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( ^ω^)ブーンは死んでいるようです
1 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/16(金) 15:29:38.86 ID:iqOEwD2k0


2 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/16(金) 15:29:48.50 ID:0b5tsPmd0


3 名前: ◆B.D.T.Zvzc :2007/02/16(金) 15:32:06.07 ID:iqOEwD2k0
(´・ω・`)「さ、行くよ」

('A`)「……あ、すいません」

街に残ったのは何だったか。

ドクオはしばらく丘から街を見下ろしていた。
ありもしない蛮勇をどうしようとした? 今となっては解らない。
今朝までいた場所だ、今はこんな天気だけれど、確かに、そこにいた。
でもどうだろう、何を怨めばいい?何を呪えばいい!
自分自身、他でもないんじゃないか。

#04 ディアデッドマン

4 名前: ◆B.D.T.Zvzc :2007/02/16(金) 15:34:23.64 ID:iqOEwD2k0
('A`)「俺が悪いんだ……俺が……」

今更になって恐怖心という物が湧いてきて、身体が動こうとしない。
まだそこに風は残っていて、独り言は尽きないようだ。
このままでは埓があかないと、ジョルジュはドクオの首元を引っ張り持ち上げる。
それに必死で抵抗するも、ドクオの身体は呆気なく地面から離れる。

('A`)「待ってくれ、俺は行くのをやめる」

( ゚∀゚)「ビビってんだろ?」

彼はじたばたするドクオに、まさに憎たらしい声を出す。

不安が濃くなる。彼の言う通りだ。
俺はここで何をしているのか。ブーン探しに行くとは言えども、彼は間違いなく死んではいると言うし、あってどうしようと言うのか。
大好きだった彼に責められたくはない。
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ


5 名前: ◆B.D.T.Zvzc :2007/02/16(金) 15:41:00.99 ID:iqOEwD2k0
(´・ω・`)「……雨が降る」

しかし一方で、心の中に今までとは違う意思が芽生え始めていた。
なりだした雨音も彼の声も、全く聞こえない。

( ゚∀゚)「わーお、マジで降り出した」

(´・ω・`)「私をなめてもらっては困るよ……」

ゆっくり時間は流れる。

どうしよう、どうしよう

こうしてる間にも、ブーンは歩きつづけているに違いない。そして、天気に気をつかいながら、苦しんでいるかもしれない。

ドクオの考えも調度纏まった時、吹き付けていた雨や風も残らず何処かへいってしまった。
それは、臆病な彼らしくもない、珍しい考え方。

('A`)「お二人さん」

実は、最初から心の片隅にあったのかもしれない。
自身を叩き、叩かれる事に怯え、怯えたまま呪いの言葉を吐き出すのではなく、
自分に非があれば、そいつを無くしてしまえばいいだけという都合のいい考え。
それは、悪を憎む正義のヒーローのようにありがちな、誰でも持っているかもしれない考えでもある。

6 名前: ◆B.D.T.Zvzc :2007/02/16(金) 15:41:35.82 ID:iqOEwD2k0
( ゚∀゚)「なんだ?」

ドクオには二人が、悪と戦うヒーローに見えた。まだ信用しきってはいないが、わざわざブーンを探すのに付き合ってくれている。
実際は、どうせ研究のためだろうが、それでも嬉しい。それでいいじゃないか、いいじゃないか。
ゆくゆくは、自分も、誰かからこう見えるようになりたい。

('A`)「改めてですが、研究所で働かせてください」

その考えを二人に話した。

7 名前: ◆B.D.T.Zvzc :2007/02/16(金) 15:42:40.94 ID:iqOEwD2k0
ゾンビを、この世から消してやる、ドクオはそう自分に誓った。
今まで、たくさんの犠牲を出してきたのだろう、たくさんの時間を費やしたのだろう。
それで解決しないのだ、容易じゃない。
でも、衝動的な死者への手向けだと考えれば自然な意見で、怒りや悲しみは、希望なんかよりも力になると聞いたこともある。
きっと、できるさ。

