910 ◆dKWWLKB7io:2015/02/02(月) 19:39:07 ID:qCAusiyY0
第G話 閑話 おにたいじ





ξ#゚听)ξ「あーもう!こいつらムカつく!」

ツンが細剣を閃かせながら叫んだのは『シズオル』と言う名の街のそば。
フィールドダンジョン『迷宮の森』の奥地。

( ^ω^)「でも、強さ的には倒せない敵じゃないお」

ξ#゚听)ξ「でも倒せてないでしょ!」

十四人(ショボンの言うところの十五人)体制となって二ヶ月が過ぎたギルドVIP。
彼ら彼女らは、あるクエストにチャレンジしていた。

今彼らの目の前には巨大な人型のモンスター、『鬼』がいる。
身の丈は6メートルほど。
そして頭にはそれぞれ角があった。

『鬼』は2体。

右に赤鬼。
角は一本で、額中央から斜め上に突き出している。
武器は片手ハンマーに属するモーニングスター。
手元から先端に向けて膨らんでおり、先端側には四方に無数の刺が飛び出していた。

左に青鬼。
角は二本で、額の左右、こめかみの上側から生え、
曲がりながら真上に向かってのびている。
武器は両手棍に属する錫杖。
六角柱の金棒、その片側に円状の飾りがひとつ付いており、
その輪には更に輪が八個ほど付いていた。
その輪が当たっても攻撃が当たったことになってしまうため、注意が必要だった。

.
911 ◆dKWWLKB7io:2015/02/02(月) 19:40:23 ID:qCAusiyY0

角、肌の色、武器以外は全く一緒の姿であり、
筋骨隆々の体を唯一包むのは俗に言われる「鬼のパンツ」だけであった。
ちなみにパンツのデザインと色は二体とも同じで、
色も金地に黒い縞模様である。

( ´∀`)「気持ちはわかるもなけど、
このままいくとまたタイムアップもなよ」

('A`)マンドクセ

川 ゚ -゚)「うむ…」

( ゚∋゚)「タイムアップで死ぬことはないのは良いが、
これ以上何度も戦うのはごめんこうむりたいな」

( ・∀・)「一体も倒せてないから経験値も入ってこないしな」

ミ,,゚Д゚彡「でも、全然強くないから!」

(*゚ー゚)「そこら辺が不思議ですよね。
倒されないけど、倒せない」

(,,゚Д゚)「そしてまたタイムアップだぞゴルァ」

その二体を囲むように立つVIPの面々。
全員の視界には、普段はないカウント表示が右上にされていた。
今の数字は、43:59。
戦える時間は、45分を切っていた。

(´<_` )「とりあえず、二人がなにか掴むまで、戦っておくか」

▼・ェ・▼「きゃん!」

振り下ろされた金棒を、余裕を持って避けるモナーとビーグル。
通常技のはずだが動きを止めた鬼に対して攻撃を繰り出すツンとクー。

懐に飛び込み、脚の間をくぐりながら、
ツンの細剣とクーの薙刀が、赤鬼の巨大な股間の膨らみを切り裂く。

.

912 ◆dKWWLKB7io:2015/02/02(月) 19:42:27 ID:qCAusiyY0

ξ゚听)ξ「それにしても、セクハラな姿よね」

川 ゚ -゚)「ああ、黒鉄宮に送ってしまいたいな」

ξ゚听)ξ「雄型のモンスターは股間のモノを共通の弱点設定にするべきだと思う」

川 ゚ -゚)「その通りだな。しぃもそう思うだろ」

(*゚ー゚)「私に振らないでください!」

川 ゚ -゚)「え?この前ツンの部屋で騒いだ時に話していたじゃないか」

(*゚ー゚)「話してません!」

ξ゚听)ξ「ダメよ、クー。
あの日にあったことは内緒なんだから」

川 ゚ -゚)「!そうだった。すまんしぃ」

(*゚ー゚)「言ってませんし話してません!
もう、変なこと言うのやめてください二人とも!」

女性三人の会話を様々な顔で受け止める男性陣。
困惑している者、
顔を赤らめる者、
普段と変わらない者、
聴いてないふりをしている者。
ただ全員の思いは、
『もしそんな弱点設定があったとしても、狙うのはなー。
同じ男してちょっとなー』
と、共通していた。
  _
( ゚∀゚)「とにかくもう少し頑張るぜ!」

気を取り直したように両手剣を振りかざして突っ込むジョルジュ。

水色に輝いた剣は重二連?であり、見本にもなるようなほど綺麗に決まったが、
青鬼のHPバーは全く減ったように見えない。
  _
( ゚∀゚)「あー!もうどうしろってんだよ!」

.

