- 20 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水)
21:37:31.67 ID:g/hXxgbLO
- ( ^ω^)はあらゆるチート達と戦うようです
第六話。
『前回までのあらすじ』
最強能力決定戦と称し様々なチート能力者と戦うはめになったブーンは、安価内容をそのまま使える能力【気分次第《アンカーテイク》】を駆使して強敵を倒していった。
そして離散したツンの行方を追い、シューと出会い、親友ドクオの所在を知る事が出来たのだった。
今回の敵は!?今回の安価は!?
作者はシューが気に入ってしまったのだが、果たしてツンはメインヒロインのままでいられるのか!?
- 28 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水)
21:40:31.44 ID:g/hXxgbLO
- ――――川沿いの道
シューと戦ったあの道を逸れるように流れる川がある。
ブーンはドクオ達の元へ行く為に、そこを歩いている最中だった。
lw´‐ _‐ノv「というわけで、シューはブーンと共に我らがリーダードクオさんと合う為に川沿いの道を歩いているのであった。」
(;^ω^)「お前は地の文か」
lw´‐ _‐ノv「乗っ取り公開、シューちゃんの大冒険のようです!!」
( ^ω^)「黙れ犯すぞ」
lw´‐ _‐ノv「来いや腹上死させてやんよ」
( ^ω^)
lw´‐ _‐ノv
( ^ω^)「ふふふ」
lw´‐ _‐ノv「えへへ」
ブーンはこのノリが大好きだった。
- 39 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水)
21:45:05.76 ID:g/hXxgbLO
- ( ^ω^)「そういや、シュー。気になってたんだけど」
lw´‐ _‐ノv「ん?」
( ^ω^)「その背中に担いだでかいリュックはなんだお?」
lw´‐ _‐ノv「ああ、これ?」
現在、シューの背中には大きめのリュックサックがある。
いつもの麦わら帽子と相まって、その様はさながら遠足へでかける小学生のようだ。
lw´‐ _‐ノv「中にはピクミンがいっぱいいるよ。種はいっぱいあるけど、発芽さすの面倒だから持ってきたの」
リュックの隙間から、何やらうじゃうじゃしているものが見えたが相当にグロかった。
速攻で見なかった事にした。
(;^ω^)「ま、まぁ、なんにせよドクオに会えるんだお。楽しみだお」
lw´‐ _‐ノv「…ねぇブーン。先に言っときたいんだけど」
lw´‐ _‐ノv「もしかしたら、今のドクオさんは…」
lw´‐ _‐ノv「あなたの知ってるドクオさんとは、少し変わってるかも知れない」
( ^ω^)「………」
- 44 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水)
21:48:33.73 ID:g/hXxgbLO
- ( ^ω^)「まぁ、そんなもん会ってみなきゃわかんねーお」
lw´‐ _‐ノv「……そうだね」
( ^ω^)「あいつは根はどこまでもいいやつだお。それだけはここでも変わんないはずだお」
自分でいいつつ、不安を覚える言葉だ。
lw´‐ _‐ノv「………」
だからこそ、シューは何も言わなかったのかも知れない。
どちらにしろこの状況で否定も肯定もしなかったのは、ブーンにとってはありがたかった。
- 53 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水)
21:53:25.91 ID:g/hXxgbLO
- lw´‐ _‐ノv「それで、ドクオさんに会ってブーンは何をするつもりなの?」
( ^ω^)「ん?あぁ………」
( ^ω^)
( ^ω^)「……えっと…」
lw´‐ _‐ノv「…え。まさか何も考えてないの?」
( ^ω^)「あ、いや、そんな事ないお。ただ一言、言いにいくだけだお」
( ^ω^)「『シューを僕に下さい。』ってね」
lw´‐ _‐ノv「あらやだ何このイケメンぶっ飛ばしたい」
( ^ω^)「誉めても何もでねーお」
lw´‐ _‐ノv「けなしたらなんかでるの?」
( ^ω^)「ここで発言するには危ないものは出るな」
ブーンはこのノリが大好きだった。
- 70 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水)
