川;゚ -゚) フ ラ グ II ξ;゚听)ξ
- 1 名前:代理 :2007/01/03(水) 13:05:59.46 ID:G5UmJxsj0
- http://vipmatomesaito.web.fc2.com/flug/flug.html
- 2 名前:ねぎ :2007/01/03(水) 13:10:33.48 ID:8aCSzAlTO
- ( ^ω^)「ツン、死ぬお」
手には、研ぎ澄まされた包丁が握られていた。
ξ゚听)ξ「あ……」
有無を言わさず、腹にその刃は突き刺された。
そしてそれは、内部を抉るように、掻き混ぜるように、音を立てた。
川;゚ -゚)「なんだ……これは……」
深い深い夢の中……
深い深い心理の渦……
…
……
………
川;゚ -゚)「夢?」
嫌な汗をかいた。
だがそこは、いつもと変わりない自分の部屋だった。
川;゚ -゚)「あれは……なんだ?」
女性が刺殺される場面。
それも、刺した側も刺された側も、全く知らない者だった。
- 3 名前:ねぎ :2007/01/03(水) 13:11:19.72 ID:8aCSzAlTO
- クーは汗を拭ってベッドから出る。
目覚まし時計を見ると、もう家を出なければいけない時間だった。
パジャマを脱いで、制服に着替える。
川 ゚ -゚)「目覚まし……かけなかったのか」
★
教室に入ると、いつものメンバーがそこにいる。
( ´∀`)「クーちゃんが来たモナー」
(・∀ ・)「お〜そ〜い〜ぞ〜」
(=゚ω゚)ノ「今旅行の話をしていたんだぃょぅ」
川 ゚ -゚)「旅行?」
鞄を置いて、クーは会話の輪の中に入った。
( ´∀`)「パパが観光開発する小さな島のことモナー」
(・∀ ・)「鮫島っていうらしいよー」
- 4 名前:ねぎ :2007/01/03(水) 13:13:04.80 ID:8aCSzAlTO
- 川 ゚ -゚)「鮫島?聞いたことないな」
モナーの父親は大手観光会社の重役なのである。
(・∀ ・)「で、観光地化する前に僕達で試しに遊んでほしいんだってさ」
( ´∀`)「海も山も綺麗らしいモナー」
(=゚ω゚)ノ「みんなで行こうって話してたんだぃょぅ」
川 ゚ -゚)「そうなのか。私は別に構わないが」
(・∀ ・)「ぃょぅはクーよりつーちゃんと一緒に行きたいんだよねー」
(;=゚ω゚)ノ「な、何を言ってるんだぃょぅ!」
顔を赤くしてぃょぅが怒った。
そんな反応を、またんきは楽しんでいるようだ。
(*゚∀゚)「何の話だ?」
(・∀ ・)「わ!噂をすれば影!」
- 5 名前:ねぎ :2007/01/03(水) 13:14:05.96 ID:8aCSzAlTO
- ( ´∀`)「つーちゃんも鮫島って島に遊びにいかないモナー?」
(*゚∀゚)「行く行くー!」
いつもは自分達とは別のグループと話しているつーが、珍しく会話の輪の中に入ってくる。
川;゚ -゚)(なんだ……?)
言い知れぬ違和感がクーを襲う。
まるで異物が入ってきたかのような。
つーが異物とはいわないが、明らかにいつもとは違う。
日常が変わることを恐れているわけではない。
クーは、何かおかしなことが起こっているような、漠然とした違和感を持った。
★
観光会社のフェリーが島に到着する。
閑散とした漁港。
- 6 名前:ねぎ :2007/01/03(水) 13:16:54.25 ID:8aCSzAlTO
- 無人島ではないのかと疑いそうになるほど、人気がない島。
鮫島。
( ´∀`)「じゃあ3日後、迎えよろしくモナー」
荷物を降ろし終わり、フェリーは島をあとにする。
(・∀ ・)「誰もいないよ〜」
川 ゚ -゚)「観光地化されてない以前の問題だな、この静けさは」
無人の漁港を見渡しながらまたんきとクーが言う。
じめっとした夏の暑さの中に、どこかひやりとしたものがある。
(*゚∀゚)「……」
(=゚ω゚)ノ「きょろきょろしてどうかしたぃょぅ?」
(*゚∀゚)「いや、なんでもないぜ」
(・∀ ・)「はは〜ん……ぃょぅ、さては」
(;=゚ω゚)ノ「な、なんだぃょぅ!」
- 7 名前:ねぎ :2007/01/03(水) 13:17:59.90 ID:8aCSzAlTO
- またんきがからかうと、ぃょぅは顔を赤くした。
だが、つーがきょろきょろしていたことは、ぃょぅの思い過ごしなどではなかった。
( ´∀`)「じゃあ別荘に荷物を置いて泳ぎにいくモナー」
モナーがそう言うと、皆が歩き始めた。
会話もそこそこに五人は足を進める。
J( 'ー`)し「……」
(-_-)「……」
川 ゚ -゚)(あっ……人、いるじゃないか)
漁港を出た海岸線沿いの道路を歩いていると、クーは二人の人物を発見した。
母親だろうか、幼い少年の手を引いている。
クーはほっとした。島に誰もいないのではないかと本気で心配になったのである。
- 8 名前:たかな :2007/01/03(水) 13:21:21.84 ID:9STUrqPgO
- 支援
- 9 名前:鶯インフルエンザ :2007/01/03(水) 13:21:58.41 ID:uE6+qacGO
- 支援
- 10 名前:ねぎ :2007/01/03(水) 13:23:33.44 ID:8aCSzAlTO
- J( 'ー`)し「貞子には気をつけなさい」
川;゚ -゚)「……!?」
擦れ違い様、母親と思われる女性が囁いた。
クーは振り返る。
だが、母親と息子と思われる二人は、既にもう遠くへ歩いていってしまっている。
それに、囁き声はモナー達には聞こえていないようだった。
川 ゚ -゚)(幻聴?)
クーは異変に、気付き始めていた。
★
丘の上にたつ小さな家。
締め切ったカーテンの隙間から、彼女は遠ざかっていくフェリーを見ていた。
「天気予報、今夜は豪雨らしいお」
「そう。見て、フェリーだわ」
「フェリー?観光客なんて珍しいお」
珍しい?
- 11 名前:ねぎ :2007/01/03(水) 13:24:53.58 ID:8aCSzAlTO
- 声をかけた彼は、自分の口から出たその言葉に疑問をもった。
「まさか、またあれが始まるのかお」
「たぶんね。今度は止められるかしら」
彼女は振り返って、彼を見た。
( ^ω^)「そのために、この島に来たんだお。僕達は……」
ξ゚听)ξ「そうね」
ツン。
ブーン。
彼女達はフラグに愛され、そして弄ばれた者達。
★
蝉の声。
波の音。
太陽の日差し。
(・∀ ・)「ひゃっほー!」
( ´∀`)「泳ぐモナー!」
嬉しそうにはしゃぐまたんきとモナー。
(=゚ω゚)ノ「……」
- 12 名前:ねぎ :2007/01/03(水) 13:30:17.86 ID:8aCSzAlTO
- (*゚∀゚)「隣、座っていいか?」
(;=゚ω゚)ノ「えっ!?いぃょぅ……」
流木に仲良く座るぃょぅとつー。
川 ゚ ー゚)「平和だ……」
おかしなことなどなかった。
そう思えるような安堵感を、クーは覚える。
川 ゚ -゚)「私は少しその辺を散歩してくるよ」
( ´∀`)「わかったモナー」
モナーにそう告げると、クーは海岸線を歩きだした。
踏みしめる砂浜。
時より足元を撫でる波。
心が安らいでいるのがわかる。
だがしかし、そんな安堵もすぐに終わりを告げた。
ξ゚听)ξ「……」
( ^ω^)「……」
視線を感じて振り返る。
浜辺に通じる道路から、こちらを見ている者達がいた。
- 13 名前:ねぎ :2007/01/03(水) 13:31:31.68 ID:8aCSzAlTO
- 川;゚ -゚)「なんだ……なんなんだ」
せっかく普通に戻ると思ったのに。
クーは駆けだした。
川;゚ -゚)「いったいなんだ!この島は!あなた達は!!」
辿り着くなりクーが叫び散らす。
クーの瞳に映っているのは、夢に出てきた二人だった。
( ^ω^)「フラグを感じてるのかお」
ξ゚听)ξ「同じね……私と」
川;゚ -゚)「フラグ……?同じ……?」
意味がわからない。
初対面の相手だというのに、突然叫ばれても平穏を保っている。
川;゚ -゚)「なんなんだ……あなた達がこの違和感の元凶か」
- 14 名前:たかな :2007/01/03(水) 13:31:58.65 ID:9STUrqPgO
- 支援
- 15 名前:うめ :2007/01/03(水) 13:32:23.56 ID:I2VzrUEUO
- 皆殺しエンドは後味が悪い
- 16 名前:たかな :2007/01/03(水) 13:32:32.49 ID:9STUrqPgO
- 支援
- 17 名前:ねぎ :2007/01/03(水) 13:35:40.38 ID:8aCSzAlTO
- ξ゚听)ξ「彼は違うわ。私は、ただフラグの発生を感じ取れる人間で、
そのフラグのスイッチを無意識に押しているだけ」
川;゚ -゚)「さっきからなんなんだ……フラグとは?」
クーは、彼女を睨みつける。
睨まれても彼女は、あくまで冷静に口を開いた。
ξ゚听)ξ「二年前に山荘で起こった連続殺人事件て、知ってる?」
川 ゚ -゚)「二年前の?…………あぁ、確か犯人も死んだっていう」
ξ゚听)ξ「私達は、あの事件で唯一生き残った人間なのよ」
川;゚ -゚)「!?」
動揺しながらも、嘘ではないかという疑いもまだ捨てきれない。
- 18 名前:ねぎ :2007/01/03(水) 13:36:15.13 ID:8aCSzAlTO
- 生存者の名前は報道されなかったが、男女一人ずつだったことを、クーは思い出す。
ということは本当に……
ξ゚听)ξ「殺人だけじゃなかった。猟銃の暴発、落石、事故で亡くなった人もいる」