913 ◆dKWWLKB7io:2015/02/02(月) 19:43:39 ID:qCAusiyY0

ξ゚听)ξ「今回のクエストはあんたがやりたいって言ったんでしょ!
なんか情報集めてないの!?」

( ^ω^)「またジョルジュにそんなむちゃぶリを」

('A`)「集めてるとは思えないよな」
  _
( ゚∀゚)「俺が集めるより、
ショボンが集めた方が早いし正確だし確実だろ」

ミ,,゚Д゚彡「開き直りは良くないから」
  _
(;゚∀゚)「うっさい」

思わぬところからツッコミをされて少しだけテンションが下がるジョルジュ。
しかしすぐに気分を直し、赤鬼に向かって両手剣を振り降ろしている。

川 ゚ -゚)「とはいえ、やはりこのままではジリ貧だな」

( ´∀`)「よほどHPが高いもな?」

( ゚∋゚)「もしくは、防御力が高いか…」

( ・∀・)「あるいは、どっか弱点があってそこしかダメとかか?」

三人の言葉を聞きながら攻撃を繰り返すメンバー達。
しかし思うように減らすことはできず、
それどころか何もしていないのに回復しているようにさえ見えた。

川 ゚ -゚)「弱点か。可能性としてはあるな。
だが股間でない以上、…角が一番それっぽいが…」

後ろを気にするクー。

ξ゚听)ξ「ショボンがいないんじゃ、あの高さは狙えないわよね。
ドクオ、ソードスキルで飛べないの?」

('A`)「確実弱点ならともかく、違ったら空中で殺されるからいやだ」

( ´∀`)「二匹いるのも、相手が弱点を狙われたときに対応するためかもしれないもなね」

▼・ェ・▼「くぅーん」

.
914 ◆dKWWLKB7io:2015/02/02(月) 19:45:42 ID:qCAusiyY0

喋りながらも全員が攻撃を加えているが、目に見えてHPが減ってはいない。

('A`)「…もしくは、武器指定とか」

ドクオがポツリとつぶやくと同時に、後ろからショボンが声をかけた。

(´・ω・`)「その通りだった!」

後方から駆け寄ったショボンがいつも使っているチャクラムを投げる。

('A`)「おうショボン。何か分かったのか」

チャクラムは弧を描いて赤鬼の角に命中した。
身体を震わせて怒りを顕にする赤鬼。
投げたショボンを見下ろす。
その瞳は、怒りに染まっていた。

(´・ω・`)「タゲは僕が引き受けるから、その間に装備を変えて!」

( ´_ゝ`)「受け取れー」

ショボンの後ろからやってきた兄者がのんきに声をかけ、
自分のウインドウを操作する。
するとショボンを除く全員にトレードウインドウが現れた。

ξ゚听)ξ「なにこれ」

(´・ω・`)「イベント専用、対赤鬼青鬼武器!」

ショボンの指示で全員が武器の変更を始める。

('A`)「『桃木の剣』?」

ミ,,゚Д゚彡「『神刀【鬼払い】』だから!」

( ^ω^)「同じく『桃木の剣』だお」

( ・∀・)「『桃木の爪』」

( ´∀`)「『鬼封じの槍』もな」

.
915 ◆dKWWLKB7io:2015/02/02(月) 19:47:08 ID:qCAusiyY0

( ゚∋゚)「『鬼退治の棍』か」

川 ゚ -゚)「『鬼祓い』。属性は薙刀だ」
 _
( ゚∀゚)「『桃木の大剣』」

(*゚ー゚)「『桃木の小刀』です」

(´<_` )「…『桃木の斧』。
なるほど、金属のイメージが強い武器は『桃木』を冠する武器で、
木から出来ているイメージのあるものは『鬼』に関する名前が付いているってことか?」

ミ,,゚Д゚彡「刀があるから!」

(´<_` )「お、そういやそうか」

( ´_ゝ`)「今回作れたのがそれだけだったってだけで、
関係ないだろ。多分。
イベントクエスト内限定ってことで、珍しくお遊び武器もあったし」

( ^ω^)「お遊び?」

('A`)「武器?」

兄者の発言に、ゲーマー気質のある二人が反応する。

( ´_ゝ`)「な、ギコ」

(,,゚Д゚)「…ゴルァ……」

(*゚ー゚)「ギコ君?」

(,,゚Д゚)「『桃太郎ののぼり』」

(*゚ー゚)「え?」

('A`)「のぼり…」

( ^ω^)「だと?」

.

916 ◆dKWWLKB7io:2015/02/02(月) 19:49:10 ID:qCAusiyY0

全員が見つめる中、武器を実体化させるギコ。
それは誰が見ても間違いなく『のぼり』だった。

(,,゚Д゚)「何でこれが片手剣なんだゴルァ…」

片手でつかめる程度の細長い棒。
先端にはさらに細い棒が九十度に刺さっており、
その二本の棒を支柱として、長い布がはためいている。

(,,゚Д゚)「棍棒じゃあ…」

布の色は桃色。
そして布には、毛筆で『桃太郎参上』と書かれている。

(;゚∋゚)b「いや、どう見ても片手剣だぞ、ギコ」

( ´_ゝ`)「まあそう言うなギコ、
見た目はアレだが基礎能力は今回作った中で三本の指にはいる」

(,,゚Д゚)「ならいいぞゴルァ」

兄者の言葉に気を取り直して武器を変え、
右手に持って構えるギコ。

(,,゚Д゚)「……かっこよくはない」

( ´_ゝ`)「大丈夫だギコ。俺も仲間だ」

ニヤリと笑った兄者が自分用の武器を出す。

(;´∀`)「もな…」

川 ゚ -゚)「え?」
 _
( ゚∀゚)「それ、飲めないんだよな?」

(´<_` )「本気か兄者?」

全員が見守る中、酒瓶をかついだ兄者。
その楽しげで誇らしげな笑顔がムカつく。

.

917 ◆dKWWLKB7io:2015/02/02(月) 19:51:10 ID:qCAusiyY0

( ´_ゝ`)「いやーはずかしいなー」

一升瓶の何倍の大きさであろうか。
いつも使っている巨大鎚と同等のサイズである。

(*´_ゝ`)「『鬼殺し』。
おれもこんなのもつの恥ずかしいけどさー。
一見棍棒属性っぽいのにこれでハンマーだっつーから、
運営もわかってる…、いや、わかってないよなー。
これでも基礎能力は総合で三本の指にはいるから」

全く説得力のない言葉に呆れかえるメンバー。

(;゚∋゚)(良かった…棍棒じゃなくて本当に良かった)

酒瓶に貼られた『鬼ごろし』というラベル確認し、
クックルは一人安堵していた。

( ´_ゝ`)「で、ツンはどうした?」

兄者の言葉に何人かがハッとして周囲を見回すと、
かなり不機嫌そうな顔をしたツンがいた。

川 ゚ -゚)「ツン、おまえの武器は?」

ξ゚听)ξ「見せたくない」

( ´∀`)「早くしないと戦う時間が無くなるもなよ」

ξ゚听)ξ「戦わなくていい」

後ろ手に武器を隠しているツン。
隠れるということは、ツンの使う細剣属性においてもそれほど大きくはないだろう。

( ^ω^)「またそんなことを」

ξ゚听)ξ「帰る」

( ゚∋゚)「ツン?」

(*゚ー゚)「そんなに変な武器なんですか?」

.

918 ◆dKWWLKB7io:2015/02/02(月) 19:52:15 ID:qCAusiyY0

ξ゚听)ξ「別に」

(,,゚Д゚)「それでもコレほどじゃないだろゴルァ」

ξ゚听)ξ「別に」
 _
( ゚∀゚)「どうしたツン」

ξ゚听)ξ「別に」

( ^ω^)「ツン?」

隣にいたブーンが、何の気なしにちらっとツンの後ろを見たとたん、吹き出した。

(*^ω^)「ツン」

笑いながらツンの名を呼ぶ。

ξ#゚听)ξ「ブーン!」

怒るために横を向いた拍子に、武器が何人かの目に入った。

川*゚ -゚)「ツン」

( ´∀`)「なるほどもな」

( ゚∋゚)「棍棒じゃなくて良かった」

ξ#゚听)ξ「クックル!」

(;゚∋゚)「す、すまん。つい本音が」

(*゚ー゚)「クックルさん、フォローになってないですよ」

思わずクックルに向かって武器を構えてまうツン。

その手に握られているのは、巨大な爪楊枝だった。

.

919 ◆dKWWLKB7io:2015/02/02(月) 19:54:10 ID:qCAusiyY0

( ´_ゝ`)「名前は『Peach Tree FIZZ』。
はじける桃の木ってところか」

クックルに向けていた爪楊枝の先を、兄者に向けるツン。

ξ゚听)ξ「兄者、あんたわざとじゃないでしょうね!」

( ´_ゝ`)「見損なうな!
狙って作れるなら全員分おもしろ武器を作ってる!」

ξ゚听)ξ「……それもそうね」

胸を張る兄者と納得するツン。

(*゚ー゚)「……もう、なにがなんやら」

(,,゚Д゚)「ゴルァ。そろそろ戦わないとショボンは大丈夫か?」

川 ゚ -゚)「あ」

(;´・ω・`)「思い出してもらえて嬉しいよ!」

駆け寄ってきたショボン。
呼吸は荒く、肩を大きく上下させている。

川 ゚ -゚)「すまんすまん」

ξ゚听)ξ「ショボン!あんたの武器はなに!
なんでいつものチャクラム使ってるのよ!」

(;´・ω・`)「へ?タゲ取るだけならいたずらにHP削らない方がいいかなと思って。
HP削りすぎると攻撃パターンが変わることあるから。
名前は『桃木のブーメラン』だけどどうした?」

ξ゚听)ξチッ

(;´・ω・`)「何で舌打ち?
とりあえず、この二匹はみんなに任せるよ」

ショボンを追って迫り来る赤鬼と青鬼。

.

