17 名前: ◆BnhUepkPaA :2011/07/21(木) 20:05:26.11 ID:wy/f8dhK0
( ^ω^)はあらゆるチート達と闘うようです

第五話。

『前回までのあらすじ』
最強能力決定戦と称し様々なチート能力者と戦うはめになったブーンは、安価内容をそのまま使える能力【気分次第《アンカーテイク》】を駆使して強敵を倒していく。

そして迎えたのはループした世界。
矢継ぎ早に現れる未知の敵。
はたして、内藤達の運命やいかに……。
24 名前: ◆BnhUepkPaA :2011/07/21(木) 20:08:11.68 ID:wy/f8dhK0
※ブーンの能力【気分次第《アンカーテイク》】について
指定アンカーにかかれていた能力をそのまま使える能力
「〜能力」と、最後に「能力」とかかれていなければ再安価。
一人の敵につき、一回ずつ出来る。
今まで出てきた能力
『境界を曖昧にする能力』
『あらゆる値を2倍から1/2までの範囲で変更できる能力』
『触れた物体の時を巻き戻す能力』
『無敵のスタープラチナ・ザ・ワールドを自由に使える能力』
53 名前: ◆BnhUepkPaA :2011/07/21(木) 20:19:48.76 ID:wy/f8dhK0
――――私には2人の兄がいた。
上の兄はエクスト。下の兄はモナーと言う。

エクストは素晴らしい兄だった。
優しくて、強くて、暖かい。
バイトの帰りには、必ず私が大好きなシュークリームを買ってきてくれたっけ。
もし私たちが兄弟じゃなければ、私はエクストと結婚したいとたまに本気で思っていた事もある。

一方で、モナーはあまり他人に自慢出来るものではなかった。
自己中心的で社交性に欠けるし、周りろくな気遣いも出来ないのだ。
モナーとは喋りもしなければ、目を合わす事すらない。
他人に兄弟だと思われたくもない。

本当に、なぜこんなにも違うのだろう。

エクストとモナー。
この2人は本当に兄弟なのかとすら疑いたくなる。

……そして、あの日。
3 名前: ◆BnhUepkPaA :2011/07/21(木) 20:26:34.83 ID:wy/f8dhK0
年頃のせいか、だんだんと疎遠になっていた私達は会話が少なくなり―――もっとも、モナーとは元から会話なんかほとんど無かったのだけど―――さらには母にも冷たく当たられ初めていた、あの夏の日。

私はモナーから暴力を受けた。
安物の服をちぎられ、その舌を私の肌へ這い回し……このあたりの記憶は、もう思い出したくもない。
幸い、最後までされる前にエクストが助けにきてくれたが、もはや私の中からは何かが消え失せていた。

会話が少ないと言えど、あまり自慢出来る兄じゃないと言えど
やはり心のそこでは、モナーを信頼していたのに。

なのに……と。
84 名前: ◆BnhUepkPaA :2011/07/21(木) 20:30:57.65 ID:wy/f8dhK0
「出来れば、魔法少女になりたいなぁ」

冗談とは言えど、本心だった。

「なんでも出来る、楽しい世界に作り変えれればなぁ」

妄想とは言えど、願望だった。



そして私は――――――


川 ゚ -゚)「【月火水木金土日を操る程度の能力】……か」

川 ゚ -゚)「なんか思ってたんと違う。まぁいいけど」


ここにいる。
114 名前: ◆BnhUepkPaA :2011/07/21(木) 20:39:19.79 ID:wy/f8dhK0
川 ゚ -゚)「さてと、どうしようかな……」

私は誰に聞かれてるわけでもないけど、そう呟いた。
殺風景なアーケード街の中には、風の音しか感じられない。


(;´W`)「……ああ゛……クソが……」

ちなみにこの真っ黒焦げになって倒れてるおじさんは……いや、私もよくわからない。
なんだかいきなり襲ってきたので、説明書通りに呪文を唱えてみれば
簡単に魔法が出現し、おじさんは火だるまになった、と。

どうやら私は、憧れの魔法使いになれたらしい。

川 ゚ -゚)「……戦え、って言ったってなぁ」

その割には、感慨深いものは無かったのだけど。
152 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/21(木) 20:48:55.39 ID:wy/f8dhK0
川 ゚ -゚)「でも、魔法が使えるんだから」

そうだよ。憧れの魔法少女に、私はなれたんだから。
今のうちに出来る事をいろいろ考えておかないと――――


――――――と?

