42 名前:番外編 ◆KAKASHIqlM :2008/04/20(日) 23:51:41.42 ID:ftYoP8fV0
  _
( ゚∀゚)「今日も、調子悪かったな……」

練習試合の帰り道、俺は一人トボトボと家路についていた。

先輩や後輩からの重圧。
高校の時に少しは有名だったこともあり、チームでも重要なポジションを任されている。
それが、苦痛だった。
44 名前:番外編 ◆KAKASHIqlM :2008/04/20(日) 23:52:07.99 ID:ftYoP8fV0

野球は嫌いじゃない。
ただ、それで必要以上に期待されているのが嫌でしょうがなかった。
  _
( ゚∀゚)「なんかもう、辞めた方がいいのかな……」

そんな暗い気持ちで歩いていると、僕の前に一軒の店が姿を現した。
  _
( ゚∀゚)「バーボン……ハウス?」

46 名前:番外編 ◆KAKASHIqlM :2008/04/20(日) 23:52:32.59 ID:ftYoP8fV0

そう掘られた金属のプレートは、『OPEN』となっている。
店名に酒の名前が付いているし、おそらくバーのような店なのだろうが、もう夕方からやっていることに俺は驚いた。
  _
( ゚∀゚)「なかなか良さげな雰囲気だな」

―――――夕食をここで済ましていくのもいいかもしれない。

気分も落ち込んでいた俺は、ゆっくりとその木製の大きなドアに手をかけた。


47 名前:番外編 ◆KAKASHIqlM :2008/04/20(日) 23:53:00.61 ID:ftYoP8fV0

(´・ω・`)「やぁ、バーボンハウスへようこそ。
       このテキーラはサービスだから、まず飲んで落ちついて欲しい」

  _
(; ゚∀゚)「え?」

いきなりの店主であろう人からの言葉に戸惑っていると、『ああ』と呟いてから言った。

(´・ω・`)「もしかして、食事目当てとかかな?
       申し訳ないんだけど、今はできないんだ」
  _
(; ゚∀゚)「何か事情があるんスか?」

(´・ω・`)「うん、作るの面倒臭いんだよね」
50 名前:番外編 ◆KAKASHIqlM :2008/04/20(日) 23:53:33.89 ID:ftYoP8fV0

はっきりとそうのたまった店主は、茫然とするこちらも気にせずに続ける。

(´・ω・`)「いやね、最初は作ってたんだけど、うまくいかなくてさ。
       料理自体は嫌いじゃないけど、バーの方とも両立するのは難しくてね。
       無理にやるのもあれだしさ」

そう言う彼の姿を見ていると、その清々しさに気持ちがよくなってしまった。
自分の悩みなんて、同じように簡単に片づけられる気がした。
  _
( ゚∀゚)「あの、バイトとか、いらないっスか?」

(´・ω・`)「ん?」
53 名前:番外編 ◆KAKASHIqlM :2008/04/20(日) 23:54:53.08 ID:ftYoP8fV0

自然と、口から言葉が出てきていた。
  _
( ゚∀゚)「もしよかったら、俺が料理しますよ。
     前に居酒屋でもやってたんで、ちょっとは自信あるし」

何故かはわからないが、もっとこの店にいたい。
この人のそばにいたいと、感じていた。

(´・ω・`)「もちろんさ、こちらからお願いしたいくらいだ」

きっと、そうすれば。

俺の心は、もう曇ることなどなくなるように思えた。

戻る

inserted by FC2 system