920 ◆dKWWLKB7io:2015/02/02(月) 19:55:37 ID:qCAusiyY0

すでにブーンとドクオが駆け出していた。

川 ゚ -゚)「行くぞ!」

ショボンがいない場合、特別な場合以外はクーが指揮を執る。

薙刀を構えて走り出したクーに続くメンバー。
クーはブーンとドクオの動きを見ながら後に続くメンバーに指示を出していく。

ξ゚听)ξ「あーもう!さっさと終わらせる!」

最後にツンが続いた。

(;´・ω・`)「この後にも戦闘あるかもしれないから、
速攻でよろしくー!」

「「「「「了解!」」」」」

全員の武器が様々な色に光り輝いた。







.

921 ◆dKWWLKB7io:2015/02/02(月) 19:57:20 ID:qCAusiyY0

攻撃が効くようになると、結果はすぐにでた。

('A`)「ラスト!」
 _
( ゚∀゚)「こっちも終わりだ!」

赤鬼に向かって飛んだドクオと、青鬼に向かって突撃したジョルジュ。

二人の剣がそれぞれの鬼を切り裂くと、
二匹の鬼がポリゴンとなって砕け散った。

ξ゚听)ξ「よし終わった」

巨大爪楊枝をストレージに収納しようとするツン。
しかしショボンに止められた。

(´・ω・`)「ツン、爪楊枝しまうのちょっと待って」

ξ#゚听)ξ「爪楊枝って言うな」
 _
( ゚∀゚)「どうした?ショボン」

後方から寄ってきたショボン。
全員が集まり、ギルマスの指示を待つ。

(´・ω・`)「経験値とか、倒した結果が入ってこない」

('A`)「だな。まだ終わってないってことか?」

( ^ω^)「おっお。でもポリゴンになってたおね?」

川 ゚ -゚)「イベント終了と同時に入るんじゃないのか?
前にも最後に報告しに行ったときに一気に入ってきたクエストがあったはずだが」

( ´∀`)「今回のは、依頼があったクエストだから、
その可能性が高いもなね」

(´・ω・`)「そう、村にやってくる鬼を倒してくれっていうのが今回のクエスト。
長老さんに聞いた内容、覚えてる?」

.

922 ◆dKWWLKB7io:2015/02/02(月) 19:58:55 ID:qCAusiyY0

( ゚∋゚)「確か…

(´艸`)『この村を助けてほしいのでござる。
毎年この時期になると数多くの鬼がやってくるのでござる。
ほとんどは村を守る壁によって入って来られないでござるが、
何匹か乗り越えて入ってきてしまうことがあるのでござる。
それに怖くて外に出られないし、行商人も来なくなるので、
食べ物にも困ってしまうのでござる。』

だったか?」

(,,゚Д゚)「二匹は数多くって言わないか」

(*゚ー゚)「そうだね。とういうことは…」

( ^ω^)「あと、あの村の壁って、そんなに高くなかったおね」

( ・∀・)「ああ、多分二メートルくらい。いや、そんなにないかもな」

川 ゚ -゚)「今の鬼なら簡単に乗り越える、またいで村に入れるだろうな」

ξ゚听)ξ「なにそれ。じゃあまだいるってこと」

(´<_` )「おそらく、今のより小さいやつが。
小さいといってもあの壁というか柵を乗り越えてくる奴がいるってことは、
それなりの大きさはあるだろうが」

( ´_ゝ`)「しかも、おそらく、いっぱい。数多く。
このクエストの参加上限が十八人設定なのも、
その敵に戦う為だろう」
 _
( ゚∀゚)「でも、そいつ等を倒さないとクエストクリアにはならない」

('A`)「鬼を倒した経験値とかも手に入らない。
どうするよ、ショボン」

.

923 ◆dKWWLKB7io:2015/02/02(月) 20:02:46 ID:qCAusiyY0

(´・ω・`)「今の二匹が時間制限制だったのも気になるんだよね。
情報によるとまだクリアしたグループもいないみたいだし。
何組かチャレンジはしてるみたいだけど、
おそらく今の二体を倒すところまでいってない。
カウントがスタートしてからでないと得られない情報とかアイテムとか、
反則だよ。まったく。
だからこの先もどんな罠があるかわからないから、
ここで撤退してもいいかなと思うけど…」

全員の顔を見回すショボン。

(´・ω・`)「納得しないよね。みんな。
ここまでがんばったし、
ちゃんとクリアしたいのは僕も同じだけどさ」

苦笑しながらつぶやいたショボン。
全員が笑顔を見せた。

(´・ω・`)「まあタイムアップがあるのは変わらないみたいだから、
危なくなったらぎりぎりまで逃げ回るのも選択肢に入れて次の手を考えようか」

制限時間を示す時計を気にするショボン。
視界の角に浮かぶその数字は、二体の巨大鬼を倒すと同時に三十分加算され、
しかもカウントを止めていた。

ふと何かを思い出したようにウインドウを開くショボン。

(´・ω・`)「そうだった。渡しておくよ。
さっき森の外に情報を集めに戻ったとき、
桃の木を分けてくれたおじさんが、
一緒にくれたんだ。
人数伝えたら、ちゃんと全員分くれたから、一人一つずつ持ってて」

再び全員の目の前にトレードウインドウが浮かぶ。

ξ゚听)ξ「?『鬼除けのお守り』?」

.

924 ◆dKWWLKB7io:2015/02/02(月) 20:04:17 ID:qCAusiyY0

(´・ω・`)「うん。僕と兄者が調べた限りでは特に特徴は無かったから、
訳の分からないものを渡すのもって思ってさっきは渡さなかったんだ。
フレーバーテキストも鬼除けって書いてあるだけだしね。
タゲ取ってる最中、持ってた僕が普通に攻撃されてたから、
鬼の攻撃回避や防御力のアップも無いみたいだし。
そうだブーン、一応調べてもらえる?」

( ^ω^)「任せてだお」

ウインドウからお守りを取り出すブーン。

( ^ω^)「おー。形は良くあるお守りだおね。
家内安全とか書いてありそうだお」

青い小さな袋を手にするブーン。
それは確かに現実世界でもっていた、
初詣でいった神社で年に一回くらい購入する、
高校受験の時に親が買ってきてくれたお守りによく似ていた。

( ^ω^)「どれどれ」

前後左右を観察してからタップするブーン。

( ^ω^)「僕がみても特に変化はないみたいだお」

(´・ω・`)「うーん。
この後の戦闘で何か使うのかと思ったけど、
違うのかな。
それかクリアした後に何かあるか」

( ^ω^)「だおねー。
そう言えばコレ、
フレーバーテキストのアイテム名は『鬼除けのお守り』なのに、
アイテムには『鬼退治』って書いてあるおね。
なんで『鬼除け』じゃ」

(´・ω・`)「え?僕がさっきみたのは『鬼除け』だったはず」

あわてて自分の分のアイテムを取り出すショボン。
そして書かれている文字を確認する。

.

