- 490 : ◆48/2rTdoiY :2006/05/31(水)
20:01:21.21 ID:OvZOLiNc0
- 12月16日。深夜。調和機構(今北産業)。
ブーンとツンはラボから出るとメランコリーシリンダー(憂鬱な円柱)に向かって走っていた。
先ほど、ブーン達がすれ違った場所と同じ場所にいた。
( ^ω^)「あ、いたお。やっぱりさっきから動いていないようだお。」
ξ゚听)ξ「さて、じゃあさっそく新しい大剣の出番ね。」
ツンは鞘から大剣を抜いた。漆黒の闇に彩られた大剣が黒光りする。
( ^ω^)「とりあえずどんな攻撃をしてくるかわからないから気をつけてだお。」
ξ゚听)ξ「まあ、爆発することはなさそうだから思い切り斬りつけてみるわよ。」
ツンは大剣を正眼に構える。
( ^ω^)「ドールコマンド発動だお!」
ツンの体から黄色いオーラが溢れ出す。
ξ゚听)ξ「どっせえええええいいい!!!」
ツンはメランコリーシリンダーに突っ込んでいった。
- 491 : ◆48/2rTdoiY :2006/05/31(水)
20:01:58.35 ID:OvZOLiNc0
- 全く動かないメランコリーシリンダーに対してツンは袈裟懸けに斬ろうとした。
ξ゚听)ξ「うおおおりゃああぁ!!!!」
ツンの大剣はメランコリーシリンダーに深々と刺さった。
ξ゚听)ξ「もらったああ。」
そのまま一気に切断しようとするが途中で大剣の動きが重くなる。
ξ゚听)ξ「中に芯でもあるのかしら。何か硬いわね。」
ツンはさらに力を込めようとした。
その瞬間、メランコリーシリンダーからキィィンという共鳴音がなりだした。
ξ゚听)ξ「何よこの音?なんともないわよ。」
ツンは柄をもつ両手に力を込める。しかし、急に力が無くなっていった。
ξ゚听)ξ「あ、あれ?」
ツンは自分のオーラが消えていることに気がついた。
- 492 : ◆48/2rTdoiY :2006/05/31(水)
20:02:25.95 ID:OvZOLiNc0
- ξ゚听)ξ「え!?」
ツンが振り返るとブーンがドールコマンドを止めて棒立ちしていた。
ξ゚听)ξ「ちょっと!ブーン何してるのよ!ドールコマンドお願い!」
しかし、ブーンはツンの声が聞こえていないのか反応しない。
ξ゚听)ξ「ちょっと!」
ツンは大剣を引き抜くとブーンの元へと戻っていった。
ξ゚听)ξ「ブーン!何やってるのよ!聞こえてるの?」
( *ω*)「・・・。」
ブーンの目は虚ろになっていた。何を見るとも無く空中をボンヤリと眺めている。
ξ゚听)ξ(何か様子がおかしいわ・・・。)
( *ω*)「・・・僕は駄目な子なんだお・・・。何にもできないんだお・・・。」
- 493 : ◆48/2rTdoiY :2006/05/31(水)
20:03:17.50 ID:OvZOLiNc0
- ξ゚听)ξ「ちょ、ちょっとブーン?大丈夫?」
( *ω*)「・・・もう生きてても意味なんてないだお・・・。
そうだ・・・。もう死んじゃおうだお・・・。」
ξ゚听)ξ「えっ!?」
ブーンの意味不明な発言にツンは戸惑っていると、ブーンはツンの大剣を奪い取ろうとした。
ξ゚听)ξ「ちょ、何してるのよ!」
( *ω*)「その大剣で腹を切って死ぬんだお!はやく貸せお!」
ξ゚听)ξ「な、何言ってるのよ!!!あーもう、落ち着きなさい!!」
ツンは大剣の平の部分でブーンの顔を強く叩いた。
(;^ω^)「アイテテだお!!ツ、ツン何するんだお!」
ξ゚听)ξ「そっちこそ何してるのよ!ブーン、あんた今自殺しようとしてたのよ?」
(;^ω^)「へっ?!な、何のことだお?」
ξ゚听)ξ「えっ、何にも覚えてないの?」