22:02:42.94 ID:g/hXxgbLO
- 景色は変わらない。
ずっと川が自然と都会を分けている光景が目に映るだけだった。
シューはいったい、どこまで連れていく気なのだろうか。
( ^ω^)「……あと、もう一つだけ気になる事があるお」
lw´‐ _‐ノv「なあに?」
( ^ω^)「お前、僕と戦う時に気になる事言ってたよな」
( ^ω^)「またあの連中?ってな感じで」
lw´‐ _‐ノv「んー、あぁ」
( ^ω^)「それはつまり、ドクオの一味以外にも徒党を組んでるやつらがいるって事かお?」
lw´‐ _‐ノv「そだよ。私が知ってるだけでもいっぱいグループがあるよ」
( ^ω^)「それに襲われたりしてたのかお?」
lw´‐ _‐ノv「あの畑にいっぱいきたよ。いちいち追い返すのも面倒になるくらい」
( ^ω^)「敵対してる勢力ってのは、面倒な話だお…」
lw´‐ _‐ノv「見つけたら殺す、なんて言う過激なグループもあるよ。気をつけてね」
(;^ω^)「あらやだシューちゃんからそんな言葉聞きたくない……」
- 78 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水)
22:10:03.73 ID:g/hXxgbLO
- lw´‐ _‐ノv「私も言いたい事が一つあるにゃん」
( ^ω^)「なんだお?」
lw´‐ _‐ノv「……あ、あるにょん」
( ^ω^)「言い直さんでええわい」
lw´‐ _‐ノv「今回の私は、あんまチートと呼べない」
( ^ω^)「ん?」
lw´‐ _‐ノv「私がチートたりえたのは、あの畑がマイフィールドだからなの。ピクミンの限数がかなり落ちるし、この状態で襲われたりしたら危ない事だけは覚えといてね」
( ^ω^)「……あぁ、なるほど」
わかっていた事ではあった。
仕方ない事だ。あの爆発的攻撃力も、数が半永久的に補充出来るからだ。
lw´‐ _‐ノv「てゆーか、もともと私の能力あんま強くないしね。少なからずいるみたいだよ?私みたいな、『本当のチート能力の当て馬にされる能力者』みたいなのが」
( ^ω^)「……そんな言い方は、よくないお」
- 86 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水)
22:15:35.12 ID:g/hXxgbLO
- lw´‐ _‐ノv「でも、不安はないよ」
lw´‐ _‐ノv「ブーンがいるから」
( ^ω^)
lw´‐ _‐ノv「私はブーンを信じてるから」
( ^ω^)「……お前…」
lw´‐ _‐ノv「ちゃんと私の囮として使えるって」
( ^ω^)「しばかせろ」
lw´‐ _‐ノv「いいけど私叫ぶよ?」
( ^ω^)「やっぱり謝らせろ」
lw´‐ _‐ノv「許可する。謝れ」
( ^ω^)「ごめんなさい」
lw´‐ _‐ノv「よし」
- 98 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水)
22:22:30.30 ID:g/hXxgbLO
- ( ^ω^)「まぁ、いざとなればちゃんと守ってやるお。この【気分次第《アンカーテイク》】、どこまで使えるのかはまさに気分次第なんだけどね」
lw´‐ _‐ノv「その安価ってやつに、世界が滅ぶ能力ってかかれてたらどうするの?」
( ^ω^)「……加減して使ったりできるなら、そうしたいお……」
lw´‐ _‐ノv「その安価ってやつに、人類を消す能力ってかかれてたらどうするの?」
( ^ω^)「……それも、敵だけ殺せるようにコントロール頑張ったり……」
lw´‐ _‐ノv「その安価ってやつに、シューがムチムチボインなスタイルになって回りの生物全てを悩殺する能力ってかかれてたらどうするの?」
( ^ω^)「ぜっっっっっっっっってぇ使わねぇ」
lw´‐ _‐ノv「あれ?私の悩殺スタイル、世界崩壊より人類消失より嫌なものなの?」
- 111 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水)
22:26:46.19 ID:g/hXxgbLO
- ( ^ω^)「一つ言ってやるお」
( ^ω^)「『ロリは何も武器を持たない事こそが最大の武器』って名言があってだな」
lw´‐ _‐ノv「うっわ何この顔。顔やばい」