川; - )「うぐぅっ!!?」

あれ?頭が。

川; - )「〜〜〜〜〜〜っっ!!?」

頭が。痛い。頭が。割れそう。
え、なんで。なんで。こんな。こんな?


――――「ありがとうだお、クー!」「あんたも頑張るわね」「ありがとうクーさん、おかげで助かったよ」――――


川; -゚)「……!?」

あれ、今のは。
179 名前: ◆BnhUepkPaA :2011/07/21(木) 20:54:50.10 ID:wy/f8dhK0
川; -゚)「……おさ……まった」

なんだったんだろう、今のは。
凄く聞きなれた声。
だけど……思い出せない。
何故かやたらと汗ばんできて、肌が気持ち悪い。

川;゚ -゚)「……」

でも、何かを知らなきゃいけない。
そんな決意も出てきた。


この世界には、何か秘密でもあるらしい。


川;゚ -゚)「少し興味、沸いてきたかな」

頭はもう、痛くない。
所得能力の影響からか、私はあるかどうかもわからない図書館を探し歩き始めた――――――
222 名前: ◆BnhUepkPaA :2011/07/21(木) 21:03:20.77 ID:wy/f8dhK0

――――――

( ^ω^)「さぁ、早いとこどこかに身を隠すお」

o川*゚ー゚)o「あ、やっぱ逃げるんだね。なんかブーン腑抜けー」

(;^ω^)「……キューちゃん、君またさらわれたいかね?」

o川;*゚ー゚)o「……めっそうもねーです」

(;^ω^)「だったら早くどっかに隠れるべきだお。こんなたて続けに敵が来たって事は、たぶん居場所がバレてるんだお」

o川;*゚ー゚)o「でも……でも、だからって、なんで私達が狙われてるの?」

(;^ω^)「……それがわかれば苦労しないんですがね」

o川*゚ー゚)o「……だよねー」


二人はとりあえず、と建物の影に身をひそめた。
遮蔽物と呼べるかどうかはわからない。
最悪、サーチする敵がいるかも知れないが
とりあえず、心は安らいだようだ。
247 名前: ◆BnhUepkPaA :2011/07/21(木) 21:08:26.71 ID:wy/f8dhK0
o川*゚ー゚)o「でも……」

o川*゚ー゚)o「それじゃあ、大丈夫なのかな」

( ^ω^)「お?何がだお?」

o川*゚ー゚)o「モララーさんとツンさんは、今頃……」

( ^ω^)「……」

( ^ω^)「大丈夫だろうお。あいつらは、そんな簡単にやられちゃうようなやつらじゃないお」


不安は消えないが、虚勢ではない。
単純な信頼。
今のところは、それで十分すぎる。
286 名前: ◆BnhUepkPaA :2011/07/21(木) 21:17:27.59 ID:wy/f8dhK0
o川*゚ー゚)o「じゃあ、とにかく逃げ場になるような場所――――心当たりない?」

(;^ω^)「……うーん……」

とりあえず、前回を必死に思い出すしかない。
まず……学校でモララーと戦って

……商店街でツンに会い、そこからつー、しぃと合ったけど渡辺の強襲で離散して

……あ。

(;^ω^)「あぁ!!つーとしぃが!!」

o川;*゚ー゚)o「!??」

(;^ω^)「しまったお!忘れてた!!こうやってもたもたしてたら、つーとしぃが……!!」

o川;*゚ー゚)o「え?なに?なにが?」

そうだ。こうしちゃいられないんだった。
このままでは2人が、取り返しのつかない事になってしまう。

(;^ω^)「走るお!!キュート!!」

僕は振り向かず、走り出す。
後ろのキュートは、いきなりの事態にやや遅れてしまう。
何が起きてるから、後で説明してやるとしよう。
このままじゃ、二人が危ないのだ。

o川;*゚ー゚)o「え?なんで!?ちょっ……説明くらいしてよー!!」
339 名前: ◆BnhUepkPaA :2011/07/21(木) 21:27:27.59 ID:wy/f8dhK0
――――――そして迎えた、大通り。

