程度しかいないんだ!!今のうちに逃げた方が助かるやつも多いだろ!!」
「このままじゃ全員のドッペルゲンガーが来ちまうぞ!!」
「・・・・・・・・たとえ100でも見殺しには出来ない!!!」
「それはお前のドッペルゲンガーも来てるからだろ!!!」
- 92 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/11(土)
21:57:47.05 ID:3Wrzt/MWO
- (`・ω・´)「まずいな・・・・・・もしあいつらが無理矢理ドアを開けたら・・・・・・」
8('A` )8「ドクオ・・・・・・」
( ゚∀゚)「あいつら・・・・・・・」
('A`)「・・・・・今は先生達に頑張ってもらうしかないよ・・・・・」
何人かの人たちはドアを開けようとしている。
それを反対している人たちとの間で、ちょっとした乱闘も起きていた。
そのとき、放送が館内中に響きわたった。
《みなさん、落ち着いてください!》
- 130 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/11(土)
22:25:01.52 ID:3Wrzt/MWO
- (´<_` )oΟ(放送って慣れてないんだよなぁ・・・・)
(´<_` )「みなさん落ち着いてください!たった今、ドッペルゲンガーの対処法が分かったとの報告を
日本政府から受けました。もう暫くの辛抱ですのでそのまま館内でお待ちください!」
(´<_` )「もう暫くの辛抱です!どうかそのままでお待ちください!」
・
・
・
( ´_ゝ`)「よし、それでいいぞ」
(´<_` )「はい・・・・・よかったんですか?あんな嘘ついて」
( ´_ゝ`)「あのまま暴動が起こるよりはまだいい。もっとも何分もつかわからんがな・・・・・」
- 140 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/11(土)
22:36:10.93 ID:3Wrzt/MWO
- 体育館内は一気に静まりかえった。
('A`)「・・・・・・聞きましたか?」
(`・ω・´)「あぁ・・・・・・ドッペルゲンガーの対処法が分かったと・・・・・・」
( ^ω^)“やったお!!助かったお!!”
8('A` )8「よかった・・・・・・・本当によかった・・・・・・」
( ゚∀゚)「・・・・・・・・・」
('A`)「・・・・・・本当かな・・・・・・?」
(`・ω・´)「どうだか・・・・・・・・・ただ騒ぎを静めるためとしか思えないな」
( ^ω^)“・・・・・どういうことだお・・・?”
- 142 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/11(土)
22:39:21.34 ID:3Wrzt/MWO
- (`・ω・´)「あんなえたいの知れないもんに対処法なんか見つかると思うか?」
( ^ω^)「・・・・・・・・」
('A`)「それに一度消しても意味がないんだ・・・・・・対処法なんて無いよ・・・・・」
8('A` )8「そんな・・・・・・」
(´・ω・`)「もう駄目だね・・・・・・・死ぬしかないよ」
川'A')「うぇぇぇええええええん・・・・うっ・・・・うっ・・・・・」
('A`)「やめろよショボン・・・・・・」
- 146 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/11(土)
22:56:13.74 ID:3Wrzt/MWO
- (´・ω・`)「だってそうだろ。ミサイルが飛んで来る可能性だってあるんだ」
(`・ω・´)「ショボン、やめなさい」
(´・ω・`)「・・・・・・もう無理だよ・・・・・死ぬしかないんだ」
(`・ω・´)「ショボン!!やめないか!!!」
川'A')「うわぁぁぁああん・・・・・死にたくない・・・・死にたくないよぅ・・・・」
('A`)「・・・・・・ドクコ、大丈夫。みんな生きて家に帰れるよ。もう少しの辛抱だから」
( ^ω^)「・・・・・・・・・」
その時だった。
J(´-ω-`)し「・・・・・・うぅ・・・・うーん・・・・・・」
(´・ω・`)「カーチャン!!!」
- 158 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/11(土)
23:06:43.87 ID:3Wrzt/MWO
