- 230 : ◆48/2rTdoiY :2006/05/29(月)
21:49:16.92 ID:pZoFuxEM0
- 12月14日。夜。調和機構から無事に解放されたブーンとツンはホテルシベリアにいた。
(;^ω^)「うおおっ!年末進行!年末進行!」
ブーンは必死でノートパソコンのキーボードを叩いている。
ξ゚听)ξ「ブーンの働いてる雑誌社って調和機構の傘下の会社なんでしょ?」
( ^ω^)「うん、そうだお。」
ξ゚听)ξ「だったらちょっとくらい融通利かないの?T.N.E.退治で忙しかったとかさ。」
( ^ω^)「あの鬼編集長はそんな言い訳許してくれないお。」
ξ゚听)ξ「そうなんだ。」
( ^ω^)「それに・・・僕が原稿落としちゃったら他の人に迷惑かかるお。だから全力でがんばるお。」
ξ゚听)ξ「じゃあ、私も何か手伝おうかしら。」
( ^ω^)「ほんと!助かるお!」
ξ゚听)ξ「で、何すればいい?」
( ^ω^)「じゃ、ちょっと缶コーヒー買ってきてお。」
ξ゚听)ξ「結局パシリかい!!まあ、いいわ。」
ツンは部屋を出て行った。
- 231 : ◆48/2rTdoiY :2006/05/29(月)
21:50:05.73 ID:pZoFuxEM0
- ツンがホテル内にある自動販売機で缶コーヒーを買って部屋に戻ると、ジョルジュとしぃが部屋にいた。
(*゚ー゚)「やっほー。」
ξ゚听)ξ「あら、しぃじゃない。どうしたの?」
( ゚∀゚)「調和機構に捕まってたらしいじゃないか。大丈夫だったか?
おまえ達に会おうと思ってたんだが会わせてくれなかったから心配してたんだ。」
( ^ω^)「うん、もう大丈夫だお。それよりジョルジュ、その足はどうしたんだお?」
ブーンはジョルジュの足に巻かれている包帯を見た。
( ゚∀゚)「ああ、これはちょっとT.N.E.にやられてな。骨に少しヒビが入ったようだ。
まあ、ドールコマンドには支障ないし遊撃は普通にやる予定だ。」
( ^ω^)「そうかお。お大事にだお。」
( ゚∀゚)「それで今日ここに来たのはちょっと報告したいことがあってな。」
ξ゚听)ξ「報告?」
( ゚∀゚)「おまえ達、レリックって知ってるか?」
- 232 : ◆48/2rTdoiY :2006/05/29(月)
21:50:49.04 ID:pZoFuxEM0
- ( ^ω^)「知ってるお。赤いオーラが出るやつだお。」
( ゚∀゚)「えっ!なんだ知ってるのかよ。」
ジョルジュは残念そうな顔をした。
( ゚∀゚)「いやー、俺達今日のT.N.E.との闘いでレリックに目覚めちまってよ。」
ξ゚听)ξ「えっ、ジョルジュもレリック使えるようになったの?」
(*゚ー゚)「も?っていうことはブーンも使えるの?」
( ^ω^)「うんだお。昨日、使えるようになったんだお。」
( ゚∀゚)「ええっ!おまえ達も使えるのかよ。せっかく自慢しに来たのに。」
( ^ω^)「残念でしたお。」
( ゚∀゚)「で、荒巻博士にレリックのこといろいろと聞いたんだけどさ、
ドール固有の能力を発動させることができるらしいな。」
- 233 : ◆48/2rTdoiY :2006/05/29(月)
21:51:18.85 ID:pZoFuxEM0
- ( ^ω^)「そうみたいだお。」
ξ゚听)ξ「それでしぃの能力は?」
( ゚∀゚)「聞いて驚くな。しぃは両胸からビームが出るんだ。
名づけて『巨乳への飽くなき探究心(O.P.P.A.I.)』だ。
ICBMみたいにオーピーピーエーアイって発音するんだぜ。カッコイイだろう。」
ジョルジュは嬉しそうに言った。
ξ゚听)ξ「・・・。」
( ^ω^)(さすがおっぱい星人だお・・・。)
( ゚∀゚)「いろいろ調べてみたんだけどビームの威力はしぃが受けたダメージに比例するみたいなんだ。」
( ^ω^)「なるほど。無傷だと威力が低いってことかお。」
(*゚ー゚)「そうなの。だからピンチであればピンチであるほど切り札になるかなって思ってるの。」
ξ゚听)ξ「だからと言ってあんまり無茶したら駄目よ。」
(*゚ー゚)「うん、わかってる。」
- 234 : ◆48/2rTdoiY :2006/05/29(月)
21:52:18.27 ID:pZoFuxEM0
- ( ゚∀゚)「で、おまえ達の方のレリックの能力って何なんだ?
