156 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/24(木) 22:46:32.78 ID:KjIKMU3v0
 
 〜 〜 〜


 薄闇の中、VIP学園に続く路上を走り去ってゆくドクオ達。
 歩道に佇むクーは、その背を眺めつつ、小さく舌打ちする。


川 ゚ -゚) (まったく。 本当にどうしようもない奴らだな)

『 …… 』

川 ゚ -゚) (お前がどうしてもと言うからわざわざ来てやったものの……。
      あのデブっちょ、御覧の通りのクズ野郎だったじゃないか)


 続けて鼻を啜ると、苛立たしげにパンプスの踵を鳴らした。
 そんな彼女の脳の奥では、“ 別の ” 女性の声が、か細く木霊していた。


『 ……わ、私が会いたかったのは…… 』

川 ゚ -゚) (……わかってるよ。 “ 別人格 ” のほうだろう?)

『 ……そうだぞ 』

158 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/24(木) 22:49:58.26 ID:KjIKMU3v0
 
川 ゚ -゚) (まさかとは思うが、お前)

『 え? え? 』


 ふう、と短い溜め息のあと、クーは醒めた口調で語りかけた。


川 ゚ -゚) (ったく。 色恋沙汰なら、たまには表に出てきたらどうだ?)

『 ち、違うよ!』

川 ゚ -゚) (相変わらずオトコの趣味サイアクだな。 ちったぁ私を見習え)

『 そ、そういうんじゃないって! けど…… 』

川 ゚ -゚) (……ふん。
      まあ、わかっているさ)

『 …… 』

川 ゚ -゚) (……お前の事は、誰よりも私が)


 クーの中に棲む “ 副人格 ” は、穏やかに笑った。


159 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/24(木) 22:54:29.43 ID:KjIKMU3v0
 
川 ゚ -゚) (案の定、あの事についても、なんの情報も得られなかったな。
      骨折り損のくたびれ儲けだ)

『 ……ごめんね、クー 』

川 ゚ -゚) (……)

川 ー ー) (……まあ、別に謝る必要などない。
      メイドコスなんていう謎のアイテムも入手できたしな)

『 ははは……さっきのクー、すごく楽しそうだったぞ 』

川 ゚ -゚) (余計なお世話だよ)


 “ 彼女 ” もまた、クーのことを誰より理解していたから。
 辛辣な言葉の裏に、いつも自分を気遣ってくれている、自分の “ 主人格 ” のことを。


川 ゚ -゚) (しかし……)

川;゚ -゚) (何故だ。 なんだったんだあの現象は?)


 クーはさきほどアパートで起きた、不可解な出来事を思い返していた。

162 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/24(木) 23:00:38.53 ID:KjIKMU3v0
 

==
===


 ドクオが部屋へ着替えにいった直後のこと。
 カメラを抱えてドアに忍び寄るアサピーに渾身のミドルキックを叩き込むと、
 クーは全身鏡の前で様々なポーズを試していた。


川*゚ -゚) 「ううむ、我ながら素晴らしいメイドっぷりだ。 たまらん」

( ;ω;) シクシク

ヽ川*゚ -゚)ノ 「ほら見てみろブーン。
        萌え萌えキュ〜ン♪ キュンっつってんだろオラ」


ヽ川 ゚ -゚) ノ 「キュン、きゅ……」



   _, ,_
ヽ川 ゚ -゚)ノ (!!)


 が、そのうちメイドコスを抱えたまま硬直する。
 それもそのはず、クーはこの日最大のピンチを迎えていた。

165 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/24(木) 23:07:44.76 ID:KjIKMU3v0
 
ヽ川 ゚ -゚)ノ


ヽ川 ゚ -゚)ノ グルルルルル


 段々地の文を書くのが面倒くさく……もとい、必要性を感じなくなってきたので、
 これ以降は適当に書くけど、クーの腹部で今にも暴君が生まれんとしていた。
 大量の食事は、大量の何かとなって彼女の腸内を圧迫していた。  \マジすか!/


川 ゚ -゚) 「あ、ちょっとお手洗い借りますね〜」

( ;ω;) 「おう、おう、おおう……」

川 ゚ -゚) 「あの〜、お手洗い……」

( ;ω;) 「おおう、おおおーん……」



川#゚ -゚) 三┌┛Σ 「どけって」

Σ( ノω;)ノ 「おうふ」
167 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/24(木) 23:14:07.32 ID:KjIKMU3v0
 
 扉の前で膝を抱えるブーンを蹴飛ばし、クーは勢いよく花摘みへGOする。
 九州弁で言うなら、ばばがばばばしにいったばい。


ドア 「バタン」


川 ゚ -゚) 「実に長かった……。 あまりにも、長すぎた」


川 ゚ -゚)