( ^ω^)「不幸が重なったんだと言われたお。
でもショボン……犯人まで都合よく間欠泉が当たって死ぬものかお?」
ξ゚听)ξ「その一連の出来事の中に予兆みたいなものがあったのよ。
私達の出会いもそう、全てがフラグの掌の上で踊らせているだけ」
二人は語る。
クーは、あの夢から覚めた時のような、嫌な汗をかいていた。
- 19 名前:ねぎ :2007/01/03(水) 13:40:02.69 ID:8aCSzAlTO
- 川 ゚ -゚)「それが事実だとしたら、何か起こるというのか?」
ξ゚听)ξ「予兆を感じているというなら、ね」
平然と不吉なことを言う。
クーは、彼女の言い方が癇に触った。
だからなのだろうか、受け入れたくない。そんな気持ちになる。
川;゚ -゚)「私は信じない。そんなでたらめ!」
クーは思わず駆けだしていた。
もうこの場にいたくなった。
(;^ω^)「危ないお!」
何かに気付いて彼が叫ぶ。
ξ゚听)ξ「助けちゃ駄目」
(;^ω^)「なんでだお!?」
ξ゚听)ξ「助けなくても、助かるから」
- 20 名前:ねぎ :2007/01/03(水) 13:41:10.04 ID:8aCSzAlTO
- わかりきったように言う彼女の顔を見て、彼は恐る恐るクーが走っていった方向を見た。
それと同時、けたたましいブレーキ音が辺りに響く。
川;゚ -゚)「……」
自分の身に起こったことに、声も出ない。
目の前に、鼻の先スレスレに、軽トラックの車体がある。
「馬鹿野郎!気をつけろ!!」
そう罵声を浴びせ、軽トラックは行ってしまった。
ξ゚ー゚)ξ「助かったわね」
川;゚ -゚)「……はぁはぁ……死ぬかもしれなかったのに、なんで笑ってるんだ……」
ξ゚听)ξ「貴女は死なない。基本的に主人公は死なないものでしょ?」
川;゚ -゚)「主人公……?」
- 21 名前:ねぎ :2007/01/03(水) 13:47:29.24 ID:8aCSzAlTO
- またわけがわからないことをと、クーは呆れそうになる。
ξ゚听)ξ「映画の主人公はたいてい生き残る。特にアクション映画なんかそうよね」
川;゚ -゚)「私が、主人公だと?」
ξ゚听)ξ「主人公フラグという名の生存フラグね。貴女にはそれが立ってるの」
もう彼女には、フラグという存在が日常に組み込まれているのだろう。
だから彼女には、クーのような違和感はない。
そこに発生したフラグを、ただ対処しているように思えた。
そんな時だった。
パンッと、何かが爆発したような音が、モナー達がいる砂浜から聞こえてくる。
川;゚ -゚)「!?……嘘だッ」
- 22 名前:ねぎ :2007/01/03(水) 13:48:12.52 ID:8aCSzAlTO
- 絶望にも似たそんな形相をして、クーは砂浜へ続く階段を駆け降りていった。
「あの子が今回のフラグによる出来事の中心人物なら、私達は死ぬわね」
( ^ω^)「そうならないために、生存フラグを立てればいいお」
力強く、肩を抱く。
「もし私が死ぬ時は、側にいてね」
そう言うと、抱かれた腕から彼女は離れていった。
そして、振り返り様、彼女は言った。
あ の 時 言 っ て く れ た 言 葉 、 覚 え て る ?
- 23 名前:ねぎ :2007/01/03(水) 13:49:15.37 ID:8aCSzAlTO
- >>22訂正
絶望にも似たそんな形相をして、クーは砂浜へ続く階段を駆け降りていった。
ξ゚听)ξ「あの子が今回のフラグによる出来事の中心人物なら、私達は死ぬわね」
( ^ω^)「そうならないために、生存フラグを立てればいいお」
力強く、肩を抱く。
ξ゚ー゚)ξ「もし私が死ぬ時は、側にいてね」
そう言うと、抱かれた腕から彼女は離れていった。
そして、振り返り様、彼女は言った。
あ の 時 言 っ て く れ た 言 葉 、 覚 え て る ?
- 24 名前:ねぎ :2007/01/03(水) 13:56:06.03 ID:8aCSzAlTO
- 海から吹く風に掻き消されて、ブーンは聞き取ることができなかった。
ただ、死ぬことも恐れないで笑うツンを見て、ブーン自身も笑ってしまった。
★
クーが散歩に出てしばらく。
海から上がったまたんきが、リュックを持って皆を呼んだ。
(・∀ ・)「みんなー!花火やろー!」
(*゚∀゚)「今昼間なのに?」
(・∀ ・)「夜は雨が降るみたいなんだー」
がさごそと、またんきは花火を取り出していく。
(・∀ ・)「去年のだから点くかわかんないんだけど」
( ´∀`)「とりあえずやってみるモナー」
- 25 名前:ねぎ :2007/01/03(水) 13:57:49.04 ID:8aCSzAlTO
- またんきからライターを受け取って、各自花火に点火していく。
やはり湿気っているのか、花火が点く様子はない。
(*゚∀゚)「つかないなぁ」
(=゚ω゚)ノ「そうだなぃょぅ」
離れて打ち上げ用の花火を試しているぃょぅとつーがそう話す。
諦め気味に、そのあとも何度か試してみたが、やはりつかない。
(=゚ω゚)ノ「やっぱりつかなぃょぅ」
(*゚∀゚)「駄目だな」
立ち上がってまたんき達に報告する二人。
だがその時、くすぶっている導火線が、ゆっくりと燃えだしていた。
(*゚∀゚)「あれ?点いた?」
(=゚ω゚)ノ「ぃょぅ?」
気付いたつーの言葉に、振り返るぃょぅ。
- 26 名前:こねぎ :2007/01/03(水) 14:01:20.82 ID:8aCSzAlTO
- 離れようとしたぃょぅの足が、打ち上げ花火を固定していた砂を崩す。
花火は、段々と態勢を倒し、またんきがいる方向に……
そして
パンッ
ドサッと、またんきが砂浜に倒れた。
(;´∀`)「あ……あぁ……」
またんきに近寄るものの、何が起こったのかわからず、モナーはただ震えている。
(;=゚ω゚)ノ「……」
(;*゚∀゚)「……」
突然の出来事に、呆然とするぃょぅとつー。
川;゚ -゚)「何があった!?」
花火の音を聞きつけて、クーが戻ってきた。
川;゚ -゚)「ま、またんき……?」
- 27 名前:こねぎ :2007/01/03(水) 14:02:43.40 ID:8aCSzAlTO
- 目に飛び込んできたのは、全身に火傷を負った痛々しいまたんきの姿だった。
ξ;゚听)ξ「……」
(;^ω^)「……」
クーを追ってきたツンとブーンも、これには冷静さを保ってはいられなかった。
ξ;゚听)ξ「病院……病院に!」
ツンが叫ぶ。
「無理よ」
突然、誰かの声がした。
ξ゚听)ξ「あなたは……カーチャンさん」
J( 'ー`)し「そんな重度の火傷、小さな島の診療所で治せると思って?」
ξ゚听)ξ「じゃあ本島まで運びます。ブーン、船あったわよね」
(;^ω^)「あるけど、しばらく乗ってないから動くかどうかわからんお……」
八方塞がりなのか。
- 28 名前:千秋 :2007/01/03(水) 14:05:47.07 ID:HibdUx8z0
- これは面白いかもわからんね
- 29 名前:こねぎ :2007/01/03(水) 14:10:50.14 ID:8aCSzAlTO
- 皆は手をこまねいているしかなかった。
(;´∀`)「またんき……またんき……モナぁぁぁぁぁ」
小さく息をしていたまたんきが、動かなくなった。
モナーは泣きながら、またんきの亡骸を揺する。
J( 'ー`)し「貞子の呪いがまた始まったんだわ」
ξ゚听)ξ「違う。フラグよ。フラグが一連の動作を仕掛けているの」
川#゚ -゚)「そんなことどっちでもいい。人が、人が死んだんだぞ……!!」
カーチャンとツンを、クーが一喝する。
(;=゚ω゚)ノ「あんた達、何を知っているんだぃょぅ……?」
ぃょぅが訊いた。
- 30 名前:こねぎ :2007/01/03(水) 14:12:03.85 ID:8aCSzAlTO
- J( 'ー`)し「数年前、貞子という少女の自殺をきっかけに、同じ日に四人の人間が死んだの」
ξ#゚听)ξ「私達には教えなかったくせに……!!」
J( 'ー`)し「各地で同じようなことが起きてるなんて話、信じられなかったもの」
( ^ω^)「でももう、現に起きてしまったお」
経験者は語るといったところだろうか。
この三人は、死体を見ても話し続けている。
(;=゚ω゚)ノ「つまりは、怪奇現象のせいでまたんきは死んだってことかぃょぅ?」
間接的とはいえ、自分のしたことが原因になったのではないかと、ぃょぅは自責の念に駆られていた。
- 31 名前:こねぎ :2007/01/03(水) 14:16:12.60 ID:8aCSzAlTO
- J( 'ー`)し「貞子のことが知りたいなら、私の家に行きましょう。
そこの二人も、詳しいことを話してくれるといいけど」
ξ゚听)ξ「当たり前よ」
( ´∀`)「そんなの信じないモナ!!」
突然叫んだモナーに、皆呆気に取られている。
( ´∀`)「そんなことが知れたら、観光開発が台無しモナ……パパが悲しむモナ……」
ふらふらと、モナーは歩きだす。
川;゚ -゚)「待てモナー、どこに行くんだ?」
( ´∀`)「別荘に帰るモナ。三日間過ごして何にもないって証明するモナ」
力なくそう言って、モナーは行ってしまった。
- 32 名前:こねぎ :2007/01/03(水) 14:17:21.10 ID:8aCSzAlTO
- (*゚∀゚)「オレは行く。その話、聞かせてくれ」
つーが言う。
そして、ぃょぅの肩をぽんと叩いて、
(*゚∀゚)「ぃょぅのせいじゃないぜ」
そう言って、笑ってみせた。