しぃの能力もあるし、遊撃の新しい戦術に組み込めるかもしれないな。」
(;^ω^)「う、それは・・・。」
ブーンとツンが顔を見合わせた。
ξ゚听)ξ「まだ、わからないのよね。」
(*゚ー゚)「えっ、そうなの?」
(;^ω^)「レリック発動はできるようになったけどまだ能力の方は完成してないんだお。」
( ゚∀゚)「そうか・・・。」
(*゚ー゚)「まあ、ゆっくり探していけばいいよね。」
( ゚∀゚)「そうだな。まあ、普通にドールコマンドがあれば十分か。」
ξ゚听)ξ「まあそうね。」
( ^ω^)「そう言えばジョルジュがレリックで倒したT.N.E.って強さ不明のやつかお。」
( ゚∀゚)「ああ、そうだぜ。アンノウンってやつだな。」
- 235 : ◆48/2rTdoiY :2006/05/29(月)
21:55:17.24 ID:pZoFuxEM0
- ( ^ω^)「どんなやつだったかお?」
( ゚∀゚)「えーとミステリアスキューブ(不思議な立方体)ってやつだったな。
俺は知らなかったんだけど。」
( ^ω^)「ミステリアスキューブかお。ってことはクリーピングボックスもいたのかお。」
( ゚∀゚)「おう、そうだぜ。よくわかったな。」
( ^ω^)「ブラックアイやクリーピングボックスは親玉として、
ビッグアイ、ミステリアスキューブがいるってT.N.E.ライブラリに書いてあったお。
まあ、写真撮って送ったら照合してくれるけど、T.N.E.ライブラリ直接見たほうが情報が多いお。」
( ゚∀゚)「まあそうなんだけどな。わざわざ調和機構のライブラリルームでT.N.E.ライブラリ見るの面倒くさくてな。
それにアンノウンなんてビッグアイが初めてだったしなぁ。普通のT.N.E.ならだいたい頭に入ってるし。」
ξ゚听)ξ「ブーンは雑誌記者だから好奇心旺盛なのよね。一時期ライブラリルームに篭りっきりだったし。」
(*゚ー゚)「T.N.E.マニアみたいね。」
(;^ω^)「いや、マニアって程じゃないお。」
( ゚∀゚)「しかし、何で最近になって急にアンノウンが現れ始めたんだろうな。」
(*゚ー゚)「それは確かに気になるわね。」
- 236 : ◆48/2rTdoiY :2006/05/29(月)
21:56:10.08 ID:pZoFuxEM0
- ( ^ω^)「原因はわからないけどこの様子だと今後も出てくる可能性はあるお。」
( ゚∀゚)「そうだな。気をつけないといけないな。」
( ^ω^)「あ、そうだ。今後のことも考えてアンノウンを調べるために、
みんなでT.N.E.ライブラリを見にいかないかお?情報も更新されているかもしれないお。」
( ゚∀゚)「うーむ・・・。」
ジョルジュはめんどくさそうな顔をした。
(*゚ー゚)「それいいわね。そうしましょ。ね、ジョルジュ。」
( ゚∀゚)「しょうがない。行くか。」
ξ゚听)ξ「でも、ブーンは原稿があるんでしょ。」
( ^ω^)「明日の夕方が締め切りだから明日の夜に行こうだお。」
(*゚ー゚)「うん、わかった。じゃあ、明日ライブラリルームに直接行くわ。」
( ゚∀゚)「じゃあ、俺達はそろそろ行くぜ。原稿がんばれよ。」
ジョルジュはしぃをアタッシュケースに入れると部屋を出ようとした。
- 238 : ◆48/2rTdoiY :2006/05/29(月)
21:57:19.23 ID:pZoFuxEM0
- ( ^ω^)「あ、そうだ。」
ブーンが思い出したかのように言った。
ジョルジュはドアノブを握り締めたまま立ち止まり、振り返る。
( ゚∀゚)「ん?なんだ?」
( ^ω^)「この前、ジョルジュがT.N.E.が出現するタイミングを予想してたお。
何でわかるのか聞きそびれてたお。」
( ゚∀゚)「ああ、あの話か。あれは単にT.N.E.が12月に入ってから、
偶数の日に出現しているな。と思っていただけだよ。」
(*゚ー゚)「時間的には深夜で0時から3時くらいの間かな。」
ξ゚听)ξ「そう言われれば確かにそうね。」