925 ◆dKWWLKB7io:2015/02/02(月) 20:05:35 ID:qCAusiyY0

(´・ω・`)「うん。『鬼除け』だ。
みんなはどう?」

二人の会話を聞いていたメンバーはすでに実体化させており、
それぞれになにが書いてあるかを告げた。

(´・ω・`)「『鬼除け』が六つ、『鬼退治』が四つ、『鬼払い』が三つだね。
コレの違いは何か」

( ^ω^)「みた限り、ステータスに違いはないんだおね」

( ´_ゝ`)「武器ではないし、
一緒に貰った【桃木】と違って武器を作ることは出来ないな」

(´<_` )「防具でもないし、添加用のアイテムってこともないなこりゃ」

( ・∀・)「アクセサリーでもない。
身につけるものじゃないってことか」

(´・ω・`)「どこかで必要になるのかな。
全員で分散して持ってて良いか分からないけど、
人数分くれたってことは、何かあるんだろうから…」

( ゚∋゚)「ショボン」

(´・ω・`)「なに?クックル」

( ゚∋゚)「おれの持ってるのは『鬼退治』なんだが、
これ、種だ」

(´・ω・`)「へ?」

( ゚∋゚)「おれが調べると、フレーバーテキストの最後に
『肥えた土に埋め、【鬼祓いの水】をそそぎ、鬼を退治するための宝を待て』
って続く。
栽培スキルを鍛えてある者が見ると、変わるのかもしれないな」

(´・ω・`)「種!?
他の二つも見てみて!」

.

926 ◆dKWWLKB7io:2015/02/02(月) 20:07:55 ID:qCAusiyY0

( ゚∋゚)「ああ」

( ^ω^)「クックル、どうぞだお」

ブーンが、渡されていたうちの『鬼除け』と『鬼払い』を渡す。

( ゚∋゚)「………いや、こちらの二つは種ではないな。
少なくともおれのスキルでは何もできないようだ。
あと【鬼祓いの水】というのがあると思うんだが」

首を振りながら二つをブーンにもどす。

( ^ω^)「だめかお」

ξ゚听)ξ「ブーン、私にも貸して」

川 ゚ -゚)「一応私達も見てみよう」

( ^ω^)「たのむお!」

ツンとクーの手元に三種類の【お守り】が手渡された。

川 ゚ -゚)「ふむ…。
クックル、【鬼払い】も変化なかったか?」

( ゚∋゚)「さっき見た時は特に何も書いてなかったが」

(´・ω・`)「クーが見ると何かあるの?」

川 ゚ -゚)「ああ。
【鬼払い】のお守りだ。
『【鬼酔袈の器】にて搾りし時、【鬼祓いの水】となる。』
と書いてある。
だから薬草の様なもので、ポーション的な物を作れるんだと思う。
ただクックルが見ても変わりないなら、栽培は出来ないという事か。
となるとそれほどの量は作れないかもな。
それに器となると…」

クーの言葉を受けて全員がモララーを見た。

.

927 ◆dKWWLKB7io:2015/02/02(月) 20:09:09 ID:qCAusiyY0

( ・∀・)「でも、さっき見た時は3種類とも追加のテキストは無かったぞ」

ξ゚听)ξ「うん。私が読むと追加テキスト出た」

(;・∀・)「なら何故ツンまでおれを見るかな」

ξ゚听)ξ「なんとなくよ。なんとなく」

( ^ω^)「ツンのにはなんて書いてあるんだお?」

ξ゚听)ξ「えっとね…。
『糸に還し、【祓いの袈裟】を織れ。
【祓いの袈裟】を三枚重ねれば、【鬼酔袈の器】を縫える。』
だって。
やっていい?」

(´・ω・`)「うん。やってみて」

ツンがアイテムを取り出し、『鬼除け』と書かれたお守りをタップする。
すると一瞬光り輝くと、白色の糸玉に変わった。

ξ゚听)ξ「それで…と」

アイテムを持ち替えて続けてタップするツン。
もう一度光り輝き、今度は紫色をした帯の様な物が現れた。

ξ゚听)ξ「これが『祓いの袈裟』だって。
もう2つやるわよ」

(´・ω・`)「よろしく」
 _
( ゚∀゚)「袈裟って坊さんが着てるやつだろ?
なんで長方形の布なんだ?」

(´・ω・`)「着てるのは法衣。
その上から肩から斜め掛けをしているのが袈裟なんだよ」

(´<_` )「ん?斜め掛けの布?
なんか胸から足元まである様な奴を着てないか?」

.

928 ◆dKWWLKB7io:2015/02/02(月) 20:11:50 ID:qCAusiyY0

( ´∀`)「もともとはただの布だったみたいもなよ。
『袈裟懸け』なんて言葉もあるもなね。
でも今宗派によって色々あるみたいもなから、
ジョルジュや弟者が不思議に思っても仕方ないもな」

「「「「へー」」」」

▼*・ェ・▼「きゃん!」

モナーの言葉に全員が頷くと、ビーグルが誇らしげに一声鳴いた。

ξ゚听)ξ「で、ショボンのしったかとモナーのうんちくの間に三枚完成」

ツンの手に持たれた三枚の布。
紫色が二枚に、赤色が一枚。
鮮やかな色と言うよりは、落ち着いた深い色をしている。

(´・ω・`)「それが【袈裟】なら、三枚で【器】が出来るはずだね。
【鬼除け】のお守りは六つあったから、失敗してももう一回はチャレンジできる」

ξ゚听)ξ

ショボンを冷たい視線で見るツン。

(;´・ω・`)「え?僕なんか変なこと言った?」

ξ゚听)ξ「あのね、ショボン」

ツンがさらにアイテムを持ち替え、三枚の【袈裟】をまとめてタップする。

ξ゚听)ξ「私が失敗するなら」

強く光り輝くアイテム。
その光を気にすることなく続けてアイテムを振る。

ξ゚听)ξ「今のアインクラッドにこれを作れる人はいないわよ」

光が収まり、ツンの手の中に薄いベージュの様な色をした大きな袋が現れた。

ξ゚听)ξ「…多分ね」

.

929 ◆dKWWLKB7io:2015/02/02(月) 20:12:48 ID:qCAusiyY0

慌てて袋をタップするツン。

ξ゚听)ξ「うん。【鬼酔袈の器】よ」

どこか安心しているように見えるが、それを言える猛者がここにはいなかった。

川 ゚ -゚)「一瞬失敗したと思っただろ」

いや、一人いた。

ξ;゚听)ξ「うるさい。あまりに素朴な色になったからちょっと心配になっただけよ」

( ´∀`)「それが【器】もなか…」

ξ゚听)ξ「操作自体はスキルレベル400くらいでやれる作業だけど、
多分成功判定はシビアね。
800くらいないと厳しいかも」

川 ゚ -゚)「ならこちらもそれくらいか、あるいはもっと高くないとか。
ま、成功させるがな」

不敵な笑みを浮かべながら、ツンから袋を受け取るクー。

川 ゚ -゚)「ショボン、続けて作って」

(;´∀`)「ま、まつもな」

川 ゚ -゚)「ん?どうした?モナー」

( ´∀`)「先に埋める準備をしておいたほうが良いと思うもな」

(´・ω・`)「それもそうだね。
このタイマーが何のタイミングで再び動き出すか分からないし」

ショボンが視界の片隅のカウントを気にしながら言った。
頷く数人。

( ´∀`)「クックル、どこに埋めるもな?」

.