( ^ω^)「お前が悩殺ボインなんて武器を持ってしまえば、それは逆にお前の持ち味を殺しちまう。だからお前はそのままでいろ」
lw´‐ _‐ノv「うっわぁ、ちょっとイケメンチックなのがまた腹立つ」
( ^ω^)「とにかく、僕が守ってやるお。残念ながらそのリュックの中身はあまりつかってやれなくなるがね」
lw´‐ _‐ノv「はいはいwktkwktk」
- 117 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水)
22:30:49.18 ID:g/hXxgbLO
( ^ω^)「頼りにしろお」
lw´‐ _‐ノv「もー、なんかすんごい駄安価でこける予感しかしないよぉ」
( ^ω^)「なんとかするお」
lw´‐ _‐ノv「なんとかなるお、の間違いでしょ」
( ^ω^)「どんだけ役立たずだと思われてんの僕…。大丈夫だお、ちゃんと守って」
その時だった。
突如として、シューが何かに突き飛ばされる。
- 128 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水)
22:32:56.37 ID:g/hXxgbLO
- (;^ω^)「おっ――――」
かろうじてそれを受け止めるブーン。
さらに隣で見ていたブーンには全てが見えていた。
それは、ピクミンだった。
リュックの中にいたピクミン達がいつのまにか飛び出して、シューを突き飛ばしていたのだ。
lw´;‐ _‐ノv「えっ」
すると
1秒半前ほどにシューがいた部分に
炎の塊が、すさまじいスピードで通過した。
- 49 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水)
22:35:43.76 ID:g/hXxgbLO
- (;^ω^)「な…!!」
lw´;‐ _‐ノv「うわぁ…」
通過した炎の塊は、そのままアスファルトの地面に突き刺さる。
あんなのに当たっていたら、と思うと二人の体は強ばった。
(;^ω^)「……能力者かお…!!」
lw´;‐ _‐ノv「つーかいきなりピクミンの方が役に立ってんじゃん…」
(;^ω^)「いったい、どんな……」
lw´;‐ _‐ノv「無視かよ……」
- 162 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水)
22:39:09.42 ID:g/hXxgbLO
- (;^ω^)「どっかから撃ってきたのかお?だとしたら、どこから……!!」
辺りを注意深く見渡すブーン。
対してシューは、ただ一点だけを見つめていた。
lw´‐ _‐ノv「…違うみたいよ。ブーン…」
(;^ω^)「なんだお?」
lw´‐ _‐ノv「ほら、あれ……」
シューが指をさしたのは、先ほど降ってきた炎が突き刺さった地面。
lw´‐ _‐ノv「……」
(;^ω^)「………お」
よく見れば、なるほど。
何かが動いている。
- 177 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水)
22:44:35.13 ID:g/hXxgbLO
- (;^ω^)「………」
確かに何かが動いているのは見える。
しかしよく見えないので近づこうとしたが、シューに制止される。
lw´‐ _‐ノv「駄目、迂闊にいっちゃ。何がくるかわからない」
(;^ω^)「……確かに、ね…」
lw´‐ _‐ノv「問題はあれが本体なのか、どこかにいる本体の能力が動いているのかだよ。追撃がこないってのはただの威嚇なのか、この動いてるの一つで十分なのか、本体があれなのかって事だね」
そう、冷静に判断する。
(;^ω^)「……狙撃されてる線は低いわけね」
lw´‐ _‐ノv「そ。だからって焦らないでね」
シューが静かに言う。もしかすると、場数だけの話で言えばシューはブーンより上なのかも知れない。
- 188 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水)
22:48:15.20 ID:g/hXxgbLO
すると、突然
動いていた何かが真上に飛び出した。
( ^ω^)「……!!」
lw´‐ _‐ノv
それを目で追うが、とくに変わった様子もなくそのまま重力に従って地面へ着地した。
( ^ω^)
lw´‐ _‐ノv
▼・ェ・▼
▼・ェ・▼「クゥーン」
………犬、だった。