(;^ω^)「ハァ……ハァ……」

(;^ω^)「……」

あの時と同じ光景。
生活感のまるでないビル群は、精巧な作り物にしか見えない。
つぶれてないのに既に廃墟感ただようこの街は、あの時のままだった。

何もかもが、あの時のまま。

(;^ω^)(確かつーが、ここでしぃを探して……)

しかし辺りを見渡しても、人影はまったくない。
つーの面影すら見当たらないのだ。


o川;*゚ー゚)o「ハァ……ハァ……ブーンはやいよ……あー疲れた」

後ろから少し遅れて、キュート。
大きな髪留めが乱れ、肩で息をする。
見るからにいっぱいいっぱいといった具合だ。

(;^ω^)(やっぱ……ループは微妙に変わってる……?だとしたら、今回は渡辺とつー達は合わないってことかお……?)

それならばいいのだが、そうだとしても渡辺は放っておけない。
あいつが自分達に植え付けた絶望感を、他の人間にも植え付けるわけにはいかないのだ。
387 名前: ◆BnhUepkPaA :2011/07/21(木) 21:37:56.90 ID:wy/f8dhK0
o川;*゚ー゚)o「……ねぇブーン」

(;^ω^)(でもそもそも、今回は渡辺が狂ってないっていう可能性もあるお……でもそれとつーがここにいないのは関係ないか。とりあえず、しぃだけでもいれば……)

o川*゚ー゚)o「ブーンってば!!」

(;^ω^)「お?」

o川*゚ー゚)o「さっきから、どうしたの?一人でいきなり走っちゃったり、何をそんなに焦ってるの?」

(;^ω^)「お……」

o川*゚ー゚)o「まるで、この世界の何かを知ってるみたいに。ねぇ、教えてよ」

o川*゚ー゚)o「ブーンは、この世界の何を知ってるの?」

間を取り持つかのように、風が吹き抜けた。

(;^ω^)「……」

少し迷うところだ。
言うべきか、否か。
この少女に不安を持ったまま、このループした世界を伝えてもよいのか。

初めて生まれた決定的なループ差違の、このキュートに。
それを、伝えるべきか。
450 名前: ◆BnhUepkPaA :2011/07/21(木) 21:49:42.42 ID:wy/f8dhK0

(;^ω^)(……ええい、ままよ!!)

しかしそれも、悩んでいる場合ではないように取れた。
ループの差違と簡単に片付けられる問題より、何か不吉なものを、ブーンは感じていたから。

(;^ω^)「あのな、キュート……」

だから、伝えるしかないのだ。

o川*゚ー゚)o「うん」


(;^ω^)「じt「―――さぁ、おしゃべりはそこらへんにしましょうか」

(;^ω^)

o川*゚ー゚)o
456 名前: ◆BnhUepkPaA :2011/07/21(木) 21:51:59.51 ID:wy/f8dhK0
(;^ω^)「……なんでこうも」

(;^ω^)「タイミングよく敵がくるかねぇ……」

o川;*゚ー゚)o「まさか、また」


爪゚ー゚)

また現れた、見知らぬ誰か。

爪゚ー゚)「さ、私と戦いましょうか」

殺意と敵意をむき出しにする、見知らぬ誰か。
487 名前: ◆BnhUepkPaA :2011/07/21(木) 22:01:52.94 ID:wy/f8dhK0
爪゚ー゚)「はじめまして。私はじぃ……友達からは、じぃちゃんなんて呼ばれています」

爪゚ー゚)「仲良くしてね」

(;^ω^)「おおぅ……仲良くはしてやりたいんだがな、じぃちゃん」

言いつつ、キュートの手を掴む。

o川;*゚ー゚)o「ぅえ?」



(;^ω^)「お前なんかキモいからやだ!!」



ブーンは全速力で、来た道を戻る。

逃走を開始した。


o川;*゚ー゚)o「え!!また走んの!!?」
501 名前: ◆BnhUepkPaA :2011/07/21(木) 22:07:50.17 ID:wy/f8dhK0
o川;*゚ー゚)o「ちょ、やだブーン!なんで逃げんのよ!!」