       ヴ ィ ー ナ ス ・ ミ ス ト
川 ゚ -゚) ( 【 聖 天 女 の 祝 福 】 !! ) スー


 説明しよう。
 ヴィーナス ・ ミスト とは、音を立てず、かつ表情すら変えることなく、
 腸内のガスをキャスト・オフする技である。

 使用に際しては、周りの人間との距離、それから風向きを充分に考慮する必要がある。
 しかしここはトイレ、すなわち密室だ。
 周囲を気にする必要はまったくない。
 あ、今さらわかってるかもしれませんけど、後生なのでこのおまけはまとめないでください。

170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/24(木) 23:22:04.87 ID:KjIKMU3v0
 
川 ゚ -゚)ノ (さらに窓を開ければ証拠は残らん……ククク、完璧だ) ガラッ


 彼女は口の端を歪めて勝利の笑みを漏らした。
 ガスも漏らした。
 事は全て彼女の思惑通りに動いているはずだった。


 しかし。


「うぐぁああああ!?」


Σ川 ゚ -゚) 「!?」


「な、なんだお、これは!?」

「クンクン……ペロリ。 この臭いはまさか……」

「違うお……! これは “ チャネラー ” の……!」


川;゚ -゚) 「なっ、なっ……!?」


 あろうことか、外は惨憺たる有様となっていたではないか。
 はーなんてこったい。  クーはマジびっくらこいた。
173 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/24(木) 23:30:21.76 ID:KjIKMU3v0
 (⌒⌒)
  | | |

川#゚ -゚)ノ 「ふざけるな!! 私は屁ーなどこいてはおらん!!」 プンスコ

ドア 「ガチャッ」

(; ^ω^) 「お?」

(-@∀@) 「……フフ、やっぱりね」 ペロ...ムシャムシャ


川 ゚ -゚)


川 ゚ -゚) チーン



==
===
  _, _
川;゚ -゚) (私のスパイラルエアロは完璧だった! 万に一つも外に漏れるはずがない!)


 おかしい。 いったいどこで何を間違ってしまったのだろう。
 休みを一日消費しておまけまできっちり書いて伏線とかちょちょいと盛り込む系?そんなの楽勝じゃない?
 なんて考えていたつもりが、メイドAAを作って遊んでいるうちに段々面倒くさくなり、
 腰も痛くなり腹も減ってうんこは3日くらい出ないしもう力尽きた。
 ともかく、クーは納得行かないといった表情で、アパートの前でちょう唸っていた。
176 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/24(木) 23:37:36.55 ID:KjIKMU3v0
 
(-@∀@) 「クーちゃん、僕もそろそろ行くね」

川 ゚ -゚) 「ん?……ああ。 さっさと行け」

(-@∀@) 「例の件、一応知り合いにも当たっておこうか?」

川 ゚ -゚) 「……いや、いい。 あまり広めないでくれ」


 まあいい。
 てゆーか、終わりよければ全てよし。 最後のレスだけまともにシメればどうにかなるだろう。


川 ゚ -゚) (……“ マンイーター ” 。 人喰い能力者、か)


 タイトスカートのハイドロキネシストは意味ありげな事を考え、細い眉を顰める。


 くっ……。

 そんなのどうだっていい……。

 ビール……

 おれはビールがのみたいんだ……!!

180 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/24(木) 23:48:00.09 ID:KjIKMU3v0
 
 なんということだろう。限界だ。もう本当に限界だ。
 たまには0時までに投下を完了しようと思って19時にはじめてみたらこの有様だ。
 今日はもうテキストエディタに向かいすぎた。目がしぱしぱしてたまらんのだ。
 伏線とかあったもんじゃない。いや違うねん。伏線って言葉を使ってみたかっただけやねん。
 あかんがな。きっついがな。私は早急にアルコールを摂取せねばならない。
 あ、そうそうそうなのよ。実はさ、投下するまでは断酒しようと思って耐えてきたのね。
 今日はようやく飲めるんよ。飲めるデーなのよ。ウフッ。たまらんたまらんたまらんよね。
 そしてそのためにはここで投下を終わる必要があるんだよね。ええ。わかりますよね。
 もうここで打ち切ってもいいよね。 \もちろん!/  ありがとう超愛してる!
 ああそうそう、思うところがあって最近は投下レス以外に何も言わないようにしてるんだけど、
 実際は支援とか草とかごっつ感謝してるからね。あとシベリアの絵祭りとかこないだの
 よくわからんスレとかで投下されてた絵とか超舐めまわしてるのでマジありがとう。


 二、三歩進んだところで、アサピーはゆっくりと振り返り、親指を立てて微笑んだ。


(-@∀@) 「クーちゃん」

川 ゚ -゚) 「ん」

(-@∀@)b 「……お尻のブブゼラに、乾杯」


 きらり。
 夕日に輝く前歯目掛けて、クーの拳が勢いよく打ち放たれた。


 (了)

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