- 494 : ◆48/2rTdoiY :2006/05/31(水)
20:04:01.23 ID:OvZOLiNc0
- ( ^ω^)「ツンがメランコリーシリンダーに斬りかかっているのを見ているうちに、
何だか頭がくらくらしてきて気がついたらツンに叩かれてたお。」
ξ゚听)ξ「うーん。よくわからないわね。」
( ^ω^)「と、とにかくあいつをやっつけようだお。ドールコマンドを発動するお。」
ξ゚听)ξ「そうね。まずはあいつを倒さないと。」
ブーンはドールコマンドを発動した。
黄色いオーラを纏ったツンは再びメランコリーシリンダーに斬撃を叩き込む。
しかし、途中でその斬撃が止まる。
ξ゚听)ξ「やっぱり硬いわね。もっと力を入れないと。」
ツンはさらに力を込めようとした。
その瞬間、メランコリーシリンダーからキィィンという共鳴音がなりだした。
ξ゚听)ξ「またこの音?」
そして、ツンのオーラがまたしても消えた。
ξ゚听)ξ「まさか!?」
ツンが振り返るとブーンがまたもやドールコマンドを止めて棒立ちになっていた。
- 495 : ◆48/2rTdoiY :2006/05/31(水)
20:05:35.66 ID:OvZOLiNc0
- ツンがブーンの元へ駆け寄るとブーンは何を見るとも無く空中をボンヤリと眺めている。
( *ω*)「・・・僕はもう死にたいお・・・。生きてるの辛いお・・・。」
ξ゚听)ξ「・・・どうやらあの変な音を聞くと死にたくなるようね。」
ツンは大剣の平の部分でツンの顔を強く叩いた。
(;^ω^)「アイテテだお!!ツ、ツン何するんだお!」
ξ゚听)ξ「ブーン、あいつの攻撃方法がわかったわ。
ある程度のダメージを与えると人間が死にたくなる音を出すみたいよ。
それでブーンが自殺したくなってたみたい。
研究員が自分の腹を切って死んでいるように見えたのはおそらくあいつの精神攻撃よ。」
(;^ω^)「・・・なるほどだお。あいつは精神攻撃をしてくるのかお・・・。
だから憂鬱な円柱って言う名前なのかお。」
ξ゚听)ξ「私みたいに精神攻撃を受けつけない者がいなければあいつの攻撃はかなり強力ね。」
( ^ω^)「じゃあ、耳栓してたらOKだお。」
ブーンはポケットからティッシュを取り出すと耳にできるだけ詰め込んだ。
( ^ω^)「よしっ、OKだお。何かしゃべってみてだお。」
ξ゚听)ξ「ブーンのアホー。」
- 496 : ◆48/2rTdoiY :2006/05/31(水)
20:06:37.02 ID:OvZOLiNc0
- ブーンは何も表情を変えない。
( ^ω^)「もうちょっと大きな声で出してみてお。」
ξ゚听)ξ「ブーンの短足ー。」
(#^ω^)「アホで短足で悪かったお!!」
ξ゚听)ξ「あら、聞こえてたの?じゃ、もうちょっと強く詰めましょうね。」
ツンがブーンの耳にさらにティッシュを詰め込んだ。
ξ゚听)ξ「ブーン愛してるわー。ウフフー。はぁと。」
( ^ω^)「何も聞こえない。完璧だお。」
ブーンはピースサインを出した。ツンはうなずくと大剣を構えた。
ブーンはドールコマンドを発動する。ツンの体から黄色いオーラが溢れ出す。
ξ゚听)ξ「さて、今度は全力でいかせてもらうわよ。」
ツンは全力でメランコリーシリンダーに突っ込んでいった。
ξ゚听)ξ「どっせえええええいいい!!!」
- 497 : ◆48/2rTdoiY :2006/05/31(水)
20:07:55.35 ID:OvZOLiNc0
- 助走の勢いをつけた斬撃はメランコリーシリンダーに深々と刺さる。
ξ゚听)ξ「うおおおおりゃあああ!!!」
さらに大剣はメランコリーシリンダーを切り落とそうとゆっくりと動く。
その瞬間、メランコリーシリンダーからキィィンという共鳴音がなりだした。
