- 24 : ◆BnhUepkPaA :2011/07/24(日)
20:21:25.57 ID:LYecF0hkO
- ( ^ω^)はあらゆるチート達と闘うようです
第六話。
『前回までのあらすじ』
最強能力決定戦と称し様々なチート能力者と戦うはめになったブーンは、安価内容をそのまま使える能力【気分次第《アンカーテイク》】を駆使して強敵を倒していく。
そして迎えたのはループした世界。
矢継ぎ早に現れる未知の敵。
そして現れた謎の【ラッキーマン】、妹者……
ブーンの運命やいかに。
- 29 : ◆BnhUepkPaA :2011/07/24(日)
20:24:08.46 ID:LYecF0hkO
- ※ブーンの能力【気分次第《アンカーテイク》】について
指定アンカーにかかれていた能力をそのまま使える能力
「〜能力」と、最後に「能力」とかかれていなければ再安価。
一人の敵につき、一回ずつ出来る。
今まで出てきた能力
『境界を曖昧にする能力』
『あらゆる値を2倍から1/2までの範囲で変更できる能力』
『触れた物体の時を巻き戻す能力』
『無敵のスタープラチナ・ザ・ワールドを自由に使える能力』
『相手の足の小指が色んな物の角に強打する能力』
- 37 : ◆BnhUepkPaA :2011/07/24(日)
20:29:10.55 ID:LYecF0hkO
- ――――――
|(●), 、(●)、|「……まさかこんなに簡単にやられてしまうとは」
ζ(゚ー゚*ζ「……やはり凄いものですね、【気分次第《アンカーテイク》】は」
|(●), 、(●)、|「あ……、いえ」
ζ(゚ー゚*ζ「……」
|(●), 、(●)、|「私が言ったのは、じぃの事です」
ζ(゚ー゚*ζ
|(●), 、(●)、|「あんなチートを持つ彼が、簡単に負けてしまうとは……
やはり運命とは、なかなか変わってくれないものなんでしょうか」
ζ(゚ー゚*ζ
- 46 : ◆BnhUepkPaA :2011/07/24(日)
20:34:19.62 ID:LYecF0hkO
- ζ(゚ー゚*ζ「その……ダディさん」
|(●), 、(●)、|「はい?」
ζ(゚ー゚*ζ「じぃという人は、今回から参加したのですか?その、今まで勝ち残った姿を、見たことがないので」
|(●), 、(●)、|
|(●), 、(●)、|「あぁ」
|(●), 、(●)、|「言ってませんでしたか?彼らについて」
ζ(゚ー゚*ζ「いってないですね。と言うより、教えて頂けるんですか?」
|(●), 、(●)、|「ええ、だって」
|(●), 、(●)、|「今回のあなたは、あまりやる気がなさそうだ」
ζ(゚ー゚*ζ
- 61 : ◆BnhUepkPaA :2011/07/24(日)
20:40:27.33 ID:LYecF0hkO
- ζ(゚ー゚*ζ
そんな事ない。
その簡単な一言さえ、デレは口に出す気にもなれない。
しかしこんな時の沈黙は、何よりの答えになる。
|(●), 、(●)、|「……で、ですね。大事な事を言い忘れていました」
|(●), 、(●)、|「ロマネスク君がチートを持ったでしょ?」
ζ(゚ー゚*ζ「ああ、はい」
|(●), 、(●)、|「だから私は、なるべく彼を勝たせてあげたいんですよ。少なくとも……ブーン君に不都合が起こすくらいはしてやりたい」
ζ(゚ー゚*;ζ「……そんな出来レースじみた事……」
- 69 : ◆BnhUepkPaA :2011/07/24(日)
20:45:05.75 ID:LYecF0hkO
- |(●), 、(●)、|「だから私は、ロマネスク君の為に、運命を変える為に新たなメンバーを大量に作ってみました」
ζ(゚ー゚*ζ「ああ、それが彼らと……」
ζ(゚ー゚*ζ
ζ(゚ー゚*ζ「……『作る』……?いつものように現実から『呼ぶ』、じゃなくてですか?」
|(●), 、(●)、|「それには、労力と時間があまりに足りなかったものでね。キャラクタを作ったんですよ。文字通り、チート能力の『入れ物』としてね」
