35 : ◆X7SXtDCjvQ :2006/12/29(金) 22:25:27.10 ID:WpAOwHvH0
ブーンが目を覚ましたのは翌朝の9時だった。

周りの布団は片付けられ、この時間まで寝ていたのはブーンだけのようだった。

(´・ω・`)「やあおはよう」

ξ゚听)ξ「あんたね、寝すぎよ」

( ^ω^)「おはようですお」

('A`)「寝る子はよく育つってな。まあお前の場合、育ちすぎだが」

ドクオはブーンのぽっちゃりとした腹を見ながら笑う。
39 : ◆X7SXtDCjvQ :2006/12/29(金) 22:30:56.27 ID:WpAOwHvH0
( ^ω^)「ドクオ! 目を覚ましたのかお!」

('A`)「ああ、だいたいの事情はショボンから聞いた。心配かけたみたいですまねえ」

( ^ω^)「ずっと寝たままかと思ったお。元気そうでよかったお」

('A`)「まあな。でも俺はここの奴らを絶対許さねえ。ここに俺を入れたことを後悔させてやる」

(´・ω・`)「頼もしいね」

ξ゚听)ξ「顔洗ってきなさいよ。タオルは洗面台の横に置いてあるから」

( ^ω^)「はいだお」

ブーンがリビングに戻ると、5人分の朝ごはんの用意がされていた。

白いご飯に、お味噌汁。だし巻き卵に魚の照り焼き。

まるで旅館の朝ごはんのようだった。

40 : ◆X7SXtDCjvQ :2006/12/29(金) 22:31:58.66 ID:WpAOwHvH0
(´・ω・`)「ツンちゃんが皆のご飯を作ってくれたんだ」

ξ゚听)ξ「まあ、冷蔵庫に残ってた物で作ったから、大したものできなかったけど。一応お料理教室通ってたからあたし」

('A`)「クーも手伝ったらしいけど、逆に邪魔だったらしいぜ」

川 ゚ -゚)「うるさい。どうせ私は不器用だ」

ξ゚听)ξ「あら、クーちゃんが手伝ってくれてずいぶん助かったわ。これからもお願いしていいかな?」

川*゚ -゚)「まあ、私でよければ手伝わせてもらう」

( ^ω^)「いただきますお!」

('A`)「先に食うなよ」

川 ゚ -゚)「まるでブタのようだ」

ξ゚听)ξ「まったく・・・」

41 : ◆X7SXtDCjvQ :2006/12/29(金) 22:32:49.95 ID:WpAOwHvH0
(´・ω・`)「じゃあ、いただこうか」

( ^ω^)「うめえお!」

('A`)「うん・・・うまい・・・。久しぶりのちゃんとした飯だ」

川 ゚ -゚)「うちのお母さんより上手だぞ」

ξ*゚听)ξ「あらありがと」

(´・ω・`)「まあ、食べながら聞いてくれ」

ショボンは一旦箸を置くと、皆の顔を見渡した。
44 : ◆X7SXtDCjvQ :2006/12/29(金) 22:37:16.65 ID:WpAOwHvH0
(´・ω・`)「これから冒険の準備をするわけだけど、ここの最下層には72時間滞在できる。昨日を入れてあと62時間。それまでにいくつか買っておかなければならないものがある」

ショボンはテーブルの上に置かれたメモを見ながら言う。

(´・ω・`)「まず当然だけど食料と水。ここで食べる分だけではなくて、冒険の際に携帯する食料と水もいる」

(´・ω・`)「それに医療具。当然医者もいないわけだからね。ある程度の知識も要求される。まあそれはあとで教えるけど」

(´・ω・`)「あと発光器具。真っ暗なダンジョンだってあるわけだからね。ペンライト、懐中電灯。調理するのにマッチやライター、灯油、ガソリンなんかもいる」

(´・ω・`)「防寒具。どんな環境かわからないからね。寒さを防ぐ服に、頑丈な靴も必要」

(´・ω・`)「ビニールシート。寒さや雨を防ぐ。それに簡易テントにもなるし、水がない時には蒸留水を作るのにも役に立つ」

(´・ω・`)「寝具。まあ今は保温性や通気性の優れたいい寝袋がある。それを買っておこう」

45 : ◆X7SXtDCjvQ :2006/12/29(金) 22:39:49.19 ID:WpAOwHvH0
(´・ω・`)「あとは通信用にトランシバー。これは僕が1つ持ってるから、あと一組買えばいい。はぐれた時にお互いの位置を知らせる笛もほしいな。それにコンパスとロープも」

(´・ω・`)「石鹸やシャンプーはここにあるのをもって行けばいいし。あとはナイフだな。これも絶対必要だ」

(´・ω・`)「あとは・・まあ紙とペンがあればいいね。書置きする場合や、紙はトイレットペーパーの代わりにもなるし、点火用にも役に立つ」

(´・ω・`)「だいたいこれで最初に支給された10万円は使い切るはずだ。足りなかったら僕のを使えばいい」

( ^ω^)「ショボンはいくら持ってるんだお?」

(´・ω・`)「僕は今・・・」

そう言いながらショボンはズボンのポケットから白いカードを取り出し、カウンターテーブルの上にあるFAXのような機器にカードを通した。
48 : ◆X7SXtDCjvQ :2006/12/29(金) 22:42:02.10 ID:WpAOwHvH0
『ツウシンチュウ』

しばらくして機器のディスプレイ部に白い文字が浮かび上がる。

『リヨウ カノウ ガク1,590,250』


(´・ω・`)「159万くらいだね」

ショボンは金額を確認するとキイを押し、文字を消した。

('A`)「なんでそんなに持ってんだよ」

(´・ω・`)「まあ1年くらいやってれば誰でもこのくらいは貯まる」

川 ゚ -゚)「ところでその機械はなんだ?」

(´・ω・`)「ああ、言い忘れたけど、センターからの連絡はこの機械を通して行われる」

ξ゚听)ξ「普通のFAXみたいだけど」

(´・ω・`)「まあFAXに毛が生えたようなもんさ。ダンジョンクリア後のデータなんかもここから出てくる」

川 ゚ -゚)「ビデオでアイテムがもらえるとか言ってたが、何がもらえるんだ?」

49 : ◆X7SXtDCjvQ :2006/12/29(金) 22:48:26.75 ID:WpAOwHvH0
(´・ω・`)「ほとんどはお金だけどね。アイテムは当たりはずれがある。たまにパジョロ・ミニと当たるらしいけどね」

('A`)「おい・・・まさかはずれはタワシとかじゃねえだろうな・・・」

(´・ω・`)「はははそうだよ。なぜ分かったんだ?」

川 ゚ -゚)「クリアしたら局員が裏でダーツ投げとかやってんじゃないのか・・」

('A`)「・・・・」

(´・ω・`)「さてそれじゃあ買い物に行こうか」

( ^ω^)「おかわりだお!」

ξ゚听)ξ「食いすぎ・・・」

川 ゚ -゚)「まさにブタだ」

(´・ω・`)「食べ終わったら言ってくれ。ちょっと片付ける仕事がある」

ショボンは食器を流し台に運ぶと、先ほどの機器のキイに何かを打ち込み始めた。
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