ξ゚听)ξ「もうその手はくわないわよ!!」
ツンの体からオーラは消えることはなくさらに力が入る。
ξ゚听)ξ「どっせええええいい!!!」
ツンの掛け声と共に大剣はメランコリーシリンダーを斬り進んでいく。
ξ゚听)ξ「ラストオオオ!!!」
ツンの大剣がとうとうメランコリーシリンダーを切り倒した。
切り倒された部分と床に立っている部分のどちらからも血飛沫のようなものが飛び散っている。
ξ--)ξ「荒巻博士・・・仇は討ちました・・・。」
ツンは目を閉じて黙祷した。ツンが振り返るとブーンも同じように黙祷をしていた。
- 498 : ◆48/2rTdoiY :2006/05/31(水)
20:08:50.78 ID:OvZOLiNc0
- ブーンがメランコリーシリンダーを倒した頃、ショボンは調和機構内をさ迷っていた。
(´・ω・`)(いきなり変な化け物は出てくるし、守衛の人達とははぐれちゃうし、
火事は起きてるし、いったいどーなってるんだろう。)
ショボンは自分に起きていることが夢ではないのかと思うくらい不思議な気持ちになっていた。
(´・ω・`)「悲しいけどこれが現実なのよね。」
ショボンは出口を探して歩いている。
(´・ω・`)「ブーンは大丈夫かな・・・。ちゃんと逃げてるといいけど。」
ショボンは行き止まりにぶつかった。
(´・ω・`)「ああ、また行き止まりか。何でこんな迷路みたいな作りになってるんだろうなあ。」
ショボンは来た道を引き返そう振り返った。しかし、ショボンの目の前にはT.N.E.がいた。
巨大なミミズのような形をしているトラブルサムパイプ(厄介な筒)である。
当然ショボンにはただの化け物にしか見えない。
(´・ω・`)「ば、化け物!!!!」
ショボンの額から汗が流れる。
(´・ω・`)(これは正当防衛だよね?)
ショボンはスーツの中から拳銃を取り出す。
- 499 : ◆48/2rTdoiY :2006/05/31(水)
20:09:43.27 ID:OvZOLiNc0
- その時、通路の角から現れたツンがトラブルサムパイプを大剣で一刀両断した。
ξ゚听)ξ「どっせええええいいい!」
(´・ω・`)(何だ?あの人形みたいなのは?)
続いてブーンが現れた。
( ^ω^)「ツン、雑魚は後回しにしてとりあえず屋上に急がないとだお。」
ξ゚听)ξ「まあ、視界にはいるT.N.E.は全部やっつけておきたいかなと。」
(´・ω・`)「ブ、ブーンじゃないか!!」
(;^ω^)「アッーーーー!!!」
ブーンに駆け寄ってくるショボン。
(´・ω・`)「大丈夫そうでよかったよ。」
(;^ω^)「う、うんだお。で、ショボンは何でここにいるのかお。」
- 500 : ◆48/2rTdoiY :2006/05/31(水)
20:11:04.29 ID:OvZOLiNc0
- (´・ω・`)「いやー、ちょっとブーンのことが気になってコッソリ入って来ちゃったよ。」
(;^ω^)「か、勝手に入ってきちゃ駄目だお。」
(´・ω・`)「で、今何が起こってるの?それにその人形みたいなの何?話してたみたいだけど。」
(;^ω^)「・・・。」
ξ゚听)ξ「しょうがないわね。今ここでしらばっくれても無理そうだし、全部話したら?」
(;^ω^)(うーん、まあ、確かにT.N.E.やツンまで見られちゃったら、誤魔化しきれそうにないお。)
ブーンは腹を決めた。
( ^ω^)「細かい話はまた今度話すお。とりあえず僕はこのツンっていうしゃべる人形と一緒に、
さっきショボンが襲われていた化け物、T.N.E.って言うんだけど、そいつらと闘ってるんだお。」
(´・ω・`)「うーん、本来なら信じられそうにない話だけどここまで見てしまうと信じざるを得ないね。
