64 :友達と初詣:2006/12/21(木) 23:19:00.51 ID:/LWb7f0t0
ドアを開けると、真っ白に統一された室内に、シャワー室と、その奥にはトイレがあった。

ξ゚听)ξ「トイレか・・・まあそれはいいんだけど、なんでシャワーまであるのよ」

( ^ω^)「ブーンに聞かれても困るお」

ξ゚听)ξ「まあいいわ、他のドアのとこにも行ってみましょう」

2つ目のドアを開けると、同じく染みひとつ無い純白で覆われた部屋に、ダンボール箱がいくつか積み上げられていた。

( ^ω^)「倉庫みたいだお・・・」

ξ゚听)ξ「そうね・・・ここはあまり関係なさそうね」

3つ目のドアを開けると、ルームランナーやベンチプレス、そしてサンドバックなどのトレーニングマシーンが所狭しと置かれていた。

65 :友達と初詣:2006/12/21(木) 23:19:41.58 ID:/LWb7f0t0
( ^ω^)「ブーンには縁の無い道具だお」

ξ゚听)ξ「ねえ、いったい何なのここ? ヨガとかエアロビの教室かしら?」

( ^ω^)「空手とかボクシングのジムかもしれないお」

ξ゚听)ξ「ハア・・・それにしてもなんで誰もいないのかしら・・・」

( ^ω^)「おうちに帰りたいお」

ξ゚听)ξ「あたしもよ」

( ^ω^)「いったんエレベーターの戻ってみるお」

ξ゚听)ξ「そうね、荷物置きっぱなしだったし」

ふたりはそう言いながら、エレベーターに戻ろうとした。

(;^ω^)「あっ!」

66 :友達と初詣:2006/12/21(木) 23:20:15.68 ID:/LWb7f0t0
先に3番目の部屋を出たブーンが叫び声をあげた。

ξ゚听)ξ「どうしたの?」

(;^ω^)「ドアが、エレベーターのドアが閉まってるお!」

ξ゚听)ξ「えっ!」

ふたりはあわててエレベーターのドアの前へと走った。

(;^ω^)「ダメだお、ガッチリしまっちゃったお」

ξ;゚听)ξ「うそでしょ・・・サイフとか荷物全部エレベーターの中なのに・・・」


67 :友達と初詣:2006/12/21(木) 23:21:35.05 ID:/LWb7f0t0
(;^ω^)「スイッチ・・・エレベーターを呼ぶスイッチはないのかお!?」

しかしエレベーターの周りにあるはずのボタンは、どこにも見当たらない。

ξ;゚听)ξ「なによもう! このビルおかしいわよ!」

(;^ω^)「ああ・・・ブーンの全財産が・・・」

ξ゚听)ξ「ハア・・・でもひょっとしたら、誰か来てくれるかもしれないわ・・・」

( ^ω^)「誰かが下でエレベーターのボタンを押したのかもしれないお」

ξ゚听)ξ「そうね、しばらく待ちましょうか」

( ^ω^)「お腹すいたお・・・」

ξ゚听)ξ「あたしもよ」

ふたりはエレベーターのそばに腰掛けた。

68 :友達と初詣:2006/12/21(木) 23:23:12.31 ID:/LWb7f0t0
それから1時間が経過。

だが一向にエレベーターのドアが開く気配はない。

ブーンは壁に寄りかかりながらウトウトしていた。

ξ゚听)ξ「まいったな・・・なんでこんな目にあわなきゃいけないのよ・・・」

( -ω-)「・・・・・・・」

ξ゚听)ξ「・・・ちょっとアンタ寝ちゃったの?」

( -ω-)「・・・」

ξ゚听)ξ「どうゆう神経してんだか・・・」

ξ゚听)ξ「ん・・・あれ・・・あたしも急に眠くなってきたな・・」

ξ゚听)ξ「ああ、化粧落とさないと肌に悪いのに・・・あ・・・もうダメ・・・」

ツンは崩れ落ちるように眠りの中へと落ちていった。

天井の蛍光灯は煌々とふたりを照らしている。

 

 