( ゚∀゚)「被害者遺族のような考えだな、そりゃ結構」

ジョルジュはそう言ってもってきた酒を飲む。……こうして見るとヒーローというより、ただのおっさんにしか見えないが。

(´・ω・`)「たやすくはないぞ? 私かて、過去のデータに載ってればすぐにワクチンでも作ってる」

('A`)「そのデータは完璧じゃないんですよね? じゃあ、完璧にすればいいじゃないですか」

( ゚∀゚)「あらあら、ごもっともですなwwwwww」

心なしか、死んでいたドクオの目に、魂が宿った気がした。


8 名前: ◆B.D.T.Zvzc :2007/02/16(金) 15:44:16.10 ID:iqOEwD2k0
それを見たジョルジュは、ドクオに酒を渡す。景気をつけろとばかりに、陽気に、飲め飲めと勧める。

( ゚∀゚)「ブーン、とかいったな、君の友達」

('A`)「あ、はい」

( ゚∀゚)「ショボン、彼が全生命に使える抗体を持っている可能性はあるかい?」

ショボンはそれに頷く。

(´・ω・`)「まだ意思があるなら、可能性は少なからず存在する」

ジョルジュはさらに飲め、と顎で指図。それから話を続ける。
死んではいるものの、ブーンとして生きている可能性はまだある、それだけでも十分だ。

( ゚∀゚)「…あー、晴れだから、ゾンビならのたうちまわってるな」

(´・ω・`)「のたうちまわってなかったら、何故か生きている事になってしまうがな…」

けどのたうちまってるとか、どういう意味なんだ。
というか、生きているとか死んでいるとか、ドクオは酒をちびちび飲みながら聞いているが、そこはまだよく慣れない。


※未成年の飲酒は法律により禁止されています。

9 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/16(金) 15:46:56.00 ID:MSlQznc60
なんだこの顔(´・ω・`)

10 名前: ◆B.D.T.Zvzc :2007/02/16(金) 15:48:32.83 ID:iqOEwD2k0
いつもだが、言ってしまってから後悔する。けれど、今回は後悔してない。
もう一度ブーンに逢って、とりあえず謝って、それで嫌われていようが嫌われていなかろうが、こうなってしまったのにかかわったゾンビを抹殺する、それだけだ。
都合のいい考えだけが取り得ですとも、それで偽善と言われても仕方がない。
だから、これからその偽善を善に出来たらと思う。

……上手く凌げてるかな……死人を心配するなんて始めてだ……

ドクオはそう思いながら、ブーンが歩いていったであろう森へと歩き出した。その姿を見て安心したか、残り2人も黙って同じ道を歩いてゆく。
だんだんと雨足は弱くなり、視界もよくなってきている。急ごう。

さようなら。
小さな声で告げた別れは、急ぎ足でドクオに追いついた二人にも聞こえなかった。


11 名前: ◆B.D.T.Zvzc :2007/02/16(金) 15:50:22.78 ID:iqOEwD2k0
______________________

(*゚ー゚)「晴れてきましたね」

(,,゚Д゚)「いや、いい天気だ」

何処の農村だろうか、山奥ではないものの、周りに近代的な建物が見えず、未だ時代に取り残された藁葺きの屋根。若い男女が二人、都会の喧騒から離れ仄々と暮らしていた。生計は、畑仕事なんかでしか立てられないけれど、それでも二人は幸せそうだった。

(,,゚Д゚)「しぃ……」

(*゚ー゚)「駄目よ、まだ昼間なんだし」

彼女を見つめる青年の股間はフルボッキ。若さって、素晴らしい。

ここ、実は、人気がないことをいいことに盛り放題な場所なのだ。
その手は獲物を求める獣のように妖しく蠢く。

(,,゚Д゚)「いいじゃないかー……」

肩に這い回る指。

(*゚ー゚)「あん、やめてよぅ……」

(;^ω^)「フォォォォォォ」

叫び狂うピザ。


12 名前: ◆B.D.T.Zvzc :2007/02/16(金) 15:51:43.03 ID:iqOEwD2k0
Σ(;゚Д゚)(;*゚ー゚)ビクッ

僕は空気なんか読めない。
若い二人の間に芽ぶいた愛情、もとい欲情をもかちわり、骸骨を抱えた僕がタッチダウン!
試合終了!