まあ、詳しい話はまた今度聞かせてもらうよ。」
ξ゚听)ξ「とりあえず、あなたはさっさと逃げた方がいいわ。」
(´・ω・`)「それが道がわからなくてさ。迷ってるんだよ。」
- 501 : ◆48/2rTdoiY :2006/05/31(水)
20:11:43.41 ID:OvZOLiNc0
- ( ^ω^)「そうかお。じゃあ、正面入り口まで案内するお。」
(´・ω・`)「助かるよ。忙しそうなのにごめんよ。」
ξ゚听)ξ「じゃ、急ぎましょう。」
ブーン達は正面入り口に向かって走り出した。
( ^ω^)「何か熱くないかお?」
(´・ω・`)「そうだね。」
ξ゚听)ξ「もうすぐ正面入り口よ。」
ブーン達は正面入り口についた。しかし、そこにはすさまじい炎が吹き荒れていた。
炎の壁で外が見えない。ブーン達は立ち尽くした。
(;^ω^)「入り口が火事で思い切り燃えてるお・・・。」
ξ゚听)ξ「これは出られそうにないわね・・・。」
(´・ω・`)「どうしよう。」
- 503 : ◆48/2rTdoiY :2006/05/31(水)
20:13:26.12 ID:OvZOLiNc0
- ( ^ω^)「とりあえず、1階の窓とかから出ようだお。」
ブーン達は1階の窓など出られそうなところを探したがすべて火の手が回っており、
出られる状態ではなかった。
( ^ω^)「・・・建物の周りは完全に燃えてしまっているようだお・・・。」
ξ゚听)ξ「これは2階も3階の窓も厳しそうね・・・。
私達が闘っている間に火事がここまで進行していたとはね。」
(´・ω・`)「これは参ったね。」
ξ゚听)ξ「ブーン、どうする?」
( ^ω^)「あ、そうだ。屋上にヘリコプターがあったお。あれで脱出しようだお。」
ξ゚听)ξ「ああ、そう言えばそんなのあったわね。」
(´・ω・`)「じゃあ、屋上へ行けばいいんだね。」
ブーン達は屋上へ向かって走り出した。
- 504 : ◆48/2rTdoiY :2006/05/31(水)
20:14:21.85 ID:OvZOLiNc0
- ブーン達は階段を駆け上る。途中途中で目に入る火の燃え具合を見ると、
火事の進行が予想以上にはやく、建物が崩壊するのも時間の問題かと思われた。
( ^ω^)「これは、まずいお。建物が壊れるかもしれないお。」
ξ゚听)ξ「屋上ではしぃ達がリスキーピラミッドと闘っているはず。倒せていなかったらまずいわね。」
( ^ω^)「その時は僕らが加勢すればいいお。」
ξ゚听)ξ「まあ、そうなんだけど、闘っている余裕なんてあるかしら。」
ブーン達が話しながら階段を上がっているとドアが見えてきた。
(´・ω・`)「お、あれが屋上に通じるドアだね。」
( ^ω^)「そうだお。」
ξ゚听)ξ「リスキーピラミッドがいるかもしれないのよね。準備しておくわ。」
ツンが大剣を鞘から抜いた。それを確認してからブーンが屋上へ通じるドアを開けた。
- 505 : ◆48/2rTdoiY :2006/05/31(水)
20:15:47.49 ID:OvZOLiNc0
- (;^ω^)「むおおッ!」
ξ゚听)ξ「うっ!」
(´・ω・`)「ううっ!」
ブーンがドアを開けるとものすごい熱気が3人の全身を包み込んだ。
屋上にも既に火の手が回っており、外周のフェンスはすべて激しく燃える炎の壁になっていた。
(;^ω^)「も、もうこの建物駄目だお!!!燃え尽きちゃうお!!」
ξ゚听)ξ「・・・そうね。建物が燃え尽きるのが先か、
破損した場所が過重に耐えられなくて建物が崩れるのが先か・・・。
どっちにしろ時間はもうないと思ったほうがいいわね。」
(´・ω・`)「とにかく急いだ方がいいね。」