930 ◆dKWWLKB7io:2015/02/02(月) 20:15:42 ID:qCAusiyY0

( ゚∋゚)「緊急用の植木鉢は持ってきているが、
『肥えた土』というくだりがな。
あたりを付けたところはあるが…」

(,,゚Д゚)「あれは違うのかゴルァ」

クックルが向けた視線の先とは逆方向、
エリアの入り口方面を指さすギコ。

( ゚∋゚)「ん?」

(,,゚Д゚)「あそこの地面に何か埋まってるぞ」

( ゚∋゚)「!」

ギコが先導し、クックルが続く。

(,,゚Д゚)「ゴルァ」

辿り着いた先、草に埋もれて見えないレベルで煉瓦が埋められていた。
それは一メートル四方程度の正方形を作っている。

( ゚∋゚)「気付かなかった」

正方形の中の土をタップするクックル。
すると草が消え去り、土の表面が現れた。

('A`)「おお」

後ろから見ていたメンバーも声を漏らす。

( ゚∋゚)「…すごいな。今まで見た中で最高クラスの土だ。
持って帰りたいくらいだ」

出したウインドウで情報を読み取るクックル。

( ゚∋゚)「すごいなギコ。
こんなところによく気付いた」

.

931 ◆dKWWLKB7io:2015/02/02(月) 20:16:54 ID:qCAusiyY0

(*,,゚Д゚)「べ、べつに」

(*゚ー゚)「ギコ君凄い!」

ξ゚听)ξ「へー。やるじゃない」

(´<_` )「うむ。これはよほど注意力が無いと」

(´・ω・`)「うん。すごいね」

(*,,゚Д゚)「たまたま入った時に躓いただけだぞゴルァ」

照れたように頭を掻くギコ。

((((言わなくていいのに…))))

(;*゚ー゚)「しょうじきものなんです。ギコ君」

( ゚∋゚)「さて、それでは埋める場所はここにしよう」

( ´_ゝ`)「クックルが見つけた方は確認しないのか?」

( ゚∋゚)「実は戦闘前に隠れて確認しといた。
良い土だったら採取しようかと思ったが、
農場の土と同レベルだし採取対象にもならなかった」

( ´_ゝ`)b「さすがだな」

( ゚∋゚)b

( ^ω^)「農場主の鏡だおね」

ξ゚听)ξ「戦闘前に何してんのよ」

(´・ω・`)「さてそれじゃあ埋める場所も決まったし、
クーに作業を始めてもらおうか。
クックルも準備を」

.

932 ◆dKWWLKB7io:2015/02/02(月) 20:18:02 ID:qCAusiyY0

川 ゚ -゚)「ああ」

( ゚∋゚)「分かった」

クーが花壇に近寄り、素材と作成用のアイテムを取り出す。
クックルは花壇を挟んで反対側にしゃがんだ。
その手にはお守りと栽培用のアイテムが持たれている。

川 ゚ -゚)?

クーの左側に立つモナー。

川 ゚ -゚)「どうしたモナー?」

( ´∀`)「見学もな」

川 ゚ -゚)「まあいいが」

首をかしげながらも袋とお守りを手にするクー。
左手で持ったそれを右手に持った指揮棒のようなアイテムでタップする。

川 ゚ -゚)「本来ならどこかに置いた方が良いが、
地面に置くのもな」

そう言いながら現れたウインドウを操作すると、
まばゆい光が素材とした二つのアイテムから発せられた。

川 ゚ -゚)「うむ……うをっ!」

満足げに頷いていたクーであったが、突然大声を出した。

( ´∀`)「クー!」

モナーが光の中に両手を差し入れ、生成されたアイテムを両手でつかんだ。

川;゚ -゚)「すまないモナー。突然かなり重たくなって驚いた」

( ´∀`)「クックル!埋めるもな!きっとすぐに水が出てくるもな!」

(;゚∋゚)「お、おう」

.

933 ◆dKWWLKB7io:2015/02/02(月) 20:19:53 ID:qCAusiyY0

すぐそばでその情景を見て驚いていたクックルだったが、
モナーに促されてお守りと地面を素早くタップした。

モナーが両手で持った布袋、クーが生成したそれから液体が滴り始めたのは、
クックルが地面にお守りを植えることが出来た直後だった。

川 ゚ -゚)「これはもしや…」

( ´∀`)「お酒、日本酒もなね」
 _
(*゚∀゚)「旨そうな香りだな」

( ´∀`)「飲んだらダメもなよ」
 _
( ゚∀゚)「ひとなめ」

( ´∀`)「どれくらいの量が出来るか分からないからダメもなよ」

川 ゚ -゚)「そうだな。
徐々に滲み出す量は増えているようだが、いつまで続くのか」

( ´∀`)「文面に『しぼる』ってあったもなから、
力を加えてみるのもいいかもなね」

(´・ω・`)「モナーは分かってたの?こうなるって」

( ´∀`)「文面が『しぼる』だったのと、
出来た袋が酒袋に似ていたもなから、
もしかしてと思ったもなよ
それに日本酒はお神酒として扱われることもあるから、
【祓いの水】としての素質はあるのかもとも思ったもな」

ニコニコとしているモナーを尊敬のまなざしで見るメンバー達。

( ´∀`)「さて、これで後はクックルが植えた種を育ててくれればよいもなね」

(´・ω・`)「警戒!カウントが始まった!」

.

934 ◆dKWWLKB7io:2015/02/02(月) 20:22:52 ID:qCAusiyY0

ショボンが張り詰めた声で指示を出すと、
その声に反応し、
ドクオ、ブーン、ツン、ジョルジュ、兄者、弟者、モララー、フサギコが、
武器を構えてあたりを警戒する。
それを見て、慌てて武器を構えるギコとしぃ。

('A`)「といってもカウンターが回り始めただけなのか…」

( ^ω^)「それはそれで時間が短くなって嫌だおね」

(´・ω・`)「え…なにこれ」

ショボンが狼狽えたように漏らす。

それに驚いたメンバーだったが、すぐにその言葉の意味を悟った。

(´<_`;)「これは…」

( ´_ゝ`)「多いにもほどがあるだろう」

(;・∀・)「これ全部倒すのか?マジで?」

エリアの中央からポップする大きさは自分達とそれほど変わらない赤鬼と青鬼。
そして周囲の木々の間からもわらわらと現れる。

(;^ω^)「と、とりあえずやってみるかお?」

(´・ω・`)「クックルは引き続き花壇で栽培!
クー、モナーは参戦!
クックルを扇のかなめにして、
左からしぃ、ギコ、兄者、ドクオ、モナー、モララー、ジョルジュ、クー、フサ、弟者、ブーン、ツン!
僕は後ろから投擲と指示を出す!
前には出ないでやってきた敵を潰すことだけを考えればいい!
いざとなったら撤退するからその時は即行で逃げるよ!」

「「「了解!」」」

ショボンの指示通りに半円状に描きながら並ぶ12人。

.