- 76 : ◆BnhUepkPaA :2011/07/24(日)
20:50:32.37 ID:LYecF0hkO
- |(●), 、(●)、|「先ほど言ったでしょう、デレちゃん。『チートって能力群は、簡単にその人たるキャラクタを殺す狂気を持つ』―――と」
|(●), 、(●)、|「彼らはその最たる例ですね。彼らは元のキャラクタを持たない。さながら、駒のように。ただ能力を行使するだけの、駒ですよ」
ζ(゚ー゚*ζ「駒……ですか」
|(●), 、(●)、|「ええ」
|(●), 、(●)、|「私は彼らを【虚数的存在《ダイアグラム》】と呼んでいます」
|(●), 、(●)、|「【平面的存在《グラフ》】が自ら望んで生まれた存在なら、そもそもこうして無理矢理作られた彼らはは【虚数的存在《ダイアグラム》】。自分としては、なかなかしっくりきています」
ζ(゚ー゚*ζ「ダイアグラム……」
|(●), 、(●)、|「まぁ、こんな簡単にやられてしまうとは思いませんでしたけどねぇ。これじゃ投入した意味がなくなってしまう……」
- 84 : ◆BnhUepkPaA :2011/07/24(日)
20:56:43.26 ID:LYecF0hkO
- |(●), 、(●)、|「いやはや、毎度ながらブーン君には驚かされますね……というか、彼女も……」
ζ(゚ー゚*ζ「?」
|(●), 、(●)、|「彼女は、ある意味でブーン君より予測不可能だ……このタイミングで妹者と会うなんて……」
デレには、『彼女』が誰を指すのかはわからない。
しかしダディの焦点は、それを教えてくれていた。
数あるモニターにうつる、その『彼女』。
o川*゚ー゚)o
ζ(゚ー゚*ζ「……?」
またもや、見たことのない少女。
|(●), 、(●)、|「まぁ」
そして画面には、ある一文字が浮かび上がっていく。
『 ν 』。『 u 』。『 g 』。
- 93 : ◆BnhUepkPaA :2011/07/24(日)
21:02:48.82 ID:LYecF0hkO
- そして、そのアルファベットの元に、人が写し出される。
見ていてなぜか肌寒くなる、そんな質感。
ζ(゚ー゚*ζ(……ダイアグラム……か)
|(●), 、(●)、|「ν。」
――――――( ^ν^)
|(●), 、(●)、|「u。」
――――――| ^o^ |
|(●), 、(●)、|「g。」
――――――爪゚ー゚)
|(●), 、(●)、|「君らも頑張ってくれましたね。さぁ、お休みなさい」
|(●), 、(●)、|「君らの思いは、彼が継いでくれますよ」
画面に出たそれらの文字。
それに大きな×印がつけられ、フェードアウトする。
そして塗り替えるように、そこには新しい一文字が浮かび上がった。
――――――『 ё 』。
- 106 : ◆BnhUepkPaA :2011/07/24(日)
21:11:28.06 ID:LYecF0hkO
ζ(゚ー゚*ζ「……?イー?」
|(●), 、(●)、|「いいえ。馴染みないですか?これはロシア語なんかに用いられる文字で、読みは……」
|(●), 、(●)、|「……まぁいい。そのうち出てきますよ、彼も。そして」
|(●), 、(●)、|「他のダイアグラム達も」
|(●), 、(●)、|「さぁ、この世界を荒らしに荒らして下さい」
- 118 : ◆BnhUepkPaA :2011/07/24(日)
21:17:03.82 ID:LYecF0hkO
- ――――――
川;゚ -゚)「……お」
川;゚ -゚)「お兄ちゃん」
<_プー゚)フ「……クー」
<_プー゚)フ「まさか、会えるとは……」
川 - )「お兄、ちゃん……」
<_プー゚)フ「……」
震える体を、エクストは何も言わず抱き締める。
クーは、目を閉じていた。あけてもう一度エクストを見れば、今度こそ涙が止まらなくなるだろうから。
だからクーには、彼の胸につけられた烙印には目がいかなかった。
――――――『 x 』。
<_プー゚)フ「よしよし」