( ^ω^)「えーと、真ん中にヘリポートがあって・・・お、今飛び立とうとしてるお!」
ξ゚听)ξ「急がないと!」
ブーン達は屋上の真ん中にあるヘリポートに止まっているヘリコプターへ向けて全力で走った。
- 538 : ◆48/2rTdoiY :2006/05/31(水)
23:01:01.45 ID:OvZOLiNc0
- 屋上のすさまじい炎の熱気に包まれながら、
ブーン達はヘリコプターに向かって全力で走った。
( ^ω^)「おお〜!間に合ったお!」
しかし、ヘリコプターはプロペラが回っているのだが、飛ぶ気配が一向になかった。
(´・ω・`)「あれ?何で飛ばないんだろう?」
ξ゚听)ξ「確かに変ね。」
ブーンが回りを見回すと上空にリスキーピラミッドが浮遊しているのが見えた。
よく見ると丁度ヘリコプターの真上にいるようだ。
(;^ω^)「あんなところにリスキーピラミッドがいるお。」
ξ゚听)ξ「なるほど、このままヘリコプターが上に飛ぶとアイツに激突して爆発するわけね。」
(;^ω^)「だから飛べないのかお・・・。」
( ゚∀゚)「おーい、ブーン。」
ジョルジュとしぃが屋上の端のほうから走ってきた。手には消火器を持っている。
- 539 : ◆48/2rTdoiY :2006/05/31(水)
23:02:15.36 ID:OvZOLiNc0
- ( ^ω^)「あ、ジョルジュ。あのリスキーピラミッドどうするかお?」
( ゚∀゚)「ああ、おまえも見つけたか。あいつのせいでヘリコプターが飛べねえんだよ。」
ξ゚听)ξ「しぃのレリックでビームを撃てば倒せるんじゃないかしら。」
(*゚ー゚)「レリック使っても今の状態では破壊できなかったの。
もっと私にダメージを与えて威力を上げないと駄目みたい。」
( ゚∀゚)「かといってしぃにダメージを与えるわけにもいかないしな。
それで、とりあえず消火活動の方でもしようかと思って屋上の倉庫から消火器を持ってきたんだ。」
(*゚ー゚)「そのうち、リスキーピラミッドは降りてくるかもしれないし、どっかに行くかもしれないしね。」
( ^ω^)「わかったお。僕達も消火活動をするお。」
ジョルジュが持ってきた消火器をブーンは受け取った。
( ゚∀゚)「そう言えばそこにいる人は誰だ?」
ジョルジュはショボンを見た。ショボンは軽く会釈した。
(;^ω^)「あっ、えーと僕の友達のショボンって言うんだ。
ちょっと事情があってツンと僕のことばれちゃったんだお。
今は緊急事態だからとりあえず詳しい話は後でってことになってるお。」
( ゚∀゚)「・・・そうか。わかった。」
ブーン達は消火活動を始めた。
- 540 : ◆48/2rTdoiY :2006/05/31(水)
23:04:28.57 ID:OvZOLiNc0
- その時、夜空の向こうから調和機構の屋上に向かってヘリコプターが1台飛んできた。
( ^ω^)「あれ?ヘリコプターが飛んできたお。」
( ゚∀゚)「あのヘリコプター、調和機構のマークが入ってるぜ。」
(*゚ー゚)「ほんとだわ。助けに来てくれたのかしら。」
ξ゚听)ξ「なーんか嫌な予感がするわね。」
飛んできたヘリコプターはリスキーピラミッドのさらに上空に停止した。
そして、ヘリコプターのドアが開くと何かが飛び降りてきた。
ξ゚听)ξ「あれは!?」
それは、白い大剣を構えたデレだった。体からは赤いオーラが溢れ出ている。
从゚听)从「どっせええええいいい!!!!」
ヘリコプターから飛び降りてきたデレは落下の勢いをのせて、
白い大剣をリスキーピラミッドに叩きつける。その瞬間爆発が起きた。。
爆煙の中から現れたデレはさらに落下する。