(;゚Д゚)「だ、誰だ!?」

(;^ω^)「フヒヒ、すいません!」

(;゚Д゚)「だから誰だって言ってんだよ!」

( ^ω^ )

(,,゚Д゚)(*゚ー゚)「こっちみんな」

とりあえずこうなった事情を説明する。といっても、喉が死ぬほど渇いている、とだけだが。
了承?しらんがな。


13 名前: ◆B.D.T.Zvzc :2007/02/16(金) 15:52:28.33 ID:iqOEwD2k0
( ^ω^)「あ、喉かわいた」

僕は全力疾走、そして見付けた蛇口を全開! 身体を駆ける潤いが僕という名の命を育むのです。
ここに来るまで相当長い道中でしたが、ペットボトル一本ではやはり足りなかった。

( ^ω^)「ありがとうございますお!」

(;゚Д゚)「あ、あぁ…」

あまりに身勝手すぎて呆気にとられている青年が落ち着きを取り戻すまで、そう時間はかからない。

( ^ω^)「ではしばらく休ませてもらいますお」

(;゚Д゚)(;゚ー゚)「ちょっと待て!」

しかし、僕は彼らの言葉に耳も貸さない。
キョロキョロ辺りを見渡し、めぼしい物を探す。僕は、大きな水筒を見付けると、それを二人に差し出し、

( ^ω^)「あー! これ譲ってくださいお!」

(#゚Д゚)「調子に乗ってんじゃねぇぇぇぇ!」


14 名前: ◆B.D.T.Zvzc :2007/02/16(金) 15:52:49.95 ID:iqOEwD2k0
蹴り上げられた僕の身体は水平環アークのような軌道を空に描いて……

(;゚Д゚)「汚ぇぇぇぇ!」

先程から異様に渇く喉を潤すために摂取した水分は、今まで内部にたまっていました。
……こんなのは気稟でもなんでもない、我慢は身体によくない事もわかってるし、普段なら我慢はしていない。
しかし、生憎僕にも恥じらいは持ち合わせている。見えないとは言うものの、ツンに見られているという感覚は、軽く僕を奮い立たせる。けれど、やはり人間、わかってはいるものの捨てられないのだ。
そして今、限界を迎えた腹に捩込まれた青年の脚、そう、さっきのオッキオッキに使われていたパワーも怒りにより変換、ここに全てを乗せた重いキックが完成した。
僕の腹は、その怒りのメガトンキックに耐え切れなかった。
はなから、耐震されていない建物に来る大地震のように、意識は崩れていく。
それとともに、恥じらいのダムも決壊を迎えるのである。
ライカ・ジャンキー、涎とともに、透き通ったイエローが舞う。





そう、失禁である。







15 名前: ◆B.D.T.Zvzc :2007/02/16(金) 15:54:13.09 ID:iqOEwD2k0
―――――数分後

(,,゚Д゚)「……太陽が顔出したから休ませてくれ、とな?」

(;^ω^)「はい、その通りですお」

僕は改めて玄関口に正座をする。
……小水は自分で吹きましたし、ちゃんと出きった腹に追加ダメージも入りました。
痛いけど頗る元気です。

(,,゚Д゚)「…何を言ってんだ?」

( ^ω^)「あー、僕はXPという病気なんですお
                          嘘だけど」

(#゚Д゚)「帰れ」

イッツ・ア・ジョーク。
なんかじゃ、やはり通じそうにないようだ。でもそんなようなもんなんだけれどな。

今度ちゃんと、詳しく事情を説明する事にした。
僕に今日起こった事、それからここに来るまでに起こった事、感じた事。
それを全て真実とした上で、青年は頭をかきながら表情も変えず、けだるそうに言った。


