491 :登場人物 ◆azwd/t2EpE :2007/02/26(月) 23:09:57.15 ID:eqJke+7A0
〜東塔の兵〜

●( ^ω^) ブーン=トロッソ
19歳 少尉
使用可能アルファベット:I
現在地:平原

●('A`) ドクオ=オルルッド
19歳 新兵
使用可能アルファベット:C
現在地:ヴィップ城

●(´・ω・`) ショボン=ルージアル
29歳 大将
使用可能アルファベット:T
現在地:ヴィップ城

●( ・∀・) モララー=アブレイユ
24歳 中将
使用可能アルファベット:R
現在地:エヴァ城

●( ,,゚Д゚) ギコ=ロワード
27歳 少将
使用可能アルファベット:?
現在地:ヴィップ城
496 :登場人物 ◆azwd/t2EpE :2007/02/26(月) 23:13:37.12 ID:eqJke+7A0
●( ^Д^) プギャー=アリスト
25歳 大尉
使用可能アルファベット:L
現在地:ヴィップ城

●( ><) ビロード=フィラデルフィア
22歳 少尉
使用可能アルファベット:?
現在地:シャナ城

●(=゚ω゚)ノ イヨウ=クライスラー
28歳 中尉
使用可能アルファベット:?
現在地:ヴィップ城

●( ´∀`) モナー=パグリアーロ
44歳 中将
使用可能アルファベット:?
現在地:パニポニ城
500 :登場人物 ◆azwd/t2EpE :2007/02/26(月) 23:17:16.54 ID:eqJke+7A0
〜西塔の兵〜

●( ゚∀゚) ジョルジュ=ラダビノード
34歳 大将
使用可能アルファベット:S
現在地:ハルヒ城

●<ヽ`∀´> ニダー=ラングラー
35歳 中将
使用可能アルファベット:?
現在地:ハルヒ城

●(-_-) ヒッキー=ヘンダーソン
38歳 大尉
使用可能アルファベット:N
現在地:ハルヒ城

●ミ,,゚Д゚彡 フサギコ=エヴィス
31歳 少将
使用可能アルファベット:?
現在地:ハルヒ城
505 :階級表 ◆azwd/t2EpE :2007/02/26(月) 23:20:15.96 ID:eqJke+7A0
〜東塔〜

大将:ショボン
中将:モララー/モナー
少将:ギコ

大尉:プギャー/シラネーヨ
中尉:イヨウ
少尉:ブーン/ビロード


〜西塔〜

大将:ジョルジュ
中将:ニダー
少将:フサギコ

大尉:ヒッキー
中尉:ビコーズ
少尉:
512 :使用アルファベット一覧 ◆azwd/t2EpE :2007/02/26(月) 23:23:43.58 ID:eqJke+7A0
A:
B:
C:ドクオ
D:
E:
F:
G:
H:
I:ブーン
J:
K:
L:プギャー
M:
N:ヒッキー
O:
P:
Q:
R:モララー
S:ジョルジュ
T:ショボン
U:
V:
W:
X:
Y:
Z:

513 :第17話 ◆azwd/t2EpE :2007/02/26(月) 23:26:17.49 ID:eqJke+7A0
【第17話 : Ambition】


――平原――

 後で叱られてもいい。
 とにかく、このまま駆け続けたい。

 今は、本城に帰還する気分ではなかった。

(‘_L’)「……お供します」

 先に帰って下さいお、とフィレンクト以下一千には言ったが、ついてきた。
 冷静に考えれば、軍を率いる少尉が配下の兵を放置するなど、あってはならないことだ。

( ^ω^)「……皆さん、ゴメンなさいだお……ちょっとだけ我が侭に付き合ってくださいお」

 誰からも不満は出なかった。
 責任は、あとで自分が取る。今はしばらく無心で駆けたい気分だった。


 どっちに進んでいるのかも、最初は分からなかった。
 陽光は左方。影が自分の横にあることに気づき、ようやく南進だと分かった。
 行く宛てはない。だが、闇雲に進んでしまってオオカミ領に侵入してしまうのだけは避けなければならない。
 ショボンやモララーに多大な迷惑をかけることになる。

 太陽が居場所を変えて、やがて見えなくなった頃、動きを止めた。
 周りが見渡せる場所を探す。野営だ。
 兵糧などはモナーから受け取っている。余るほどの量だった。
515 :第17話 ◆azwd/t2EpE :2007/02/26(月) 23:30:47.12 ID:eqJke+7A0
 火を熾して、肉を炙った。
 豚の肉が多いが、鳥や羊の肉もある。
 塩をまぶして、肉を返す。全体を万遍なく焼いた。
 油が落ちて火の勢いは増していく。