(;^ω^)「待ってくれお!僕だって、少し疲れてんだお!」

そうだ。
よくよく考えれば僕は、短期間で【気分次第《アンカーテイク》】を連続使用している。
体の負担も、少なくはない。

それに。

(;^ω^)「それに――――――お前も感じただろうがお!」

o川;*゚ー゚)o「え?」

(;^ω^)「あいつからただよう、異質な力を!おそらくあいつ……超強いお!!」

一番の理由は、それだ。
あの異質で、異様で、異常な雰囲気。

それは、あの最凶の【荒々しい空気《ラドンテイク》】をも思い出させた。

(;^ω^)「ありゃあ……化物だお!!」

o川;*゚ー゚)o「……」

爪゚ー゚)「ふふ、待ちなさいな」

当の化物は顔色変えず、着いてきやがっていた。
507 名前: ◆BnhUepkPaA :2011/07/21(木) 22:12:28.51 ID:wy/f8dhK0
爪゚ー゚)「ふふ……そんなに私の能力が知りたいですか?」

爪゚ー゚)「私も一応最強を自負していますからね、見せびらかす事に、不満はありませんよ――――――では」

(;^ω^)「……!」

o川*゚ー゚)o


爪 ー )「――――――あなた達に、地獄を見せてあげましょうか」


(;゚ω゚)

ぞわり、と。
大蛇に背筋を嘗め回されるような悪しき予感。
515 名前: ◆BnhUepkPaA :2011/07/21(木) 22:15:26.19 ID:wy/f8dhK0


爪 ー゚)「それでは、いきまsl从・∀・ノ!リ人「いもじゃキーック!!」ぎゃああああああああああ!!!」

爪 д )「がっ…………」


( ^ω^)

o川*゚ー゚)o

l从・∀・ノ!リ人「やったのじゃ!!わるもの、成敗なのじゃ!」

化物は、横から飛んできた幼女にドロップキックされ
一撃で昏倒した。
528 名前: ◆BnhUepkPaA :2011/07/21(木) 22:20:07.86 ID:wy/f8dhK0
o川*゚ー゚)o

( ^ω^)

l从・∀・ノ!リ人「さすが正義のヒーロー、妹者なのじゃ!わるものなんか、一撃なのじゃ!」

( ^ω^)

o川*゚ー゚)o

(;^ω^)川;*゚д゚)o「えええええええええ……?」

じぃは一撃でぶっ倒れていた。
あらやだ、なんか化物認定してた僕が馬鹿みたい。

なんだこの幼女。

なんでいきなり助太刀にきた?

l从・∀・ノ!リ人「おお、大丈夫かそこの二人よ!!我が名は妹者!!」

l从・∀・ノ!リ人「『わるもの』をこらしめる為にやってきた、正義のヒーローなのじゃ!!」


どうしよう、めちゃめちゃ納得のいく説明がかえってきたよ。
541 名前: ◆BnhUepkPaA :2011/07/21(木) 22:25:14.50 ID:wy/f8dhK0
(;^ω^)「ああ、よろしくだお妹者ちゃん」

とりあえず、敵ではないみたいで良かった。
それさえわかったら、安心して対処出来るというものだ。

l从・∀・ノ!リ人「とりあえず、わるものはもうこらしめた」

l从・∀・ノ!リ人「か、ら……」


(;^ω^)←キュートの手を引っ張ってる
o川;*゚ー゚)o←手を引っ張られてる。しかも汗だく。


l从・∀・ノ!リ人(汗だく→嫌がってる)

l从・∀・ノ!リ人(手を引っ張られて嫌がってる→誘拐)

l从・∀・ノ!リ人(誘拐→わるもの)

l从・∀・#ノ!リ人「わるもの発見なのじゃああああああああ!!!!」


(;^ω^)「なんでそうなるぅぅぅぅぅぅぅ!!!」
560 名前: ◆BnhUepkPaA :2011/07/21(木) 22:31:33.78 ID:wy/f8dhK0

l从・∀・#ノ!リ人「その娘から離れろわるものぉ!!妹者パーンチ!!」

(;^ω^)「ちょっ……」

o川;*゚ー゚)o「わっ」

妹者、超ダッシュ。
右手をこれでもかと振り回し、地をかける。

(;^ω^)(え、でも、どうする……!?)