- 205 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水)
22:50:32.09 ID:g/hXxgbLO
- ( ^ω^)
lw´‐ _‐ノv
( ^ω^)「なぁ、シュー」
lw´‐ _‐ノv「なに」
( ^ω^)「あのさぁ、油断すんなっつったじゃん、お前」
lw´‐ _‐ノv「ちょっと待って。たぶんおんなじ事考えてる」
( ^ω^)「………」
lw´‐ _‐ノv「………」
( *^ω^)lw´*‐ _‐ノv「超可愛いいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!」
▼・ェ・▼「わふぅん?」
- 225 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水)
22:55:16.64 ID:g/hXxgbLO
- (;^ω^)「はっ!!待てシューよ!!」
lw´‐ _‐ノv「待ってあいつかわいいハグしたい」
(;^ω^)「落ち着け!!そいつさっき炎をまとって突進したんだぞ、お前に!!」
lw´‐ _‐ノv「………あ」
危ない危ない、と足を戻すシュー。
▼・ェ・▼
しかし、この犬の能力はなんなのだろう。
(;^ω^)(火を使ってたし、パイロキネシス系かお?でも、なんだろうこの違和感…ああチクショウ可愛いなあいつ!)
lw´‐ _‐ノv「やばいホントに可愛いなんなのこいつ」
(;^ω^)「犬だからって舐めちゃだめだお、シュー!!そいつ、もしかしたらとんでもない能力なのかも……!!」
lw´‐ _‐ノv「うん、わかってる。わかってるけどさぁ……」
- 235 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水)
22:58:35.22 ID:g/hXxgbLO
(;^ω^)「あっ!!近づくなお、シュー!!」
lw´‐ _‐ノv
駄目だ。聞いちゃいないやあいつ。
まぁしかし犬だし、あいつにはピクミンがいるし、めったな事では大丈夫だと思うけど…
しかし
▼・ェ・▼
その犬は
▼・ェ・▼
みるみるでかくなっていき
▼・ェ・▼
ビルよりおっきな、バケモノとなった。
lw´‐ _‐ノv「………あ」
lw´‐ _‐ノv「シューちゃん、ピンチ」
爪を光らせた大きな大きな前足が、シューに襲いかかった。
- 256 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水)
23:03:17.73 ID:g/hXxgbLO
- あのサイズでは、シューが切り刻まれるのなんか容易に想像できる。
(;^ω^)「シュー!!!」
駄目だ、ここからじゃ間に合わない。
でも走らないわけにも行かない。
だってシューが、シューが。
lw´‐ _‐ノv「さ、頼んだでござる我が子達よ」
しかし当の本人、シューは驚くほど冷静だった。
リュックから飛び出してくるピクミン達。
lw´‐ _‐ノv「思いっきりぶん投げてちょーだい」
そのピクミン達が、シューを遥か後方に投げ捨てる。
(;^ω^)「おぅふ!!?」
丁度、走ってきたブーンがそれをキャッチした。
- 268 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水)
23:08:05.06 ID:g/hXxgbLO
- (;^ω^)「大丈夫かお!?」
lw´‐ _‐ノv「大丈夫だよ。でも、能力がわかんないね」
▼・ェ・▼「クゥーン」
遥かにでかい犬は、こちらを見定めていた。
何を考えているかは定かではないが、いい雰囲気でないのは明らかだ。
(;^ω^)「ちょっとだけ、心当たりがあるお!シュー!真面目に答えてくれ!」
lw´‐ _‐ノv「なに?」
(;^ω^)「あの犬、可愛いか!!?」
lw´‐ _‐ノv「え、そりゃあんなでかいのが可愛いと思えるわけ……」
lw´‐ _‐ノv「……あれ?………やっぱり可愛い………」
(;^ω^)「やっぱり…!!おかしいと思ったお……!!」
- 287 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水)
23:14:35.34 ID:g/hXxgbLO
- (;^ω^)「これで確信が出来たお!!あの能力は……」
(;^ω^)「あの犬の能力は……
【密と疎を操る程度の能力】!!」
そう。