- J(´-ω-`)し「うぅ・・・・・ショボン・・・・・そこにいるのかい・・・・?」
(´・ω・`)「カーチャン!!ここだよ!!ここにいるよ!!!!」
J(´-ω-`)し「・・・・・・・うーん・・・・・・・うぅ・・・・・・」
(`・ω・´)「お前・・・・・・ひどい熱じゃないか!!!」
J(´-ω-`)し「・・・・私はもう駄目だわ・・・・・・殺してちょうだい・・・・うぅう・・・・」
(´・ω・`)「カーチャン・・・・・・」
- 164 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/11(土)
23:19:04.08 ID:3Wrzt/MWO
- (`・ω・´)「なに言ってんだ!!ショボンと三人で生きて家に帰るんだろ!!」
J(´-ω-`)し「お腹が・・・・・・お腹が・・・・・・あぁ・・・う・・・」
(´・ω・`)「カーチャン・・・・・・・がんばってよ・・・・・・」
('A`)「・・・・・・・・・」
J(´-ω-`)し「お願い・・・・・・・殺して・・・・・・・」
(`・ω・´)「・・・・・・・・・・」
- 173 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/11(土)
23:36:40.85 ID:3Wrzt/MWO
- (´・ω・`)「カーチャンなに言ってるんだよ・・・・・・カーチャンは生きてくれよ・・・・・・・」
J(´-ω-`)し「ショボン・・・・・・私を・・・・・・殺して・・・・・」
(`・ω・´)「チクショウ!!!・・・・・・オレのせいで・・・・・・」
J(´-ω-`)し「ぅぅ・・・・・・うぅ・・・・う・・・・・」
( ^ω^)「・・・・・・・・・・」
(´・ω・`)「・・・・・・カーチャン・・・・死ぬ時は俺も死ぬよ・・・・・」
J(´-ω-`)し「・・・・・だめよ・・・・・・ショボンは生きて・・・・・・・」
- 188 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/11(土)
23:50:49.31 ID:3Wrzt/MWO
- J(´-ω-`)し「ごめんねあなた・・・・・私は・・・もぅ・・・・・」
(`・ω・´)「わかったからもう喋るな!!」
J(´-ω-`)し「もぅ・・・・・・・駄目みたい・・・・・・・」
(`・ω・´)「大丈夫だよ!!もうすぐ病院に連れてってやる!!それまでの辛抱だから!!!」
J(´-ω-`)し「・・・・・・・・・うぅ・・・・」
8('A` )8「・・・・・・・・・」
J(´-ω-`)し「あなた達は・・・・・・・・・どうにか生き残ってね・・・・・・・・・・」
(´・ω・`)「カーチャン・・・・・やだよ・・・・・・・死んだらやだよ・・・・・・」
J(´-ω-`)し「・・・・・・・・・」
- 208 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/12(日)
00:15:16.49 ID:H5VTlhJ6O
- J(´-ω-`)し「・・・・・・・・・」
(`・ω・´)「・・・・・・おい・・・・・・」
J(´-ω-`)し「・・・・・・・・・・」
(´・ω・`)「・・カー・・・・・チャン・・・・・?」
(`・ω・´)「おい!!なんか言えよ!!!おい!!!」
(´・ω・`)「・・・・・・嘘だろ・・・・・・」
(`・ω・´)「おい!!!!しっかりしろよ!!!」
(´・ω・`)「カーチャン!!!!起きてよ!!!!!」
J(´-ω-`)し「・・・・・・・・・・」
ショボン達がなにを言っても、カーチャンからの返事は返って来なかった。
- 242 : ◆xJiyHZHPtM :2006/02/12(日)
00:39:49.80 ID:H5VTlhJ6O
- (´;ω;`)「カーチャン・・・・・何でだよ・・・・・カーチャン・・・・・・・・」
('A`)「・・・・ショボン・・・・・・・」
ショボンのお母さんは死んでしまった。
ドッペルゲンガーに受けた火傷は、いきる希望をなくした者にとってはあまりに大きい傷だったらしい。
ショボンはカーチャンに抱きついて泣いている。
ショボンのお父さんも涙こそ流していなかったが、抜け殻になったかのように動かないまま一点を見つめている。
ブーン達はどうしていいのか分からず、ただ黙っていることしか出来なかった。