- 126 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/20(月) 00:14:25.72 ID:ovUlQHt10
('A`)が穴にはまるようです 第三部〜めぐりあい宇宙〜
宇宙船地球号はブラックホールへと向かう。
すでにブラックホールは月と地球の間に迫っていた。
( ^ω^)『バウアー、聞こえるか』
('A`)b「アイム・ファイン・サンキュー」
( ^ω^)『エンジュー? もうすぐブラックホールに接近する。さあ、逝け』
そして俺は宇宙(コスモ)へ飛び出した。
そこで俺は信じられない光景を見た。
- 129 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/20(月) 00:15:27.84 ID:ovUlQHt10
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∵∴∵∴∴i よう、またあったな
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ぬーん
- 132 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/20(月) 00:16:00.41 ID:ovUlQHt10
(;A;)「ショボンさん!! ショボンさんじゃないですか!?」
あの日、あの時、あのマンホール。
ショボンさんは出会った頃と同じように穴にはまっていた。
しかし今度の穴はマンホールではなく、ブラックホールだった。
- 138 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/20(月) 00:17:31.63 ID:ovUlQHt10
(;A;)「ショボンさん、いつからそこに?」
(´・ω・`)「トイレに流されて以来ずっとだ。永い、あまりにも永い日々だった」
(;A;)「ショボンさん、実は……」
(´・ω・`)「ああ、わかってる。俺にはすべてわかってるさ」
そしてショボンさんは言ってくれた。
(´;ω;`)「さあ、俺をブラックホールに流せ! お月見のために! 日本の習慣を守れ!」
(;A;)「僕は……僕は……僕はああああああああああああああああああああ!!」
僕はブラックホールのレバーを小の方に引いた。
(;´・ω・`)「うああああああああああああああああああああああ!!」
(;A;)「ショボンさん……ショボンさああああああああああああああああああん!!」
- 146 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/20(月) 00:18:48.34 ID:ovUlQHt10
こうして地球は救われた。一人の男の犠牲を伴って。
そして地球に帰還する直前、ショボンさんの声が聞こえた。
(´・ω・`)「嗚呼、穴が見える」
だけどそれは、俺の幻聴に過ぎなかったのだろう。
だって、ショボンさんはもう穴の一部になったのだから。
- 154 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/20(月) 00:20:19.21 ID:ovUlQHt10
後日、アナン事務総長から全世界に向けて発表があった。
( ^ω^)「一人の勇敢な男が世界とお月見を救いました。
……そして彼は穴になりました」
しかし誰もその意味を理解することは出来ないだろう。
あのやくみつるでさえ「穴になったってどういうことだよ」とぼやいていたのだから。
- 157 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/20(月) 00:22:08.33 ID:ovUlQHt10
その後俺は結婚し、子どももでき、人並みの幸せを手に入れた。
しかし、心の中にあいた穴はどうしても埋まらない。
それは自分が幸せだと思い込もうとすればするほど、俺に訴えかけてくる。
「ショボンさんに会いたい」と。
妻には言えない。俺には彼女以上の想い人がいることを。
その人にしか俺の心の穴は埋められない。
埋められないんだ。
- 158 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/20(月) 00:22:53.45 ID:ovUlQHt10
家を出て、軽く散歩した。
立ち止まり、晴れ渡る青空を仰いで、俺は呟いた。
('A`)「ショボンさん、あなたは今、どの穴にはまっているんですか?」
「この穴さ」
俺は驚いてアースを見た。
- 161 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/20(月) 00:23:22.97 ID:ovUlQHt10
(´・ω・`)_ 「よう、また会ったな」
/ / ヽ/
" ̄U ̄ ̄"U
- 166 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/20(月) 00:25:06.64 ID:ovUlQHt10
アースには、あの日、あの時、あのマンホールにはまっているショボンさんがいた。
俺はにじんでいく視界の中、かすれた声で聞いた。
(;A;)「ショボンさん……いつからそこに?」
(´・ω・`)「あの日君にブラックホールに流されて以来、ずっとさ。
ずっとずっと、君に引っこ抜いてもらう日を待ち望んでいた」
(*'A`)「……わかりました。あの時のように、また引っこ抜かせてもらいます」
(´・ω・`)「認める!」
そして、俺はショボンさんの手を握った。
その瞬間、俺は心の穴が満たされるのを感じた。
- 172 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/20(月) 00:26:46.12 ID:ovUlQHt10
思えばあの日、あの時、あのマンホールで出会った俺たち。
探し続けていたものはあの日からずっと、すぐ側にあったんだ。
すべての終わりは、始まりの中にあったのだ。
たとえば君が幸せに疑問を感じているのなら、そっとアースに目をやってほしい。
心の穴を満たしてくれる人物は、きっと、穴にはまっているから。
〜続かない〜
- 199 :78 ◆pSbwFYBhoY :2007/08/20(月)
00:35:16.85 ID:ovUlQHt10
あとがき
幸せはすぐ側にある。そんな当たり前のことに人はなかなか気づかないものです。
それに気づいて欲しいからこそ、
私と従兄弟はこの作品に一日という時間をかけ、全身全霊を込めて書き上げました。
この作品を見て、あなたの心の穴を満たしてくれる大切な人を見つけてもらえれば幸いです。
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