- 613 名前:
◆dKWWLKB7io:2013/06/09(日) 14:54:55
ID:DtHDfjCw0
第A話 閑話 ビーグルの性別は?
ある晴れた日の午後。
V.I.P.牧場では、ギルドメンバーによるバーベキューが行われていた。
(*´・ω・`*)「ビーグルちゃん!」
▼*・ェ・*▼「きゃん!」
転げまわるショボンとビーグル。
肉と野菜を頬張るメンバーたちの前であられもない逢瀬を見せていた。
.
- 614 名前:
◆dKWWLKB7io:2013/06/09(日) 14:55:42
ID:DtHDfjCw0
ξ゚听)ξ「あれ以来隠すのをやめたわよね」
川 ゚ ?゚)「なんかもう、どうでも良くなるな。色々と」
( ^ω^)「楽しそうで何よりだお」
('A`)「一部ではあいつを神格化してるやつもいるんだよな…」
_
( ゚∀゚)「ほかには見せられない姿だよな」
( ´_ゝ`)「………」
(´<_` )「幼女とあんなことをしたいな…とか思ってたら殺す」
( ´∀`)「兄者はあとでビーグルとにらめっこするもな」
ミ,,゚Д゚彡「直で見るのは初めてだから。……きついから」
( ゚∋゚)「趣味は人それぞれだが……普段が普段なだけにほんとにきついな」
( ・∀・)「聞いても記録結晶で見ても信じられないよな。普通」
(*゚―゚)「何度見ても慣れません」
(,,゚Д゚)「…………ゴルァ」
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- 615 名前:
◆dKWWLKB7io:2013/06/09(日) 14:57:46
ID:DtHDfjCw0
ギルメンの冷たい視線をもろともせずに転げまわるショボン。
自分たちのギルドマスターのそんな姿を見せられた彼ら彼女らの心中は計り知れないが、次第に慣れたのか相手にせず食事と会話に盛り上がり始めた。
ξ゚听)ξ「……」
そんななか、ツンはチラチラとショボンとビーグルを見ていた。
( ^ω^)「ツンはまだ気になるようだおね」
(´<_` )「気にはなるよな」
ξ゚听)ξ「いや、ショボンはもうどうでもいいんだけど……いや、よくはないんだけど」
('A`)「どっちだよ」
(*゚―゚)「ビーグルの方ってことですか?」
ξ゚听)ξ「……うん」
川 ゚ ?゚)「珍しく歯切れが悪いな」
( ´_ゝ`)「言い辛いことなのか?」
ξ゚听)ξ「…ってわけでもないんだけど」
( ゚∋゚)「どうした?」
焼き場の前にいるフサギコとモナーをちらりと見てから、意を決したように口を開くツン。
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- 616 名前:
◆dKWWLKB7io:2013/06/09(日) 15:00:00
ID:DtHDfjCw0
ξ゚听)ξ「ビーグルって、雄なの?雌なの?」
_
( ゚∀゚)「…え?雄だろ?」
(,,゚Д゚)「おれも雄だと思ってたぞゴラァ」
ξ゚听)ξ「だれか確かめたことある?」
それぞれに互いの顔を見回すが、誰もが顔を横に振った。
( ´_ゝ`)「まあ、調べたりはしてないよな」
(´<_` )「でも、それがどうかしたのか?」
ξ゚听)ξ「特に意味はない。ちょっと気になっただけ」
(*゚ー゚)「一度思いつくと、気にはなりますよね」
ξ゚听)ξ「そう!そうなのよ!特に意味もないし取るに足らないことなんだけど、一回気になるともうダメ!」
(;^ω^)「ツン…」
持っていた串を放り出し、しゃがみこんで頭を抱え、いやいやをするように頭を振るツン。
それを見たほぼ全員が絶句するが、心の中にある「あーあるあるそういうの。そうなるともうそれしか考えられなかったりするよな」という思いを抱き、何も言えかかった。
ただ全員が「でもここまで酷くない」とも思っていた。
('A`;)「そんなに気になるなら調べりゃいいだろ」
空気を読んでみんなの気持ちを代弁したドクオ。
ξ゚听)ξ「………」
その言葉にぴたっと動きを止め、ツンが顔を上げて目の前のドクオを見る。
ξ゚听)ξ「…………どうするのよ」
('A`)「?」
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- 617 名前:
