- 10
名前:登場人物
◆azwd/t2EpE :2007/06/17(日)
16:49:38.16 ID:c+Ko/vid0
- 〜東塔の兵〜
●( ^ω^) ブーン=トロッソ
25歳 大尉
使用可能アルファベット:Q
現在地:マリミテ城
●('A`) ドクオ=オルルッド
25歳 中尉
使用可能アルファベット:N
現在地:マリミテ城
●(´・ω・`) ショボン=ルージアル
35歳 大将
使用可能アルファベット:V
現在地:マリミテ城
●( ・∀・) モララー=アブレイユ
30歳 中将
使用可能アルファベット:U
現在地:マリミテ城
●(,,゚Д゚) ギコ=ロワード
33歳 少将
使用可能アルファベット:R
現在地:マリミテ城
- 15
名前:登場人物
◆azwd/t2EpE :2007/06/17(日)
16:51:22.11 ID:c+Ko/vid0
- ●( ^Д^) プギャー=アリスト
31歳 少将
使用可能アルファベット:P
現在地:シャッフル城
●( ><) ビロード=フィラデルフィア
28歳 中尉
使用可能アルファベット:?
現在地:マリミテ城
●(=゚ω゚)ノ イヨウ=クライスラー
34歳 中尉
使用可能アルファベット:R
現在地:マリミテ城
●( ´∀`) モナー=パグリアーロ
50歳 中将
使用可能アルファベット:Q
現在地:パニポニ城
●( <●><●>) ベルベット=ワカッテマス
24歳 少尉
使用可能アルファベット:M
現在地:マリミテ城
- 18
名前:登場人物
◆azwd/t2EpE :2007/06/17(日)
16:52:49.76 ID:c+Ko/vid0
- 〜西塔の兵〜
●( ゚∀゚) ジョルジュ=ラダビノード
40歳 大将
使用可能アルファベット:T
現在地:???
●<ヽ`∀´> ニダー=ラングラー
41歳 中将
使用可能アルファベット:?
現在地:カノン城
●(-_-) ヒッキー=ヘンダーソン
44歳 少将
使用可能アルファベット:O
現在地:カノン城
●ミ,,゚Д゚彡 フサギコ=エヴィス
37歳 少将
使用可能アルファベット:?
現在地:ヒグラシ城
- 20
名前:登場人物
◆azwd/t2EpE :2007/06/17(日)
16:54:27.65 ID:c+Ko/vid0
- ●( ´_ゝ`) アニジャ=サスガ
39歳 大尉
使用可能アルファベット:?
現在地:カノン城
●(´<_` ) オトジャ=サスガ
39歳 大尉
使用可能アルファベット:?
現在地:カノン城
- 22
名前:階級表
◆azwd/t2EpE :2007/06/17(日)
16:55:40.62 ID:c+Ko/vid0
- 〜東塔〜
大将:ショボン
中将:モララー/モナー
少将:ギコ/プギャー
大尉:ブーン/シラネーヨ
中尉:ビロード/イヨウ/ドクオ
少尉:ベルベット
〜西塔〜
大将:ジョルジュ
中将:ニダー
少将:フサギコ/ヒッキー
大尉:アニジャ/オトジャ
中尉:ビコーズ
少尉:
(佐官級は存在しません)
- 25
名前:使用アルファベット一覧
◆azwd/t2EpE :2007/06/17(日)
16:57:00.72 ID:c+Ko/vid0
- A:
B:
C:
D:
E:
F:
G:
H:
I:
J:
K:
L:
M:ベルベット
N:ドクオ
O:ヒッキー
P:プギャー
Q:ブーン/モナー
R:ギコ/イヨウ
S:
T:ジョルジュ/ミルナ/アルタイム
U:モララー
V:ショボン
W:
X:
Y:
Z:
- 28
名前:この世界の単位&現在の対立表
◆azwd/t2EpE :2007/06/17(日)
16:57:42.53 ID:c+Ko/vid0
- 一里=400m
一刻=30分
一尺=24cm
一合=200ml
(現実で現在使われているものとは異なります)
---------------------------------------------------
・ヴィップ 対 オオカミ
(マリミテ城〜オリンシス城)
・ヴィップ 対 ラウンジ
(ハルヒ城〜カノン城)
-
- 31
名前:第46話
◆azwd/t2EpE :2007/06/17(日)
16:58:49.80 ID:c+Ko/vid0
- 【第46話 : Copy】
――カノン城――
<*`∀´>「ウェーハッハッハッハ!!」
ニダーの濁声が響いていた。
干戈の音にかき消されることなく。
<ヽ`∀´>「殺し尽くすニダ!! 殲滅するニダ!!」
城内にいたラウンジ兵、およそ五千。
次々と首を失って倒れていく。
碌に戦闘準備もしていなかったのだ。当然だった。
(-_-)(……あとは、ドーンボス大尉さえ討ちとれば……)
守将のドーンボスの姿は未だ確認できていないが、城の門は閉ざしてある。
逃げ場などない。
アルファベットOを左右に振り回し、一人、二人と首を取っていく。
ヴィップがカノン城内に入れた兵数も、およそ五千。
しかし、互角の戦いではない。
<ヽ`∀´>「ドーンボスを探すニダ!