935 ◆dKWWLKB7io:2015/02/02(月) 20:23:58 ID:qCAusiyY0

その間も全体を見て敵の数を数えていたショボンだったが、
あまりの数に数えることをあきらめかけた時、
赤鬼が棍棒を振り上げてギコに襲い掛かった。

(,,゚Д゚)「ゴルァ!」

棍棒を片手剣ではじく。
そして流れるように二閃。
鬼の身体に二つの線が走り、
HPを大幅に削る。

のぼりのような剣は、確かに強かった。

(,,゚Д゚)「…結構良いぞ」

(*゚ー゚)「ギコ君……」

ギルドに入って二ヶ月の二人も、
戦闘中に無駄口を叩くというこのギルドの悪癖に馴染んできていた。

しかし敵側にはそんなことに付き合う筋合いは無く、
容赦なく襲いかかる。

(*゚ー゚)「はっ!」

青鬼の錫杖を避け、その懐に入るしぃ。
そしてそのまま短剣を縦横無尽に振るう。

青鬼「ぐわああああああ!」

雄叫びをあげて硬直した敵を放置してバックステップで離脱。
更にギコを狙っていた赤鬼に一撃を与えた。

( ´_ゝ`)「二人とも強くなってきているな」

('A`)「まだまだこれからだけどな」

( ´_ゝ`)「どっくんは厳しいなぁ」

('A`)「どっくん言うな」

.

936 ◆dKWWLKB7io:2015/02/02(月) 20:26:20 ID:qCAusiyY0

(´・ω・`)「青鬼は赤鬼に比べてHPを大きく削れていない!
動きを止めるだけだから気を付けて!」

比率的に赤鬼の方が多かったのと、
波状攻撃を仕掛けてくる敵への対応によって、
前線にいる十人は最初の数撃では明確に気付けていなかったが、
後ろで状況を読んでいたショボンが気付いた。

(´・ω・`)「通常武器による攻撃を試す!」

ショボンの投げたナイフが青鬼の眉間を貫く。
大きく減るHP。

('A`)「どうするんだ!」

(´・ω・`)「確認終了!
攻撃力がそれほど高くない桃木シリーズを使っている、
ドクオ、ブーン、ジョルジュ、弟者、モララー、しぃは通常の武器に変更して!
カウント5で兄者とモナーとクーはスキルで波状攻撃!
同タイミングでチャクラムの全方位攻撃を繰り出すから、
そのタイミングで該当者は下がって武器変更!
スキル後の硬直は3未満で抑えること!
武器変更も同じく!
残った面子は範囲技の後のフォローを!
行くよ!
5!」

ギコとしぃの顔に緊張が走る。

何度か練習はしているが、緊迫した実践の場では初めてのコンビネーション。

(´・ω・`)「4!」

( ´_ゝ`)「しぃ!下がれ!ギコは前に出て溜めの長いおれのフォロー!
技は使うな!攻撃より弾くことメインにするんだ!」

(,,゚Д゚)「ご、ゴルァ!」

(*゚ー゚)「は、はい!」

.

937 ◆dKWWLKB7io:2015/02/02(月) 20:27:34 ID:qCAusiyY0

(´・ω・`)「3!」

普段からは考えられない鋭い兄者の指示に戸惑いながらも体が動く二人。

(,,゚Д゚)「ゴラァ!」

(´・ω・`)「2!」

兄者の【鬼殺し】が青白く光る。

(´・ω・`)「1!」

モナーとクーの武器もそれぞれに光る。

(´・ω・`)「ゴー!」
( ´_ゝ`)「どりゃああああ!」
( ´∀`)「モナあああああ!」
川 ゚ -゚)「はっ!」

ショボンの掛け声と同時に繰り出されるそれぞれの範囲攻撃技。

三人の特殊武器による攻撃は赤鬼のHPを削り、青鬼の動きを止める。
ショボンの通常武器による範囲攻撃は青鬼のHPを削り、
赤鬼の動きを止めることに成功した。

(´・ω・`)「やっぱりか…」

武器が手元に戻ってきてからの長い硬直に身構えつつ、
それでも全員の動きを視界にとらえながらショボンが叫んだ。

(´・ω・`)「通用武器は青を削って赤を止める!
専用は逆!
僕は六秒の硬直を起こすからその間は頼む!」

「「「了解!」」」

全員の声を聴きながらショボンが帰ってきたチャクラムを掴む。
固まるからだ。
その歯痒さにはやる心を抑えるために、
全員を見渡せる位置で、
顔を上げて武器を戻していた。

.

938 ◆dKWWLKB7io:2015/02/02(月) 20:28:55 ID:qCAusiyY0

元からのメンバーはもとより、
ギコとしぃも武器による特性を意識した戦いをしていることに安堵する。
傍にいる兄者が時折指示を出しているとはいえ、
入った頃の動きを思えば格段に進歩をしていることが分かる。

(´・ω・`)「でも…数が多すぎる」

視界の隅のカウントに目をやり、
全員がポリゴンに変えていく敵の数を見て逆算。

(´・ω・`)「ぎりぎりか…むりか…」

( ゚∋゚)「ショボン!」

もう一度全方位攻撃をしようかと武器を構えようとした時に、
クックルに声をかけられた。

(´・ω・`)「クックル!何か生えた!?」

( ゚∋゚)「これだ!」

(´・ω・`)「……へ?」

クックルから渡されたのは、枡。
木製の、正月に酒などが注がれる木製の四角い器である。

(´・ω・`)「…これができたの?」

( ゚∋゚)「ああ。
小さな木が生えてきたと思ったら、これが生った。
なかなかの風景だった」

そして中には、豆がぎっしりと詰まっている。

(´・ω・`)「これって…もしかして…」

( ゚∋゚)「おそらく」

(´・ω・`)「だよね。
いくつあるの?」

.

939 ◆dKWWLKB7io:2015/02/02(月) 20:31:12 ID:qCAusiyY0

( ゚∋゚)b「全員分ある」

(´・ω・`)「あ、そう。
……そっか。二月か。
節分か…。なるほどねー。
鬼だし桃太郎とか一寸法師だから御伽草子系かと思いきや、
節分か」

疲れたように呟くショボン。

(´・ω・`)「…完全にお祭りイベントだったってことなのか」

( ゚∋゚)?

(´・ω・`)「なら、楽しまないとだね」

一瞬眉間に皺を寄せた後、満面の笑みを見せるショボン。

(´・ω・`)「クックル!みんなに配るよ!」

枡を片手に走り出すショボン。

( ゚∋゚)「お!おう!」

(´・ω・`)「おにはそと!!!」

片手一杯に握りしめた豆を思いっきり投げるショボン。

( ゚∋゚)「ふくはうち!」

その横で間髪を入れずにクックルが投げる。

突然のギルマスの狂行におどろくが、
豆を受けた鬼が数発の豆を受けただけで消えていく様を見て、
状況を察する。
 _
( ゚∀゚)「おれの豆は!?」

( ゚∋゚)「全員分あるから一人一つずつ持って戦え!」

.