16 名前: ◆B.D.T.Zvzc :2007/02/16(金) 15:54:55.63 ID:iqOEwD2k0
(,,゚Д゚)「だったらなんで生きているんだよ」

確かにその通りなんだね、うん。
ゾンビに殺されているのに、何故生きてるのか、それは解らないのもついでに告げた。
したら、まるで取り扱えないような態度で生返事をされた。
そりゃ自分で意味がわからない事説明しても意味はわからないだろうな。

(,,゚Д゚)「さ、帰ってくれ」

(;^ω^)「じゃあせめて水筒だけでも!」

(*゚ー゚)「ちょっと待ってくださいません?」

(,,゚Д゚)「お、おい」

(*゚ー゚)「何も解らないのに、そのような態度はいけ好かないですよ」


17 名前: ◆B.D.T.Zvzc :2007/02/16(金) 15:57:24.05 ID:iqOEwD2k0
女の人は、そういって優しく彼を宥める。

(*゚ー゚)「私はしぃ、彼はギコ…」

( ^ω^)「あ、ブーンですお」

ξ゚听)ξ ツンです

(;^ω^)。oO(いや、アンタ今骨ですから

(*゚ー゚)「…貴方には未知の抗体があるのかもしれませんね」

( ^ω^)「それはなんだお?」

ξ゚听)ξ 私に聞かないでよね…

(*゚ー゚)「私、前まで医者をやってましてね」

しぃはそう言いかけると、思い出したように桐箪笥の一番下に入っていたファイルを取り出した。
所々シミなんかもついて色も変わりパリパリになったその中には、難しい医学用語やらでちんぷんかんぷんだった・・・

あ、クーパーくらいなら知ってますよ。

ですが、中に見覚えのある物もありました。



18 名前: ◆B.D.T.Zvzc :2007/02/16(金) 16:00:00.52 ID:iqOEwD2k0
ξ゚听)ξ これ、ゾンビじゃない?

( ^ω^)「確かに…僕を襲った奴にそっくりだお!」

(*゚ー゚)「そう、ZV-01型のゾンビよ」

そろそろ脳内に閑古鳥が巣くう頃だろうな……えらい事に巻き込まれちまったと、あらためて感じる。

(,,゚Д゚)「俺はよくわかんないが…コイツからウィルスが感染するのか?」

(*゚ー゚)「抗体もあるのよ……今は平和でも、もしかしたらココにもゾンビ、来るかもしれないから」

( ^ω^)。oO(もうココに来てるお…

ξ゚听)ξ ・・・確かに。

彼女の視線、箪笥の上の小瓶にはそれらしき赤黒い液体が入っていた。それをまた手にとる。
ガチガチに固められた埃を冠った蓋で、厳重にしまってある。相当大事にしていたのだろう。
抗体の残りだといが。……僕には不要が。


19 名前: ◆B.D.T.Zvzc :2007/02/16(金) 16:01:41.19 ID:iqOEwD2k0
(*゚ー゚)「これがあればゾンビにはならないで済むのよ」

( ^ω^)「でも待ってくれお…僕は死んでるお?」

(,,゚Д゚)「ハハハ、また冗談か?」

僕は渇いた笑いを浮かべるギコの手を心臓が動いていた場所まで持っていく。ピクリともしないのに気付いた彼の血色のいい顔が蒼白に変化する。
逆に、彼がピクリともしなくなった。
しぃは話を続ける。

(*゚ー゚)「『抗う』というよりは、『操る』が正解かしら?」

ξ゚听)ξ …成る程ね

( ^ω^)「え? それどーいう……」

ペットボトルに追加してきた水を飲みながら、とりあえず話に入ってみる。

(*゚ー゚)「身体がウィルスの効力を上手く利用している、といった所ね」


20 名前: ◆B.D.T.Zvzc :2007/02/16(金) 16:05:06.52 ID:iqOEwD2k0
彼女の考察によるとこうだ。
ゾンビが生き物を襲うのは血液が欲しいから、喉が渇くからである。