殺しちゃっていいニダ!」
ニダーのアルファベットSが縦横無尽に動き回っていた。
ヴィップ軍、四人目となるSの壁突破者。ニダー=ラングラー。
昔からアルファベットの成長を地道に続けてきている武将だった。
- 36
名前:第46話
◆azwd/t2EpE :2007/06/17(日)
17:01:11.91 ID:c+Ko/vid0
- 歪曲した刃が敵の防御を掻い潜って首を飛ばす。
時には荒く、時には巧く。
アルファベットSを振るっている。
( ´_ゝ`)「嗜虐性なら負けてないぞ。夜は女が気を失うまで虐げる"アニジャ=サスガ"とは、俺のことだ!」
(´<_`;)「フィル=ブラウニーの噂をパクったところで虚しいだけだぞ、アニジャ」
サスガ兄弟が揃ってアルファベットPを振り回していた。
鏡に写したような二人の動き。一糸も乱れない。
相変わらず息がぴたりと合っている。
城壁、そして城内が赤く染まり出していた。
後で綺麗にするのが大変そうだ、などと考えながら駆ける。
カノン城は決して大きい城ではない。隠れる場所も多くないはずだ。
何人ものラウンジ兵を捕まえ、ドーンボスの居場所を聞く。
大抵は知らないという。即座に首を飛ばす。
居場所を吐く者もいる。命欲しさなのは分かっていて、同じように首を飛ばす。
しばらくののちに、ニダーがドーンボスの首を取ったという報せが入った。
これでカノン城は陥落。ヴィップ領となる。
すぐに離れた場所で待機しているビコーズに伝令を向かわせた。
完勝だった。
ほとんど犠牲もない勝利。
近年稀に見る大勝だ。
- 49
名前:第46話
◆azwd/t2EpE :2007/06/17(日)
17:04:10.09 ID:c+Ko/vid0
- きっかけを作ったのはジョルジュ。
しかし、戦を主導したのはニダーだった。
最近、目立った活躍ができていなかったニダーだが、今回は戦史に名を残せるほどの戦功だった。
<ヽ`∀´>「ホルホルホルホル」
首を包んだ袋をぶら下げ、上機嫌でニダーが現れた。
袋から滲み出る血が床に垂れるが、既に廊下は血まみれだった。
<ヽ`∀´>「ビコーズが来たら死体を片して清掃ニダ。血腥い城じゃ戦勝に浸れないニダ」
(-_-)「……了解です……」
<ヽ`∀´>「それにしても、この大勝……ウリの才能、恐るべしニダ。ホルホルホルホル」
ここ十数年、ニダーが高ぶったときに出す笑い声を聞いていなかった。
久々に聞くと、何とも独特で、個性的なことを改めて思い出す。
ずっとジョルジュの右腕だった。
ジョルジュが大将になると同時に将校となり、ジョルジュを支えた。
攻撃的なジョルジュに対し、守りを第一に考え行動するため、ジョルジュとは馬が合っていたのだ。
だから今回の策には驚いた。
守勢という言葉がこれほど似合う武将はいない、と思っていたが、怒涛の攻めを見せたのだ。
敵の僅かな隙を突いてカノン城を奪取することを決めた。
- 58
名前:第46話
◆azwd/t2EpE :2007/06/17(日)
17:06:46.28 ID:c+Ko/vid0
- 昨年末、ジョルジュから手紙が届いた。
ラウンジは必ず、大将がいない間に攻めてくる。
それを逆手に取ってやれ。俺がいない間に、ラウンジを驚かせてやれ。
内容は、それだけだった。
具体的な作戦などはなく、ニダー以下に任せるといったものだ。
一瞬、不安になったが、手紙を見てすぐ立ち上がったのはニダーだった。
勝負は、ジョルジュがマリミテ城を発ち、こちらに戻ってくるまでの間だった。
ラウンジはラウンジ城から軍を引き連れ、ギフト城に向かった。
ここで策を実行することが何より大切だったのだ。
ハルヒ城から騎兵を率いて駆けた。
そしてカノン城に到達したあと、門兵を欺いたのだ。
"ギフト城から急行してきた援軍だ。ヴィップ軍が迫っているという情報があるため城内に入れてほしい"と。
実際に、後ろからビコーズに一万の兵で接近させた。
大げさに音を立て、気勢を上げさせ、カノン城の不安を煽ったのだ。
恐怖に突き動かされ、門兵は慌てて城門を開けた。
即座に門兵を討ち取り、門を閉めさせ、城内の敵を殲滅したのだった。
(-_-)(……しかし……ニダー中将が本当に凄かったのは、こんなことじゃない……)
いかに援軍だと偽っても、後ろから実際にビコーズに迫らせても、普通なら信用は得られない。
だが、ニダーはやってくれた。
意外な才を発揮したのだ。
それが、模倣だった。
- 70
名前:第46話
◆azwd/t2EpE :2007/06/17(日)
17:09:55.31 ID:c+Ko/vid0
- <ヽ`∀´>「チョロイもんニダ」