 釜に米を入れて炊き上げる。
 別の釜には山菜を入れて、味付けを施した。
 それを焼き上げた肉に添えて、盛り付ける。

 十人分の夕飯ができあがった。
 隊は百に分けてある。方々でほとんど同じことが行われていた。
 いくつもの火が煌いて、まるで星の輝きのようだ。
 楽しげに飯をつくる兵の姿には、思わず口元を綻ばされた。

(‘_L’)「手慣れていますね、ブーン少尉」

 皿と箸を手に、フィレンクトが隣に腰かけた。
 少量だが、酒も配ってある。顔が赤いのは火の照らしだけではないだろう。

( ^ω^)「昔から家でやってたんですお」

(‘_L’)「そうなのですか。私はてっきり、将校には料理の腕も必要なのかと」

(;^ω^)「そんなわけないですお」

 思わず苦笑いしてしまったが、フィレンクトは至って本気のようだった。
 真面目で、頭も良いが、どこか抜けているところがある。
 そんなフィレンクトと過ごす時間を、近頃は楽しく感じていた。
524 :第17話 ◆azwd/t2EpE :2007/02/26(月) 23:35:04.02 ID:eqJke+7A0
( ^ω^)「……フィレンクトさんは、将校を目指しているんですかお?」

(‘_L’)「いずれは、と思っております。私にも、妻子がいますから」

( ^ω^)「きっとなれますお。フィレンクトさんなら、遠くないうちに」

(‘_L’)「そうだと良いのですが……もう二十六ですし、若干の焦りはあります。
    アルファベットも、なかなかJの壁を越えられません」

( ^ω^)「それはブーンも一緒ですお。お互い、頑張りましょうお」

 酒の入った器を傾けた。

 目の前の火は穏やかな光を放っている。
 揺らめくその姿を見つめて、自然に落ち着いていく心。
 温暖なヴィップ国でも、この時季の夜はやはり冷え込む。
 しかし、それを感じさせない、炎の暖かさ。

 火の番と歩哨を立て、その暖かさの側で眠りに就いた。


 翌日、土をかぶせて火を消し、進発した。
 全土最長の大河であるトーエー川を迂回し、更に南へと進む。
 昨日より暖かい日で、馬も快調な走りを見せてくれた。

 大地に馬蹄を刻みながら南下を続けていて、夕刻に達した。
 その頃、今まで村や町しか見かけなかったが、初めて城が見えてきた。

 それも、属城のような小さい城ではない。
 あの城はよく覚えている。エヴァ城だ。
531 :第17話 ◆azwd/t2EpE :2007/02/26(月) 23:39:18.04 ID:eqJke+7A0
 オオカミからエヴァ城を奪った際、豪快な火計を仕掛けて燃やしたが、城壁や城塔は美しいままだ。
 今は復旧も進んでいるはずだった。

(‘_L’)「もうすぐ陽が落ちます。今日はエヴァ城にお世話になる、というのはいかがでしょうか」

( ^ω^)「そのほうが良さそうですお。さっそく、モララー中将に話を……」

 そのとき、遠方から近づいてくる騎馬隊がいた。
 オオカミの方面からではないことに、まず安心し、そして先頭の騎馬兵を見て、更に安心した。

 モララーだ。

( ・∀・)「なーにやってんだ? 人手を要請した覚えはねーんだが」

( ^ω^)「お久しぶりですお。パニポニ城からの帰りに、ちょっと立ち寄ってみたんですお」

( ・∀・)「なんだそりゃ? わけわかんねーな。意味あんのか?」

(;^ω^)「意味は特にありませんお」

 数か月ぶりだが、モララーは相変わらずだった。
 しかし、何故か安心している自分がいる。
 普段と変わらない、というのが、これほど安心できることだとは、思いもよらなかった。

532 :第17話 ◆azwd/t2EpE :2007/02/26(月) 23:43:28.14 ID:eqJke+7A0
( ^ω^)「もうすぐ夜になってしまうので、よろしければこの一千を泊めていただきたいんですお」

( ・∀・)「一千くらい構わねーが、エヴァ城は無理だ。そこまで復旧してない。
     シンジ城まで行ってもらうことになるが、それでもいいんなら寝床は用意してやる」