何故、水ではなく血液なのか、というとウィルスに乗っとられた脳が単純化するからだそうだが、僕は別にあるんだと思う。

そして抗体についてなのだが、僕の脳もウィルスに乗っとられてはいる。しかし、それをさらに乗っとっている状態、それを実現させているのが『特別な抗体』。

(,,゚Д゚)「難しい事わかんないけどよ…お前は何か使命を帯びている感じがするぜ」

ξ゚听)ξ 全くの絵空事ね。たまたま、偶然の産物といったほうが正解なのに

(;^ω^)。oO(……貴女は確かに正しい……

(*゚ー゚)「とにかく、休んでいきなさいな」

しぃはそう言って台所へかけていった。
ギコは僕を酷く気に入ったのか、さっきとは180度対応が変わったようだ。…無関係な話にはついていけなかっただけだとは思うが。

こうして僕は一日泊めてもらう事になった。迷惑千万、これも恐らく偶然である。

その晩はご飯もいただいた。
胡瓜の酢の物、絹ごし冷奴、佃煮、大根の味噌汁、出汁巻き、芋の煮っ転がし・・・
成る程、たいして高級な物でなくても、昼飯を食べてなかっただけに相当美味しく感ぜられた。僕はそれを出来る限り掻い込んだ。8分目なんて言わず、たらふく。

21 名前: ◆B.D.T.Zvzc :2007/02/16(金) 16:06:43.29 ID:iqOEwD2k0
障子戸が揺れる。
ギコとも色々話したが、やはり男だ、半分旅みたいになっている僕の身の上を羨ましいがっている。……僕としてみたら、かなり嫌な身の上だが。

(*゚ー゚)「そういえば、その骨をどうにかしたいんだったわよね?」

( ^ω^)「はい…」

とりあえず全部説明はしたが、これは今まで弄られなかったのが不思議だった。やっと弄られ一安心。
僕はすみません、としぃに聞いてみることにした。

( ^ω^)「この頭蓋骨については何も驚かなかったんですが、何故ですかお?」

彼女は気付いたような顔をして、理由を話した。

(*゚ー゚)「あぁ……昔、医者やってたからね」

( ^ω^)「そう……ってその若さで昔……って」

僕がそう言ったのにはちゃんと理由がある。
ギコとしぃは、どう見ても20代にしか見えない。若々しいだけの話かもしれないが、それで昔とは、また滑稽な話である。
昔医者をやっていた、と聞くと、どうしてもかなりの歳に聞こえてしまう。

ξ゚听)ξ ……ブーン、あのね

なんでしょう、その含みがありそうな言葉は。
障子戸がさらに揺れる。


22 名前: ◆B.D.T.Zvzc :2007/02/16(金) 16:07:18.52 ID:iqOEwD2k0
( ^ω^)「ちょっと待ってくれお、やっぱり……」

(,,゚Д゚)「ん?」

(;^ω^)「……って、この頭蓋骨と話してるから気にしないでくれお」

しばらくの沈黙。
……何故話さない。
ツンがここに来てからあまり喋らないのには気付いていなかったが、そこでやっと気付いた。

ξ゚听)ξ 非常に言いにくいのだけれど……

(*゚ー゚)「あぁ、ツンさんは言いわ、私が言うから」

しぃがツンを止める。
僕はそれにすぐ気付いて、座ったまま後退りした。
汗が僕の輪郭を伝い、

(;^ω^)「あれ? 貴女にもツンと会話出来たのかお? 波動がなんとかかお?」

それも大量に、

(,,゚Д゚)「あ、あのな……」

凄く濁った、嫌な汗が止まらない。

あれ?なんでみんな畏まっちゃって……


23 名前: ◆B.D.T.Zvzc :2007/02/16(金) 16:08:40.63 ID:iqOEwD2k0
僕は腹から釘でもうたれたかのように、背中と壁をぴたりとつけたまま唾を呑む。
出来れば耳を塞いでしまいたい、だけど気になって仕方がない。……だから死んだんだけど。
畳の上へ垂れる頃、ついに口は開かれる。……そこに遠慮はいらないが、躊躇くらいはしてほしかった。