ニダーが軍旗を踏みつけていた。
ラウンジの軍旗。ただし、正規品ではない。
ニダーが模倣したものだ。
幼いころ、美術品や芸術品の贋作を造ることで生計を立てていたというニダー。
聞けば、ニダーの生まれた村自体が、模倣品を売りつけることで存続していたのだという。
コピー品を武器に戦っている村、などと言って笑っていた。
何度も戦いつづけたラウンジの軍旗や国章を完璧に模倣し、掲げた。
カノン城の門兵はあっさり信じてしまったようだ。
ドーンボスも恐らくは信じただろう。それほどに精巧だった。
(-_-)(敵と戦ったあとに手に入れた旗では汚れていて意味がない……。
美しい状態で掲げられていたのが何より良かったんだ……)
まさにニダーの本領発揮だった。
敵軍になりすまし、城内に入って殲滅。犠牲はほぼないに等しい。
恐らくニダーの生涯でも随一の戦功だろう。
<ヽ`∀´>「……え? 今回の作戦は、ドクオ=オルルッドがシア城を奪った時の作戦に似てる?」
<#`A´>「ファッビョーン!! この作戦はウリジナルニダ!!
ウリが起源ニダー!!」
(;-_-)「…………」
ときどき癇癪を起こすのだけが問題だが、優れた将校であることは間違いなかった。
- 85
名前:第46話
◆azwd/t2EpE :2007/06/17(日)
17:13:08.95 ID:c+Ko/vid0
- ビコーズが到着してからは、総員で城内を清掃した。
首のない死体がそこかしこに転がっている。
若いころは気が狂いそうになるくらい気持ち悪かったが、さすがにもう慣れた。
(-_-)(……もう四十四か……)
将校では、五十になっているモナーに次ぐ高齢だ。
近頃は衰えを感じるようになった。
恐らく、アルファベットもPには上がれないだろう。
粉になるまで戦い続けようとは思わない。
来たるべきときが来れば、自然と身を引く気になるだろう。
それは明日かも知れないし、十年後かも知れない。
今はまだ、戦っていられる。
そう思えるうちは、戦いつづけよう、と考えていた。
<ヽ`∀´>「盤石ニダ。これでピエロ川以南はヴィップのものニダ」
とにかく、この戦勝は大きかった。
――ラウンジ城――
どうしようもなかった。
ラウンジ城をヴィップが狙うのは難しい、と分かっていながら。
(;’ t ’ )(くそっ……!)
- 90
名前:第46話
◆azwd/t2EpE :2007/06/17(日)
17:15:53.41 ID:c+Ko/vid0
- ラウンジ城に引き返すしかなかった。
クラウン国王の座する本城だが、ヴィップと接する城になってしまったからだ。
ラウンジ城には、四万の兵を残していた。
それに対し、ヴィップがカノン城に入れた兵はわずか一万五千。
そのあと増えて四万になったが、ラウンジ城を攻めるならかなり厳しい数だ。
ラウンジ城を攻められるはずがない。
分かっていた。だが、どうしようもなかった。
万が一が起きてからでは遅いのだ。
ニダーは守りに入ることが多い武将だ。
時には攻撃を防御のために使うこともある。
今回など、まさにそれだった。
ラウンジ城を狙う姿勢を、ヴィップは一度見せた。
そのせいで、ラウンジは城を守らざるを得なかった。
実際に攻めては来ないと分かっていたが、守るしかなかったのだ。
こちらが守りを固めている間に、ヴィップも守りを固めた。
カノン城は、落とされてすぐならまだ奪還できる可能性があった。
しかし、今はどう攻めても落とせはしないだろう。
あまりに見事な奪取劇だった。
脱帽するよりほかない。
まさにどうしようもない、といった負け方だった。
(`・ι・´)「完全に上回られたな……ニダー=ラングラーか……」
( ’ t ’ )「正直、ノーマークでした……これほどの活躍を見せてくるとは……」
- 98
名前:第46話
◆azwd/t2EpE :2007/06/17(日)
17:19:04.39 ID:c+Ko/vid0
- (`・ι・´)「やはり、俺たちに隙があったと考えるしかないだろう……。
どうしても驕りが抜けんのだな……大国であるという……」
( ’ t ’ )「……否定できません……」
未熟すぎる。
もはや、経験が少ないなどと言っていられる状況でもない。
これで、立て続けに三つの城を失ったのだ。
ピエロ川以南を失ったのも手痛い。
経済的な損失が大きいのだ。
逆にヴィップは更に国力を高める。
ベルは、単身でラウンジを大国に仕上げた。
あと二十年あれば統一できる、というレベルにまで国を成長させたのだ。
後を継ぐ者として、躓くことなく天下統一に向けて勝ち進まなければならなかった。