(=゚ω゚)ノ「……俺も行くぃょぅ」
川 ゚ -゚)「私は……」
クーは躊躇う。
ツンとブーンがこちらを見ているのに気がついた。
川 ゚ -゚)「私は、モナーが心配だ。何にしろ一人にするのは危険だ」
J( 'ー`)し「そう。だったら、暇なら海岸線の道路を辿って民宿を探して。そこにいるから」
カーチャンが歩きだすと、ぃょぅ達もそれについていくように歩きだした。
クーもモナーを追って行ってしまった。
- 33 名前:こねぎ :2007/01/03(水) 14:23:31.21 ID:8aCSzAlTO
- ( ^ω^)「あの子、大丈夫かお……」
ξ゚听)ξ「フラグが働いている内は無事のはずよ。
私もブーンも、雪崩に巻き込まれたって生きてたんだから」
ツンは、チラッとまたんきの遺体を見た。
ξ゚听)ξ「薄情者ね。友達がこんななのに、置いてくなんて」
( ^ω^)「みんな変わってしまうんだお」
ブーンは、またんきを抱え上げた。
( ^ω^)「潮風に晒したままは可哀想だお……」
ξ゚听)ξ「ブーン……」
ツンとブーンは、カーチャン達を追った。
★
川;゚ -゚)「おかしい……」
どれだけ走っても、モナーに追いつけない。
- 34 名前:こねぎ :2007/01/03(水) 14:24:42.77 ID:8aCSzAlTO
- これがフラグなのか。
それとも呪いというやつなのだろうか。
川;゚ -゚)「そんなもの……」
信じない。
そう言いたいはずなのに。
川;゚ -゚)「はぁ……はぁ……モナー!!」
やっとモナーを見つけたと思った時には、もう別荘の前に来てしまっていた。
クーは大声でモナーを呼ぶ。
だがモナーは、まるでその声が聞こえなかったかのように、中に入っていってしまう。
クーはドアノブに手をかけた。
川;゚ -゚)「開かない……モナー、鍵を開けろ!モナー!」
返事はない。
川;゚ -゚)「くっ……!」
クーは裏に回ろうと庭に向かう。
- 35 名前:グリ−ンボ−ル :2007/01/03(水) 14:26:16.62 ID:XYEsP2JhO
- またんきのせいで緊張感皆無
またんきのせいで緊張感皆無
- 36 名前:こねぎ :2007/01/03(水) 14:33:01.62 ID:8aCSzAlTO
- 途中、窓から廊下を歩くモナーが見えた。
川;゚ -゚)「モナー!」
窓を叩く。
しかしモナーはそれを無視する。
川;゚ -゚)「……くっ、うぅ」
クーは、掌ほどの石を両手で掴んだ。
川 ゚ -゚)「これなら……」
そう言って、その石を窓に向け放り投げる。
石は窓に当たった。
だが……
川;゚ -゚)「なぜだ……」
窓ガラスはビクともしない。
防犯用のガラスというわけでもないのに、ひびすら入らず石を跳ね返す。
「もなああああ!!」
モナーの叫び声だ。
川;゚ -゚)「モナー!?」
窓から覗くと、尻餅をついたモナーが後退りしている。
- 37 名前:こねぎ :2007/01/03(水) 14:33:56.07 ID:8aCSzAlTO
- まるで何かに怯え、それから逃げようとしているかのように。
(;´∀`)「来るなモナー、お前なんか信じないモナー!」
川;゚ -゚)「なんだ……」
窓から見える範囲からモナーが消える。
そして……
川 д 川「……」
川;゚ -゚)「!?」
モナーが何から逃げようとしているのかわかった。
一瞬で、あれがこの世のものでないとわかる。
「もな……もなああああああああああああああああああああ!!!!!!」
壮絶な悲鳴の後、モナーの声は一切聞こえなくなった。
- 38 名前:こねぎ :2007/01/03(水) 14:35:08.79 ID:8aCSzAlTO
- しんと辺りが静まり返る。
その時
※グロ注意
http://imepita.jp/20070101/728000
「ヒィッ!!」
窓に密着して、それはこちらを見下ろしてくる。
クーは恐怖に背筋が凍り、この場から逃げようと、竦む足を必死に言い聞かせて別荘を飛び出した。
- 39 名前:千秋 :2007/01/03(水) 14:38:41.36 ID:HibdUx8z0
- >>38
絵なら大丈夫
リア画像なら無理
- 40 名前:こまつな :2007/01/03(水) 14:39:24.40 ID:9STUrqPgO
- 支援
- 41 名前:ふき :2007/01/03(水) 14:40:25.57 ID:ZNbZs3r/0
- >>39
貞子の映画のシーンだから大丈夫
- 42 名前:グリ−ンボ−ル :2007/01/03(水) 14:40:25.89 ID:S8j0wdXhO
- >39
絵だから大丈夫だぜ
- 43 名前:こまつな :2007/01/03(水) 14:41:26.31 ID:9STUrqPgO
- >>39
川д゚川 こんな感じのリアル
- 44 名前:こねぎ :2007/01/03(水) 14:43:59.20 ID:8aCSzAlTO
- ★
カーチャンの営む民宿に到着した一行。
着いた頃にはもう日が暮れ、辺りは真っ暗だった。
( ^ω^)「この子、どうするかお……」
J( 'ー`)し「駐在さんに連絡する?それとも、まだ死体が増えるからいい?」
ブーンをからかうように、カーチャンが笑った。
ξ#゚听)ξ「揶揄するくらなら黙りなさいよ」
威嚇するように、ツンが言った。
J( 'ー`)し「……奥の部屋を貸すわ。ついてきて」
カーチャンはそう言うと、廊下の奥へ消えていった。
ブーンはそれを追う。
ξ゚听)ξ「連続殺人犯の次は霊……か」
ぼそっと、ツンが呟いた。
(*゚∀゚)「……」
- 45 名前:こねぎ :2007/01/03(水) 14:44:47.07 ID:8aCSzAlTO
- (=゚ω゚)ノ「つーちゃん?どうしたんだぃょぅ?」
(*゚∀゚)「別に。なんでもないぜ」
先程からつーに誤魔化されてばかりだと、ぃょぅは思った。
つーは何かを知っている。
そんな考えさえ浮かぶ。
そんなぃょぅは、ふと窓の外を見た。
(=゚ω゚)ノ「雨だぃょぅ」
(*゚∀゚)「ホントだ」
ξ゚听)ξ「今日は降るって言ってたわ」
(=゚ω゚)ノ「またんきも言ってたぃょぅ……」
ゴロゴロと遠くから雷の音も聞こえた。
J( 'ー`)し「お待たせ」
戻ってきたカーチャンとブーン。
J( 'ー`)し「貞子の話が聞きたいのでしょう。案内するわ」
カーチャンは言うと、今度は全員をロビーに通した。
- 46 名前:こねぎ :2007/01/03(水) 14:48:36.85 ID:8aCSzAlTO
- J( 'ー`)し「でもまず先に、フラグって何?」
ξ゚听)ξ「そうね。そっちから説明した方がいいかもしれない」
カーチャンと交代するように、ツンとブーンが説明に入った。
ξ゚听)ξ「私達な二年前、ある事件に巻き込まれたの」
( ^ω^)「図書館で同じ本を手に取った僕達は、別の日に偶然のように大学で再会したお」
ξ゚听)ξ「この日ブーンの友達は、山荘の無料宿泊券が当たってみんなに自慢してた」
( ^ω^)「僕達はその山荘に行くことになったお」
ξ゚听)ξ「山荘に着いた日の夜は大雪だった。
まるで今日みたいに、段々と天気は悪くなっていった」
- 47 名前:こねぎ :2007/01/03(水) 14:50:34.33 ID:8aCSzAlTO
- ( ^ω^)「一人目が殺され、そして二人目三人目と殺されいったお」
ξ゚听)ξ「自分の部屋に逃げ帰った人もいた。けどその人も、殺されたわ」
( ^ω^)「経営者の一人が錯乱して、猟銃を持って僕達に迫ったお」
ξ゚听)ξ「でもその人は銃の暴発で死んだ。
その前に、見回りに出た別の経営者が猟銃を使わないようにしていたの」
( ^ω^)「そこでフラグが立ってたんだお。猟銃は使っちゃいけないって」
ξ゚听)ξ「その事件の中で、大きいものから小さなものまで、たくさんのフラグが立っていたの」
( ^ω^)「僕とツンの出会いも」
ξ゚听)ξ「山荘の無料宿泊券の当選も」
- 48 名前:こねぎ :2007/01/03(水) 14:56:54.78 ID:8aCSzAlTO
- ( ^ω^)「そして今日も」
ξ゚听)ξ「普段の日常と違うと思ったら、疑っていい」
そ れ が フ ラ グ だ か ら
まるで打ち合わせをしかたのように、二人は同時にそう言った。
ぃょぅの顔が青褪めている。
聞いたこともない島。
それをモナーの父親が観光開発するという。
その島に旅行することになった。
そして、同じクラスでも違うグループにいるはずのつーが話に入ってきた。
そのつーも旅行に参加することになった。
それが全て、前兆だったとでもいうのだろうか。
(;=゚ω゚)ノ「嫌だぃょぅ!!死にたくなぃょぅ!!!!」
- 49 名前:鰌 :2007/01/03(水) 14:57:12.90 ID:a52xPx110
- ほれ
http://sneg4vip.com/ameloda/1167/445776.htm
- 50 名前:ふき :2007/01/03(水) 14:57:55.55 ID:ZNbZs3r/0
- wktk
- 51 名前:こねぎ :2007/01/03(水) 14:58:13.58 ID:8aCSzAlTO
- ぃょぅはロビーを出ていこうと走り出す。
ξ゚听)ξ「駄目……追わなきゃ」
言葉を発すると同時、ツンも走り出した。
フラグの発生を感じ取ったのだ。
ぃょぅがドアを開こうと、ガチャガチャと動かしている。
ξ;゚听)ξ「駄目!外に出ちゃ駄目!!」
ツンは叫んだ。