( ^ω^)「えーと、今日は14日でもうT.N.E.はジョルジュがやっつけたみたいだから・・・。」
( ゚∀゚)「次は恐らく16日だな。」
(*゚ー゚)「明日の深夜ね。」
( ゚∀゚)「そうなるな。まあ、もし明日出現したらライブラリルームから直接向かうことになるかもな。
まあ、それまでは待機って感じか。じゃ、行くぜ。」
(*゚ー゚)「原稿がんばってねー。」
ジョルジュとしぃは部屋を出ていった。
- 239 : ◆48/2rTdoiY :2006/05/29(月)
21:59:28.44 ID:pZoFuxEM0
- ジョルジュがブーンの部屋を出た頃、調和機構の会議室では会議が行われていた。
真っ暗な部屋の中で球状のスピーカーが空中に浮遊している。
それぞれのスピーカーには番号が書かれていた。
(以下、Bは3と番号が書かれているスピーカーの発言を意味する。)
A「ジョルジュとしぃがSクラスのT.N.E.を倒したいうのは本当なのか?」
C「はい、先ほどジョルジュから報告がありました。」
B「ジョルジュまでレリックに目覚めてしまうとはな・・・。」
A「このままだとエデンプロジェクトに支障が起きるかもしれんな・・・。」
B「そうだな。早急に対策をせねばならないだろう。」
その時、1番のスピーカーの電源がオンになった。
ABC「一之瀬最高司令官殿、おはようございます。」
@「やあ、おはよう〜。っと、その前に弐杉さん、三村さん、次余計なことしたらクビにするよ。」
AB「た、大変申し訳ありません!!以後気をつけます。」
@「素直でよろしい。で、会議の内容は何、四谷君。」
- 240 : ◆48/2rTdoiY :2006/05/29(月)
22:02:18.72 ID:pZoFuxEM0
- C「はい、先ほどジョルジュとしぃがミステリアスキューブを撃破したという報告がありました。」
@「・・・まあ、何となくそうなるだろうなと思っていたよ。レリックに目覚めたんだよね。」
C「はい、その通りです。」
A「一之瀬最高司令官殿、このままではエデンプロジェクトに支障をきたすのではないでしょうか。」
@「うーん、まあ、ジョルジュとしぃも放置でいいや。今のところ問題はないとみるよ。」
A「し、しかし、万が一ということもあるのではないでしょうか。何か手を打ったほうがよいかと思います。」
C「弐杉さん、その発言は一之瀬最高司令官殿の指示には従えないとみなしますが。」
A「うっ、い、いや、そういうわけではないのだが・・・。」
B「・・・わかりました。では、ジョルジュとしぃは放置ということで。」
@「三村さん、素直が1番だよね。」
B「・・・はい。」
@「じゃ、今日の会議はこれまで。解散ね。」
AB「・・・。」
2番と3番のスピーカーの電源がオフになった。
- 241 : ◆48/2rTdoiY :2006/05/29(月)
22:03:41.79 ID:pZoFuxEM0
- @「ナイス突っ込みありがとう、四谷君。うろたえる弐杉さん面白かったよ。
やっぱり君を副司令官にしてよかったよ。」
C「恐縮です。」
@「えーと、祭りは明後日だよね。」
C「そうです。16日の0時きっかりにはじまる予定です。」
@「デレがすごく楽しみにしちゃっててさ。私も妙にワクワクしてきたよ。」
C「こちらの準備はほぼ完了しておりますので一之瀬最高司令官殿の満足のいく結果になると思います。」
@「そうだといいねー。祭りでプリンセスが決まるといいんだけど。」
C「あと1つ、報告しておきたいことがあります。」
@「ん?何だい?」
- 242 : ◆48/2rTdoiY :2006/05/29(月)
22:06:04.06 ID:pZoFuxEM0
- C「ショボンという刑事が連続殺人事件絡みで今北産業の本社ビルを調査しているようです。」
@「えっ、そうなの。そのショボンって刑事は今北産業の本社ビルが調和機構の本部だっていうのは知ってるの?」