- 127 : ◆BnhUepkPaA :2011/07/24(日)
21:27:58.11 ID:LYecF0hkO
ξ゚听)ξ「……」
ξ゚听)ξ「ねぇ」
( ・∀・)「ん?」
ξ゚听)ξ「あなた、モララーよね?」
( ・∀・)「……」
(;・∀・)「はァ!?そうですけど!?」
ξ゚听)ξ「……いや、そうよね。うん、ごめん」
- 131 : ◆BnhUepkPaA :2011/07/24(日)
21:30:01.52 ID:LYecF0hkO
- (;・∀・)「なんだ、疲れてんのか?しっかりしてくれよ頼むから……」
「【存在墜落《ダットテイク》】。」
ξ゚听)ξ「……?なんか言った?」
(;・∀・)「……言ってないよ。マジで大丈夫かお前」
ξ;゚听)ξ「え、そんなに心配されるほど?」
(;・∀・)「自覚ない。やばいツンやばい」
ξ;゚听)ξ「……なんか、おかしいわね」
(;・∀・)「……俺もそんな気がしてきた」
(;・∀・)「誰かに、何かされてんじゃねえか?俺ら」
――――――『 ¢ 』。
- 140 : ◆BnhUepkPaA :2011/07/24(日)
21:39:24.91 ID:LYecF0hkO
- ――――――
('A`)「……ここまで来れば大丈夫か」
lw´;‐ _‐ノv「びっくりしたー。いきなりあんなにダッシュで逃げなくても……」
('A`)「いや、アイツなんか怖くてさ」
lw´‐ _‐ノv「まぁ……そりゃそうだけど」
/ ,' 3「ありゃあ、なんじゃ」
('A`)「わかんねぇよ」
('A`)「強そうだって事くらいしか」
( "ゞ)
――――――『 δ 』。
- 157 : ◆BnhUepkPaA :2011/07/24(日)
21:50:19.65 ID:LYecF0hkO
- ――――――
<ヽ`∀´>
<ヽ`∀´>「……ん?」
<ヽ`∀´>「ここはどこ……ニダ?」
『あ、起きたか?』
<ヽ`∀´>
<ヽ;`∀´>「だ、誰ニダ?どこから話しかけてるニダ?」
『俺の事はどうでもいいよ』
<ヽ;`∀´>「どうでもいいですまないニダ!ここはなんだニダ?お前がやってるニダか?」
『……うっせぇな。それよりお前、大変だぞ』
<ヽ`∀´>「え?」
『お前の能力、「すげ替えられてる」ぞ』
<ヽ`∀´>
- 164 : ◆BnhUepkPaA :2011/07/24(日)
21:55:54.34 ID:LYecF0hkO
- <ヽ;`∀´>「に、ニダ?」
『だから、お前の能力だよ。【ザ・ハンド】だっけ?それ、お前もう使えないから』
<ヽ`∀´>
<ヽ;`∀´>「ええええええ!?な、なんで?」
『言っただろ。すげ替えられたのさ、誰かに』
<ヽ;`∀´>「そ、そんな……せっかく念願の【ザ・ハンド】を手に入れたのに……」
『だよなぁ。落胆するよなぁ。基本的にお前らの能力は、現実で強く望んでいた事に相当するものになる』
『ちなみにお前はなんでその能力が欲しかったんだ?』
<ヽ`∀´>「原作でこれ使ってるやつが馬鹿だったから、ウリの方が間違いなくうまく使えると思ったニダ」
『…………』
- 173 : ◆BnhUepkPaA :2011/07/24(日)
22:00:44.44 ID:LYecF0hkO
- <ヽ;`∀´>「でも、そんなのはもう過去の話ニダね……なんか悲しいニダ」
『……で、なんだが』
『お前、新たな力欲しい?』
<ヽ`∀´>
<ヽ`∀´>「は?」
『だから新たな力、だよ。新しい力。オニューの力。強い力』
<ヽ;`∀´>「あ、ああ、欲しい!!欲しいニダ!!出来れば豪快で、派手でかっちょいーやつがいいニダ!!」
『いや、そうじゃなくて』
<ヽ;`∀´>「ニダ?」
- 182 : ◆BnhUepkPaA :2011/07/24(日)
22:06:02.13 ID:LYecF0hkO
- 『言ったろ。能力ってのは、そいつが強く望んだ事に相当するもんが出る』
『俺がお前んとこに出てきたのは、そういう事だ。お前には、いま異常なまでに強く望んだ事があるはずだ』