手を伸ばす。
ぃょぅがドアを開いた。
玄関の縁を足が越える。
ツンの手がぃょぅに伸びる。
(;=゚ω゚)ノ「うっ!」
ξ;゚听)ξ「きゃっ!」
ぃょぅの腕を掴んだツンだったが、態勢を崩しそのまま室内側に倒れ込む。
その時
民宿の前に、雷が落ちた。
- 52 名前:つまみな :2007/01/03(水) 15:07:32.66 ID:9STUrqPgO
- 支援
- 53 名前:わけぎ :2007/01/03(水) 15:08:11.51 ID:8aCSzAlTO
- 開きっぱなしになっていたドアから、鮮明な落雷現象を目の当たりにするぃょぅとツン。
後少し遅かったら、雷に打たれぃょぅは命を落としていただろう。
(;^ω^)「ツン!大丈夫かお!?」
ξ゚听)ξ「私は平気。彼もね」
ぃょぅはガクガクと震えていた。
ξ゚听)ξ「逃げるなんて絶対やっちゃいけないことだわ。フラグの餌食になるのがオチよ」
ツンはそう言うと立ち上がった。
腕を引かれ、ぃょぅも力なく身を起こす。
ξ゚听)ξ「フラグの話はしたわ。次はこの島のフラグ、貞子よ」
ツンはカーチャンを見る。
J( 'ー`)し「どうやら、話した方が良さそうね」
- 54 名前:わけぎ :2007/01/03(水) 15:09:18.68 ID:8aCSzAlTO
- 納得したように、カーチャンは言った。
そしてまた、ロビーに向かおうとする。
だが、間が悪いことに、電話が鳴った。
J( 'ー`)し「もしもし?どうしたの?土砂崩れ……?わかったわ、すぐ行きます」
電話を切ったカーチャンの顔は、先程とは変わっていた。
(-_-)「役場の人?」
J( 'ー`)し「ヒッキー……そうよ」
二階に向かう階段に、いつ間のか少年が座っている。
J( 'ー`)し「申し訳ないけど、私は行かなきゃならなくなったわ」
ξ゚听)ξ「そんな……」
J( 'ー`)し「悪いけれど話は明日にでもしましょう」
- 55 名前:わけぎ :2007/01/03(水) 15:16:54.27 ID:8aCSzAlTO
- 玄関の靴箱の上に置かれていたレインコートを取って、カーチャンは言った。
J( 'ー`)し「ヒッキー、水着のままの子達に着るものを渡してあげて。泊めるなら二階の部屋で。
あぁ、階段を上がったところの手すりは腐りかけてるから気をつけて」
レインコートを着込み、長靴を履く。
J( 'ー`)し「もし雨が酷くなるようなら学校に行きなさい。
あそこは島で一番地盤が固いの。避難場所になってるはずだから」
ξ;゚听)ξ「待って!」
ツンは声を上げた。
この先、カーチャンに何が起こるのか。
ツンにはわかった。
J( 'ー`)し「息子を守ってやってちょうだい」
- 56 名前:わけぎ :2007/01/03(水) 15:17:45.95 ID:8aCSzAlTO
- ツンが言い出すより先、カーチャンはそう言って出ていった。
ξ;゚听)ξ「あ……」
止められなかった。
ツンは絶望する。
そんなツンを見て、ブーンは優しく声をかけた。
( ^ω^)「帰ってくるって、信じるお」
ブーンの言葉に、ツンはただ頷くだけだった。
ツンは唇を噛み、止められなかった悔しさを堪えていた。
★
あれからどれくらい経ったのだろう。
ロビーのイスに腰掛けたまま、ブーン達は無言の時を過ごしていた。
着替えたというのに、まるで寒さを感じているかのように震えるぃょぅ。
- 57 名前:グリ−ンボ−ル :2007/01/03(水) 15:17:46.06 ID:ZbHlQrkgO
- まさか続編があるとはな
- 58 名前:エシャレット :2007/01/03(水) 15:18:08.63 ID:3/28ncQ+0
- カーチャンフラグの説明ちゃんと聞いてたのかよw
- 59 名前:わけぎ :2007/01/03(水) 15:23:25.68 ID:8aCSzAlTO
- ツンもブーンも、つーもヒッキーも、内心は恐怖に震えている。
その時だった。
「誰か……」
玄関のドアが開く音と、誰かの声が聞こえた。
皆が急いで玄関に向かうと、そこにはびしょ濡れのクーがいた。
(;=゚ω゚)ノ「クー!お前、モナーと一緒に別荘にいたんじゃないのかぃょぅ……」
川;゚ -゚)「…………逃げてきた…………」
それだけ呟く。
川;゚ -゚)「…………髪の長い女が…………」
またぽつりと。
(-_-)「貞子だ」
ヒッキーが呟いた。
皆、モナーのことは言わないでも、どうなったかはわかっているようである。
- 60 名前:VIP皇帝 :2007/01/03(水) 15:24:26.37 ID:ZbHlQrkgO
- 支援
- 61 名前:わけぎ :2007/01/03(水) 15:28:58.04 ID:8aCSzAlTO
- ξ゚听)ξ「とにかく、体を拭いて着替えた方がいいわ。貴女、手伝って」
(*゚∀゚)「……わかった」
へたり込んでいるクーを支えて、ツンとつーは二階に上がっていく。
ブーン達はロビーに戻った。
( ^ω^)「ヒッキーくんだったおね。お父さんはどうしたんだお?」
(-_-)「死んだよ。大きな魚をたくさん穫って帰ってくるって言って」
( ^ω^)「そうかお……」
重い空気。
人の死は何度も見てきた。
だが、こういった話は悲しくなるだけだった。
仲の良かった友人も死んだ。殺人鬼に殺された。
仲の良かった友人が殺人鬼だった。そして死んだ。
- 62 名前:わけぎ :2007/01/03(水) 15:30:03.08 ID:8aCSzAlTO
- それも全てフラグによって引き起こされたこと。
そう思わないと、気持ちに整理がつけられなかった。
(*゚∀゚)「よっ」
(=゚ω゚)ノ「つーちゃん。クーは大丈夫かぃょぅ」
(*゚∀゚)「今はもう落ち着いてるぜ。あのさ、ちょっといいか?」
つーの言葉に何を期待しているのだろう。
ぃょぅの顔が赤くなる。
(=゚ω゚)ノ「なんだぃょぅ?」
(*゚∀゚)「ここじゃあれだからさ……」
そう言うと、つーはぃょぅの手を引っ張ってロビーを出ていった。
( ^ω^)「青春だおねぇ……」
なんてことを、言ってみたり。
しかし、青春に浸っている時間は長く続かなかった。
- 63 名前:わけぎ :2007/01/03(水) 15:37:23.12 ID:8aCSzAlTO
- 「死ねええええ!!」
二階から、誰かの叫びが聞こえた。
★
ξ;゚听)ξ「うっく……なんで……」
クーの着替えが終わったその直後だった。
つーが、背後からツンを襲ったのだ。
濡れたクーの服の袖が、首に食い込む。
(#*゚∀゚)「お前さえあの山荘に行かなきゃ、お姉ちゃんは死ななかった!」
ξ;゚听)ξ「お姉……ちゃん?」
(#*゚∀゚)「オレはあの山荘で殺されたカップルの彼女の……しぃの妹だ!!」
憎しみと悲しみが入り混じった表情をして、つーは手に力を入れる。
(#*゚∀゚)「ずっと怪しいと思ってた。この二年、お前達を探し回った」
ξ;゚听)ξ「……あ……あぁ……」
- 64 名前:わけぎ :2007/01/03(水) 15:38:54.81 ID:8aCSzAlTO
- (#*゚∀゚)「フラグの存在なんか信じちゃいなかったけど。
でもお前達がこの島にいるってわかった直後にモナー君が旅行に行くと言い出した」
更に力が入る。
(#*゚∀゚)「これがフラグっていうなら大歓迎だ!お前を殺せるフラグっていうなら!」
殺意に満ちた。
憎悪と憤怒に満ちた。
そんな言葉。
(#*゚∀゚)「お姉ちゃんを殺したフラグを、終わらせてやる……!!」
ξ;゚听)ξ「っ……殺したいなら……殺しなさい」
(;*゚∀゚)「!?」
ξ;゚ー゚)ξ「……私が死んで……この悲劇が終わるって……そうなら……万々歳だわ……」
ツンは笑っている。
- 65 名前:グリ−ンボ−ル :2007/01/03(水) 15:41:48.79 ID:ZbHlQrkgO
- 支援AGE
- 66 名前:わけぎ :2007/01/03(水) 15:46:38.09 ID:8aCSzAlTO
- 自分も嫌だった。だからもう終わらせたい。
ありがちな出会い。偶然のような出会い。
運命を感じたそれが全て、フラグという存在の思惑だったのだから。
(;*゚∀゚)「くっ……死ねええええ!!」
つーは叫ぶ。
だがそんなつーを、クーは突き飛ばした。
床に倒れるつー。
咳込むツン。
(*゚∀゚)「なんで止めた!?」
川 ゚ -゚)「この人を殺しても終わらない。私も、この人と同じ力を持っているから」
(;*゚∀゚)「!!」
思いもしないクーの告白に、つーは愕然となる。
(;^ω^)「どうしたんだお!?」
- 67 名前:わけぎ :2007/01/03(水) 15:48:05.74 ID:8aCSzAlTO
- つーの叫び声を聞きつけたブーンが、部屋のドアを勢いよく開いた。
(;*゚∀゚)「くっ!」
川;゚ -゚)「つー!」
つーは部屋を飛び出した。
( ^ω^)「あの子、どうしてここにいるんだお……?」
不思議そうに、ブーンは呟いた。
川;゚ -゚)ξ;゚听)ξ「!!」
何かを察知して、ツンとクーがつーを追う。
しかし、もう遅かった。
川;゚ -゚)「つー、行くな!」
クーは声を荒げる。
(*゚∀゚)「えっ?」
つーがこちらに振り返った。
だがすぐに、階段を下りようと手すりに掴まる。
だが、その手すりは……
(;*゚∀゚)「……うそ……」
手すりが、もげた。
- 68 名前:鰤 :2007/01/03(水) 15:49:03.39 ID:PlLkjFiG0
- アッー!!