同じく爆煙の中から現れたリスキーピラミッドはデレの斬撃によりバッサリと斬られていた。
リスキーピラミッドは血飛沫のようなものを飛び散らせてフラフラと浮遊をはじめた。
そして、どんどんと高度を落とし屋上のヘリポートからかなり離れた場所に落ちると動かなくなった。
- 541 : ◆48/2rTdoiY :2006/05/31(水)
23:05:05.97 ID:OvZOLiNc0
- 屋上に無事に着地したデレは一言、言った。
从゚听)从「ターゲット沈黙確認。」
そして、ツンの方を見てニコリ微笑む。
从゚听)从「お姉様。パーティーの始まりよ。これからはじまる私と2人だけのパーティー。」
ξ゚听)ξ「な、何言ってるのよ。さっさと逃げないとあんたも危ないわよ!」
ジョルジュ達はヘリコプターに乗り始めていた。
从゚听)从「そんなのツマンなーい。お姉様はこれから私と一緒に遊ぶのよ。」
デレはほっぺたをプッと膨らました。
( ^ω^)「さあ、ツン、ヘリコプターに乗ろうだお。デレも一緒に行こうだお。」
ブーンがツン達に声をかける。
从゚听)从「だーめ。一緒に遊ぶの。」
ξ゚听)ξ「とにかくあなたも来なさい。」
- 543 : ◆48/2rTdoiY :2006/05/31(水)
23:05:48.96 ID:OvZOLiNc0
- ツンがデレの手を引っ張ろうとする。
从゚听)从「嫌だって言ってるでしょ!」
デレはツンの手を振り解いた。
从゚听)从「一緒に遊ぼうって言ってるの。」
ξ゚听)ξ「だからここにいたら危ないって言ってるでしょ。死にたいの?」
从゚听)从「お姉様こわーい。」
デレが泣きそうな顔になる。しかし、すぐに笑顔になった。
从゚听)从「あ、そうだ。遊んでくれないならあのヘリコプター壊しちゃおーっと。」
(;^ω^)「ちょwww。何言ってるんだおwww。」
ξ゚听)ξ「あんた自分が何言ってるのかわかってるの?」
从゚听)从「私は本気よ。」
急にデレの表情が真剣になった。
左目の真紅のように赤い瞳と、右目のエメラルドブルーの瞳がツンを睨む。
その鋭い眼差しには嘘偽りはなかった。
- 544 : ◆48/2rTdoiY :2006/05/31(水)
23:07:24.70 ID:OvZOLiNc0
- ツンはため息をつく。
ξ゚听)ξ「で、何して遊ぶの?時間ないからすぐに終わるのにしてね。」
从゚听)从「本気で闘うの。それでぇー、勝った方が負けた方の赤い目をもらうの!!」
ξ゚听)ξ「はっ???」
从゚听)从「デレは両目が赤くなったら王子様と結婚するのー!!!きゃっ、言っちゃった!!!」
デレはすごく恥ずかしそうな顔をした。
(;^ω^)(な、何言ってるんだお、デレは?全く意味がわからないお。)
ξ゚听)ξ「赤い目がどうとかはよくわからないけど、あんたをやっつければ納得するのね。」
ツンは大剣を構えた。
(;^ω^)「ちょ、ツン。」
ξ゚听)ξ「大丈夫。適当にあしらってすぐに終わらせるわ。それでさっさとヘリコプターに乗りましょ。」
- 545 : ◆48/2rTdoiY :2006/05/31(水)
23:08:37.99 ID:OvZOLiNc0
- 从゚听)从「やったあー。じゃ、パーティーのはじまりね!」
デレも大剣を構える。その瞬間赤いオーラがデレから溢れ出す。
(;^ω^)「えっ!?」
ξ゚听)ξ「えっ!?」
単なる組み手稽古のようなものと思っていたブーンはドールコマンドを発動させる気はなかった。
ツンもそう思っていたのだろう。特にブーンには何も言わなかった。
しかし、デレはレリックを発動させた。
从゚听)从「どっせえええいいい!!!」
デレはものすごいスピードでツンに突っ込んでいった。
ξ゚听)ξ(は、速い!!!)