東方萃夢想、伊吹萃香の力。
あらゆる密度を操る力だ。
( ^ω^)「つまりこういう事だお!!あいつは『空気中の熱の密度』を極限まで高めて体に炎をまとったり!」
( ^ω^)「僕らの、『犬への愛着の密度』を高めて僕らに可愛いと思わせたり!!」
( ^ω^)「さらには自身の密度を操作して、ああやって巨大化してるんだお!」
lw´‐ _‐ノv「やばい今のブーンかっこいい。ちゅーしていい?」
(;^ω^)「今はおあずけだお!」
犬は、既に左前足を振りかぶっていた。
- 317 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水)
23:20:18.52 ID:g/hXxgbLO
- (;^ω^)「気をつけるお!今はいろんな密度を同時に操ってるからか、細かい部分まで制御出来てないけど」
(;^ω^)「あの能力が操る『密度』は汎用性がありすぎる!変幻自在なんだお!」
lw´‐ _‐ノv「気をつけるよ、ブーン」
(;^ω^)「お前気楽だなオイ!!」
lw´‐ _‐ノv「まぁブーンは下がっててよ」
lw´‐ _‐ノv「ああいうでかいのを駆逐するのは、この子達の専門分野よ」
(;^ω^)「おっ……」
既に100はいようかというピクミン達が、一斉に飛び出していった。
- 339 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水)
23:25:15.32 ID:g/hXxgbLO
- lw´‐ _‐ノv「じゃ、狙うとするなら…目か耳、かな?あぁ、でも遠いなぁ。頭が下がったら狙おうか」
lw´‐ _‐ノv「行ってらっしゃい」
『ピクー!!』
(;^ω^)「お…」
無数に張り付いていくピクミン達。
犬の毛の色が少しだけカラフルになっていく。
確かにこれでは、あの犬も対応のしようがないのではないか、そう思った時だったが
▼・ェ・▼「ウォォォォン!!!」
その時、犬が無数に分裂した。
- 362 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水)
23:30:03.55 ID:g/hXxgbLO
いや、分裂という言葉は少し語弊がある。
それよりも細かい。もっと細かい。自身の密度を極限まで低くした、あれはまるで…
lw´;‐ _‐ノv「……霧?」
張り付く対象を失ったピクミンは、それでもその霧をおっかけようと躍起になる。
しかし、つかめるわけもなく
そして、再び霧が一点へ集結。
▼・ェ・▼「わん!」
再び犬の形へと、戻る。
lw´;‐ _‐ノv「うっわ…タチわる…」
あの犬、つかめなくする事も出来るのか。
- 391 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水)
23:36:41.47 ID:g/hXxgbLO
- (;^ω^)「ちっ!やっぱ僕の能力を使うお!」
lw´;‐ _‐ノv「待って!ブーンに頼ってばっかじゃ私がダメになる!もうちょい一人でやらせて!」
(;^ω^)「見上げた向上心だが、今は必要ない!!」
▼・ェ・▼「わん!」
lw´‐ _‐ノv「あっ!!」
ピクミンが張り付くと厄介だと、理解したのだろうか。
少しだけバックステップし、距離をとるその犬。
そして
▼・ェ・▼「うぅぅぅぅぅぅ!!!」
密度を、操作。
lw´;‐ _‐ノv「……!!」
足元で攻撃をしていたピクミン達が空中へ浮き、犬の顔の前、鼻先の一点に集められた。
- 409 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水)
23:40:44.65 ID:g/hXxgbLO
- lw´;‐ _‐ノv「ああっ!!我が子たち!!」
そして
▼・ェ・▼「はぐっ!!」
食べられた。
lw´;‐ _‐ノv「ノォォォォ!!!ごめんブーン前言撤回!!助けて!!」
(;^ω^)「ああもう!!やっぱやるしかねーな!!」
(;^ω^)「【気分次第《アンカーテイク》】!!」
- 445 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水)
23:44:27.38 ID:g/hXxgbLO
- ( ^ω^)「さぁみなさん。毎度おなじみの安価の時間です」
( ^ω^)「今回の敵は、犬。可愛い」