(,,゚Д゚)(*゚ー゚)「……もう死んでんだ」

( ゚ω゚ )

(,,゚Д゚)(*゚ー゚)ξ゚听)ξ「こっちみんな」

死んでるそうです。
それを聞いて、
僕の頭ん中は消し炭。
爆発したとはこのことだろうか。
もう何も考えたくないんです・・・

24 名前: ◆B.D.T.Zvzc :2007/02/16(金) 16:09:31.57 ID:iqOEwD2k0
シンプルな言葉だけに、何の打開策も見出せない。
いや、無理に信じなくてもいいんだが。

とりあえず耳をほじる。何かの聞き間違いであって欲しいのは内心、直面した誰もがそう思うだろう。今まで気付かなかった僕がおかしいなんてのはないハズだ。

断 固 と し て な い !
( ^ω^)「いやぁ、冗談はよしてくださいお」

逆に汗も止まり、それは明らかな狼狽に変わる。

(,,゚Д゚)「いやマジで」

沈黙。嘘偽りのないような眼で、マジ、だってさ。
本当、参っちゃうよね。

この事自体には納得出来ないが、いや、納得したくないが、
彼らが言う事が正しいという前提にしたら、しぃが言ってる意味が納得出来てしまうから、半分納得しろと言われてるような。
しかし、まだ疑問は残るのだが、上手い事ハッキリしてこない。
ただ一つ、納得してしまうと、

(;^ω^)「ブルァアア゙アア゙ア幽霊koeeeeeeeeeeeee」

こうなる。

ξ゚听)ξ ブーンも死んでるじゃん

ツンは呆れた様子で溜息をつきながら、そう言った。


25 名前: ◆B.D.T.Zvzc :2007/02/16(金) 16:10:35.16 ID:iqOEwD2k0
……それもそうだ。心臓が動いてないくせして、幽霊云々にビビるとはこれいかに。

これは……それでも僕は幽霊なんて聞くと夜も眠れないような類の人間だったのだから仕方ないだろう。……とは言えないが。

深呼吸一つ、僕はあらためて卓の前に座る。おーけー、まず落ち着こう。

( ^ω^)「セカンドライフ、いいですね」

ξ゚听)ξ それは違うくね?


26 名前: ◆B.D.T.Zvzc :2007/02/16(金) 16:11:23.53 ID:iqOEwD2k0
明らかな動揺だった。
今のを自分から取り消し、また深呼吸。

( ^ω^)「で、何故霊が?」

(,,゚Д゚)「いやはや…突然の事故にあいましてね…しぃに遇いたいと願っていたら」

(*゚ー゚)「私も同じよ」

(*゚Д゚)「しぃ……」

人間に元々ある幽霊に対しての恐怖心というものは、正体がわからないからこそのものであろう。
が、正体が明らかになってしまえばなんてことはないハズだ。
見た事ないキノコを食べる時の不安や、暗闇に閉じ込められる恐怖も同じようなものだと思うが、食べれるとわかった、光が射した、これだけで負の気持ちは消えるだろう。
今の僕がそうであるようにね。

僕は紅潮した二人に咳払いを決め、さらに質問を続けた。

( ^ω^)「恋愛半ばで事故、ですかお」

(*゚ー゚)「えぇ……事故だわ」


27 名前: ◆B.D.T.Zvzc :2007/02/16(金) 16:12:19.73 ID:iqOEwD2k0
ξ゚听)ξ それにしても、死人のような顔をしていないわね。死を自覚しているのにもかかわらず……