( ^ω^)「ありがとうございますお! よろしくお願いしますお」

 案内役に一人残して、モララーはエヴァ城に向かっていった。


――夜――

――シンジ城――

 やはり暖の取られた屋内は安らいだ。
 寝床として割り当てられたいくつかの調練室に、毛布を隙間なく敷き詰める。
 兵糧をとって寝床に戻ると、兵たちはすぐに眠りに就いた。
 まだ怪我が完治していない者もいる。疲労も抜けきってはいない。
 月の青白い光に照らされた調練室は、寝息に満ちていた。

 ブーンは階層を上がり、多目的室の扉を叩いた。
 中から声が聞こえ、扉を開く。
 今はここが、モララーの部屋となっているようだった。

( ・∀・)「おう。まぁ座れ」

 モララーは机の前に座って、茶菓子を頬張っていた。
535 :第17話 ◆azwd/t2EpE :2007/02/26(月) 23:47:13.42 ID:eqJke+7A0
 後ろ手で扉を閉めて、向かいの椅子に腰かけた。
 あまり広くはない部屋が、書類や何かの材料で埋め尽くされている。
 この散らかり様も、モララーらしいかも知れない、と思った。

( ・∀・)「ジョルジュ大将は軍を退いた。今は全軍、ヴィップ城に帰還しているそうだ」

( ^ω^)「そうなんですかお? 知りませんでしたお……」

( ・∀・)「ベルには上手くやられたみてーだ。自分の死を活かして敵将を追い詰めるとは、さすがとしか言いようがねーな」

 モララーが茶菓子を一つ手に取る。
 無造作に口に放り込んで、湯呑を傾けた。

( ・∀・)「お前の噂も聞いた。敵の援軍と戦って、結果的にジョルジュ大将の命を救ったそうだな」

( ^ω^)「……そんなつもりじゃなかったんですお」

( ・∀・)「だろうな。聞いた話じゃ、三千と戦うつもりが、一万の敵軍……びびっただろ?」

( ^ω^)「恐怖とかより……その場は、何とかして切り抜けなきゃって気持ちで……」

( ・∀・)「そんでまぁ、半数を失ったがなんとか生き延びたわけだ」

(  ω )「……モララー中将……ブーンは、いったい何を信じればいいんですかお?」

 モララーが茶菓子に手を伸ばしかけて、やめた。
 突然の一言を発してしまった。しかし、一度声に出したからには、止まらない。
538 :第17話 ◆azwd/t2EpE :2007/02/26(月) 23:50:37.12 ID:eqJke+7A0
(  ω )「モナー中将は元気でしたお。戦えないとは思えませんでしたお。でも、パニポニ城に引きこもりきりでしたお。
     ジョルジュ大将はオオカミ方面に力を貸さないし、ブーンには行動が不可解ですお……。
     入軍したころから行動を共にしてきた友人も、最近は疎遠になって……不穏さすら感じてしまって……。
     もう、何を信じればいいのか、分かんないんですお……」

 モララーはじっと、こちらを見つめていた。
 強い力を持った瞳だ。
 一度軽く息を吐いて、モララーが口を開く。

( ・∀・)「今は乱世だ。誰しもが、目的をもってアルファベットを握っている。
     その過程で、不信に陥ることはある。ショボン大将だって俺だって、そうだ。
     ブーン、お前は俺が何故戦っているか、知ってるか?」

 突然の問いの答えを、一瞬考えたが、すぐ首を横に振った。
 モララーとこんな話をするのは初めてだ。知っているはずもなかった。

( ・∀・)「平穏な老後のためだよ。今の状況じゃ、民も戦に巻き込まれて命を落としかねない。
     いずれ人間は衰えるんだ。そのとき、身を守る力が充分にある可能性は低い。
     だから今のうちに乱世を平定して、腰の曲がるころにはゆっくり茶を啜ろうと思ってんだ」

 モララーらしくない答えに、驚いた。
 冗談で言っているのかとも思ったが、モララーの瞳は相変わらず強い光を放っている。

( ・∀・)「さぁブーン、お前はいったい、何のために戦ってる?」

 背中に汗を感じた。
 強い光が、心に食い込む。手の指が、微かに震えた。

 戦う、理由。
548 :第17話 ◆azwd/t2EpE :2007/02/26(月) 23:54:45.16 ID:eqJke+7A0
(  ω )「……生まれ育ったヴィップ国の、天下のため……。
     それから……家で平和を待っている、かーちゃんと弟のために」