( ^ω^)「でも、ここはシューの手前いいかっこしたいお」
( ^ω^)「だからあの糞犬畜生を駆逐する、あなたの厨二妄想をお願いしますお。指定アンカーは………」
>>470
- 470 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/27(水) 23:44:54.13 ID:zIxIcE8/0
- 指定した範囲の空間の疎密を固定する能力
- 551 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水)
23:46:45.42 ID:g/hXxgbLO
- 『能力が決定しました。』
>>470 指定した範囲の空間の疎密を固定する能力
( ^ω^)「こりゃありがたい!サンキューだお!」
( ^ω^)「いっちょやってみっか!!」
- 569 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水)
23:50:09.78 ID:g/hXxgbLO
- ( ^ω^)「よっしゃああああああああああああ!!!」
▼;・ェ・▼「わふ?」
何か異変に気づいたのか、犬はさらに後ろへ下がる。
▼;・ェ・▼「うううううううう!!!」
とった行動は、威嚇だった。
lw´;‐ _‐ノv「ブーン、それ…」
( ^ω^)「あぁ」
( ^ω^)「完全なアンチ能力、ゲットしたお」
戦局は、大きく変わる。
- 613 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水)
23:56:56.74 ID:g/hXxgbLO
- ( ^ω^)「初めて自分の能力がいい能力だと思えるお…」
▼;・ェ・▼「ぅばうううううう!!!」
lw´;‐ _‐ノv「んにゃっ?」
犬は咆哮後、前足で地面を叩く。
すると、なんと大地震が巻き起こった。
lw´;‐ _‐ノv「ええええええ!?ちょ、やばいやば」
( ^ω^)「無駄だって」
しかし、その地震もピタッと止まる。
ブーンが地面に手を触れた、それだけで。
( ^ω^)「なるほど。地脈の密度を操ったのかお。便利でいい能力だなそれ」
- 628 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水)
23:59:14.87 ID:g/hXxgbLO
- ( ^ω^)「まぁ、それでも」
――――僕には絶対にかなわないけど。
そういってブーンは右手を前にやる。
▼;・ェ・▼「わふっ…!」
また霧に姿を変えようとした犬。だが、存在の疎密は既にブーンにより固定されていた。
▼;・ェ・▼「!!!??」
( ^ω^)「さ、シュー。今のうちに」
lw´;‐ _‐ノv「あ、うん」
- 650 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木)
00:02:52.01 ID:QQ93L/teO
- lw´‐ _‐ノv「今ならいける!!あれはただの犬っころだよ!!」
シューの声を合図に、ピクミンが一斉に襲いかかる
▼;・ェ・▼「うぅ…ばうぅ……」
▼; ェ ▼「きゅぅううううううううううううう!!!」
あとは、説明するのも無駄だろう。
動物虐待、ここに極まれりといったところだ。
まぁ向こうが始めた事だし、正当防衛って事で動物愛護団体の方々も許してくれるだろう。
- 668 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木)
00:08:03.37 ID:QQ93L/teO
- ピクミン達が戻ってくる。
後に残ったのは毛はむしられ足は折られと悲惨な物体Aだ。
こいつらホントにこえぇ。
lw´‐ _‐ノv「まぁ、良かった良かった…」
( ^ω^)「犬には悪いけど、楽勝だったおね」
lw´‐ _‐ノv「そりゃあんな能力出たらね…」
( ^ω^)「とにかく、今回は気持ちよく終れ…」
▼ ェ ▼
( ^ω^)
………犬は。
▼゚ェ゚▼
まだ生きていた。
- 683 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木)
00:12:32.21 ID:QQ93L/teO
- ▼゚ェ゚▼「ウォォォォォォォォォォォォン!!!」
密度を高める。
高める。高める。高めに高める。
(;゚ω゚)(まさか――――――!!)
