1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/03(水) 21:18:54.18 ID:YFKrH/cs0



Q 夢と現実の境界線って、どこにあると思う?





2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/03(水) 21:20:20.02 ID:YFKrH/cs0

(´・ω・`)「……ん、頭痛い」

目覚めと同時に襲いくる頭痛に、僕は思わず悲鳴を上げた。
カーテンの隙間から射し込む光に目をすぼめながら、額に手を持っていく。

ここ数日、どうにも寝起きが良くなかった。
ベッドの上で起こした体は嫌な汗を滲ませ、軽くはない頭痛が僕を襲う。
寝起きの倦怠感とは違う意味で気分は沈み、油を差し忘れたブリキ細工のように体が重い。

時計を見ると七時半を過ぎていた。

僕の両親は共働き、父親は単身赴任で他県に住んでいる。母親は忙しい人で、当然朝も早い。
この時間だと、そろそろ――、

J( 'ー`)し「ショボン! もう七時半よ! 起きてるの?」

(´・ω・`)「……はぁい」

ドアの外から掛けられた声に、気怠い返事を返す。
それから自分に対して気合いを入れ、立ち上がる。


3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/03(水) 21:22:09.36 ID:YFKrH/cs0

(´・ω・`)「さて、と」

呟いて部屋を出、階段を下りて居間に入る。
母親はすでにスーツ姿、テーブルには二人分の朝食が用意してあった。

(´・ω・`)「おはよう、母さん」

J( 'ー`)し 「おはようショボン。早く食べなさい。学校、遅れるわ」

(´・ω・`)「うん。……ジョルジュは?」

椅子に座り、そう尋ねる。
母親は僕の言葉に、一瞬だけ表情を曇らせ、

J( 'ー`)し「知らないわ。声は掛けたけど」

(´・ω・`)「まだ起きてないの?」

J( 'ー`)し「知らないわ」

(´・ω・`)「……」

素っ気なく言い返すその態度に、僕は母親から見えないようにため息をこぼす。
ジョルジュは弟の名前。ここ一年ほど、母親と上手くいってない。

いつの間にか二人は、互いの存在を無視するようになっていた。
もちろんそれには理由があるし、僕はその理由を知っていたけど、
自分が仲介役になれないことも知っていた。


4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/03(水) 21:23:28.24 ID:YFKrH/cs0

J( 'ー`)し「お母さん、今日はご飯食べてくるから」

そう声をかけられて、うつむいていた僕は顔を上げる。
さっきまでの無関心の仮面は姿を消し、優しい親の顔で母親は僕に言う。

J( 'ー`)し「晩ご飯、よろしくね」

(´・ω・`)「あ、うん」

J( 'ー`)し「ショボンが忙しい時期なのはわかってるけど……」

(´・ω・`)「いいよ、もう慣れたから」

J( 'ー`)し「ありがとう」

言って、母親は微笑んだ。

こんな朝は、最近では珍しい。
仕事が立て込んでいたのか、最近の母親は帰りも遅かったし、
文字通り時間に追われるようにして家を出る朝に、僕に向かって微笑みかけるような余裕はなかった。

こんな会話を交わしたのは久しぶりだった。
たぶん、機嫌がいいのだろう。
仕事の調子がいいのかもしれない。


5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/03(水) 21:24:23.49 ID:YFKrH/cs0

J( 'ー`)し「それじゃあ、お母さん、もう行くから」

(´・ω・`)「うん」

J( 'ー`)し「勉強、頑張ってね」

(´・ω・`)「いってらっしゃい」

母親を笑顔で送り出し、それから僕は朝食を食べ始める。
学校までは歩いて二十分ほどかかるから、もうほとんど余裕はない。

五分ほどで食事を終え、身支度を整えて僕が家を出る時間になっても、ジョルジュは起きてこなかった。



6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/03(水) 21:26:13.54 ID:YFKrH/cs0

(´・ω・`)「……今日も、嫌な夢だったな」

最近の僕は夢見が悪かった。
悪夢としか言い様のない夢に、毎晩うなされる。

それは夜だけにとどまらず、例えば学校の休み時間、
仮眠のつもりで眠りについても、悪夢は襲ってきた。

今の僕には、安眠なんてそれこそ夢のまた夢。
寝起きの頭痛も体調不良も、きっとそのせいだろうと思っていた。

僕はその夢の中で、人を殺していた。
相手は母親だったり、ジョルジュだったり……そして、僕の彼女であるツンだったり。

それは“夢の中で殺意を抱いた”程度のものではなく、僕は明らかな殺人行為に身を浸し、死という結果も見せつけられた。

起きた瞬間に僕を包むのは何とも言えない罪悪感で、最初の頃は現実の世界で三人と顔を合わせることさえ辛かった。


7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/03(水) 21:28:14.12 ID:YFKrH/cs0