- 69 名前:わけぎ :2007/01/03(水) 15:56:17.28 ID:8aCSzAlTO
- 支えがない体は、前のめりに倒れ、
(*゚∀゚)「お姉ちゃん」
つーは階段を転がり落ちていった。
クー達が追いついた時には、つーはもう下で動かなくなっていた。
川;゚ -゚)「つー……うぅっ」
ξ;゚听)ξ「私が殺されてたら、この子助かったのかしら……」
つーの瞳には涙が浮かんでいた。
最期の最期まで、姉を想っていたのだろうか。
( ^ω^)「さっき大きな声が二階からしたんだお」
川 ゚ -゚)「え……?」
( ^ω^)「僕が部屋に着いた時、その子は二階の部屋にいたんだお」
ξ゚听)ξ「ブーン……?」
- 70 名前:わけぎ :2007/01/03(水) 15:57:13.82 ID:8aCSzAlTO
- ( ^ω^)「じゃあ、叫び声の直前に男の子と一緒にロビーを離れた子は、誰だお?」
時間的にあわない。
同じ時間につーが二人いたことになる。
川;゚ -゚)「ぃょぅが危ない!」
クーが声を上げた。
★
ぃょぅとつーは廊下を奥へ奥へと進む。
まるでその廊下は、永遠に伸びているように感じた。
(*゚∀゚)「外に出ないか?」
(=゚ω゚)ノ「え?だって雨が降ってるぃょぅ……」
(*゚∀゚)「雨ならもう止んでるぜ」
つーが言う通り、窓を見ると雨は止んでいた。
(;=゚ω゚)ノ「でも……」
先の落雷のこともある。
(*゚∀゚)「じゃあ、先に外で待ってるからな」
- 71 名前:鯔 :2007/01/03(水) 16:03:23.90 ID:PlLkjFiG0
- らめええええ
- 72 名前:あさつき :2007/01/03(水) 16:04:01.36 ID:8aCSzAlTO
- そう言うと、つーは廊下の突き当たりのドアから、外に出ていった。
ぃょぅはゆっくりと、一歩、一歩と、そのドアに向かっていった。
(=゚ω゚)ノ「……」
ドアを開いて、外に出た。
薄暗い。街頭だけが照らす道路。
(=゚ω゚)ノ「つーちゃん?どこだぃょぅ」
辺りを見回す。
だがつーは、どこにもいない。
その時、どこから物音がした。
(;=゚ω゚)ノ「!?」
「にゃー」
(;=゚ω゚)ノ「なんだ……ぬこかぃょぅ……」
振り向いたそこには、猫がいた。
ほっとした。
そんな束の間
ブチ……ブチブチ……と、何か太い線がちぎれるような、そんな不気味な音が辺りに響く。
- 73 名前:あさつき :2007/01/03(水) 16:04:52.56 ID:8aCSzAlTO
- 恐る恐る、ぃょぅが振り返る。
(;=゚ω゚)ノ「!!」
豪雨による風で切れたのだろうか。
電線が、まるで意思を持っているかのように、ぃょぅを襲った。
★
ロビーの長椅子に、もう息をしていないツーを寝かせてやる。
ツンとブーンは、あの時のように次々と人が消えていく事態に、自分達の無力さをひしひしと感じていた。
( ^ω^)「……」
ξ゚听)ξ「……」
そんな二人に、かける言葉もないクー。
川 ゚ -゚)「……」
しんと静まり返る室内。
ヒッキーが、何かに気付いた。
(-_-)「聞こえる」
サイレンの音が聞こえる。
避難警報だ。
- 74 名前:鯔 :2007/01/03(水) 16:04:58.22 ID:PlLkjFiG0
- なんだ○○かフラグ
- 75 名前:あさつき :2007/01/03(水) 16:10:56.70 ID:8aCSzAlTO
- ( ^ω^)「学校に行くお。前は孤立したからあんな目にあったんだお」
ξ゚听)ξ「……そうね。まだこの子が残ってるもの。フラグなんかに負けないわ」
ツンはヒッキーを見た。
そしてカーチャンに言われたことを思い出して、強く笑ってみせる。
クーも、それに賭けようと思った。
四人は玄関に向かう。
子供用の、ヒッキーのレインコートだろう。それをヒッキーに着せ、自分達も靴を履く。
( ^ω^)「行くお」
ブーンが玄関のドアを開いた。
叩きつけるような風の洗礼を受けるが、雨は止んでいるようだった。
- 76 名前:ほうれんそう :2007/01/03(水) 16:11:14.31 ID:ZbHlQrkgO
- アゲ
- 77 名前:あさつき :2007/01/03(水) 16:12:00.18 ID:8aCSzAlTO
- 川;゚ -゚)「!!……ぃょぅ」
思わずその名を呼んでしまう。
いなくなったぃょぅはそこにいた。
電線に巻き付かれ、人肉の焼ける嫌な臭い立ち込めている。
( ^ω^)「見ちゃ駄目だお」
ブーンはヒッキーの目を塞いだ。
それから目を背けるように、四人は先を急いだ。
雨の代わりに、風が四人を襲う。
ξ;゚听)ξ「あとちょっと……川を越えれば、学校まで一本道なんだけど」
なんとか進みながら、ツンが言った。
段々と、川が見えてくる。
しかしその川は、ツン達の希望を打ち砕くように、氾濫していた。
ξ;゚听)ξ「そんな……」
- 78 名前:鯔 :2007/01/03(水) 16:15:19.45 ID:PlLkjFiG0
- ( ^ω^)
- 79 名前:あさつき :2007/01/03(水) 16:18:44.95 ID:8aCSzAlTO
- 橋も浸水しており、これでは強い風と川の流れに足をとられて先に進めない。
ξ;゚听)ξ「なんでよ!なんでなのよ!!」
(;^ω^)「落ち着くおツン。海岸に近い民宿に戻っても危険だお。僕達の家に行くしかないお」
ブーンの言葉に、ツンは黙って頷いた。
またぽつぽつと、雨が降り出した。
★
雨と風が、更に酷くなる。
カーチャンは村の男衆と共に、土砂のせき止め作業に取りかかっていた。
J( 'ー`)し「ロープこっちに寄越して!シート張っちゃうから!」
カーチャンがそう言うと、ロープを受け取って、一人シートを張りに向かう。
- 80 名前:あさつき :2007/01/03(水) 16:19:40.13 ID:8aCSzAlTO
- 雨のせいで足元が緩んでいる。
だがやらなければいけないことだ。
J( 'ー`)し「……?」
カーチャンは何かに気付いた。
男衆が、必死に何かを伝えようとしている。
しかし、雨と風の音で聞き取れない。
J( 'ー`)し「みんなどうしっ」
カーチャンは土砂崩れに飲まれて、消えた。
★
ξ;゚听)ξ「駄目だわ。電気がつかない……」
やっと辿り着いた家だが、あまり良い状況とは言えなかった。
(-_-)「僕が囮になる。あいつは子供が好きなんだ。お母さんが言ってた」
ξ;゚听)ξ「駄目よ!そのお母さんとの約束があるのよ!」
- 81 名前:しめじ :2007/01/03(水) 16:23:50.24 ID:71NKwxqI0
- 名無しに喧嘩を売る糞コテがいました。
これはヒドイ・・・
227 名前:ろんりー ◆Lonely.K5c [sage] 投稿日:2006/12/12(火) 08:48:35 ID:???
あ?名無しの分際で驕るな
301 名前:はじめまして名無しさん[sage] 投稿日:2006/12/13(水) 18:17:38 ID:???
ろんりー ◆Lonely.K5c 2006/12/13(水) 18:13:09.23 ID:Mw3zfxSxO
あれ?
俺って花レベルに邪魔コテじゃね??
俺ってネットでもリアルでも要らないコじゃね????
312 名前:ろんりー ◆Lonely.K5c [sage] 投稿日:2006/12/14(木) 00:55:42 ID:???
>>296
あーちょっと困るよー困るよチミ!!!!
コテつけて活動するってのはなああああああ個人情報垂れ流しでネット上をさまよってるって事なのwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
1日限りの単発IDのいち名無しとは背負ってるリスクがちげーんだYOこのマヨネーズがwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
俺たち結構頑張ってルンDAKARAコテを蔑ろ(ないがしろ)←ふりがな にしちゃ駄目だぜwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
つまり何が言いたいかってYOUと、特定とか本当怖いんで勘弁してくだしあwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
なんでかっつーと名無しよりコテの方が偉いから!!!!わかったら日本中の年末ジャンボ買い占めて来いやwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
それじゃあお前らwwwwwwwww良いお年をwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
http://life8.2ch.net/test/read.cgi/intro/1161622413/l50
- 82 名前:鯔 :2007/01/03(水) 16:26:30.62 ID:PlLkjFiG0
- あ
- 83 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/03(水) 16:27:11.73 ID:BHG9o1KK0
- wktk
- 84 名前:あさつき :2007/01/03(水) 16:31:07.08 ID:8aCSzAlTO
- (-_-)「お姉さん達のせいじゃないよ。あいつを倒さなきゃ終わらないんだ」
これはこの島の問題だから。
ヒッキーの言葉は頼もしかった。
それ以上、ツンは何も言えなかった。
川;゚ -゚)「来る……」
クーが呟く。
ガタガタと、家全体が揺れ始めた。
(-_-)「みんなは逃げて」
ヒッキーが言う。
三人が顔を見合わせる。
見殺しにするしかないのか。
諦めるしかないのか。
ヒッキーを残して、ドアを開く。
( ^ω^)「ツン」
ξ゚听)ξ「ん?ブーン?」
クーが外に出る。
そしてツンも。
( ^ω^)「僕は覚えているお」
ξ゚听)ξ「えっ……?」
- 85 名前:あさつき :2007/01/03(水) 16:32:08.71 ID:8aCSzAlTO
- ( ^ω^)「君を絶対に、死なせたりしないお」
ツンの背中を、ブーンは思い切り突き飛ばした。
ツンはクーにぶつかり、そのまま地面を転がっていく。
( ^ω^)「この子を一人だけにするのは可哀想だお。
あの時言った言葉の後半、守れなくてごめんお」
ξ;゚听)ξ「ブ、ブーン!!」
ツンとクーを遮るように、地面に亀裂が走った。
丘が崩れる。
ξ;;)ξ「ブーン!ブぅぅぅぅぅンッ!!」
ブーンは微笑んで、ツン達を見ていた。
もしかしたら全力で走れば、逃げられる距離かもしれない。
- 86 名前:鯔 :2007/01/03(水) 16:34:03.49 ID:PlLkjFiG0
- さらば、ブーン。
- 87 名前:あさつき :2007/01/03(水) 16:38:59.19 ID:8aCSzAlTO
- 開いたドアから覗くブーンの後ろに、暗闇の中からヒッキーの顔が映った。
(-_-)
(-_-)д 川
「!!」
地面は崩れ落ち、目の前から家は消えた。
崩れた崖の下から、板がひしゃげるような大きな音が聞こえる。
「ブーン……」
ツンは落胆した。
- 88 名前:あさつき :2007/01/03(水) 16:44:14.86 ID:8aCSzAlTO
- ξ;;)ξ「ブーン、なんで?……!?……げほっ!げほげほっ!」
ツンが突然、咳込みだす。
口を塞いでいたツンの手には、血がついていた。
ξ゚听)ξ「こんな時に……」
吐血したことに驚きもせず、ツンはそう言う。
川;゚ -゚)「大丈夫なのか……?」
ξヽ゚听)ξ「だいじょ……うぶ……」
大丈夫そうには見えない。
ツンが倒れそうになるのを、寸前でクーが支える。
ξヽ゚听)ξ「はぁ……はぁ……」
川;゚ -゚)「貴女は、体がこんなになってまで、フラグをどうにかしようと!?」
もう返事もできないくらい、ツンは衰弱していた。
助けなければならない。
そう決意するクー。
- 89 名前:あさつき :2007/01/03(水) 16:46:10.95 ID:8aCSzAlTO
- 川 ゚ -゚)「私が主人公じゃない。貴女が主人公だ」
ツンを支えて、クーは歩きだした。
どうすればいい?