犬が、自身の体をもその密度の犠牲にしてまで。
その能力の果てに、行き着く密度の境地があった。
サイズこそとてもとても小さいが、あれは………
――――――ブラックホール……?
- 711 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木)
00:18:24.72 ID:QQ93L/teO
- (;゚ω゚)「しまっ―――――!!」
なんで自分はこうも気付くのが遅いのか。
いや、今は嘆いてる場合じゃない。
そんな事より。
(;゚ω゚)「シュー!!こっちに来い!!」
すぐさま疎密固定にとりかかる。
大丈夫か?間に合うか?
距離を間違えるな。終わるぞ。あれに飲まれたら、終わり。
lw´;‐ _‐ノv「え――――!」
シューがこちらに走ってくる、が。
足が既に、地面についていない。
- 732 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木)
00:22:44.98 ID:QQ93L/teO
- lw´;‐ _‐ノv「あ、あ……あ…………!!」
シューは引きずられる。
引力に強制され、重力を逆らう動きで。
あの、ブラックホールに。
(;゚ω゚)「シューーーーーーーー!!!!」
間に合うか?間に合わせろ。
疎密固定を、平常値に、早く。
間に合わない?嘘だろ?そんな、シューが、シューが。
間に合わせる。やる。やらなきゃ。やらないと。やるんだ。やれ。やりきれ。
(;゚ω゚)「間に合えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえええええええええ!!!!!!」
――――――――――――
- 750 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木)
00:27:43.12 ID:QQ93L/teO
( ^ω^)「………」
ブラックホールは、消えた。
( ^ω^)「………」
( ^ω^)「シュー」
( ^ω^)「お前の事、超好きだったお」
( ^ω^)「お前の髪型が、好きだったお」
( ^ω^)「お前の麦わら帽子姿、好きだったお」
( ^ω^)「お前との会話のノリが、大好きだったお」
( ;ω;)「なぁ、シュー………」
――――――
- 772 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木)
00:30:32.69 ID:QQ93L/teO
lw´#‐ _‐ノv「何を勝手に殺してくれとんじゃボケェェェェェェェェェェ!!!!!」
(;^ω^)「いや、面白いかとおもっぐふぉあ!!!」
物凄い正拳が、ブーンの鳩尾に突き刺さった。
今日最大のダメージだった。
- 05 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木)
00:34:46.47 ID:QQ93L/teO
(;^ω^)「何すんだおハゲ!!」
lw´;‐ _‐ノv「うっせぇよハゲてねーよハゲ!!」
(;^ω^)「ばーか!ぶぁーか!」
lw´;‐ _‐ノv「うっせばーか黙れ短小!!」
(;^ω^)「うっせ!起きたらマグナムなんだよ!犯すぞてめぇぇぇぇぇぇ!!」
lw´;‐ _‐ノv「来いや!!腹上死させてやらぁあああああああ!!!」
ブーンは、このノリがこれからも大好きだ。
しかし、やれやれと言ったところ。
たぶん、あのブーンの疎密固定でも、二人のこの親「密度」は、固定できるものではないらしい。
- 816 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木)
00:38:32.85 ID:QQ93L/teO
- ――――――大通り
「もしもし、ドクオくん?あの、でぃだけど」
「面白いもの、見つけた。うん。…うん。感応視で操れる、初めての人間がいるよ」
「しかもかなり強いよ。やばい。これはテンションあがるよ」
「すぐ持って帰るから、待っててねぇ」
「うん、じゃあね。ばいばぁい」
- 21 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木)
00:42:02.01 ID:QQ93L/teO
- (#゚;;-゚)「………」
(#゚;;-゚)「あ、そうだ」
(#゚;;-゚)「この子、名前何にしよう」
(#゚;;-゚)「………うーん……」
(* ∀"";)「しぃ……しぃ゛…」
(#゚;;-゚)「あれなのかな、この『しぃ』って、名前なのかな」
(#゚;;-゚)「うん、決めた」
―――――この子はしぃちゃん。今日から、私のペット。
第六話、終わり。
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