<ヽ`∀´>
<ヽ`∀´>「……」
『それが俺が居る理由だよ。お前の望み、聞いてやる』
<ヽ`∀´>「……」
<ヽ`∀´>「力を貸してやりたいやつがいるニダ」
『……ふぅん』
- 197 : ◆BnhUepkPaA :2011/07/24(日)
22:12:19.41 ID:LYecF0hkO
- <ヽ`∀´>「……それはさっきだけど、お前が来るちょっと前。ループしてる世界になぜか気付いたニダ」
『へぇ、珍しいな』
<ヽ`∀´>「そして同時に気付いたニダ。ウリはある人間に救われた事がある。そしてそいつが、世界の敵に打ち勝った事も」
『……世界の敵、ねぇ』
<ヽ`∀´>「でも……そりゃ失敗だったニダ」
<ヽ`∀´>「強敵を問答無用に倒してハッピーエンド。……漫画じゃないんだし、そんな簡単に終わらせてくれるようなもんじゃなかったニダ」
<ヽ`∀´>「それがウリ達がまたこうして戦ってる理由ニダ?」
『……まぁ、そうだな』
<ヽ`∀´>「だからこそ、ニダ」
<ヽ`∀´>「ウリもあいつを助けてやりたいニダ」
- 219 : ◆BnhUepkPaA :2011/07/24(日)
22:21:27.71 ID:LYecF0hkO
- <ヽ`∀´>「……でも、ウリに力って。こんな望みで手に入るニダか?」
『……ああ。まぁな。よし、そのまま強く望んどけよ』
<ヽ;`∀´>「え、もう!?今からニダ!?」
『そうだよ。いいだろ?めんどくせぇの嫌いなんだよ俺。よーし、じゃあ始めるからなー』
<ヽ;`∀´>「まじかニダ!?ちょ、言ったってウリにはそんな、世界を変えるとかそんな大それた事は無理ニダよ!?特技と言えば、せいぜい嘘ついたりマネしたりくらいで……!!」
『ああうっせぇうっせぇ。とりあえずやるから。後の葛藤はてめー一人でやれよ』
『いいじゃないかよ取り柄がなくても。虚勢と嘘八百で、戦ってやれ』
『さぁ、俺の今回の初仕事だ―――』
『―――【与える誰か《テイク》】、っと』
<ヽ;`∀´>「に、ニダァァァァァァァァァァァァ!!?」
――――――
- 236 : ◆BnhUepkPaA :2011/07/24(日)
22:29:47.48 ID:LYecF0hkO
- ――――――
しかし、驚いた。
チートと聞いた時から存在を疑っていたが、まさか本当にあったとは。
世界一の御都合主義というか、世界一の主人公補正というか。
なにしろ運だけは宇宙一の、
l从;∀;ノ!リ人「うう……未だにジンジンするのじゃ」
【ラッキーマン】さんだ。
足をさすりながら、こちらに畏怖の目を向けている。
o川*゚ー゚)o「よしよし、大丈夫?」
慰めているのが毎度おなじみのキュートちゃん。
母親役はばっちりだ。
(;^ω^)「……しかしまぁ、悪かったお」
l从;∀;ノ!リ人「ひぃっ!!」
先ほどの戦闘で、僕はすっかりトラウマ対象だ。
なんだか、PTAが飛んできそうだ。
- 239 : ◆BnhUepkPaA :2011/07/24(日)
22:35:43.38 ID:LYecF0hkO
- (;^ω^)「でも、いきなり襲ってこられてそれを止めただけだお」
o川*゚ー゚)o「反省の色が見えません。妹者ちゃんに謝りなさい」
(;^ω^)「……ごめん……」
理由はわからないがとりあえず謝るしかない。
こういう時の女の強さは異常。卑怯だ。一種のチートだ。
l从・∀・ノ!リ人「まぁ、許してやらんこともないのじゃ」
やっぱそんな予感はしてたけど、最後の方はやっぱり嘘泣きかこのマセガキ。
なんかイラッとくる。
嗚呼、シューに会いたい。
- 242 : ◆BnhUepkPaA :2011/07/24(日)
22:41:06.59 ID:LYecF0hkO
- l从・∀・ノ!リ人「ま、そうと決まれば行くのじゃ!」
o川*゚ー゚)o「ん、妹者ちゃん。行くって、どこに?」
l从・∀・ノ!リ人「決まっておろう。『わるもの』退治なのじゃ!」
o川*゚ー゚)o「わるもの?」
l从・∀・ノ!リ人「そうじゃ!わるものを倒すのじゃ」