( ・∀・)「お前らしい、いい答えだ」

 モララーが立ち上がった。
 壁に立てかけられたアルファベットRを手に取り、頭上で振り回す。
 横に振り払って、風を生み出した。
 空気の斬れる音が耳に響く。

( ・∀・)「ブーン、お前はこれからも戦っていく上で、信じることを恐れてしまうかも知れない。
     そんなときは、お前が何のために戦っているのかを思い出せ。
     心に抱いた、志を」

( ^ω^)「……志……」

( ・∀・)「男はそれさえ忘れなきゃ、生きていける。
     逆に言えば、それを忘れた男なんて、死んでいるも同然だ。
     お前は忘れるな、ブーン。志を抱き続けろ。
     アルファベットを振るうことに惑いを感じたときは、必ず志を思い出せ」

 アルファベットRの柄を、机に突き立てる。
 ランタンの灯りで光り輝く刃。そして、モララーの瞳。

 あまりに、力強い。
 全てを引きこむような、強い光だった。
561 :第17話 ◆azwd/t2EpE :2007/02/26(月) 23:58:27.21 ID:eqJke+7A0
( ^ω^)「……ありがとうございますお」

 頭を下げて、礼を言った。
 そのときには既に、モララーは椅子に座って茶菓子を頬張っていた。

 窓の外で輝く星々の光は、月に敵わない。
 それでも、輝き続けている。いつか、月になることを夢見て。

 道程は長く険しい。
 だが、常に前を見据えて、突き進んでいく。
 疲れ果てても、傷ついても、いつか必ず、辿り着く。

 心に抱いた、志のもとに。

 そう信じて、これからも、戦っていく。
 決意は必ず力となって、自分を支えるだろう。

 再び頭を下げて、部屋を退出した。
569 :第17話 ◆azwd/t2EpE :2007/02/27(火) 00:01:51.94 ID:3LrpgEOK0
――三日後――

――ヴィップ城――

 帰還してすぐ、東塔の最上階に呼ばれた。
 ショボンの叱責が待っていた。

(´・ω・`)「伝令の一つも寄越せんのか? モララーが連絡線を使って教えてくれたから良かったものの……」

(;^ω^)「本当に申し訳ありませんお……」

 真上に昇っていた太陽が傾きを見せるころまで、何度も咎められた。
 少尉としての自覚が足りない、との言葉には、ただひたすら頭を下げるしかなかった。

(´・ω・`)「勝手な行動は処分対象だぞ。今回は先の戦で武勲をあげたから見逃すが……」

( ^ω^)「……そういえば……モナー中将は……」

(´・ω・`)「まだ決定してないが、降格処分だろうな」

(;^ω^)「待ってくださいお! ちょっとだけ言わせてもらいたいんですお!」

(´・ω・`)「ん?」

 大人になれ、と自分に言い聞かせた。
 麾下の一千を失ったことは、確かな怒りとして残っている。だが、すべてをモナーにぶつけたことを、今は後悔していた。
 あまりに未熟な八つ当たりだと思える部分が、少なからずあった。

 すべてをショボンに話して、モナーの処分を考え直してほしいと伝えた。
 ショボンは嘆息を吐いて机に手を置いた。
580 :第17話 ◆azwd/t2EpE :2007/02/27(火) 00:05:39.81 ID:3LrpgEOK0
(´・ω・`)「貴重な意見として、受け止めておく。
      いずれにせよ、敵軍に忍び込ませた間者に裏切られたのは、モナー中将の責任だ。
      何らかの処分を与えんと、軍の規律が揺らぐ。それは分かっておいてくれ」

 そこはもう、頷くしかなかった。
 いま考えてもやはり、モナーの責任だと思える部分は多くある。
 だが、今のショボンの口ぶりから察するに、降格には至らないだろう。
 少し、安心できた。

(´・ω・`)「ジョルジュ大将も敗戦の責任を取る。降格処分ではないだろうがな」

( ^ω^)「……三年前のオオカミ戦に敗れたときは……ショボン大将は、二階級降格だったのでは……?」

(´・ω・`)「あぁ。そのときの教訓さ。大将の降格は、弊害が多すぎたんだ。
      結局、すぐ大将に戻されたからな。ジョルジュ大将はおそらく、向こう一年無給、といったところだろうな」