940 ◆dKWWLKB7io:2015/02/02(月) 20:32:39 ID:qCAusiyY0

(´<_` )「よっしゃ!」

(*´_ゝ`)「こういうイベントもあるのか!」

ミ,,゚Д゚彡「たのしいから!」

( ・∀・)「まったくさっきまでのシリアスはなんだったんだ」

( ´∀`)「こういうのもいいもな。
ビーグルも楽しいもなね」

▼*・ェ・▼「きゃん!」

('A`)「久しぶりのクエストがこれか…」

川*゚ -゚)「そうか?いいじゃないか」

ξ*゚听)ξ「実はあんたこういうの好きなのよね」

( ^ω^)「おっおっお。ツンも好きだおね」

それぞれに枡を手にして豆を投げ始めるメンバー達。
鬼の数はそう減らないが、武器で倒すよりは効率が良いのは誰が見ても明らかだった。

(,,゚Д゚)「ゴルァ…」

(*゚ー゚)「ギコ君?」

(*,,゚Д゚)「おれ達も行くぞしぃ!」

(*゚ー゚)「うん!やろう!」

後方に下がりメンバーの行動を呆然と見ていた二人だったが、
笑いながら楽しそうに豆を投げている彼らを見て、
笑顔で枡を持って戦線に参加した。



残り時間は、10分。



.

941 ◆dKWWLKB7io:2015/02/02(月) 20:34:13 ID:qCAusiyY0

 _
( ゚∀゚)「よし、そろそろ終わるかな」

ξ*゚听)ξ「おりゃあ!しね!」

('A`)「あらかた終わったな」

川*゚ -゚)「うりゃ!うりゃ!消えろこら!」

( ・∀・)「…ブーン」

( ^ω^)「お?」

( ´∀`)「……ショボン…」

(´・ω・`)「なに?モナー」

( ・∀・)「ツンとクー、ちょっとストレスとか溜まってないか?」

( ´∀`)「解消させてあげなきゃだめもなよ」

( ^ω^)「お??」

(´・ω・`)「ブーンにツンの事を頼むのはともかくとしても、
あの二人は前からあれが普通だよね?ブーン」

( ^ω^)「そうだおね」

(;・∀・)「あ、そうなんだ」

(;´∀`)「そうもなか」

一部の追いつめるメンバーと、それを後ろから見守るメンバー。

残り時間が、6分を切ろうとした。



.

942 ◆dKWWLKB7io:2015/02/02(月) 20:35:13 ID:qCAusiyY0

突然揺れる大地。
森の影から現れる大きな影。
その大きさは先に戦った二匹よりも一回り程大きい。

(´・ω・`)「まずは鬼を掃討!
残りは武器装備!
豆も試すよ!」

まだエリア内に入ってこないその影を確認した瞬間に走るショボンの指示。
楽しそうに鬼を追い詰めていた二人と数名も真剣な顔になり、
十匹ほど残っていた鬼を一気に消しはじめる。
それ以外のメンバーはそれぞれ武器を二つ実体化させ、
どちらでも対応できるよう準備を始めた。

残りの鬼をすべて消した時、巨大な影がしっかりと姿を現した。

川 ゚ -゚)「マーブル模様?」

ξ゚听)ξ「美的センスが無さすぎる」

遠目で見るとまだらな紫。
よく見ると赤と青が絡まった肌の色。
三本の角をもった鬼が、両手を空にあげて威嚇した。

(;,,゚Д゚)「ゴルァ」

(;*゚ー゚)「こ、これは…」

('A`)「んじゃまあおれから」

息を飲む二人をよそに、
いつの間にか足元に移動していたドクオが桃木の剣で片足を一閃。
しかしそれほどHPは減らない。

( ^ω^)「じゃあこっちかお!」

風の様に飛んだブーンもドクオが切ったのと同じ足を通常の武器で一閃。
しかし減ったHPは同じくらいだった。

.

943 ◆dKWWLKB7io:2015/02/02(月) 20:36:06 ID:qCAusiyY0

ミ,,゚Д゚彡「だったらこれだから!」

ブーンの後ろから続いて走ってきたフサギコがイベント用武器で一閃。
先程よりも減らしたようだが、格別というわけではない。

ξ#゚听)ξ「あーもうまったく!」

更にその後ろから走りこんだツンが爪楊枝で一閃。
フサギコよりも更に少しだけ減らす量が多かったが、それでも微々たる違いだった。

一撃離脱を持って距離を置く四人。
 _
( ゚∀゚)「げっ」

( ´_ゝ`)「この武器でも無理か」

( ´∀`)「他にもあるもなか?」

( ゚∋゚)「そしたらこれだ!」

豆を投げるクックル。

紫鬼「ぐりゅああああ!」

布が巻かれた両手を振り下ろして豆を薙ぎ払う紫鬼。

(´<_` )「結局豆か!」

武器による攻撃は全く防御態勢を取らなかった紫鬼であったが、
豆による攻撃には当たる前に対応した。

それをみて全員が豆を構える。

(´・ω・`)「やるよみんな!」

「「「「「おーーーー!!!!」」」」」

紫鬼を囲んで豆を投げるメンバー。

流石に全方位からの攻撃によって豆を体に受けてしまい、
HPを徐々に減らしていく。

.

944 ◆dKWWLKB7io:2015/02/02(月) 20:37:21 ID:qCAusiyY0

(,,゚Д゚)「でもなかなか減らないぞゴルァ!」

(´・ω・`)「さっきの子鬼よりは耐久値が高いみたいだね」

残りの時間はまもなく2分。

( ^ω^)「あと一本だお!」

三本あったHPバーを、残り一本まで減らした。
勢いに乗って更に攻撃を加える。
そして最後のバーが赤く変わった。

紫鬼「ぎゃりゅあああああああ!!」

その瞬間、雄叫びと共にジャンプする紫鬼。

(´・ω・`)「散開!各自防御!」

攻撃としての跳躍には見えなかったが、まずは距離を取って防御をする。

その読みは当たり、紫鬼はただジャンプしただけであり、
着地は飛んだのと同じ場所であり、
武器も何も持っていないため地響きを上げただけだった。

いや、土煙が上がり、割れた大地も空に巻き上がった。

(;´・ω・`)「防御!」

土を飛ばすことによる攻撃。
土煙による視界を塞がれること。
それによる死角からの攻撃。

それを危惧して防御をするが、土も煙も自分達には向かってこない。

(´・ω・`)「ん?」

('A`)「なんもこない…だと?」

(,,゚Д゚)「ご、ゴルァ。こ、これはなんだ?」

.

945 ◆dKWWLKB7io:2015/02/02(月) 20:39:02 ID:qCAusiyY0

土煙が紫鬼を包んでいる。
風がギコの後ろから吹き、
そのためギコが一番最初にその姿を目にした。

(*゚ー゚)「え?」

( ´_ゝ`)「ん?」

そして全員の目に映る鬼の姿。
鬼は、土によって身体を包んでいた。

( ゚∋゚)「とう!」

とりあえずクックルが豆を投げるが、土によって防がれてしまう。

('A`)「なら!」

即座に剣を手にしたドクオとブーン。

死角から、風の様に紫鬼に近寄り、
土に包まれた足を狙う。

('A`;)「くっ」

(;^ω^)「おっ?」

攻撃を与えることは出来るものの土を落とすことは出来ず、
尚且つ攻撃事態も先ほどどうようたいしたダメージを与えることは出来ない。

ミ,,゚Д゚彡「ふさもやるから!」

刀を緑色に輝かせたフサギコが紫鬼に近寄り連撃を与える。

.