◆dKWWLKB7io:2013/06/09(日) 15:01:26
ID:DtHDfjCw0
ξ///)ξ「男だったらどうするのよ」
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- 618 名前:
◆dKWWLKB7io:2013/06/09(日) 15:03:32
ID:DtHDfjCw0
そして今度はほぼではなく完全に全員が「うわぁ……」と思って何も言えなくなった。
ミ,,゚Д゚彡「どうしたんだから?」
その固まった空気を破ってくれたのは、その場にいなかったフサギコだった。
ミ,,゚Д゚彡「みんなもっといっぱい食べると良いから」
お皿に程よく焼けた肉や野菜をたんまり乗せて歩いてきたフサギコが、仕上げで焼くバーベキュー用網の上に皿の上の食材を乗せていく。
_
(;゚∀゚)「お、おう、食べよう食べよう」
(;,,゚Д゚)「それが良いぞゴルァ」
(;*゚ー゚)「あ。このお野菜最近市場に出始めたお野菜なんですよ」
(;・∀・)「へー。一年経ってるのにまだこれから出てくるのとかあるんだな」
(;゚∋゚)「育てられるのか、気になるな」
(;・∀・)「新しい素材とか心躍るよな」
(;゚∋゚)「育てるのも心躍るぞ」
(;´_ゝ`)「新しい素材は良いな。鉱石ももっと新しいのが見つかればいいのに」
(´<_`;)「添加材もいいな。レベルの低い鉱石に新しい力を与えられるかもしれん」
しぃの出した話題にこれ幸いと乗って会話を始める生産職組。
そして戦闘職組は黙々と口に食べ物を運ぶ。
しかし視線はどうしてもちらちらとツンを見てしまう。
ミ,,゚Д゚彡「?」
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- 619 名前:
◆dKWWLKB7io:2013/06/09(日) 15:05:18
ID:DtHDfjCw0
川;゚ -゚)「ツン、それはさすがに」
(;^ω^)「じゃあ、ぼくが確認」
ξ#゚听)ξ「女だったらどうするのよ」
('A`)「うわぁ」
(;^ω^)「ツン、それはさすがに」
川 ゚ -゚)「というか、聞けばいいんじゃないのか?」
ξ゚听)ξ「誰によ」
川;゚ -゚)「誰にってそりゃ…」
( ´∀`)「お肉は足りてるもなか〜」
更に肉の串を皿に盛ったモナーがやってきた。
( ^ω^)「ああ」
('A`)「そうだな」
川;゚ ?゚)「今までその結論にたどり着いてないことに衝撃なんだが」
(;^ω^)「いやなんか」
('A`)「ツンの勢いに押されて」
ξ゚听)ξ「……だめなのよ」
川 ゚ -゚)「ん?」
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- 620 名前:
◆dKWWLKB7io:2013/06/09(日) 15:07:14
ID:DtHDfjCw0
ξ;゚听)ξ「だめなのよー!!!!!!!!!」
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- 621 名前:
◆dKWWLKB7io:2013/06/09(日) 15:08:57
ID:DtHDfjCw0
川;゚ -゚)「!?」
(;^ω^)「!?」
('A`;)「!?」
_
(;゚∀゚)「!?」
(;´_ゝ`)「!?」
(´<_`;)「!?」
(;´∀`)「!?」
ミ;,,゚Д゚彡「!?」
(;゚∋゚)「!?」
(;・∀・)「!?」
(;*゚―゚)「!?」
(;,,゚Д゚)「!?」
叫んで再び頭を抱え込むツン。
全員の動きが止まり、食事と会話に逃げていたメンバーも恐る恐るツンを見た。
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- 622 名前:
◆dKWWLKB7io:2013/06/09(日) 15:10:12
ID:DtHDfjCw0
(;´∀`)「ツ、ツンはどうしたもな?」
川;゚ -゚)「いや、今ビーグルの性別について話をしていたんだが」
( ´∀`)「ツンはまだそんな話をしているもなか」
('A`)「ん?ツンに聞かれたのか?」
( ´∀`)「聞かれたもな」
( ^ω^)「なんて答えたんだお?」