だが、この体たらくは何だ。
恥ずかしくて、ベルに顔向けできない。
ベルが大事に作り上げてきたものを、徐々に壊しつつあるのだ、今のラウンジは。
このままで、いいはずがない。
( ’ t ’ )「……考えましょう、アルタイム大将。
僕たちは今後、何をすべきかを」
(`・ι・´)「……あぁ……」
- 109 名前:第46話
◆azwd/t2EpE :2007/06/17(日)
17:22:40.51 ID:c+Ko/vid0
- あえて、漠然としたところから考えだした。
根本を変えるために。
その日は、夜が明けるまでずっと、アルタイムと語り合っていた。
――オリンシス城――
――第三訓練室――
今年の寒さは厳しかった。
普段、あまり雪が積もらないオリンシス城の周辺も、白銀に染まっている。
珍しがって、朝早くから雪で遊んでいる兵もいた。
雪で戦うときのための調練を行う、いい機会だった。
いまヴィップが攻めてくる気配はない。
こちらから攻めるつもりもない。安心して調練に励めている。
( ゚д゚)(しばらくは静観だな)
アルファベットUを、突きだした。
標的として置かれている岩を貫く。
まるで紙のような脆さだ。
新しくアルファベットUに上がってからは、慣れるために訓練の時間を多く取っていた。
リーチのあるTは戦いやすかったが、アルファベットUは扱いやすさと威力でそのTを上回る。
最初に振るったとき、風を切る音で思わず鳥肌が立ったほどだ。
- 118 名前:第46話
◆azwd/t2EpE :2007/06/17(日)
17:25:27.60 ID:c+Ko/vid0
- 現在、アルファベットでトップに立っているのはショボンのV。
それにモララーが次いでいたが、これで肩を並べたことになる。
四十になってからのUは想定していたよりも遅いが、病を得ていたため仕方ない部分があった。
( ゚д゚)(壁の突破者は……七人か)
存命中のSの壁突破者。
ラウンジに一人、ヴィップに四人、そしてオオカミに二人だ。
ヴィップの人数が飛びぬけているが、最大国ラウンジをオオカミは上回っている。
ラウンジはアルファベットに長けた者があまり多くない。
ベル一人が図抜けていたことにより、周りは向上心を持たなかったのが原因だという。
ベル自身も多忙を極めていたため、後世に技術を伝えることはほとんどしなかったらしい。
今、壁を越えているのはアルタイム一人だ。
ベルの息子であるファルロはSの壁を突破するだろうと言われているが、分からない。
Jの壁突破が早くても、後で躓く者は山ほどいるのだ。
オオカミでは自分と、ドラルがSの壁を越えていた。
ドラルは若い頃、動きが鈍重で、才覚はないと言われていた。
しかしLを過ぎたあたりから急速に成長し、フィルを追い越しての壁突破を成し遂げた。
Sの壁を突破したのは、歴史的に見ても十人に満たない。
何十万という数の兵がいたにも関わらず、一桁なのだ。
いかに難関な壁かは、誰もが知っているところだ。
その壁を、現在四人も越えているヴィップは、やはり圧倒的だった。
ショボン、ジョルジュ、モララー、ニダー。
いずれも戦史に名を残す将たちだ。
- 277 名前:第46話
◆azwd/t2EpE :2007/06/17(日)
18:16:37.22 ID:c+Ko/vid0
- それに、ヴィップにはまだブーンもいる。
二十五にして既にQに達し、三十までには確実に越えるだろうと言われているのだ。
現在壁に挑んでいるギコ、イヨウも可能性は低くない。
将のアルファベットレベルが高いのは、戦で力になる。
当然、将自身の強さもあるが、配下の兵の発奮、敵兵への威嚇効果もある。
アルファベットという存在は、ただの凶悪な武器ではないのだ。
誰もが上位アルファベットに到達することの凄さを知っているからこそ、上位アルファベットには力がある。
( ゚д゚)(……俺も、こんなところで満足していられない)
Uに達したのは、アルファベットが初めて戦争に用いられた490年以降では、これで四人目。
Vになると、僅か二人しか存在しない。
Wに至っては、ベル一人だ。
ベルが初めてアルファベットに触れたのは二十四のときだったという。
自分は十六のときだった。普通の兵も十八のときには触れる。
一般よりははるかに遅い二十四のときに、ようやくAに触れた。
そこから僅か十年強でVにまで到達したのだ。
さすがにショボンやモララーとも比較にならない早さだった。
しかも、決して若くはなく、国軍の任務を一手に引き受けた中での成長だ。あまりに図抜けていた。
( ゚д゚)(ベルのようにはなれない……しかし、俺は俺だ)