そうだ、それも気になっていた。僕にとって最大に曖昧で、最大の疑問だ。
この二人、何故成仏出来ないのか。
死後、みんながみんなこの世に残りたいと思うだけで残れるなら、幽霊人口爆発だろうな。
未練があれば残る霊もいると聞くが、はたして、この世に未練があるだけなのか? 死後であれ、恋人同士結ばれたなら未練などないハズであろう。幸福以外の何でもないであろう。
それとも、二人とも何か他に大きな未練があるのか、はたまた成仏出来ないような理由があるのか。

さて、また質問に戻る。

( ^ω^)「さっきの資料は何年前のですかお」

(*゚ー゚)「あぁ…確か、十年くらいかな」

十年前くらいから研究されているにもかかわらず、ゾンビウィルスは全く衰えを見せてないらしい。

( ^ω^)「あと、さっきのなんとか01って……」

(*゚ー゚)「ゾンビウィルスにも色々あるのよ? だから、あの頃から十年経った今、ZV-02があってもおかしくないの」

(,,゚Д゚)「俺は01ってのしか聞いた事ないけどな」

そりゃ、01どうのとか、さっき言ってましたしね。

28 名前: ◆B.D.T.Zvzc :2007/02/16(金) 16:14:11.40 ID:iqOEwD2k0
ξ゚听)ξ 私もよ。他はわからない

(*゚ー゚)「01と付けられたのは、同じような性質を持つウィルスが現れてもおかしくなかったからなのよ」

十年も、たった一つのウィルスに苦戦する、それが有り得るのだろうかと思うが、実際そうらしいから困る。
……そういえば、ヌソックには王立研究所があるのだが、本当に研究されているのだろうかと疑いたくなる。
給料泥棒には、なるまいな?
僕は眉をひそめる。

( ^ω^)「ちょっと待ってくれお……しぃは生前、医者をやっていたお?」

(*゚ー゚)「はい」

( ^ω^)「通常、医者は何歳でなれる物なんだお?」

ξ゚听)ξ …確かにおかしいわね

誰もがここに、僕と同じ境遇でいたなら気付いただろう。
20代前半で医者だと? 新米の新米じゃないか。
その割、ゾンビウィルスなんかについて詳し過ぎる。
それを聞いたしぃは、やはりかわいらしい笑みを浮かべた。

29 名前: ◆B.D.T.Zvzc :2007/02/16(金) 16:14:31.68 ID:iqOEwD2k0
(*゚ー゚)「……医者っていっても、そこらの病院の医者じゃないのよ?」

(,,゚Д゚)「しぃには免許なんてないからな」

(;^ω^)「それは許される事なのかお!?」

しぃは箪笥から、今度は何かの証明を持ち出した。
……本当、便利な箪笥ですこと。

( ^ω^) 「……王立……研究所?」

(*゚ー゚)「あまり詳しくないようだから、ついでに教えてあげるわ」

死んだ場所に縛られたワケじゃないから、地縛霊じゃない。
死んだ事を自覚しているから、浮遊霊でもない。
かといって怨霊でもない。
じゃあなんだろう。

ここにも死を迎えて、尚且つ生をも迎えた人間が、確かに存在したのだ。
彼らは過去―――その命日を僕に教えてくれた。



30 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/16(金) 17:07:49.92 ID:ZvWG+kwaO
wktk

31 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/16(金) 17:56:57.85 ID:XQsOLqQvO


32 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/16(金) 18:53:22.53 ID:ZvWG+kwaO
ほしゅ

33 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/16(金) 19:49:29.97 ID:ZvWG+kwaO
なんというじらしプレイこれは間違いなくバーボン

34 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/16(金) 20:36:43.61 ID:ZvWG+kwaO
ほしゅ

35 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/16(金) 21:39:18.40 ID:f5QRrbepO
ほし

36 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/16(金) 22:15:28.15 ID:aWCgV/j/O
ほし

37 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/16(金) 22:50:44.84 ID:ZvWG+kwaO
ほしゅ

38 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/16(金) 23:19:03.16 ID:fL2VRnO90
#03って前スレで投下あったので全部なのかな


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