l从・∀・ノ!リ人「そうすると、おっきい兄者とちっさい兄者に褒めて貰えるのじゃ!」
o川*゚ー゚)o「ああ、そうなの。お兄ちゃんはいないの?」
(;^ω^)「……待て、妹者」
(;^ω^)「兄者、とな?」
- 250 : ◆BnhUepkPaA :2011/07/24(日)
22:46:01.78 ID:LYecF0hkO
- (;^ω^)「兄者って、あの兄者かお!?やるせない顔して、ダンス狂なあいつかお!?」
l从・∀・;ノ!リ人「え、あ……うう?わかんないけど、兄者は兄者なのじゃ。おっきい兄者はダンスもうまいのじゃが……」
(;^ω^)「マジかお!で、2人はどこに!?」
見つけた、救いたいやつ。
しぃとつーは後回す事になってしまうが、少し待ってもらおう。
兄者と、弟者。
純粋に弟を信じた兄と、力を過信し自滅した弟。
今回なら……弟者を止められるかも知れない。
l从・∀・;ノ!リ人「わかんない……のじゃ。はぐれちゃった、から……」
l从・∀・;ノ!リ人「だからわるものをこらしめていれば、2人が見つけてくれるかなって」
(;^ω^)「それを詳しく!!どのへんではぐれたんだお!!?」
煤@l从・∀・;ノ!リ人 ビクッ
- 253 : ◆BnhUepkPaA :2011/07/24(日)
22:51:45.30 ID:LYecF0hkO
- (;^ω^)「答えてくれお!!兄者と弟者は、君の兄なんだお!!?」
l从・∀・;ノ!リ人
突然だが、僕は女の子の扱いが本当になってない。
気持ちをわかってやる事が殊更苦手だし、まず意思の疎通すら軽く失敗する事もある。
それを後から考え後悔するのだ。
まったく、少し考えればわかる事だろう。
小さい女の子が、先ほど恐怖したばかりの男に、こんなに必死に語りかけられてきたら。
l从;∀;ノ!リ人「うわ、うわああああああん!!」
泣くことくらい。
l从;∀;ノ!リ人「うわあああああああああん!!!」
そして、走って逃げる事くらい。
o川;*゚ー゚)o「ちょ、妹者ちゃーん!!どこいくの!?」
(;^ω^)
いや、さすがに逃げるとは思わなんだ。
やっぱ女の子ってわからない。
- 257 : ◆BnhUepkPaA :2011/07/24(日)
22:57:21.05 ID:LYecF0hkO
- o川;*゚ー゚)o「もう!ブーンったら!!はやく妹者ちゃん追わないと!!」
(;^ω^)「あ、おお。おお!?」
キュートの母性本能はフルマックス稼働中なのだろうか。
もう仲間意識が芽生えているらしい。
というかあいつ【ラッキーマン】なんだし、別に心配しなくても良くね?
o川;*゚ー゚)o「ほら!早くしないとどっかにいっちゃ―――あ、角曲がっちゃった!!早く追わないと!!」
(;^ω^)「……ああもう」
しかし、追うしかないだろう。
なんで……って、アレだ。
女の子に振り回されるのは、存外悪くないからだ。
(;^ω^)「ま、いくかお……」
o川*゚ー゚)o
そしてキュートと走り出した。
まずは妹者が曲がった角を同じく曲がり―――
- 262 : ◆BnhUepkPaA :2011/07/24(日)
23:01:22.35 ID:LYecF0hkO
(;ФωФ)「ハァ……ハァ……」
(`・ω・´)「本当に大丈夫なのか?」
(;ФωФ)「大丈夫、である……」
(;^ω^)「えっ」
o川*゚ー゚)o「んぇ?」
(;ФωФ)
(;^ω^)
――――――そして、2人は出会った。
- 269 : ◆BnhUepkPaA :2011/07/24(日)
23:09:34.87 ID:LYecF0hkO
(;`・ω・´)
(;`゚ω゚´)「……!!!」
いち早く動いたのは、シャキンだった。
自分達の最大の敵にして最終の目標、【気分次第《アンカーテイク》】。
それを目にした時、既に体は動いていた。
右手を奮う。
その後ろからは、化物と形容する他ない腕。
異形の腕。
戦えば必ず「勝つ」という、ふざけた力を持つ腕。
(;゚ω゚)(【聖なる右】――――――!!?)