どうすれば助かる?
J( 'ー`)し『そんな重度の火傷、小さな島の診療所で治せると思って?』
カーチャンの言葉を思い出す。
だが、この状況だ。島ではツンは助からない。
ξ゚听)ξ『じゃあ本島まで運びます。ブーン、船あったわよね』
川 ゚ -゚)「それだ」
クーはツンは見る。
ツンは苦しそうに唸っている。
まだ意識はあるようだ。
川 ゚ -゚)「あなた達が持っている船はどこにあるんだ!?」
ξヽ´兪)ξ「ん……」
川 ゚ -゚)「またんきの時に言っていただろう!?船だ!」
- 90 名前:鯔 :2007/01/03(水) 16:48:30.99 ID:PlLkjFiG0
- ツンが死ぬのはゆるさない><
- 91 名前:あさつき :2007/01/03(水) 16:52:36.76 ID:8aCSzAlTO
- ξヽ´兪)ξ「……この先の……脇道……下って……入り江に……」
ツンの声をなんとか聞き取って、クーはまた歩き始めた。
足が滑りそうになるのに気をつけ、支えるツンに負担がかからないように。
脇道に入り、なだらかな斜面をゆっくりと下っていく。
川 ゚ -゚)「あった……」
視界に入る小型船。
急いでツンを船の中に運ぶ。
自分も乗り込み、クーは運転席に目を配った。
川 ゚ -゚)「キーはついてるな……これなら」
クーはエンジンをかけようとするが、くすぶっているのか、なかなかエンジンはかからない。
川;゚ -゚)「動け、動け、動けッ!」
- 92 名前:あさつき :2007/01/03(水) 16:53:49.33 ID:8aCSzAlTO
- 念じるように、クーは言った。
その時!
川 ゚ -゚)「……かかった!」
★
海に出た私達は、密漁船を監視していた本島側の漁船に助けられた。
不思議なことに、あの豪雨は鮫島付近にだけ起こっていた異常気象だった。
それは、あの貞子が起こした現象なのか。
それとも、私達フラグを発生させる力を持つ人間が起こした現象なのか。
- 93 名前:あさつき :2007/01/03(水) 16:58:09.59 ID:8aCSzAlTO
- それは定かではない。
私は今、彼女の手術を担当する医師に話を聞いている。
「非常に申し上げにくいのですが、状態は良くありません……」
「あの人は……あの人は助かるのですか!?」
「手術の成功率は、1%です」
- E N D -
- 94 名前:鯱 :2007/01/03(水) 17:00:57.46 ID:PlLkjFiG0
- 続くんだろうかね
- 95 名前:しゅんぎく :2007/01/03(水) 17:00:58.49 ID:ZNbZs3r/0
- 乙〜
- 96 名前:キャベツ :2007/01/03(水) 17:01:04.51 ID:1wUBqGNPO
- 鮫島怖いお(;°;ω;;°;;)
- 97 名前:とよのか :2007/01/03(水) 17:01:13.53 ID:YrCORpxi0
- 乙
- 98 名前:ふき :2007/01/03(水) 17:01:48.41 ID:8aCSzAlTO
- 小休止。
少ししたら同時上映の特別篇を投下予定。
- 99 名前:未成熟とうもろこし :2007/01/03(水) 17:02:56.69 ID:rogsrFPH0
- 良かった 乙
- 100 名前:ねぎ :2007/01/03(水) 17:05:13.69 ID:ZbHlQrkgO
- 特別篇WKTK
- 101 名前:しゅんぎく :2007/01/03(水) 17:05:33.49 ID:ZNbZs3r/0
- wktkして待ってる
- 102 名前:にんにく :2007/01/03(水) 17:06:05.63 ID:B7bp7tciO
- ブーン実は生存フラグたってると思ったw
- 103 名前:ねぎ :2007/01/03(水) 17:14:04.41 ID:ZbHlQrkgO
- あげ
- 104 名前:キャベツ :2007/01/03(水) 17:42:03.03 ID:1wUBqGNPO
- 保守
- 105 名前:こねぎ :2007/01/03(水) 18:02:14.09 ID:ZbHlQrkgO
- ☆
- 106 名前:うど :2007/01/03(水) 18:38:41.04 ID:8aCSzAlTO
- J(;'-`)し フ ラ グ II 特 別 篇
鮫島という小さな島がありました。
小さな島だからこそ、島民ぐるみの付き合いも多い島なのです。
でもみんながみんな、仲が良いということではありません。
だから、あんなことが起きてしまったのでしょうか。
…
……
………
川; д 川「痛っ……」
突き飛ばされた貞子は、床に尻餅をついた。
見上げると、そこには高岡の顔があった。
从#゚∀从「なんで屋上に行った」
- 107 名前:うど :2007/01/03(水) 18:39:55.68 ID:8aCSzAlTO
- 川 д 川「だ、だって、お昼食べようとおも……」
貞子が言い終わる前に、高岡が貞子を踏みつけた。
从 ゚∀从「昼休み、あたしはあそこでタバコ吸ってんだよ」
川 д 川「そんなの知らな……きゃっ!」
从#゚∀从「屋上はあたしの場所だ。あそこは心が落ち着くんだよ。許可なく入るんじゃ……」
「やめなさい!」
高岡がもう一度踏みつけようとするのを、一人の少女が制止した。
J( 'ー`)し「屋上はみんなのものよ。それに、未成年はタバコなんか吸ったら駄目よ」
从 ゚∀从「チッ……委員長のカーチャン様はみんなに優しいですねぇ」
- 108 名前:うど :2007/01/03(水) 18:45:40.54 ID:8aCSzAlTO
- プッと唾を吐き捨て、高岡は教室を出ていった。
J( 'ー`)し「大丈夫?」
川 д 川「ありがとう……」
J( 'ー`)し「いいのよ。当然のことでしょ」
貞子の服についた高岡の上履きの跡を軽く払って、カーチャンは手を差し出した。
その手を貞子は取って、ゆっくりと立ち上がる。
J( 'ー`)し「さ、みんなも席に着いて。授業始まるよ」
川 д 川「カーチャンさん……」
カーチャンはクラスメート達を席に着かせていく。
貞子も席に着いた。
( ゚∀゚)「ほんとに平気か?」
川 д 川「長岡くん……うん、高岡さんて私を目の敵にしてるみたいだから……」
- 109 名前:うど :2007/01/03(水) 18:46:29.34 ID:8aCSzAlTO
- ( ゚∀゚)「そうか……何かあったら言えよ」
川//д/川「……うん」
貞子は顔を赤くして俯いてしまった。
★
放課後。
貞子は一人、昇降口で靴に履き代えていた。
「伊藤、何ガンくれてんだよ!」
「えっ……私は別に……」
高岡の声が聞こえた。
また誰かを虐めているのか。
从#゚∀从「文句あんなのか?あぁ?」
('、`;川「いえ……あっ」
目があった。
貞子は嫌な予感がした。
('、`*川「私なんかより貞子さんを虐めた方が楽しいですよ」
川 д 川「!」
从 ゚∀从「あぁ?……あぁ、そうだなぁ」
- 110 名前:こねぎ :2007/01/03(水) 18:48:31.45 ID:ZbHlQrkgO
- 続きKTKR
- 111 名前:うど :2007/01/03(水) 18:52:09.52 ID:8aCSzAlTO
- 貞子に気付いた高岡が笑う。
从 ゚∀从「こっちこい!」
川 д 川「え?や、やだっ……」
腕をしっかりと掴まれ、逃げることもできない。
貞子が後ろを見ると、伊藤がしてやったりという顔で帰っていくのが見えた。
悲しくなった。
高岡に、運動部が使用している水道まで連れていかれる。
隙間を空けて穴を塞いだと思うと、高岡は思い切り蛇口を捻った。
川 д 川「きゃっ!」
全身に激しい勢いの水がかかる。
从 ゚∀从「ヒャッハハハハハ!サイコー!」
高岡の高笑いが響く。
川 д 川(なんで……こんな……)
- 112 名前:うど :2007/01/03(水) 18:53:28.40 ID:8aCSzAlTO
- ★
J( 'ー`)し「お疲れ様ー」
部活を終えたカーチャンは片付けを終えて、皆より先に部室を出た。
J( 'ー`)し「あれ?貞子さん……」
水道の横で、びしょびしょになった貞子を見つける。
J(;'ー`)し「どうしたの!?」
川 д 川「なんでもない……」
J(;'ー`)し「なんでもないわけないでしょ!?」
問い詰めるようにカーチャンは言ったが、貞子は答えようとはしなかった。
J( 'ー`)し「……いいわ。私の家近くだから、着替え貸してあげる」
川 д 川「でも……」
J( 'ー`)し「答えてくれないつもりなら、付き合ってもらうわよ!」
そう言って、カーチャンは貞子の手を引いた。
- 113 名前:せり :2007/01/03(水) 18:53:35.61 ID:ZNbZs3r/0
- カワイソス
- 114 名前:うど :2007/01/03(水) 18:59:59.30 ID:8aCSzAlTO
- カーチャンはある程度わかっていた。
高岡は、教師達も手を焼くスケバンだった。
虐めるのは決まって自分より弱い者。
貞子も、高岡に目をつけられた一人だった。
★
濡れた制服をビニール袋の中に入れ、貞子に渡す。
J( 'ー`)し「帰って洗濯してもらってね」
川 д 川「うん……服、貸してくれてありがとう……」
J( 'ー`)し「うぅん。気にしないで」
玄関で、こんな会話のやりとりが行われる。
川 д 川「じゃあ、私もう行くから……」
J( 'ー`)し「その辺まで送るわ」
一緒に家を出る。
J( 'ー`)し「あ、沢近ちゃん!」