自分の力量は把握しているつもりだ。
ベルのように、軍を完全に指揮し、アルファベットも怠らずに成長することはできない。
あくまで自分の実力を出し切ることしかできないのだ。
- 132 名前:第46話
◆azwd/t2EpE :2007/06/17(日)
17:32:04.43 ID:c+Ko/vid0
- しかし、それさえできれば。
自分の持つ力を、十割出すことができれば、ヴィップやラウンジに勝てる。
自惚れや不遜ではない。客観的に見ても、間違いないと思っていた。
まずはオリンシス城の防衛。
そして、マリミテ城か、あるいはシャッフル城の奪還。
ラウンジのコードギアス城も水軍の力で奪取してしまいたいところだ。
フェイト城を奪ったこと、水軍でヴィップを完膚無きまでに打ちのめしたこと。
この二つは大きかった。新兵の数が増えているのだ。
現在、オオカミの総兵数は十七万に達していた。
対ヴィップに投入している兵数は五万だが、今年中に二万は追加する。
兵糧を考えれば、それがほぼ永続的にヴィップに対抗していられる際々の数だ。
北のラウンジも常に攻め込む姿勢を見せており、備えは欠かせなかった。
恐らくヴィップも七万ほどは出してくるだろう。
先日、西塔が鮮やかにカノン城を奪取したことで、領土は大きく拡大した。
物資も更に増大するだろう。七万や八万程度は平気で維持してくるはずだ。
恐らく、今後三年は睨みあうことになる。
ヴィップは一度敗戦したとは言え、オリンシス城を諦めてはいない。
三年ほどは常に狙ってくるはずだ。
逆に言えば、三年耐えきれば、ヴィップは軍を退くだろう。
そこが勝負だった。
マリミテ城やシャッフル城を奪還する機が生まれるはずだ。
- 140 名前:第46話
◆azwd/t2EpE :2007/06/17(日)
17:34:49.05 ID:c+Ko/vid0
- やられっぱなしではいられない。
オオカミの天下のために、確実にヴィップを弱らせていく必要がある。
城を奪っていく必要がある。
〔;´_y`〕「ミルナ大将」
軽く息を切らせながら、ガシューが扉を開け、駆け寄ってきた。
田舎者のような冴えない顔、ただ短く切っただけの髪型。
全てが凡庸さを形成しているとさえ思える男だった。
〔;´_y`〕「訓練中のところを、申し訳ありません」
( ゚д゚)「構わんが、どうかしたか?」
〔;´_y`〕「手紙が、消えました」
何の手紙だ、と聞き返す必要はなかった。
いま手紙と言えば、ドクオ=オルルッドの手紙以外にはない。
( ゚д゚)「……盗まれたか」
〔;´_y`〕「そのようです」
( ゚д゚)「いつかヴィップには知られるだろうと思っていたが……」
手紙は鍵のかかった箱に隠してあった。
しかし、箱などアルファベットさえあれば容易に破壊できる。
腕のいい間者なら盗み出すのは不可能ではないと思っていた。
( ゚д゚)「箱には見張りをつけていたが、殺されたか?」
- 145 名前:第46話
◆azwd/t2EpE :2007/06/17(日)
17:38:06.52 ID:c+Ko/vid0
- 〔;´_y`〕「全員、首を落とされていました」
( ゚д゚)「相当の手錬れだな。恐らく、ショボンの間者の仕業だろう」
見張りをつけることには、反対した。
そこに何かある、と間者に教えるようなものなのだ。
リレントの半ば強引な押し切りを受け、仕方なく承諾したのだった。
やはりリレントの意見はあてにならない、と少し思った。
( ゚д゚)「今後はドクオの手紙を奪っても意味がないな。
何か書いてあるとしても、虚偽だろう」
〔´_y`〕「そうですね……手紙を利用してくるかも知れません」
( ゚д゚)「しかし……驚いたな。まさか妹への手紙に作戦内容を書くとは」
ヴィップ軍の中尉であるドクオ=オルルッドの妹がオオカミにいることは知っていた。
親を亡くし、孤児院で暮らしているということも。
ドクオが将校になったときに調査した時点で分かっていたのだ。
リレントやフィルは、妹を餌にドクオを脅すことを提案してきた。
無論、許可しなかった。とても人道的な手段ではない。
民からの反発もあるだろうし、何より、そんな手段でヴィップに勝ちたいとは思わなかった。
しかし、ドクオがエヴァ城やマリミテ城から出した手紙。
あの辺は、以前オオカミの領土だった。
そこで働く配達屋も、オオカミに通じている者がいたのだ。
- 150 名前:第46話
◆azwd/t2EpE :2007/06/17(日)
17:40:44.56 ID:c+Ko/vid0
- ドクオからの手紙を、配達屋はまずリレントに渡した。
