64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/19(日) 23:55:36.94 ID:MZIt8wrL0

その日の下校中、俺は再びあの男と出会ってしまった。


(´・ω・`)「君は必ずここを通るだろうと思っていた」

('A`;)(……避けられない運命か)


俺は観念した。登校中だけでなく下校中にも彼と会ってしまったのだ。
これは神、いわゆるゴッドが俺に『この男を助けろ』と言っているとしか思えなかった。


('A`)「わかりました。助けます」

(´・ω・`)「よしなに」


そして俺は男をマンホールから引っこ抜いた。
73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/19(日) 23:57:31.97 ID:MZIt8wrL0

(´・ω・`)「助かったよ。俺はこういうものだ」


下水のにおいを体にまとい、男は俺に名刺を差し出した。


('A`)「何々……
   『キャバレー・バリーボンズ 〜今夜あなたのバットが薬物違反疑惑〜 
   ツン子 電話番号 0××‐1919‐072 (イクイクオナニー)』」

(´・ω・`)「ごめん。それはお気に入りのキャバ嬢のだ。本当はこっち」

('A`)「『日本穴があったら入りたい党 党首 ショボン』」

('A`;)「あ、あなたは政治家屋さんなんですか!?」

(´・ω・`)「ああ、俺は日本を変える。それでだ。君を秘書官に任命したい」

('A`;)「僕を……ですか?」

(´・ω・`)「ああ。君の目は実に美しい。まるで東京湾のように。
     どうだい? 僕と一緒にありとあらゆる穴に入って希望を見つけ、日本を変えないか!?」


次の日、俺は高校を辞めた。
80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/19(日) 23:59:26.18 ID:MZIt8wrL0

それから俺とショボンさんの穴にはまる日々が始まった。


('A`;)「こ、ここに入るんですか!?」

(´・ω・`)b「当然だ。とうっ!」


(;´・ω・`)「うああああああああああああああああああああああ!!」

('A`;)「ショボンさん……ショボンさああああああああああああああああああん!!」


ダムの排水用の穴に飲み込まれたショボンさん。
一ヵ月後、そこには元気に走り回るショボンさんの姿が!


(´・ω・`)b「あの時は本当に死ぬかと思いました。だけど俺はこれからも穴にはまり続けます。
      だって、そこには穴があるんだからね。HAHAHA!」


クレイジー野郎ショボンは、今日も穴にはまり続ける。
87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/20(月) 00:01:04.85 ID:ovUlQHt10

('A`)b「さすがはショボンさん。しかし、今度は少し趣向を変えてみませんか?」

(´・ω・`)「ほう、どういうことだい?」

('A`)「穴とは現実に存在する穴だけだとは限りません。たとえば法の穴とか……」

(´・ω・`)b「なるほど! レッツやってみよう!」


それから俺たちは法律を勉強し、法の穴をかいくぐる仕事に勤しんだ。
90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/20(月) 00:02:22.33 ID:ovUlQHt10

(#´・ω・`)「おらおら! 借金返せやこの豚野郎!」

('A`)ノ「グレーゾーン金利だ! グレーゾーン金利だ!」

(;^ω^)「ぶひいいいいい! もう少しだけ待ってくださいお!」

(´・ω・`)「ああ? バカ言ってんじゃねえ! ドクオ、金目のものを洗いざらい回収しろ!」

('A`)ノ「グレーゾーン金利だ! グレーゾーン金利だ!」

(;^ω^)「ぶひいいいいい! PS3だけは勘弁してくださいお!」

(´・ω・`)「うるさい! ドクオ! この豚を養豚場に連れて行け! 
     肉にすれば一万円くらいにはなるだろう!」

('A`)ノ「グレーゾーン金利だ! グレーゾーン金利だ!」

(;^ω^)「ぶひいいいいい! せめて三万円くらいで売ってくださいお!」


しかし法の穴をかいくぐっても、得られたのは莫大な資産だけだった。
95 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/20(月) 00:04:16.65 ID:ovUlQHt10

俺たちはベンツに乗ってブランド物のスーツに身を包み、高島屋のトイレへと向かった。


(´・ω・`)「やっぱり地道が一番だな。次はこの穴を攻める」

('A`;)「しかしこれ……トイレですよ? それも洋式の」

(#´・ω・`)「この先に何があるか君は気にならないのか!?」

('A`;)「す、すみません! 気になります!」


トイレの穴の先には下水道しかないだろうと思っていたが、
どうやらショボンさんはその先に別の可能性を見ているようだ。
99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/20(月) 00:06:04.88 ID:ovUlQHt10

          ,-― 、
         /    ` i
         |      |
         |     ,|
        ヽ    丿  チャポーン
          ====
      / (´・ω・`) / |"「さあ、俺を流せ! 大で!」
     /、/ ~~~~~~~ /  }
      ヽ、ニニニ/ /
      ,〉  ,,    ",〉
      〈 _ _  , /
       `ー--‐''"

('A`;)「わかりました!」


便器にスタンバイしたショボンさん。
俺はレバーを小の方に引いた。


(;´・ω・`)「うああああああああああああああああああああああ!!」

('A`;)「ショボンさん……ショボンさああああああああああああああああああん!!」


ショボンさんは渦に飲み込まれて消えた。
105 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/20(月) 00:07:39.85 ID:ovUlQHt10










その日以来、ショボンさんは俺の前から姿を消した。










114 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/20(月) 00:10:37.87 ID:ovUlQHt10

拠るべき人を失った俺は悲しみに打ちひしがれ、絶望のどん底に貶められ、
おでんを買おうと近所のコンビニへと向かった。

そこで、俺は彼とであった。


('A`;)「あ、あなたはまさか!? アナン事務総長!?」

( ^ω^)「……気づかれたか。何を隠そう、私が『世界穴にはまる会』会長のアナンだ」

('A`)「アナンさん、ショボンさんは……」

( ^ω^)「ああ、我々は非常に惜しい人物を失った。彼には遣り残した任務があったのに……」

('A`)「僕はショボンさんの一番弟子です! ショボンさんの尻拭いは僕がします。穴だけに!」

( ^ω^)「そうか、ならやってもらおう!」

( ^ω^)「地球に迫り来るブラックホールを除去する任務を!!」

('A`;)「ブ、ブラックホール!!」
116 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/20(月) 00:11:53.27 ID:ovUlQHt10

( ^ω^)「今地球に迫っているブラックホールには何かが詰まっていて流れない。
     君には、ブラックホールの異物を除去してもらいたい!」

('A`)「あれ? 流れないんなら地球も飲み込まれないし、別にいいんじゃないですか?」

(#^ω^)「バカやろう! このままブラックホールが流れなかったら
     それが邪魔でお月見が出来ないだろうが! もうすぐ十五夜だぞ!」

('A`;)「す、すみません!」

( ^ω^)「……やってくれるか?」

(*'A`)「……はい!」


そして俺はNASAへ飛んだ。
121 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/20(月) 00:13:15.27 ID:ovUlQHt10

宇宙服に身を包んだ俺の携帯に電話がかかってきた。


('A`)]「アイム・バウアー」

( ^ω^)]『バウアー! 地球を頼む! お月見を頼む!』

('A`)b「ノープラモデル!」


そして俺は宇宙(そら)へ飛んだ。

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