思うと同時に、ブーンは吹き飛んでいた。
- 271 : ◆BnhUepkPaA :2011/07/24(日)
23:15:51.58 ID:LYecF0hkO
- (;゚ω゚)「がっ……」
アスファルトに思いきり叩きつけられる。
内臓器が裏返るかのような、不思議な感覚。
そして、呼吸を止められた事による閉塞感。
それを感じた時には既に――――――
(`゚ω゚´)「――――――!!!」
追撃はやって来ていた。
対抗するしかない。
しかし対抗等、どうやって。
この能力の恐ろしさは、話せば長くなってしまうが
原理だけを言えば、「困難を打ち破る最適な出力を自動で出す」。
つまり、どんな敵にも勝ってしまうのだ。
どんなに速くとも、右手を振ればあたる。
どんなに硬くとも、右手を振れば壊せる。
どんなに強くとも、右手を振れば打ち勝つ。
敵がグーでもチョキでもパーでも、手を出した時点で勝ち確定。
そんなチートを。
(;゚ω゚)
- 274 : ◆BnhUepkPaA :2011/07/24(日)
23:21:28.63 ID:LYecF0hkO
- (;ФωФ)「よせ、シャキン!!」
そんな言葉じゃあ、止まらない。
(;`゚ω゚´)「……!!」
既に振るわれた腕。
回避は不可能。
o川;*゚ー゚)o「ぶ――――――」
介入も不可能。
ならば、もう使う他ない。
まったく――――――
いつになれば休みが貰えるってんだ。
(;゚ω゚)「【気分次第《アンカーテイク》】!!」
- 280 : ◆BnhUepkPaA :2011/07/24(日)
23:26:14.71 ID:LYecF0hkO
- (;^ω^)「さぁ皆さんこんばんわ!!」
(;^ω^)「今回はチート中のチート、【聖なる右】!!振れば終わる、打ち勝つすごい力!!」
(;^ω^)「そんな敵を倒すための力を下さいお!!指定アンカーは――――――」
――――――>>0000
- 295 : ◆BnhUepkPaA :2011/07/24(日)
23:29:03.55 ID:LYecF0hkO
- ( ^ω^)
(;^ω^)「あ……れ?」
おかしい。
いつものように、能力が決まらない。
それどころか、0000だなんて――――――
(;ФωФ)「やめろ、2人とも」
(;`・ω・´)「……すまない」
見れば、右手も空中分解していた。
(;^ω^)「……」
(;ФωФ)
この男が、何かしたというのだろうか。
- 306 : ◆BnhUepkPaA :2011/07/24(日)
23:35:48.85 ID:LYecF0hkO
(;ФωФ)「……まずは、再開を喜ぼう……と言っても、あの時我輩はお前とは直接会ってはいないのだが」
(;^ω^)「お……おお?」
(;ФωФ)「我輩はロマネスク。貴様を、必ず打ち破る者だ」
(;^ω^)「なっ……」
わけがわからない。
能力も使えない状態で、知らない人間から宣戦布告されるなんて。
(;ФωФ)「もっとも、こんなに早くお前達と会うつもりなんてなかったのだがな。やはりお前のせいなのか――――」
ロマネスクは視線を外す。
その先に。
o川;*゚ー゚)o「…………」
(;ФωФ)「また会ったな、キュート」
o川;*゚ー゚)o「……」
(;^ω^)
キュートを見れば、すぐにわかった。
キュートが言っていた人間。
自分を狙っていると言っていた人間は、こいつらだと。
- 319 : ◆BnhUepkPaA :2011/07/24(日)
23:41:23.68 ID:LYecF0hkO
(;ФωФ)「キュートはもういい。ブーンの元にいるなら、これ以上の用はない」
o川;*゚ー゚)o「え……」
(;ФωФ)「ブーン」
(;ФωФ)「近いうちに我輩は必ずお前と相見える事になるだろう。その時は必ず、貴様に打ち勝って見せる」
(;ФωФ)「この……【正解を選択する者《ビッパーテイク》】でな」
( ;Фω)「それまで、殺られるでないぞ。どんな不都合があろうと、な―――」
(;`・ω・´)「……」
それだけを言い残し、謎の二人は姿を消した。
それはまるで、嵐のような数分間だった。
- 325 : ◆BnhUepkPaA :2011/07/24(日)
23:46:17.24 ID:LYecF0hkO
(;^ω^)「……」
o川;*゚ー゚)o「……」
立ち尽くすしかなかった。
2人の運命の何かが見えた気がして。
2人の能力は、何か周りに多大な影響を起こす気がして。
- 330 : ◆BnhUepkPaA :2011/07/24(日)
23:50:03.60 ID:LYecF0hkO
――――――そして、キュートはブーンの前から姿を消した。
いつからかはわからない。
この後すぐにかも知れないし、ついさっきかもしれない。
ふと目を離せば、そこに少女の姿は無かった。
第六話、終わり。
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