( ^ω^)「でも、大将なら」

(´・ω・`)「あぁ、生活に困ることはない。そもそも、あんな策、引っかかって当然なんだ。
      敵兵の裏切りを信じたジョルジュ大将だが、ベルが死んだ直後なら俺も信じる。
      そこに少なからずの同情もあった、というわけだ」

( ^ω^)「なるほどですお」

(´・ω・`)「……そういえばブーン、お前の友人の、ドクオ=オルルッドだが」

(;^ω^)「ドクオ!?」

 思わず、身を乗り出してしまった。
 ショボンが少し驚いて身を引く。慌てて、自分も身を引いた。
586 :第17話 ◆azwd/t2EpE :2007/02/27(火) 00:08:23.90 ID:3LrpgEOK0
(;^ω^)「ドクオが、どうかしたんですかお!?」

(´・ω・`)「……いや、どうした、ということはない。この前、訓練室で見かけたから、少し会話したんだ。
      新兵の中じゃ、お前に次ぐ速度でFに達した。何があったかは知らんが、なかなかいいペースだ。
      次の戦には参加できるぞ、と伝えたら嬉しそうにしていたよ」

(;^ω^)「……F……」

 他の新兵は、まだDが精々だろう。Cで躓いている兵も多いはずだ。
 しかしドクオは、もうFに達した。
 何かが、引っかかった。普通にやっているにしては、早すぎるのだ。

 部屋の中が赤く染まりだしたころ、頭を下げて退出した。
 ドクオと、話がしたい。しかし、今は予定が詰まっている。

 今晩。
 ドクオの部屋に行って話す。疑問をすべてぶつける。
 そう決めて、C兵が待つ調練室に向かった。


――夜――

 夕食を食べ終え、夜の調練を終え、寮塔へと走った。
 消灯の時間になっており、廊下には誰もいない。
 ドクオも、部屋で眠りに就いているはずだ。

 ドクオの部屋に到着した。すぐに扉を叩く。
 数秒待つと、中から扉が開かれた。
 現れたのは、ドクオではなかった。
588 :第17話 ◆azwd/t2EpE :2007/02/27(火) 00:10:06.17 ID:3LrpgEOK0
(;^ω^)「ドクオ=オルルッドは居るかお?」

(  ´) 3 )「……ドクオなら……居ませんけど……」

 部屋からのっそりと姿を現したのは、ドクオと相部屋の新兵だった。
 肥えていて、丸々とした顔は脂ぎっている。

(;^ω^)「どこに行ったか分かるかお?」

(  ´) 3 )「分かりません……最近、深夜になると、どっか行っちゃいます……」

 最近。
 ジョルジュが帰還したことと、なにか関係がある。
 そう直感した。

 部屋の扉を閉めて、再び走り出した。
 寮塔の窓から外を見た。西塔の最上階は灯りがついている。
 ジョルジュはまだ起きているようだ。

 そして、最上階へと繋がる階段に、動く人影。

 あのときは、Cだった。
 今度は、Eだ。

(;^ω^)(ドクオ……!!)

 矢として使われるFを普段持ち歩く兵は少ない。
 あの背丈、あの体格。アルファベットE。
 間違いなかった。
593 :第17話 ◆azwd/t2EpE :2007/02/27(火) 00:12:08.85 ID:3LrpgEOK0
 あのときと同じように、やはり最上階へと入って行った。
 今は、ジョルジュがいるはずだ。無人の部屋に入ったときとは違う。
 何か繋がりがなければ、東塔の兵が西塔の大将に会いに行くなど、ありえないことだ。

 ヴィップ城の屋上にあがった。
 ここから、東西の最上階へ行ける。
 ドクオもここから西塔の最上階に昇って行った。

 東塔の最上階には行き慣れているが、西塔の最上階に行くのは初めてだった。
 階段の構造は一緒だ。それでも、普段とは違う何かを感じる。
 一段一段が、高い気がした。気のせいだと分かっていても、その感覚は拭えなかった。

 扉の前に、達した。

 高鳴る鼓動。
 いまさら、引き返すつもりはない。しかし、両手を支配する躊躇い。

 中から、話し声が聞こえた。
 内容は聞き取れない。だが、間違いなく、ジョルジュとドクオの声だ。

 意を決した。
602 :第17話 ◆azwd/t2EpE :2007/02/27(火) 00:13:13.26 ID:3LrpgEOK0
 右手を伸ばし、扉を、二度叩く。

 部屋の中の会話が、止まった。













 第17話 終わり

     〜to be continued

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