自分で自分を分析してみたことは何度もある。
これだけ鮮明で質の悪い夢なのだから……そしてもう何日も続いているのだから、
明確な理由があるはずだった。

僕の見つけた答えは簡単、この三人との人間関係は、今の僕にとってストレスだった。

家の中のぎくしゃくした空気は、もう半年以上続いている。
原因はジョルジュの高校受験。
学歴至上主義の両親は、当然のようにジョルジュをレベルの高い私立高校に入学させようとした。

だがジョルジュは中学三年になっても勉強に本腰を入れず、結局、仲の良い友達が選んだという理由で
中級クラスの公立高校に進学した。

今年大学受験を控えた僕の成績は上々で、母親からは期待、そして弟からは嫉妬の視線をぶつけられていた。

もう一人、彼女、ツンとのそれは……まぁ、簡単に言えば倦怠期なのだろうと思う。

原因もきっかけも曖昧なのに、いつの間にか顔を合わせることが辛くなっていた。
昔は潤滑油でもさしたように滑らかだった会話も、いつしか沈黙の占める割合が増え始めている。
毎日のように交わしていたパソコンでのメールも、ここ一ヶ月ほど受信していない。



8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/03(水) 21:29:02.93 ID:YFKrH/cs0

(´・ω・`)「……馬鹿らしいな」

呟いて、僕は考え込みそうになる自分の意識を打ち切る。

結局、全てどこにでもあるような小さな悩み。
受験勉強でストレスが溜まっていたところに、いくつか悩みが重なってしまった、それだけのこと。

あの夢はストレスの相乗効果で、悪い感情ばかりが増幅されているだけ。
どうせ一過性のもので、すぐにおさまるだろう。

僕は自分にそう言い聞かせた。

もう何日も、同じように言い聞かせてきたことも忘れて。



9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/03(水) 21:30:40.31 ID:YFKrH/cs0

( ・∀・)「なんか今日、夕方から雨になるらしいじゃん?」

(´・ω・`)「えっ、そうなの?」

放課後、僕は美術室にいた。
目の前にはキャンバス、僕の手には絵筆。
油絵の具の香りが僕を包むように漂う。

僕の右隣に座る友達が、背後の窓を振り向いて言った。

( ・∀・)「発達した梅雨前線が……みたいな、なんかそんなので。
     結構降るらしいぞ」

(´・ω・`)「まぁ、時期が時期だからね」

( ・∀・)「ショボンさぁ、傘とか持ってきてる?」

(´・ω・`)「折り畳みは一応」

答えながら、僕は彼にならって窓の外に目をやる。
空は一面雲に覆われていたが、まだ雲の色は白く明るい。
すぐにでも降り出す、という感じではない。


10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/03(水) 21:32:00.11 ID:YFKrH/cs0

友達はそんな空を見て、だるそうに呟いた。

( ・∀・)「雨降ると乾きが悪くてなぁ」

(´・ω・`)「僕達、もう時間ないしね」

僕は美術部に所属していた。
現在、受験戦争真っ直中の僕に許された、唯一の気晴らしだ。
六月末が期限のコンクールがあり、それに出品して、美術部員としての僕の活動は一応終わる。

( ・∀・)「随分暗い感じの絵だな」

友達が僕の絵をのぞき込んで言った。

( ・∀・)「ダークだね、ダーク」

(´・ω・`)「そうかな……」

( ・∀・)「だってこの青とか……ほら、ここの赤なんて、ほとんど血じゃん?」

(´・ω・`)「……そんなつもりはないんだけどね」

友達の言葉と例の夢がリンクして、思わず苦笑する。

精神状態が絵に反映されることはよくあることだ。
だとしたらこの絵は僕の今の精神状態……あの夢と同じ、僕の心から派生した副産物、か。

精神科医がこれを見たら、どんな診断結果を出すのだろうと考えて、少し笑った。


11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/03(水) 21:33:56.77 ID:YFKrH/cs0

(´・ω・`)「ちょっと、トイレいってくるね」

言って、僕は立ち上がる。
友達は僕を振り向き、

( ・∀・)「好きなだけゆきなさい。つれしょんは勘弁だが」

(´・ω・`)「うん、同感」

( ・∀・)「手はちゃんと拭けよー」

(´・ω・`)「一応言っておくけど、僕、高校生ね」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/03(水) 21:35:40.48 ID:YFKrH/cs0