マリミテ城の防衛戦が始まったばかりのころだ。
当然、リレントは手紙を疑った。疑り深いリレントならではだ。
きっと手紙に書いてある作戦は虚偽だろう。
リレントはそう確信し、ドクオの裏を掻くべく攻め込んだ。
結果、ドクオ相手に大敗を受けた。
手紙の作戦は、真実だったのだ。
さすがに四中将はみな驚いたという。
いかに身内への手紙とは言え、他人の手に渡るものに作戦を書くなど、前代未聞の出来事だった。
今度は手紙を信じ、攻め込んだ結果、伏兵を破ってフィレンクトを軍から去らせることに成功した。
水軍では歴史的な大勝を収めることができた。
本当にいいのか、と思ってしまうような状況だった。
〔´_y`〕「才気ある将といっても、所詮は若造でしたね」
( ゚д゚)「まぁ、そう言ってやるなよ。ガシュー、お前には分からんさ」
〔;´_y`〕「はい?」
( ゚д゚)「お前は二十のときに入軍して、将校になったのは二十六のときだろう。
ずっと後方支援ばかりをやっていて、あまり人の生死に関わってこなかったはずだ」
〔´_y`〕「確かにそうですが……」
( ゚д゚)「想像つくか? 二十そこらの若者が、血まみれの兵、首のない死体を見て、
怒号、慟哭、悲鳴を聞き、混乱、騒動、喧噪を一度に受けたときの心境が」
- 162 名前:第46話
◆azwd/t2EpE :2007/06/17(日)
17:43:39.64 ID:c+Ko/vid0
- 〔;´_y`〕「…………」
( ゚д゚)「アルファベットは大抵、人の命を一撃で奪い去る。
あまりに凶悪、そして無情だ。
今まで、人とは"生きていること"が当たり前だった世界から、"死ぬこと"も当たり前の世界に移ったんだ」
〔´_y`〕「……それが、戦でしょう」
( ゚д゚)「あぁ。そう思えるようになりゃ、何ともない。
だが、まだ戦に慣れないうちはそうもいかんさ。特に、若い時分は」
訓練で掻いた汗は、いつの間にか引いていた。
代わりに、寒さを感じるようになっている。
( ゚д゚)「どうにもならないほうが、どうかしている。俺はそう感じたがな」
〔´_y`〕「ですが……ミルナ大将は、オオカミの中軸としてご活躍なさっています」
( ゚д゚)「いや、実はな。俺も昔、やったことがあるんだ。ドクオに似た失敗を」
〔;´_y`〕「え?」
( ゚д゚)「敵に知られてはならない作戦を言い渡されてな。難しい作戦でもあった。
俺は、怖くて堪らなかった。アルファベットの才だけで将校に引き上げられた、十九のときだった」
陽が高く昇ったため、窓から射し込む光は幅を狭くしていた。
部屋が暗くなったように感じる理由は、それだけではなさそうだった。
- 168 名前:第46話
◆azwd/t2EpE :2007/06/17(日)
17:47:02.09 ID:c+Ko/vid0
- ( ゚д゚)「いま考えても、何故あんなことをしたのかは分からんのだが……俺は、その作戦を紙にメモってしまったんだ」
〔;´_y`〕「ミルナ大将が、ですか?」
( ゚д゚)「あぁ。その紙がヴィップのモナーの手に渡ってしまってな、作戦は大失敗だ。
そのせいで俺は、"一人の友"を国から失うことになってしまった」
〔;´_y`〕「…………」
( ゚д゚)「今も時々思い出す。あの愚かしい自分を。何故、あんなことをしてしまったのかと。
だが、そのときは何気なしに書いてしまっていたんだ。若かったのだな。
恐らく、不安を和らげるとか、気持ちを落ち着かせるとか、その程度の些細な理由で」
〔;´_y`〕「俄かには、信じられないことです……」
( ゚д゚)「どこか、おかしかったのだと思う。周りに高い評価を得ていたせいもあって、冷静ではなかった。
期待に応えたい自分と、自信のなさが交わって、自分でも考えられないような行動に出てしまったのだ、と今は思う」
〔´_y`〕「……ドクオ=オルルッドも、同じということですか」
( ゚д゚)「恐らくな。何となく、あいつの気持ちが俺には分かる」
〔´_y`〕「そのあと、ミルナ大将はどうなったのですか?」
( ゚д゚)「兵卒に落とされたよ。死罪も考えられたが、当時、アルファベットで抜群の力を見せていたおかげで免れた。
俺は発奮して、必ずオオカミを天下に導こうと決めた。そして今に至る、といったところだな」
〔´_y`〕「存じませんでした……そのようなことがあったのですか」
( ゚д゚)「お前が入軍してくる二年前のことだからな。無理もない」
- 176 名前:第46話
◆azwd/t2EpE :2007/06/17(日)
17:49:49.61 ID:c+Ko/vid0
- あの当時、将校だった者は今ほとんどいない。