( ´∀`「モナは気にしたことないし、雄でも雌でもビーグルはビーグルだから関係ないもな」
川 ゚ -゚)「ああ」
('A`)「ああ」
( ^ω^)「ああ」
( ´∀`)「?」
ξ; ;)ξ「それじゃだめなのよーーーーー!!!!」
川;゚ -゚)「さすがにもう」
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- 623 名前:
◆dKWWLKB7io:2013/06/09(日) 15:12:14
ID:DtHDfjCw0
いい加減疲れはじめたメンバー。
もうどうでもいいよと思い始めたその時に、彼らのギルマスがやってきた。
(#´・ω・`)「さっきから騒いでいると思ったら!!!!!!!!」
(*゚ー゚)「……さらなる混沌の予感」
ぼそっとつぶやいたしぃを思わず見る串焼きに逃亡犯の面々。
その言葉はツンの周りにいた数人には聞こえていないはずだが、その心には同じような内容が芽生えていたことだろう。
(#´・ω・`)「ツン!ビーグルちゃんはビーグルちゃんだ!」
▼*・ェ・▼「きゃんきゃん!」
やってきたショボン。
胸に抱えられたビーグルが無邪気に鳴く。
(#´・ω・`)「おまえはギコが女だったとしたら態度が変わるのか!!!!」
(,,゚Д゚)「え。おれ?」
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- 624 名前:
◆dKWWLKB7io:2013/06/09(日) 15:14:38
ID:DtHDfjCw0
ξ゚听)ξ「そういう問題じゃないでしょ!」
(#´・ω・`)「そういうことを聞いているんじゃない!もしもの話だ!」
ξ゚听)ξ「普通あれで女だったら恥ずかしくて外に出ないわよ!」
(,,゚Д゚)「 」
(#´・ω・`)「だからそういうことを聞いているんじゃない!差別するのか!?」
ξ゚听)ξ「あれで女だったら可哀想すぎて逆にやさしくするわよ!」
(,,゚Д゚)「 」
( ・∀・)「最近の流れ弾はギコが引き受けてくれるから楽でいいな」
(*゚―゚)「流れ弾は前からですか?」
( ゚∋゚)「前は拡散していたな」
(*゚ー゚)「ギコ君が役に立ってよかったです」
(´<_` )「しぃちゃんは付き合い長くなるとイメージ変わるね」
(*゚ー゚)「そうですか?」
( ´_ゝ`)「自覚無しがまたすごい」
(*゚ー゚)「?」
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- 625 名前:
◆dKWWLKB7io:2013/06/09(日) 15:16:39
ID:DtHDfjCw0
ξ#゚听)ξ「それで結局あんたは何が言いたいのよ!!」
(#´・ω・`)「ビーグルちゃんはビーグルちゃんだ!!俺たちの天使だ!!!性別なんて関係ない!!!!」
ξ゚听)ξ「 」
(#´・ω・`)「天使に性別なんていらない!ビーグルちゃんはビーグルちゃんだ!!気にする必要がない!!!!」
ξ゚听)ξ「ああ……うん………」
(*´・ω・`)「ねービーグルちゃん」
▼*・ェ・▼「きゃんっ!」
そしてまたビーグルを胸に抱き、芝生を歩いていくショボン。
ξ゚听)ξ「 」
川 ゚ -゚)「どうした?」
ξ゚听)ξ「なんか、どうでもよくなった」
('A`)「それが良い」
ξ゚听)ξ「うん」
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- 626 名前:
◆dKWWLKB7io:2013/06/09(日) 15:17:52
ID:DtHDfjCw0
川 ゚ -゚)「ちなみにさっきまでのツンは、今見たショボンのテンションと大差なかったからな」
ξ゚听)ξ「!?」
横に立つクーを、大きく目を開いて見るツン。
ξ゚听)ξ「き、気を付ける」
川 ゚ -゚)「それが良いと思う」
数瞬の間の後、何事もなかったようにバーベキューは再開され、メンバーはその時間を楽しく過ごし、一日を終えた。
そして何故か次の日からV.I.P.牧場にメンバーが次々に現れ、ビーグルを抱き上げたのは、ショボンには内緒の話。
終
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