946 ◆dKWWLKB7io:2015/02/02(月) 20:41:22 ID:qCAusiyY0

(´<_` )「あれでもだめか」

( ´_ゝ`)「あの隙間を狙えば行けるんじゃないか?」
 _
( ゚∀゚)「おっ。土がついてねぇ。
って、胸とか頭とかじゃねえかよ。
流石にあれは届かないし、スキルでジャンプしたら狙い撃ちされるんじゃね」

( ´_ゝ`)「ああ、だから」

( ゚∋゚)!

( ´∀`)「そうもなね。ここはひとつ…」

全員が、戻ってきたドクオ達三人も含めて全員が、
ある一人を見る。

(    )「そう!この場はこの僕!」

枡から一粒の豆を取り出し、空高く掲げる。

.

947 ◆dKWWLKB7io:2015/02/02(月) 20:42:07 ID:qCAusiyY0



(´・ω・`)「このショボンさま



.

948 ◆dKWWLKB7io:2015/02/02(月) 20:43:00 ID:qCAusiyY0



ξ#゚听)ξ「さっさとやりなさい!」



.

949 ◆dKWWLKB7io:2015/02/02(月) 20:46:11 ID:qCAusiyY0
(´・ω・`)「におま……はーい。
最後まで言わせてくれてもいいのに…」

川 ゚ -゚)「またタイムアップしたら恨まれるぞ」

(´・ω・`)「ちゃんとやってるって」

摘まんだ豆を一つずつ、けれど物凄い速さで飛ばすショボン。
豆はまるで吸い込まれるようにひとつ残らず紫鬼を覆う土の割れ目に入っていく。

その都度苦痛のうめきを上げる紫鬼。

(*゚ー゚)「……」

(,,゚Д゚)「……」

( ´∀`)「どうしたもな?」

(*゚ー゚)「あ…いえ…」

(,,゚Д゚)「……ゴルァ」

(´<_` )「まあ、とまどうよな」

(*゚ー゚)「あ…いえ…」

(,,゚Д゚)「……ゴルァ」

( ゚∋゚)「シュールな絵だしな」

(*゚ー゚)「え…あ…はい…」

(,,゚Д゚)「……ゴルァ」

( ´∀`)「すぐ慣れるもなよ」

(´<_` )「日常だからな」

( ゚∋゚)「うむ」

(*゚ー゚)「はあ…」

(,,゚Д゚)「ゴルァ…」

周りで喋っている間に、
13秒を残して紫鬼を倒すことに成功した。

.

950 ◆dKWWLKB7io:2015/02/02(月) 20:47:07 ID:qCAusiyY0




「「「「「かんぱーい!」」」」」





.
952 ◆dKWWLKB7io:2015/02/02(月) 20:48:28 ID:qCAusiyY0

VIPのホームでは、完勝会が行われていた。

(*´・ω・`)「みんなおつかれさま」

▼*・ェ・▼「きゃん!」

ホクホク顔のショボンが、ビーグルを抱きかかえたままグラスを傾ける。

川 ゚ -゚)「そんなに良かったのか?」

(´・ω・`)「うん。サンタの袋ほどじゃないけど、容量また増えたよ」

( ´∀`)「それはよかったもなね」

ξ゚听)ξ「そういえば、ちゃんと聞いてなかったけどなんで今回のクエストやったの?
あんたにしちゃ終りの情報が無い戦闘有りのクエストに参加するなんて、
良く決めたわよね。いくらあのバカがやりたいってわがまま言ったからって」

(´・ω・`)「なんかね、凄くやりたがってたんだよ。
で、調べたらタイムアップありだし閉じ込められ系でも無いから、
いざとなったら逃げられるだろうと思ってさ。
それに、ギコやしぃにチーム戦を教えるにはちょうど良いかなとも思って」

( ^ω^)「ジョルジュは何でやりたがったんだお?」

(´・ω・`)「よく分からないんだけどね。
まあやりたいって言った責任ってことで、
獲得アイテムを着させているから、そろそろ来るんじゃないかな」

川 ゚ -゚)「獲得アイテム?」

(´・ω・`)「うん。ドクオとふさに付き添いと言う名の見張りを頼んでるから、
逃げ出したりはしないと思うけど」

ξ゚听)ξ「見張り?」

クーとツンが不思議そうな顔をする中、
ドアが開いた。

.

953 ◆dKWWLKB7io:2015/02/02(月) 20:49:50 ID:qCAusiyY0

('A`)「鬼がでたぞー」

入ってきたドクオが棒読みで言うと、
後ろから入ってきたフサギコが続ける。

ミ,,゚Д゚彡「お、おにがきたぞー」

ドクオが呆れ顔なのに対し、フサギコは笑顔だ。

そして部屋の中にいたメンバーが不思議そうに見つめる中、
ドアから鬼が現れた。
∧_ ∧
( ゚∀゚)「わ、わるいこはいねがー」

頭には角が付いたヘアバンド。
手には棘が付いた金棒。
そして体は虎縞パンツ一枚。

そんな姿のジョルジュが、現れた。

そして訪れたのは静寂。
誰も何も言わず、呆然とジョルジュを見つめる。






ξ゚听)ξ「さむっ」

ツンの一言で、やっと笑いが起きた。

川 ゚ -゚)「女性の前でなんという格好をしているんだ。
本当にセクハラだぞ」
∧_ ∧
( ゚∀゚)「お、鬼装備って言うレアアイテムだったんだよ!」

川 ゚ -゚)「というか、今ジョルジュが言ったのはなまはげで、鬼じゃないんじゃないか?」
∧_ ∧
( ゚∀゚)「え?そうなの?」

.

954 ◆dKWWLKB7io:2015/02/02(月) 20:50:45 ID:qCAusiyY0

( ´∀`)「なまはげも鬼の一種もなけど、節分で豆を投げられる鬼とはちょっと違うもなね。
言われているのは節分の鬼は地獄からの使いや住人で、
なまはげは髪からの使いとか言われたりするもな」

モナーの知識に本日二度目の感嘆の声が上がる。
∧_ ∧
( ゚∀゚)「えっと…」

( ゚∋゚)「とりあえず、豆まきはしておくか?」

(´・ω・`)「そうだねー」
∧_ ∧
( ゚∀゚)「え?」

クックルが枡を持つ。
そしてそれぞれにテーブルに置かれていた枡を手にする。

(*゚ー゚)「…そのために置いてあったんですね」

( ´∀`)「ほら、しぃとギコも持つもなよ」

(,,゚Д゚)「やるぞゴルァ」

(*゚ー゚)「はい!」
∧_ ∧
( ゚∀゚)「え?こういうのってもうギコの役目になるんじゃ」

( ´_ゝ`)「あきらめろ」

にやりと笑った兄者がすぐ横で構えた。

.

955 ◆dKWWLKB7io:2015/02/02(月) 20:51:36 ID:qCAusiyY0



「「「「「「おにはーそと!
     ふくはーうち!」」」」」



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956 ◆dKWWLKB7io:2015/02/02(月) 20:53:01 ID:qCAusiyY0



期間限定クエスト【鬼から街を守れ】無事終了。







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