脳天気にそんな言葉を交わして、僕は歩き出す。
さっさと用を足して、また絵に集中しよう……と思っていたのだが、

( ・∀・)「あ、おい、ショボン」

(´・ω・`)「えっ?」

背後から声をかけられる。
振り向くと、友達は呆れるように微笑み、

( ・∀・)「高校生がそんなことしてたらいかんぜー、ショボン君」

(´・ω・`)「はい? ……なんのこと?」

( ・∀・)「ほら、お前、ワイシャツに絵の――」

そこまで言ったところで、友達は言葉を止めた。
同時に、美術室にいた数人の部員が、手を止めて顔を上げる。

広い美術室に、規則的な電子音が響いていた。

携帯電話の着信音だ。


14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/03(水) 21:37:18.12 ID:YFKrH/cs0

(;´・ω・`)「あ、ご、ごめん。僕だ」

僕は慌ててズボンのポケットから携帯電話を取り出す。
ディスプレイを確認すると……そこには、

( ・∀・)「ショボン? どうした?」

(´・ω・`)「……ごめん、ちょっと外出てるね」

( ・∀・)「なにかあったのか?」

(´・ω・`)「ちょっと、ね」

短くこたえて、僕は足早に美術室を出る。
トイレに向かって歩きながら、携帯電話を耳に当て、

(´・ω・`)「もしもし」

ξ゚听)ξ『やっと出た……ねぇ、出るの遅くない?』

(´・ω・`)「ごめん、美術室にいたから」

電波に乗って届いたツンの声は、聞いてそれとわかるほど不機嫌だった。


15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/03(水) 21:39:05.88 ID:YFKrH/cs0

(´・ω・`)「どうしたの?」

人気のない男子トイレに入り、窓辺で外を眺めながら尋ねる。
ため息でもついたのか、ツンは短い間をおいて、

ξ゚听)ξ『今、学校にいるんでしょ?』

(´・ω・`)「うん」

ξ゚听)ξ『じゃあ、ちょっと出て来れない?』

(´・ω・`)「ツンも学校にいるの?」

ξ゚听)ξ『そう。話あるから、少し付き合って欲しいんだけど』

僕は腕時計に目を向ける。
午後四時半……部活に入っていないツンが学校に残っているにしては、遅い時間に思えた。


16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/03(水) 21:40:10.98 ID:YFKrH/cs0

(´・ω・`)「今、どこ?」

僕はたずねる。
ツンはあまり感情の見えない声で、

ξ゚听)ξ『生徒玄関の前にいるから』

(´・ω・`)「わかった」

ξ゚听)ξ『早くしてよ』

(´・ω・`)「すぐ行くよ」

電話が切れる。
どこかぶっきらぼうな態度、言葉遣いは、気の強いツンらしいものだった。
ただ、今日の言葉はいつにも増して冷たかったような気がした。

しばらくまともに顔も合わせていないのだから、当然だろう。
僕は、そう考えることにした。

さっきより重みを増したような空に一度目を向けてから、トイレを出た。



17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/03(水) 21:42:06.28 ID:YFKrH/cs0

ツンは僕を校舎の裏手に呼びだした。
そこはもう使えなくなったがらくたが置かれている場所で、
壊れた机や椅子、何に使ったのかもわからない廃材やコンクリートブロックが、無造作に散らばっていた。

(´・ω・`)「話って?」

僕は聞く。
ツンは少し間をおいてから振り返り、

ξ゚听)ξ「別れない?」

(´・ω・`)「え……」

その言葉を、僕は全く予期していなかった。

(´・ω・`)「別れる、って……」

そんなことは考えていなかった。
倦怠期の、その先にあるのが、別れ?
こんな問題は時間が解決してくれて、いつか笑いながら思い返す……。

倦怠期って、そういうものだと、僕はずっと信じていて。

こんなに突然、終わりが来るなんて――

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/03(水) 21:44:01.39 ID:YFKrH/cs0

ξ゚听)ξ「てゆーか」

ツンがその顔を嫌悪感で歪めた。

ξ゚听)ξ「もうイヤなの。なに? 別れるって言われて何も言いかえさないわけ?
     もしかしてあたしのこと嫌いだったとか? それだったらちょうどいいじゃない。
     後腐れなく円満解決」

(;´・ω・`)「ちょ……ちょっと待ってよ。僕は――」

ξ゚听)ξ「なによ、今さら何か言うつもり?
     いっつも受け身受け身で、最近は電話もしてこなかったくせに。
     今になって彼氏気取り? やめてよ、気持ち悪い」

(´・ω・`)「……」

吐き捨てるような言葉に、僕の心が震え出す。
世界が輪郭を失っていく。

僕が……なにか悪いことをしただろうか。

僕はいつだって彼女の望むままに動いた。
望まれたときは傍らに立ち、そうでないときはできるだけ干渉を控えた。

そんな距離感を、ツンは以前、“優しい”と表現した。
しかし今となっては優しさもただの受け身。

僕は何も変わっていないのに、ツンの中で意味だけが変わった。


20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/03(水) 21:45:49.71 ID:YFKrH/cs0

ツンは寂しかったのか?
本当はうざったいほどの干渉を求めていた?