ガキィッという大剣と大剣がぶつかりあう音がした。
デレの大剣の攻撃を大剣で受け止めたツンから赤いオーラが溢れていた。
(;^ω^)(ふぅ。レリック発動間にあったお・・・。)
ブーンは両腕を水平に伸ばしていた。
从゚听)从「私の攻撃を受け止めるなんてお姉様すごーい!」
- 546 : ◆48/2rTdoiY :2006/05/31(水)
23:09:47.38 ID:OvZOLiNc0
- ξ゚听)ξ「・・・本気でやるみたいね。よーくわかったわ。」
ツンは大剣の柄を握る両手に力を込める。
ツンはデレの大剣を振り払うとすさまじいスピードで突きを繰り出す。
ξ゚听)ξ「どっせえええいいい!!!」
しかし、その攻撃をすべてデレはかわす。
从゚听)从「必死なお姉様って素敵。」
今度はデレがツンに突きを繰り出す。
从゚听)从「うおおおりゃあああ!!!」
しかし、その攻撃をすべてツンはかわす。
(;^ω^)(そう言えば、デレのマスターってどこからドールコマンドを発動してるんだお?)
ブーンはふと、上空に浮かんでいるヘリコプターを見た。先ほどデレが出てきたヘリコプターである。
(;^ω^)(そうか、あのヘリコプターの中にいるってことかお。
調和機構の者には間違いはなさそうだお。でも、一体誰なんだお?)
- 547 : ◆48/2rTdoiY :2006/05/31(水)
23:12:08.02 ID:OvZOLiNc0
- ツンとデレの力はほぼ互角のようであった。お互いの攻撃がクリーンヒットしない。
その戦いの様は、赤い炎に彩られた部屋の中で踊る2人の姉妹のようにも見えた。
ξ゚听)ξ(このまま、長々と闘っていたらまずいわね。こうなったら・・・。)
ツンは微妙にヘリコプターから離れるように戦いの場所を移動させていった。
ξ゚听)ξ(このあたりでいいわね。)
ツンはデレが上段から振り下ろしてきた大剣の攻撃をかわすと、
自分の大剣をデレの大剣の上から思い切り叩きつけた。
デレの大剣が地面に深々とめり込んだ。
ツンはすぐさまきびすをかえすとヘリコプターの方へ向かって走り出した。
从゚听)从「あっ!」
ξ゚听)ξ(これでデレが大剣を地面から引き抜くまでの時間稼ぎになるわよね。
このまま、ヘリコプターに乗って逃げればOKのはず。)
デレは大剣をすぐさま抜くとツンを追いかけた。
ξ゚听)ξ(うーん、あんまり時間を稼げなかったわね。
だけど、ブーンはヘリコプターに乗ろうとしているし、大丈夫かな。)
ツンはヘリコプターにたどり着く、しかし、ブーンがヘリコプターから降りてきた。
- 548 : ◆48/2rTdoiY :2006/05/31(水)
23:12:59.76 ID:OvZOLiNc0
- ξ゚听)ξ「ブーン、急がないと!はやくヘリコプターに乗って!」
(;^ω^)「・・・それが定員オーバーみたいんなんだお。」
ξ゚听)ξ「ええっ!!」
(;^ω^)「僕達以外にも屋上に逃げてきた人達を乗せているから、
今でもギリギリらしくて・・・。僕達が乗ったらもう飛べないらしいんだお。」
いつの間にかヘリポートにやってきて、その様子を眺めていたデレは楽しそうに言った。
从゚听)从「私に勝ったらあのヘリコプターに乗せてあげるわよ。」
そう言うとデレは自分が乗ってきたヘリコプターの方を見た。
ξ゚听)ξ「面白いじゃない。そのヘリコプターに是非とも乗せてもらいたいわね。」
ツンがニヤリと笑った。そして、ブーンの顔を見る。
( ^ω^)「僕もそれでいいお。」
( ゚∀゚)「お、おい、ブーン大丈夫か?」
ヘリコプターの中からジョルジュが言った。
- 549 : ◆48/2rTdoiY :2006/05/31(水)
