願いは雨に流れないようです

「雨は嫌いじゃない」

この一言が彼女を怒らせたのはわかってる。怒る理由も納得出来る。
でも、僕は雨は嫌いじゃない。
雨が全く降らなかったら、色んな人が困るのだ。水は生命の源なのだから。

( ^ω^)「今日も雨かお……」

たった一日、今日この日だけは降らないで欲しいという彼女のささやかな願いは叶えられそうにもない。
僕にはそんな彼女の願いを叶えてあげられる力もない。
僕は窓辺に近付き、再度空を覗き込む。

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  ( 芸)オム*゚ー゚)ξ ナ匚゙)ξ
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( ^ω^)「おまじないも効果なかったおね……」

巷で流行っているという変わった形の照る照る坊主を、見よう見まねで作っては見たけど、
残念ながら大自然の理には逆らえなかったようだ。
不器用な僕の手作りでは、再現性が低かったのかもしれない。

( ^ω^)「まあ、いいお。神頼みは性に合わんお」

雨は嫌いじゃない。
でも、彼女は雨を嫌っている。
今日この日だけは、降らないで欲しいと願っていた。

僕は雨が振るのを止める事は出来ない。
僕は彼女の、雨が降らないで欲しいという願いを叶える事は出来なかった。

( ^ω^)「でも……」

僕は彼女の、本当の願いを知っている。

( ^ω^)「よし……」

僕はタンスを開け、この日の為に用意しておいたものを取り出し、それに着替えた。
そしてそのまま、外へ飛び出す。
降りしきる雨も、海パン一帳の僕の前には心地良いシャワーだ。

( ^ω^)「おうおう、今年の梅雨は景気良かったおね」

惜しみなく空を湿らせた長雨は、川の水位を引き上げるには十分だった。

( ^ω^)「さて、行くかお」

僕は雨が振るのを止める事は出来ない。
僕は彼女の、雨が降らないで欲しいという願いを叶える事は出来なかった。

でも、僕は彼女の、本当の願いを知っている。
だったら──

( ^ω^)「だったら、別の方法で叶えてあげればいいんだお」

僕は勢いよく、ミルキーウェイにダイブした。

・・・・
・・・

「雨は嫌い」

今日この日、雨が降れば私はあいつに会う事が出来ない。
だのにあいつは、雨は嫌いじゃないとか言いやがりました。

ξ゚听)ξ「あのバカは……」

私に会う事なんてどうでもいいのかな。
一年にたった一度しか会えない女なんて、いてもいなくてもいっしょなのかもね。

ξ--)ξ「……今年は会えないわね」

(;;^ω^)ノ「おいすー」

ξ゚听)ξ

(;;^ω^)「お? どうしたお? 会いに来たお?」

ξ゚听)ξ「何でここに……どうやって……てか、何よ、その格好?」

(;;^ω^)「泳いできますた」

ξ゚听)ξ「……は? 泳いでって……なんて無茶してんのよ?」

(;;^ω^)「僕はツンの願いを叶える事、雨を降らなくする事は出来ないお。でも……」

ξ゚听)ξ

( ^ω^)「僕はツンの本当の願いを叶える事、ツンに会いに行くことは出来るんだお!」

ξ゚听)ξ「本当にバカね。そんな格好じゃ何を言っても格好つかないわよ。……でも」

ξ゚ー゚)ξ「ありがとう」

( ^ω^)「おっおっお」

やれやれ……、今日からは私もこいつと同じように、雨を嫌わずに済みそうだ。

   − おしまい −

 

 

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