多くは討ち取られ、引退し、軍から去っている。
僅かに残った者も戦には出ず、半ば文官をやっているような者ばかりだ。
軍の中核は、もうずっと自分と四中将だ。
円滑に動いているとは言えないが、何とかやっていけている。
もうそれぞれに相当な経験を積んでいることが大きかった。
( ゚д゚)「それに俺は、今回の失敗は必ずしもドクオだけに原因があるとは思っていない」
〔´_y`〕「どういうことですか?」
( ゚д゚)「ショボン=ルージアルの、方針さ」
訓練室を後にし、ガシューと共に食堂へ向かった。
また雪がちらつきはじめたようだった。
――マリミテ城――
――第一訓練室――
( ^ω^)「お、いい感じだお」
金属音が響く。
等間隔に、何度も。
可能な限り素早く振るってくれ、と言った結果だった。
- 188 名前:第46話
◆azwd/t2EpE :2007/06/17(日)
17:53:31.71 ID:c+Ko/vid0
- ( ^ω^)「ちゃんとブーンの首を狙うんだお。闇雲に振り回すだけじゃ敵は討ち取れないお」
(兵;δ_δ)「はい」
アルファベットQで攻撃を受けていた。
円形の刃と、そこから突き出る一本の刃。
その中に入った柄。
扱いづらいアルファベットの一つだ。
振り回しにくく、攻撃を受けにくい。
一つ下のアルファベットである斧状のPと比較すると、その差は歴然だった。
しかし慣れてくると、案外面白いアルファベットだった。
円形の刃は敵の攻撃を受け流しやすい。ランクが高いため威力負けしないことが大きい。
突きだした刃を使えば攻撃面も悪くはない。
できれば早く通過したいアルファベットではあるが、だんだん手に馴染んでくる感覚が、いまは楽しかった。
( ^ω^)「このくらいにしとくお」
(兵;δ_δ)「ハァ、ハァ……ありがとうございました」
( ^ω^)「もうちょっと無駄な動きを減らせば、更に素早く振るえるようになるお。
特にアルファベットIはリーチが長いから、いかに素早く攻撃できるかが鍵になるお」
(兵;δ_δ)「はい」
( ^ω^)「頑張ってだお」
- 196 名前:第46話
◆azwd/t2EpE :2007/06/17(日)
17:56:22.43 ID:c+Ko/vid0
- 兵士は嬉しそうな顔で頭を下げた。
自分の訓練のために使おうと思っていた時間だが、あの笑顔を見ただけで、有意義なひとときだったと思える。
Jの壁に挑戦している、二十三の兵だった。
入軍してから五年が経過している。早い者ならとうにJの壁を突破できている年だ。
平均すると、だいたい四年か五年くらいで突破する者が多い。
しかし、そもそもJの壁を突破できるのは、およそ千人に一人だと言われている。
先ほどの兵に突破できるかどうかは、分からない。
持っているものは悪くなさそうだった。
( ^ω^)(……あ……)
ふと、用事を思い出した。
昨日終わらせた調査任務の報告書を、ショボンに持っていかなければならない。
朝一で持ってきてくれと言われていたが、忘れていた。
(;^ω^)(おっおっおっ、やばいお)
急ぎの任務ではないが、早いに越したことはない。
慌てて自室に戻り、書類を持って、ショボンの執務室へ向かった。
――マリミテ城・執務室――
( ^ω^)「失礼しますお」
ドアを軽くノックして、室内に入った。
あまり広い部屋ではない。ショボンの執務机はすぐ側にあった。
- 205 名前:第46話
◆azwd/t2EpE :2007/06/17(日)
17:59:52.47 ID:c+Ko/vid0
- (;^ω^)「……お?」
椅子に座っているショボン。
両手を組んで、額に当てている。
考え込んでいるような、落ち込んでいるような姿勢。
いつものショボンらしさはなかった。
(;^ω^)「どうかしたんですかお?」
(´・ω・`)「……ん? ブーンか、どうした?」
(;^ω^)「報告書を……」
(´・ω・`)「あぁ、そうだったな。すまない」
声は、いつもと変わらない。
違っているのは、表情だけだ。
(;^ω^)「あの……顔色が優れないようですお……」
(´・ω・`)「……そう見えるか?」
(;^ω^)「はいですお……」
(´・ω・`)「……実は、考え事をしていたんだ」
ショボンが手を伸ばしてきた。
一瞬、何のためか分からなかったが、すぐに報告書を求めているのだと理解した。
慌てて報告書を差し出す。
- 214 名前:第46話
◆azwd/t2EpE :2007/06/17(日)
18:02:45.48 ID:c+Ko/vid0
- 受け取った報告書をそのまま机に置いて、ショボンがゆっくりと立ち上がった。