敵意はどうあれ、相手は幼女。
チートな力を持っているかも知れないが、これを相手にするのは気が引ける。

しかし、先ほどじぃがやられた理由がもし即死系能力だから、とかなら……

l从・∀・#ノ!リ人「――――――!!!」

などと考えているうちに。

l从・∀・;ノ!リ人「――――――ぅあっ?」

妹者は、石につまづいた。

(;^ω^)

567 名前: ◆BnhUepkPaA :2011/07/21(木) 22:36:59.43 ID:wy/f8dhK0

ここで説明しておくと、頭蓋骨は人体の中でもかなりの硬さを誇る。
成人男性のサイズでコンクリートと遜色ない硬さを持つのだとか。

例え、幼女のものであろうと、かなり硬い。

だから、例えば――――――

o川;*゚ー゚)o「あ」

l从>∀<;ノ!リ人「うにゃっ!!」

(;゚ω゚)「あ゛」


――――――勢いをつけたまま股間になどクリーンヒットでもしたら、とてつもない激痛となろう――――――
25 名前: ◆BnhUepkPaA :2011/07/21(木) 22:59:32.47 ID:wy/f8dhK0
(;゚ω゚)「―――ッッ―――ッッ!!」

o川;*゚ー゚)o「ブーン!!?ブゥゥゥゥゥン!!?」


l从・∀・;ノ!リ人「お、おお……なんか知らんが、効いたのじゃ……まぁ、結果オーライなのじゃ」

声すらでない激痛の中。

(;゚ω゚)(……なる、ほど)

ブーンは、この幼女の能力を理解し始めた。
しかし、同時に信じられなかった。
だってそうだろう。

どんなパワーも、スピードも、法則乱しも、概念攻撃も。

全て「たまたま運が良かったから」で済まされては、たまったもんじゃない。

l从・∀・ノ!リ人「妹者は今日も、ラッキーなのじゃ!!」

(;゚ω゚)(……【ラッキーマン】……)

世界一の幸運を持つヒーローの力が、目の前にあった。

39 名前: ◆BnhUepkPaA :2011/07/21(木) 23:05:02.79 ID:wy/f8dhK0
(;゚ω゚)「――――――」


これはまずい。
やってる事は股間を押さえて悶絶してるだけだが、

立ち上がったとして勝目が見当たらない。

だって、【ラッキーマン】は「ラッキー」なんだから。

世界最速の銃を打っても、たまたま地面に10円でも見つけ、拾ってよけるだろう
どんな弱い攻撃をしても、都合よくクリーンヒットになるだろう。

今まで誰も手に入れようとしなかった「幸運」。

それに抗う方法なんか――――――

(;゚ω゚)(……能力、使うか……)

――――――あるっちゃあるんだけどね。
52 名前: ◆BnhUepkPaA :2011/07/21(木) 23:09:22.86 ID:wy/f8dhK0


(;゚ω゚)「――――――あ」

l从・∀・ノ!リ人「ん?まだ倒してなかったのじゃ?」

(;゚ω゚)「あんか、……」

o川;*゚ー゚)o「ブーン!!」

(;゚ω゚)「……【気分次第《アンカーテイク》】、だお」


世界一、宇宙一の運に勝つならば

それは、僕の予想もつかないこの運任せの能力だ。


――――――ちくしょう、股間押さえてなきゃかっこいいのになぁ。
59 名前: ◆BnhUepkPaA :2011/07/21(木) 23:11:32.52 ID:wy/f8dhK0
(;^ω^)「はいどうも皆さん」

(;^ω^)「さて今回の相手はラッキーマン。テラナツカシス」

(;^ω^)「では、運に打ち勝つ運任せを。指定アンカーは――――――」

――――――
>>80

 

80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/21(木) 23:14:03.36 ID:op8vOt+/0
相手の足の小指が色んな物の角に強打する能力

 

96 名前: ◆BnhUepkPaA :2011/07/21(木) 23:16:36.25 ID:wy/f8dhK0
『能力が決定しました。』

>>80 相手の足の小指が色んな物の角に強打する能力

( ^ω^)

(;^ω^)「ちょっとこれは鬼畜すなぁ……」
116 名前: ◆BnhUepkPaA :2011/07/21(木) 23:25:30.68 ID:wy/f8dhK0
人間の感じ得る痛みのランキングというものがある。

1位は確か、歯の神経にフッ酸をかける事だった。
これは痛みだけで絶滅するほどの痛みだ。
2位は尿路結石。あのセガールが大号泣しながら救急車呼ぶようなレベルだ。
3位がすい臓癌の末期……と。
そのランキングの8位が、