- 115 名前:みつば :2007/01/03(水) 19:01:06.84 ID:8aCSzAlTO
- *(‘‘)*「お姉ちゃん、こんばんはなのです」
川 д 川「誰……?」
J( 'ー`)し「近所の子。こんな夕方にどうしたの?」
*(‘‘)*「ジエンセンセからセキコンコンのおくすりもらってきたんです」
沢近を、貞子はじって見ていた。
川 д 川「かわいいね。私、妹か弟か欲しかったんだ」
微かに笑って、嬉しそうに貞子はそう言った。
*(‘‘)*「ボク、お姉ちゃんみたいな暗い人きらいです」
沢近は行ってしまった。
J(;'ー`)し「こらぁ!まったく……気にしないでね、貞子さん」
川 д 川「うん……じゃあ、また明日」
J( 'ー`)し「また明日」
- 116 名前:みつば :2007/01/03(水) 19:07:01.73 ID:8aCSzAlTO
- 貞子は帰っていく。
その後ろ姿は、とても寂しそうに見えた。
この日から、貞子は学校に来なくなった。
★
('、`*川「私お湯沸かすぐらいしかできないんですよー」
从 ゚∀从「馬鹿だねー、ヒャハハハ!」
('、`*川「この前も元栓開けっ放しで怒られちゃって。えへへへへへ……」
高岡と伊藤が大声で笑いながら会話している。
虐められる側だった伊藤が、あのことをきっかけに高岡に取り入ったようだ。
( ゚∀゚)「なぁカーチャン」
J( 'ー`)し「長岡くん、どうしたの?」
( ゚∀゚)「いや、貞子の奴、来なくなったと思ってな……」
J( 'ー`)し「そうね……」
- 117 名前:みつば :2007/01/03(水) 19:08:13.32 ID:8aCSzAlTO
- カーチャンはチラッと、高岡と伊藤を見た。
そして、溜息を吐く。
J( 'ー`)し「弱い者はいつも泣き寝入り、か」
★
貞子の母親は、貞子が幼い頃に病死した。
貞子の父親は鮫島の出身者だが、本島に単身赴任している。
貞子は、交流が深い島民の中でも異端だった。
だから目をつけられのかもしれない。
ピンポーン
ピンポーン
ピンポーン
呼び鈴が鳴らされる。
川 д 川「どちらさ……」
从 ゚∀从「よー貞子」
('、`*川「こ、こんにちは」
貞子がドアを開けると、そこには高岡と伊藤がいた。
- 118 名前:みつば :2007/01/03(水) 19:13:57.10 ID:8aCSzAlTO
- 川 д 川「なに?私、高岡さんの目の前には現れないから、もう構わないで」
从 ゚∀从「そうかそうか。そりゃ有り難いね」
('、`*川「でも最後に一つ、高岡さんが付き合ってほしいそうよ」
なんだろう。
貞子は嫌な予感がした。
从 ゚∀从「お前さぁ、長岡に告白してくれないか」
川 д 川「え……?」
('、`*川「長岡くんをからかいたいんですって」
川 д 川「いや……わたし……」
从#゚∀从「あ?あたしの言うことが聞けないのかよ」
貞子の反応を見て、高岡は察した。
从 ゚∀从「はは〜ん。お前、長岡のこと……」
川//д/川「ちっ、ちがっ……」
- 119 名前:みつば :2007/01/03(水) 19:14:33.36 ID:8aCSzAlTO
- 从 ゚∀从「こりゃいいね。あたしがラブレターを代筆してやるよ!」
川; д 川「やめてっ……そんなことしないで……」
('、`*川「それではコーヒーをお持ちします、高岡様」
从 ゚∀从「あんたはお湯しか沸かせないけどね!」
('、`*川「終わったら元栓閉めたか気をつけなきゃ☆」
もはや止められぬほど、高岡と伊藤は悪乗りしていた。
★
貞子は震えていた。
手には手紙が握られている。
久々に学校へ来て、なんて無粋なことをしようとしているのだろう。
「おう。じゃあな」
声が聞こえてくる。
貞子の震えは、増すばかり。
- 120 名前:みつば :2007/01/03(水) 19:23:36.20 ID:8aCSzAlTO
- だが、やらなかったら後で高岡に何をされるかわからない。
貞子は飛び出した。
川 д 川「あの……長岡くん……」
( ゚∀゚)「よう、貞子じゃん。久しぶりだな」
川 д 川「うん……あ、あのね……」
貞子は手紙を差し出す。
川//д/川「好きです……」
長岡は固まっていた。
( ゚∀゚)「…………ごめん。無理」
川 д 川「え……?」
( ゚∀゚)「俺、明るい子がタイプなんだ」
一瞬でも期待した自分が馬鹿だった。
手紙すら受け取ってもらえず、即答で拒否された。
貞子は逃げるようにその場から走りだす。
- 121 名前:みつば :2007/01/03(水) 19:24:27.68 ID:8aCSzAlTO
- もう貞子に生きる気力は残されていなかった。
★
貞子は帰らぬ人となってしまった。
貞子の遺体が発見されたのは、告白した日から数日経った日のことだった。
長らく人が訪れなかったことを証明するように、遺体は腐敗が進んでいた。
カーチャン達にも、その訃報は届いた。
だが、時が経つにつれ、そのことも頭の片隅に追いやられていった。
そんな日だった。
「じゃあカーチャンちゃん、この子をよろしくね」
J( 'ー`)し「はい。おばさん達は楽しんできてくださいね」
この日から、島民達は島総出の旅行のために島を発つ。
- 122 名前:みつば :2007/01/03(水) 19:33:49.09 ID:8aCSzAlTO
- カーチャンは、受験勉強と沢近の看病のために島に残った。
*(‘‘)*「こほんこほん」
J( 'ー`)し「大丈夫?少しお熱があるみたいだから、家に入って休もうね」
カーチャンの家族や沢近の母親はもう行ってしまった。
( ゚∀゚)「よっ」
J( 'ー`)し「あれ?長岡くんも残ったの」
( ゚∀゚)「お前のこと聞いてな」
J( 'ー`)し「別に心配しなくてもいいのに」
やってきた長岡を家に招き入れると、カーチャンも家に入った。
( ゚∀゚)「高岡と伊藤も残ったみたいだぜ」
J( 'ー`)し「へえ。どうして?」
( ゚∀゚)「面倒くさいんだろ、特に高岡は」
長岡の言葉に、カーチャンは察する。
- 123 名前:みつば :2007/01/03(水) 19:34:47.29 ID:8aCSzAlTO
- J( 'ー`)し「でもみんなよく旅行なんかできるよね。
この前、貞子ちゃんが死んだばっかりなのに」
カーチャンはまだ覚えていた。
長岡はそんなこともあったという風な顔をしている。
今現在、島にいるのはカーチャンと長岡、沢近、そして高岡と伊藤のみ。
それが何を意味しているのか。
その時はまだ、誰も知りはしなかった。
★
静かすぎて、カーチャンは目を覚ました。
時計を見ると、まだ起きるのには早い時間だった。
だがカーチャンの頭は、既に冴えてしまっていた。
J( 'ー`)し「あれ?沢近ちゃん?」
隣の布団を見ると、沢近がいない。
- 124 名前:みつば :2007/01/03(水) 19:43:42.77 ID:8aCSzAlTO
- J(;'ー`)し「沢近ちゃん?沢近ちゃん!」
声を上げて呼んでも、返事はない。
焦ったカーチャンは急いで外に出る。
J(;'ー`)し「沢近ちゃん……沢近ちゃ……」
*(‘‘)*「こほんこほん」
沢近は、紙袋を持って道路を歩いてくる。
J( 'ー`)し「もう……どこ行ってたの?」
*(‘‘)*「ジエンセンセのところでお薬もらってきたんです」
そう言って、沢近は家の中に入っていった。
J( 'ー`)し「ジエン先生も島に残ったのかしら……?」
★
朝食を終えて洗い物を片づけていると、電話がかかってきた。
J( 'ー`)し「もしもし?」
「伊藤です」
J( 'ー`)し「珍しいわね。どうしたの?」
- 125 名前:みつば :2007/01/03(水) 19:44:20.63 ID:8aCSzAlTO
- 「あの、カーチャンて成績良いでしょ?だから受験の対策教えてもらおうと思って」
高岡と付き合っているのか勉強もままならないのだろう。
カーチャンは呆れた。
J( 'ー`)し「いいけど、電話でいいの?」
「うん。ちょっとごめん、起き抜けで寝ぼけてるのかな。
頭がクラクラする。ちょっとコーヒー飲みたいからお湯沸かしてくるね」
そう言って、伊藤は受話器から離れた。
カーチャンは辛抱強く、伊藤が帰ってくるのを待つ。
だが、伊藤が帰ってくることはなかった。
爆発音が、家の外から聞こえてくる。
J(;'ー`)し「なに……?」
- 126 名前:にら :2007/01/03(水) 19:46:17.26 ID:ZNbZs3r/0
- sien
- 127 名前:はくさい :2007/01/03(水) 19:49:28.23 ID:mROhsauCO
- おおフラグ第二弾か
一作目の結末は予想GUYすぎたよ
- 128 名前:みつば :2007/01/03(水) 19:53:11.68 ID:8aCSzAlTO
- 不可解な爆発音。
カーチャンはゆっくりと受話器を耳に当てた。
ツーツーツーツー……
J(;'ー`)し「…………」
背筋に嫌な感覚が走ったカーチャンは家を飛び出した。
(;゚∀゚)「カーチャン!」
J(;'ー`)し「長岡くん!ねぇ、さっきの音なんなの!?」
(;゚∀゚)「わかんねぇ。でも伊藤ん家の方からだ!」
見ると、空に向かって煙が上がっていた。
(;゚∀゚)「高岡!」
長岡が叫ぶ。
カーチャンが向くと、そこにはいつもと違った高岡がいた。
从;゚∀从「あ、あれって……」
( ゚∀゚)「お前も伊藤ん家行こうとしてたんだろ?」
从;゚∀从「あ、うん……」
( ゚∀゚)「なら止まってんな!」