違うだろう……それは違う。
こんなのはただ身勝手なツンの言い訳だ。

要するに僕に飽きたんだろ?

……くだらない。僕は何一つ悪くない。

僕ばかりが我慢する理由なんて……どこにあるんだよ。

ξ゚听)ξ「じゃ、そーゆーことだから。もう二度と連絡してこないでね」

ツンは微笑みながら言った。

ξ゚听)ξ「バイバイ、元彼さん」

ツンが歩き出す。
僕の脇を通り過ぎ、迷いのない足音が遠ざかって……消えてしまうその前に、
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/03(水) 21:46:55.07 ID:YFKrH/cs0


(´・ω・`)「電話しなかったのは僕だけ?」

ξ゚听)ξ「……はい?」

ツンの足音が止まった。
振り向いた僕を貫く視線は、磨かれたナイフのように鋭い。

それは彼氏と呼ばれる立場の男に向けられるべき視線ではなかった。
ツンは苛立ちや嫌悪感、負の感情の全てを視線に込め、僕に突き刺す。

ξ゚听)ξ「文句でもあるわけ?」

(´・ω・`)「あるよ」

問いかけの言葉を、僕は迷わず首肯する。
そして、攻撃する。

(´・ω・`)「じゃあ聞かせてよ。ツンは僕がどんな男だったら満足したの?
      受け身がイヤだって言うなら、じゃあ強気で攻めればよかったわけ? 違うでしょ?
      言い返したら言い返したで怒るくせに、全部僕の責任みたいに言うのはやめてくれないかな」


23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/03(水) 21:48:41.88 ID:YFKrH/cs0

ξ#゚听)ξ「あ、あんたねっ!」

叫ぶように言いながら、ツンは僕との距離を詰める。
殴りかからん勢いで、

ξ#゚听)ξ「あんたがそんなだから嫌いになったんでしょ!
      普段は全部人任せのくせして、文句言われたら怒るなんて――」

(´・ω・`)「それはそっちも同じでしょ? 前は目的地まで全部決めてから僕をデートに連れだしてたくせに。
      今さら受け身とか言わないでよ。飽きたんでしょ? 僕に。だったらそう言えばいいだけじゃないか。
      こんな時だけ被害者ぶるの? ははっ、やめてよ。吐き気がする」

ξ#゚听)ξ「せ、せっかく気を使ってあげたのに!」

(´・ω・`)「僕はそんなこと頼んでないよ?」

ξ#゚听)ξ「うるさいわよ!」

ツンが右腕を振り上げた。
迷いなく振り下ろされたそれは、しかし目的地であるはずの僕の頬に辿り着くことはない。


24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/03(水) 21:50:13.74 ID:YFKrH/cs0

ξ#゚听)ξ「は、放してよ!」

僕が腕を掴むと、ツンは悲鳴を上げた。
その悲鳴に僕は微笑む。心が解き放たれた気分……最高の気分だ。

(´・ω・`)「偉そうに責任転嫁しないでよ」

真っ正面から視線を受け止め、僕は言う。
ツンは汚物にでも触れたように暴れた。

ξ#゚听)ξ「うるさい! 放して!」

(´・ω・`)「随分な言い方だね。もしかして、新しい男でも出来たとか?」

ξ゚听)ξ「あ、あんたに関係ないでしょ! いいから放してよ!」

(´・ω・`)「関係ない、か……まぁいいよ。これで望み通り?」

言いながら、僕はツンの手を突き放した。
そして、


ξ゚听)ξ「えっ――」

ツンはバランスを崩した。ヒモの切れたマリオネットのようにその体は倒れ……、
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/03(水) 21:51:24.29 ID:YFKrH/cs0

ξ゚听)ξ「あっ……」

悲鳴と共に、鈍い音が僕の耳に届いた。
見ると、ちょうどツンの頭の下に、堅そうなコンクリートブロックが落ちていた。

(´・ω・`)「……ツン?」

問いかけるが、答えは返ってこなかった。
僕はしゃがみ込み、彼女の肩に手を伸ばす。

だが、その手は止まる。

コンクリートブロックに、赤いシミが広がっていく。

ξ )ξ「……」

ツンの口元に手を当てると、呼吸が止まっていた。

つまり、死。

(´・ω・`)「……あぁ」

そこで僕は苦笑した。

(´・ω・`)「なんだ、夢か」


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