この、

タンスの角に足の小指をぶつける。


だそうだ。

(ちなみに9位だったか10位が金玉強打、だ)


l从・∀・;ノ!リ人「……のじゃ?」

(;^ω^)「ごめんな妹者ちゃん。恨みはない……いや、恨みはあるな。でも」

(;^ω^)「ちょっとだけ、お仕置きだお」


手始めに妹者は、信号機の角に、その可愛らしい小指を打ち付けた。
130 名前: ◆BnhUepkPaA :2011/07/21(木) 23:32:32.91 ID:wy/f8dhK0
ガッ

l从・∀・ノ!リ人

l从・∀・;ノ!リ人

l从;∀;ノ!リ人「うに゛ゃああああああ!!!な、なんでこんなとこに信号機がぁあああ!!!」

(;^ω^)「よっしゃ!やっぱ、『決まった運命』は回避出来ないんだお」


タンス角小指(いま略を考えた)の一番怖い部分は、遅れて痛みがやってくる点である。
とある環境利用闘法(笑)を使う軍ヲタ曰く「来るとわかっている痛み」は最大の恐怖らしい。

「相手の足の小指が色んな物の角に強打する能力」。

今からこの幼女は、トラウマものの恐怖に見回れるのだ……。

l从;∀;ノ!リ人「うあ、いた、いた……」

ガッ

l从;∀;ノ!リ人

l从;∀;ノ!リ人「いや゛ぁああああああああ!!!」
145 名前: ◆BnhUepkPaA :2011/07/21(木) 23:43:44.13 ID:wy/f8dhK0
l从;∀;ノ!リ人「うわ、ゆるさ、ゆるさないのじゃ……!」

l从;∀;ノ!リ人「妹者ビーーーーム!!」

(;^ω^)「お!?」

そうだった。よく考えれば【ラッキーマン】はビームも打てた。
いつもなら、ビームがかわされても壁やビルに反射してなんだかんだで当たる、みたいなラッキーなビームだが……

今回ばかりは、反射先は相手ではない。


壁に反射し。
地面に反射し。

行く先は。






ガッ

l从;∀;ノ!リ人
157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/21(木) 23:50:34.98 ID:wy/f8dhK0

l从;∀;ノ!リ人「いにゃああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」

(;^ω^)「……」

【ラッキーマン】。

これからの戦いでずっとラッキーであろう彼女

その分のアンラッキーが一度に集約されたかのような叫び声だった。

幸運の星すら守ってくれない、可哀想な瞬間だった。

166 名前: ◆BnhUepkPaA :2011/07/21(木) 23:59:07.19 ID:wy/f8dhK0
――――――

(;Фω+)「ハァ……ハァ……」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`)「…………」

 @@@
@#_、_@
 (; ノ`)「……あ…ぐ………」


どさり、と。
地に伏せたのは母者だった。


(;ФωФ)「……うまく、いったのである……」

ノハ;゚听)「ふぁ……すっげーなぁロマ!!そんな事も出来るのか!!」

167 名前: ◆BnhUepkPaA :2011/07/22(金) 00:01:11.10 ID:jtrAYoiP0

(;ФωФ)「……しかし、強かったのである。見ろ」


(;ФωФ)「せっかく貯めた力が、今の闘いで『新参』レベルまで戻ってしまった」


ノパ听)「そんなの後でどうとでもなるよ!!それより、1001ゲットだ!」

( ФωФ)「ああ……この勝利はでかいな」



( ФωФ)「……待ってろ」

( ФωФ)「――――【気分次第《アンカーテイク》】よ」


そのVIPPERの快進撃は

記念すべき第一歩目を成功に収めた。


第五話、終わり。

 

183 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/22(金) 00:11:10.89 ID:2FBMbyOqO
ヒートの能力一応新出だけど作中での能力解説って今後もでないの?
193 名前: ◆BnhUepkPaA :2011/07/22(金) 00:18:59.38 ID:jtrAYoiP0
>>183
四話で説明し――――――てないですね、微妙にしか。ごめんなさい。


ノパ听)【千の顔を持つ英雄】
「如何なる形にも(複数可)自在に姿を変えられる」アーティファクト及びそれを扱うジャック・ラカンの二つ名。
無限の武器を生み出し投擲したり、高層ビル1つ分はあろうかという剣を出したりとやりたい放題な能力。
しかし能力を使わずとも素手で既にラオウ並みに強い
普通の人間を1、ネコを0.5としたら英雄さんの強さは12000だとか。

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