- 129 名前:みつば :2007/01/03(水) 19:54:23.15 ID:8aCSzAlTO
- そう言って、長岡はまた駆けだした。
カーチャンと高岡もそれを追う。
煙の大きさが、段々とはっきりしてきた。
鼻につく嫌な臭いが立ち込める。
やはり、爆発元は伊藤の家であった。
炎を上げ、家は燃え盛っている。
幸いなのが、隣家に燃え移らない距離に伊藤の家が建っていることか。
J(;'ー`)し「伊藤さんは?伊藤さん!」
カーチャンが名を呼んだ。
(;゚∀゚)「中……なのか?」
炎に包まれた家を覗く長岡。
从;゚∀从「……」
何も言わず震えている高岡。
その時だった。
J(;'ー`)し(;゚∀゚)从;゚∀从「!!」
- 130 名前:しゅんぎく :2007/01/03(水) 20:01:44.41 ID:8aCSzAlTO
- 既に燃えて半壊している玄関のドアを突き破り、
黒焦げになった人の形をした何が、カーチャン達の目の前に転がってくる。
「……さ……だ……こ……」
微かに聞き取れた、その名前。
从;゚∀从「うわああああ!!」
高岡が叫んだ。
从;゚∀从「あいつの……あいつの呪いだ……」
がたがたと震えながら高岡が言う。
そして高岡は、逃げ出した。
(;゚∀゚)「高岡!!」
J(;'ー`)し「伊藤さん!伊藤さん!」
(;゚∀゚)「カーチャン!諦めろ!もう手遅れだ……」
J(;'ー`)し「でも……」
(;゚∀゚)「今は高岡を追った方がいい。あいつ、錯乱してる」
長岡の言葉に、カーチャンは頷いた。
- 131 名前:しゅんぎく :2007/01/03(水) 20:03:14.24 ID:8aCSzAlTO
- 通り過ぎ様、カーチャンの視界に黒く焦げたそれが見える。
★
高岡は階段を駆け上がっていた。
場所は学校。高岡は、屋上を目指している。
バンと扉を開いて、息を切らしながら、高岡はポケットからタバコを取り出した。
箱からタバコを一本出そうとするが、手が震えてなかなか取り出せない。
从;゚∀从「あっ」
やっと取り出せたと喜んだのも束の間、震える手からタバコは転がり落ちていく。
箱には、もう残りのタバコは入ってはいなかった。
仕方なく高岡は取りに行こうと歩き始める。
だが、タバコは風で転がり、フェンスの向こう側に行ってしまった。
下から手を伸ばしても、タバコは取れない。
- 132 名前:しゅんぎく :2007/01/03(水) 20:08:44.74 ID:8aCSzAlTO
- 吸いたい。
吸いたい。
吸いたい。
吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい
吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい
吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい
禁断症状のようなものに取り付かれ、高岡はフェンスをよじ登り始めた。
フェンスを跨いだその時、風に煽られてフェンスは大きく揺らいだ。
从;゚∀从「うわっ!」
高岡は必死になってフェンスにしがみつく。
しかし次の瞬間、フェンスの留め具が外れ、高岡の乗っている辺りのフェンスが倒れた。
地面のない方向に。
从;゚∀从「あ……あぁ……」
- 133 名前:しゅんぎく :2007/01/03(水) 20:11:37.63 ID:8aCSzAlTO
- しがみついてはいるが、いつ落ちてもおかしくない状況。
学校の屋上。下手をすれば怪我どころではすまない。
从 ;A从「悪かったよぉ……貞子ごめんよぉ……」
高岡は泣きながら、謝り始めた。
从 ;A从「あたしが悪かったよぅ……謝るから許してくれよぅ……」
助かりたい一心の懇願。
手が震え始めた。
もう耐えられない。
从 ;A从「お願い……死にたくない……」
フェンスの網に絡まる指が離れていく。
第一関節のみが体を支える。
从 ゚∀从「あっ……」
手を伸ばしてももう届かない。
どんどんフェンスが小さくなっていく。
- 134 名前:しゅんぎく :2007/01/03(水) 20:12:14.11 ID:8aCSzAlTO
-
グシャッ
- 135 名前:しゅんぎく :2007/01/03(水) 20:22:36.97 ID:8aCSzAlTO
- ★
校門に辿り着いた時には、全てが終わっていた。
J(;'ー`)し「ひっ……」
(;゚∀゚)「高岡……」
血塗れになった花壇。
その花壇のレンガのブロックに頭を打ち付け、絶命した高岡。
(;゚∀゚)「伊藤に、高岡まで……」
J(;'ー`)し「本当に貞子さんが……?」
言い知れぬ恐怖に包まれる二人。
( ゚∀゚)「あれ?あの子……」
J( 'ー`)し「沢近ちゃん?」
二人は、沢近を見つける。
(;゚∀゚)「あっちって山の方じゃないか」
J(;'ー`)し「なんで……?」
嫌な予感がする。
どちらともなく走り始める。
二人は、沢近を追った。
- 136 名前:しゅんぎく :2007/01/03(水) 20:23:45.79 ID:8aCSzAlTO
- J(;'ー`)し「待って沢近ちゃん!危ないから!」
呼んでも向こうは気付かないのか、奥に進んでいく。
(;゚∀゚)「待てって!」
落石注意と書かれた看板を横切って、二人は走り続ける。
いくら走っても追いつかない。
その時だった。
J(;'ー`)し「長岡くん!危ない!!」
カーチャンが叫んだ。
( ゚∀゚)「え?」
長岡が振り返る。
直後、脳天に衝撃が走った。
長岡は倒れた。頭部からおびただしい血が流れてくる。
J(;'ー`)し「い、いやぁ……」
長岡が起きあがる気配はない。
山の斜面を転がってきた石が跳ね、長岡の頭部に直撃したのだ。
*(‘‘)*「……」
J(;'ー`)し「沢近ちゃん……」
- 137 名前:はえぬき :2007/01/03(水) 20:24:10.02 ID:1vcZNmRWO
- (*・``・)
- 138 名前:鱸 :2007/01/03(水) 20:24:36.30 ID:a52xPx110
- (携帯可)
http://newsstation.info/up/img/ns16737.htm
- 139 名前:しゅんぎく :2007/01/03(水) 20:30:16.05 ID:8aCSzAlTO
- いつの間にか、沢近がカーチャンの目の前に立っていた。
カーチャンは、そこにいる小さな少女から、とてつもない威圧を感じた。
*(‘‘)*「この子ね……」
静かに口を開いた沢近から出た小さな言葉。
「風邪こじらせてとっくに死んでるよあははははははははははははははは!!!!!!!!!」
- 140 名前:しゅんぎく :2007/01/03(水) 20:32:08.39 ID:8aCSzAlTO
- …
……
………
次に目覚めた時には、私は家の布団で寝ていました。
気絶していたところを、沢近ちゃんが気になって帰ってきたおばさんや私の家族に発見されたのです。
沢近ちゃんも発見されたのですが、肺炎を悪化させて見つかった時には既に亡くなっていたようです。
ジョルジュ長岡
ハインリッヒ高岡
ペニサス伊藤
ヘリカル沢近
あの日、死んだ人達の名前。
この共通点に気付いていれば、私はなにかしらの行動ができたのではないのでしょうか。
いえ、それは愚問ですね。
彼女達のような言い方をすれば、これはその者達が死ぬフラグ。
私には関係のないことなのかもしれません。
それとも私に、彼女達のような図らずして生き残る能力があったのでしょうか。
でも、もうそんなことも関係ないのです。
私は土砂に埋まって、死んだのですから。
- E N D -
- 141 名前:あとがきと反省 :2007/01/03(水) 20:34:49.62 ID:8aCSzAlTO
- 3ヶ月ぶりでなんか、ブーン系も新人さんがいっぱいおっぱいで恐縮……。
(まぁ自分もブーン系ではまだまだ新人なのだが)
前作はサスペンス、今作はホラーでお送りしますた。
わかると思うが、生き残るのはタイトルにいるAAキャラだけとなっています。
前作はギャグも盛り込んだが今回はシリアス一点で攻めたため、
それがキャラにAAをはめ込んだだけになってしまったことが反省。
監督が同じで脚本家が違うという苦しい言い訳をしておこう。
ジョルジュにおっぱいとか言わせたかったな。
- 142 名前:せり :2007/01/03(水) 20:38:10.28 ID:AQLvLKrtO
- 乙!続きはあるのか?
- 143 名前:しろうり :2007/01/03(水) 20:42:05.39 ID:rogsrFPH0
- 上手いなGJ
- 144 名前:しゅんぎく :2007/01/03(水) 20:45:28.85 ID:8aCSzAlTO
- >>142
一応連載ではないのでIIのエピソードはこれで終わり。
- 145 名前:はえぬき :2007/01/03(水) 20:48:46.19 ID:1vcZNmRWO
- 暗い部屋で見たから怖かった…
乙です。
- 146 名前:鰊 :2007/01/03(水) 21:18:45.77 ID:FygozsJYO
- 読みおわった。作者乙
- 147 名前:ふき :2007/01/03(水) 21:29:48.18 ID:ZbHlQrkgO
- 前作に劣らぬ素晴らしいできでした。
- 148 名前:こねぎ :2007/01/03(水) 21:30:45.76 ID:1wUBqGNPO
- カオス…
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