23:14:10.91 ID:OvZOLiNc0
- ( ^ω^)「大丈夫だお。ジョルジュ達はもう行っていいお。これ以上ここにいたら危ないお。」
( ゚∀゚)「すまねえ。乗っている人を下ろしたらすぐに戻ってくるからな。」
(´・ω・`)「ブーン、ごめんね。」
ヘリコプターの中からショボンが言う。
( ^ω^)「気にすることないお。すぐに僕達もヘリコプターで脱出するお。」
ξ゚听)ξ「さあ、もう行った方がいいわよ。」
(*゚ー゚)「ツン、気をつけてね。無理はしちゃ駄目だよ。」
ヘリコプターの中からしぃが言った。
ξ゚听)ξ「わかってるわよ。」
ブーン達が見送る中、ジョルジュ達が乗ったヘリコプターは上空へと飛んでいった。
从゚听)从「さあ、続きをはじめましょう。お姉様。」
ξ゚听)ξ「ええ、意地悪な妹にはしっかりと世の中ってものを教え込まないといけないわね。」
白と黒の斬撃が調和機構の屋上で舞い踊った。
- 550 : ◆48/2rTdoiY :2006/05/31(水)
23:15:23.57 ID:OvZOLiNc0
- ジョルジュ達を乗せたヘリコプターは最寄の野球場のグランドに着陸した。
ジョルジュはテキパキと乗っている人達を誘導して下ろしていく。
( ゚∀゚)「よしっ!これで全員降りたな!」
(*゚ー゚)「うん、全員降りたわ。」
( ゚∀゚)「よし、じゃあ、パイロットさん。急いで調和機構の屋上に戻ってくれ。」
(´・ω・`)「ブーンをよろしくお願いします。」
( ゚∀゚)「ああ、まかせな。」
ジョルジュとしぃを乗せたヘリコプターは野球場から飛び立った。
ヘリコプターが調和機構に近づいていくうちにジョルジュは不安が広がっていった。
調和機構の建物は巨大な炎の柱のようになっていたからだ。
( ゚∀゚)「・・・ブーン、絶対助けてやるからな。」
(*゚ー゚)「ツンとブーンならきっと大丈夫よ。」
( ゚∀゚)「よしっ!あと少しで到着だぜ。」
ジョルジュはロープの準備をはじめた。
( ゚∀゚)「ヘリコプターが着陸できない場合もあるからな。
その場合はとりあえずこのロープを使えばいいだろう。」
- 551 : ◆48/2rTdoiY :2006/05/31(水)
23:17:58.39 ID:OvZOLiNc0
- ヘリコプターが調和機構の屋上に到着しようとしたその時、
ゴゴゴゴゴッという激しい地響きのような音がした。
( ゚∀゚)「何だこの音は?!まさか!?」
激しい地響きのような音が鳴り響く中、調和機構の建物はゆっくりと崩れ落ちていった。
それは、あっという間の出来事だった。
そして、調和機構の建物があったところはただの瓦礫の山になってしまった。
( ゚∀゚)「!」
(*゚ー゚)「!」
調和機構の建物が崩壊してしまったため、ヘリコプターのパイロットは野球場へ引き返しはじめた。
( ゚∀゚)「ちょ、ちょっと待てよ!まだブーンが!ブーンがあそこにいるんだ!!行けよ!」
(*゚ー゚)「ジョルジュ、落ち着いて!もう建物が壊れてるのよ!着陸するところなんてないわよ!」
( ゚∀゚)「うるせえ!俺はブーンに戻るって言ったんだよ!だから、だから戻らなきゃ駄目なんだよ!」
ジョルジュはヘリコプターの中から泣きながら叫んだ。
その涙が天に届いたのかやがて大雨が降り出し、調和機構の火事はそれ以上の広がりを見せずに沈静化した。
倒壊した後の調和機構の中の死体はみな潰れているか焼かれており、誰が誰なのか判断することは非常に困難だった。
この事件は表向きには今北産業の本社ビルが火事によって倒壊したという報道が流され、それで終わりになった。
真相を知るものは極わずかしかいない。
12月16日。すべてを巻き込んだ祭りは静かにその幕を閉じた。