その巨体も、今はどこか小さく見える。
(´・ω・`)「俺のやり方について、考えていた」
(;^ω^)「……やり方?」
(´・ω・`)「ドクオの件さ。あいつが何故あんなミスをしたのか、まずそこから考えてみたんだ。
あいつが冷静でなかったことが、当然要因だ。およそまともと言える行動ではない。
しかし、それに"何故"をつけてみたんだ。何故、まともな行動を取れなかったのか」
いつしか、声までも沈んでいっていた。
まるで反省を述べているようだった。
(´・ω・`)「そこで俺は、今までのやり方が間違っていたんじゃないか、と思ったんだ」
(;^ω^)「……よく分かんないですお」
(´・ω・`)「東塔は近年、次々に若い人材が現れた。他国も羨ましがるほどの人材が。
お前然り、ドクオ然り、ベルベット然り……。
そしてこの三人には、ある共通点がある」
(;^ω^)「共通点……ですかお?」
(´・ω・`)「経験の少ないうちに将校になったことだ」
暖の取られた室内と、寒気の極まる屋外との温度差で、窓は完全に曇っていた。
外は恐らく雪が降っているのだろうが、全く分からない状態だった。
- 224 名前:第46話
◆azwd/t2EpE :2007/06/17(日)
18:05:47.17 ID:c+Ko/vid0
- (´・ω・`)「兵卒として戦場を経験し、部隊長に任ぜられ、やがて将校になる。
普通は、そうだ。俺やモララーでさえ、そうやって上に昇っている。
だが、俺が若い人材を欲し、経験の少ないうちに将校に引き上げたことにより、弊害が生じた。
自身が配下としての経験を持たないうちに、何千もの命を預かる立場になってしまったせいだ。
上の者からすれば至極当然のことが、できない、考えられないようになってしまったんだ」
(;^ω^)「…………」
(´・ω・`)「お前の場合はたまたま上手くいった。ベルベットも今は上手くいっている。
しかし、いつもそうとは限らん。当たり前のことだ。俺は、分かっていなかった。
今回、ドクオが失敗を犯したことで、俺の方針にミスがあったことが露呈したんだ」
(;^ω^)「それは……」
(´・ω・`)「間違いない、と思っている。今回の件、ドクオに非があるが、俺にもないとは言えん。
お前も同様の方針で育ててしまったこと、今は申し訳なく思う。
すまなかった」
ショボンが、頭を下げかけた。
すぐさま肩を掴み、動きを静止させる。
(;^ω^)「謝らないでくださいお。ブーンは凄く感謝してますお。ドクオだって同じですお」
(´・ω・`)「……気を遣わせてすまない」
(;^ω^)「そんなんじゃないですお!
本心ですお!」
(´・ω・`)「……ありがとう」
- 233 名前:第46話
◆azwd/t2EpE :2007/06/17(日)
18:08:52.74 ID:c+Ko/vid0
- ショボンが、微かに笑った。
今日初めて見せた笑顔だった。
(´・ω・`)「俺もまだまだ未熟者だ。支えがなければやっていけない大将だ。
ブーン、こんな俺だが、できればこれからもずっと支えてやってほしい」
( ^ω^)「もちろんですお! 微力を尽くしますお!」
(´・ω・`)「ありがとう」
先ほどと同じように笑って、ショボンが再び椅子に腰かけた。
そして、何故かまた、若干表情を曇らせた。
椅子を軋ませ、眉を垂らして。
ひとつ、ショボンが息を吐いた。
(´・ω・`)「ブーン、これはあくまで俺個人の考えだ。ドクオには、絶対言うなよ」
(;^ω^)「お?」
(´・ω・`)「俺はドクオに三年でオリンシス城を奪えと言った。失敗すれば斬る、と。
だが原因はドクオだけにあったわけじゃない。俺にもあったんだ」
ショボンが何を言おうとしているのか、分かった気がした。
しかし、何故か声が出なかった。
- 242 名前:第46話
◆azwd/t2EpE :2007/06/17(日)
18:11:40.36 ID:c+Ko/vid0
- (´・ω・`)「この状況で、俺が何のお咎めもなしでは、恐らく周りが納得しないだろう。
言えばドクオにとっては負担になる。だから絶対に言うな。
もしドクオが失敗した場合は、俺も処罰を受ける、と」
覚悟と、信頼。
その二つが、はっきりと見えた。
手を伸ばせば、掴めそうなほど近くに。
オリンシス城を、奪取できるかどうか。
それは、最初の想定よりも、はるかに大きな意味合いを持つものとなっていた。
第46話 終わり
〜to be continued
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