七夕の神社はやっぱり平穏ではないようです
七夕の夕方。俺達はシューの実家でもある神社、『織座神社』へと繋がる石段の前にいた。
今朝にここで七夕祭りをやると聞き、特に予定のない俺達はホイホイとここまで来たって訳だ。
メンバーは俺であるドクオにブーン、ショボン。そしてツンにクーという、まあ定番のメンバーだが……
(; ^ω^)「なんか入る前から不穏な空気がするお……」
普通祭りの会場から出てくる人達は明るい顔であるはずだ。
しかしこの神社から出る人たちの表情は、なんというか――
ξ;゚听)ξ「……微妙な表情の人が多いわね。『がっかり』って感じの……」
おかしいな、以前来たときはこんな空気では無かったはずだが……
まあともかく、ここにずっと立っていても仕方ない。とりあえず中に入るか。
50段ほどの石段を上って鳥居を潜ると、屋台の並んだ参道と社殿が見えてきた。
カラフルな提灯が参道を照らし、屋台の間には飾り付けがされた笹が飾られている。
人々が騒ぐ声や発電機の回転音。食べ物の香りが混じった温かい空気など、雰囲気はバッチリだが……
(´・ω・`)「……やっぱり微妙な空気が流れてるね」
川 ゚ -゚)「特におかしい所は無いように見えるが……」
俺達四人はこの空気の出所について頭を悩ませ……あれ、四人?
('A`)「おい、ブーンがいないぞ」
川 ゚ -゚)「ああ、あっちの屋台に向けて走って行ってたぞ」
ξ;゚听)ξ「あのバカ、いつも勝手な行動を……ってか、クーも見てたなら止めなさい!」
俺達はクーの指差すかき氷の屋台に向かったのだが……そこには微妙な表情を浮かべたブーンがいた。
( ´ω`)「ああ、ドクオ達かお……」
('A`;)「どうしたんだ、ブーン? なんかいつもより笑顔が暗いが……」
( ´ω`)「いや、とりあえずこれを見てくれお……」
ブーンの差し出した容器には、ブルーハワイのシロップと、緑色の何かが山盛りに盛ってある。
星型の特徴的な形、健康的な薄緑色、中に入った白い種…………どう見ても輪切りにされたオクラだ。
(´・ω・`)「……なんでオクラが乗ってるの? 君が追加で頼んだのかい?」
( ´ω`)「いや、なぜか勝手に乗ってたんだお。甘いシロップと青臭いトロトロ感がミスマッチだお……」
当たり前だろ……ってか食うなよ。しかし何でオクラが――
lw´‐ _‐ノv「おおっと、そこからは私が説明しよう」
俺達の後ろへと唐突に現れてきたシュー……相変わらず神出鬼没だ。
ちなみに今の彼女は、十二単的なゴテゴテとした和服を身に着けている。暑くないのか?
川 ゚ -゚)「行数の関係上、二行以内で手短に頼む」
lw´‐ _‐ノv「 ・今日は七夕祭りなので、各出店の出し物は七夕に関連する物にしてもらった。
・一行余った」
100行しかないんだから無駄遣いするなよ……しかし納得だな。
星をイメージしたオクラを乗せることで、七夕感を強調させたって事か…………いや、やっぱ納得できねーよ。
lw´‐ _‐ノv「まあ思う存分楽しんでくれたまえ。ではではー」
そう言い残し社殿のほうへと立ち去るシュー。残されたのは俺達の間に漂う微妙な空気。
ξ;゚听)ξ「……このかき氷屋が例外だと思いたいわね」
○ ○ ○
オム*゚ー゚)「あっ、たこ焼きどうですかー?」
川 ゚ -゚)「……この店のたこ焼きには何が入ってるんだ?」
オム*゚ー゚)「当店はですねー、七夕をイメージした星型の野菜の――」
ここもオクラ入りか……まあかき氷よりはマシかもな。
オム*^ー^)「スターフルーツを入れてます」
('A`;)「それ思いっきり果物だよね!? フルーツって言ってるし!」
(;´・ω・)「この店の水槽、ドロドロした何かが浮いてるんだけど……」
ξ;゚听)ξ「『短冊すくい』…………次の店にいきましょ」
(; ^ω^)「このリンゴ飴、中に短冊が入ってるお……」
('A`;)「買う前に気付け。ってか食べるな」
○ ○ ○
('A`;)「とかやってる間にもう行数が無いんだが……オチはどうする?」
川 ゚ -゚)「なあに、まだ奥の手がある。それは……来年に続ける事だ」
('A`;)「来年もこの企画やるかどうか分からないのに!?」
【という訳で来年に続く…………のかな?】