70 :友達と初詣:2006/12/21(木) 23:26:46.24 ID:/LWb7f0t0
髪の長い女子高生がブーンを見ている。

ブーンが目を開けると、女子高生は一瞬ビクっと体をのけぞらせた。

川 ゚ -゚)「あ・・・生きてる」

('A`)「ふう・・・ビビったぜ・・・」

( ^ω^)「お・・・? 君たちは誰だお?」

川 ゚ -゚)「誰って・・・それはこっちが聞きたい」

('A`)「どうやらここの関係者じゃなさそうだな」

( ^ω^)「あれ・・・助けにきてくれたんじゃないのかお?」

川 ゚ -゚)「ちぃ・・・お前も私たちと同じか」

('A`)「ちっくしょう・・・なんなんだよここはよ」

ξ゚听)ξ「ん・・・・あれ・・人?・・・助けに来てくれたのね!?」

川 ゚ -゚)「残念ながら違う」

('A`)「どうやらあんたらも閉じ込められたようだが、俺らもそうなんだよな」

73 :友達と初詣:2006/12/21(木) 23:33:42.83 ID:/LWb7f0t0
( ^ω^)「ひょっとして、ずっと昇り続けるエレベーターに乗らなかったかお?」

川 ゚ -゚)「乗ったな・・・」

('A`)「お前らもか? で、急に下降しはじめてさ・・・」

川 ゚ -゚)「死ぬかと思ったぞ」

('A`)「で、やっとドアが開いたと思ったら、君らがいたわけ」

ξ゚听)ξ「・・・あたしたちとまったく一緒じゃない」

(;^ω^)「ここはどういうビルなんだお?」

川 ゚ -゚)「知るか。私はただ屋上のカフェに友達と待ち合わせをしてただけだ」

('A`)「俺は取材でな・・・屋上へ行くはずだったんだが、この嬢ちゃんと直通のエレベーターに乗ったら・・」
76 :友達と初詣:2006/12/21(木) 23:39:49.72 ID:/LWb7f0t0
川 ゚ -゚)「ずーっと、昇りっぱなし」

ξ゚听)ξ「そう・・・」

( ^ω^)「あ、エレベーターの中に荷物がなかったかお!?」

ブーンは急いでまだドアが開いているエレベータに駆け込んだ。

(;^ω^)「ない・・・なくなってるお!!」

ξ;゚听)ξ「ちょっとお・・・・あたしの携帯とサイフが・・・」

(;'A`)「俺が乗ったときには何もなかったぜ・・・」

川 ゚ -゚)「同じく何も見なかったぞ。荷物を中に置いてたのか?」

ξ゚听)ξ「うん・・・中に置いたままこの部屋を見て回ってたらね、いつのまにか閉まっちゃて・・・」

('A`)「誰かが盗んだのか?」

川 ゚ -゚)「サイフだけならわかるが・・・カバンとかかさばる物は、置いていくか捨てるかするだろうな」

ξ゚听)ξ「はあ・・・ほんっと帰りたい・・・」

(;^ω^)「ブーンの全財産が・・・泣きたい気分だお・・」
80 :友達と初詣:2006/12/21(木) 23:44:36.72 ID:/LWb7f0t0
('A`)「・・・ってことはさ、このままエレベーターの乗ってれば、また動きだすってことだよな?」

ξ゚听)ξ「・・・・そうね。ひょっとしたら下まで戻れるかもしれない」

( ^ω^)「急いで乗るお!!」

川 ゚ -゚)「また急に下降したりしないだろうな・・・」

('A`)「そうだな・・・あんな目にはもう合いたくないぜ・・・」

ξ゚听)ξ「でもアナタ達がここに来たってことは一旦下まで戻ったってことよね?」

( ^ω^)「そうだお!こんなとこにいるよりマシだお!」
84 :友達と初詣:2006/12/21(木) 23:50:08.21 ID:/LWb7f0t0
('A`)「しかたねえな・・・」

川 ゚ -゚)「あまり気が進まないが」

4人はエレベーターへと乗り込んだ。

4人全員が乗ると、エレベーターのドアはゆっくりと閉まった。

( ^ω^)「やった! 戻れるお!」

('A`)「どうか急に落ちませんように・・・」

ξ゚听)ξ「お願い、もう帰らせて・・・」

川 ゚ -゚)「・・・動き出したな」

エレベーターはかすかな振動と共に、ゆるやかに下降していく。

( ^ω^)「さがってるお!」

ξ゚听)ξ「ふう・・・よかった・・・」

('A`)「はは、取り越し苦労か」

川 ゚ -゚)「・・・・・・」
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