C「いえ、そちらの方は知らないようです。単に連続殺人事件の捜査をしているようです。」
@「そうか。じゃあ、適当にあしらっといてくれればいいや。祭りに巻き込んじゃうのもあれだし。」
C「わかりました。こちらで対処しておきます。」
@「じゃあ、そろそろ行くよ。私も祭りの準備があるんでね。」
C「わかりました。くれぐれも気をつけてください。」
@「四谷君も気をつけてね。っていうか君に死なれたら困っちゃうよ。」
C「わかりました。」
1番と4番のスピーカーの電源がオフになり、会議室は静寂に包まれた。
- 243 : ◆48/2rTdoiY :2006/05/29(月)
22:08:49.88 ID:pZoFuxEM0
- 12月15日。夜。今北産業の側に停めた車の中からショボンは今北産業の正面入り口を眺めていた。
(´・ω・`)「僕達が話をさせてもらった四谷さんって人さあ、何かおかしくなかった?」
( ・∀・)「と、言いますと?」
(´・ω・`)「殺人事件の話をしたのに何であんなに落ち着いて応対できるんだろう。」
( ・∀・)「まあ、殺人事件ってのは普通に生活している人には全く無縁な話ですからね。
実際目の当たりにしないとピンとこないのかもしれませんね。」
(´・ω・`)「うーん、なんかそういう感じじゃなかったような気がするんだよね。
殺人事件知ってるけど関わりたくないっていう感じというか。」
( ・∀・)「それは考えすぎじゃないですか?」
(´・ω・`)「まあ、そうだといいんだけどね。ただ、僕は四谷さんは信用はしてないよ。」
その時、ブーンが今北産業の正面入り口に現れた。
手にはアタッシュケースと皮のケースを持っている。
(´・ω・`)「あれっ?何でブーンがこんなところにいるんだ?」
ショボンは車を降りるとブーンに向かって走り出した。
- 245 : ◆48/2rTdoiY :2006/05/29(月)
22:10:22.70 ID:pZoFuxEM0
- ( ^ω^)「原稿も無事に提出したし、後はライブラリルーム行くだけだお。」
その時、アタッシュケースの中からドンという音がした。
(;^ω^)「はいはい、着いたらすぐに出してあげるお。」
ブーンは今北産業に入ろうとした。
(´・ω・`)「おーい、ブーン。」
どこかで聞いたことのあるような声を聞いたブーンは振り返った。そこにはショボンがいた。
(;^ω^)「あれっ?なんでショボンがこんなところにいるんだお?」
(´・ω・`)「こっちこそ聞きたいよ。なんでブーンが今北産業にいるの。」
(;^ω^)「あっ、いや、これは取材があるんだお。」
(´・ω・`)「取材?」
(;^ω^)「そ、そうなんだお。来年の記事でニューソクシティーのトップ企業を紹介するってのがあるんだお。」
ブーンは咄嗟にでまかせをいった。
(´・ω・`)「ふーん。こんな夜に取材ねえ。そのアタッシュケースと皮のケースは何?」
- 246 : ◆48/2rTdoiY :2006/05/29(月)
22:12:17.64 ID:pZoFuxEM0
- (;^ω^)「いやー、忙しい人らしくて夜しか時間とれなかったんだお。
荷物は今ホテルをチェックアウトしたところなんだお。缶詰終わったんだお。
で、ショボンは何でこんなところにいるんだお?」
(´・ω・`)「まあ、ちょっと捜査だね。」
(;^ω^)「ふーん。じゃ、僕もう行くお。」
(´・ω・`)「あ、ちょっと待って。」
( ^ω^)「え、何だお。」
(´・ω・`)「ちょっと今北産業に入ってみたいんだけど、
僕をブーンの助手として一緒に連れて行ってくれない?」
(;^ω^)「ええっ!だ、駄目だお。」
(´・ω・`)「邪魔はしないからさあ。」
(;^ω^)「ご、ごめんだお。もう行くお。」
ブーンは駆け足で今北産業に入っていった。
今北産業に入っていったブーンの背中を眺めながらショボンは呟いた。
(´・ω・`)「こりゃブーンも連続殺人事件のネタを何か知ってそうだなあ。さて、どうしたものか。」