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('A`)ドクオの策略がとんでもない方向に向かうようです
1 名前:代行です(;><) :2006/09/03(日) 21:12:04.24 ID:otCipkIv0
まとめサイト
http://boonsoldier.web.fc2.com/sakuryaku.htm
http://plaza.rakuten.co.jp/uzakopr/

2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 21:12:48.03 ID:zdv2ah8X0

【社会】国公立大を9月入学に 「義務的」ボランティア安倍政権で検討[08/31]
1 :原子心母φ ★ :2006/08/31(木) 05:33:21  

 安倍晋三官房長官は30日、首相に就任した場合に政権公約の柱として掲げる「教育再生」の一環として、国
公立大学の入学時期を現在の4月から9月に変更し、高校卒業から大学入学までの間にボランティア活動に携わ
ることを義務付ける教育改革案の検討を始めた。若者の社会貢献を促すとともに、入学時期を欧米と同様に9月
として学生が留学したり、留学生が国公立大学に入復学しやすい環境を整備する狙いがある。
 安倍氏は、首相の私的諮問機関として「教育改革推進会議(仮称)」を10月にも設置。同会議メンバーの関
係閣僚や有識者に具体案の取りまとめを求める考えだ。教育担当の首相補佐官も任命し、半年以内に改革案骨子
や実施スケジュールを固めたい意向。
(共同) (2006年08月31日 02時11分)
ソース:http://www.chunichi.co.jp/flash/2006083001005554.html

406 :名無しさん@6周年:2006/08/31(木) 08:01:08 ID:tja+rD3H0
もともと右派は放置でも安倍支持。
安倍の狙いは、左が多い知識人を、「留学云々」でうまく騙して取り込むということ。
留学生受け入れの便宜が目的でなく、その裏にある徴兵制が目的。

645 :名無しさん@6周年:2006/08/31(木) 09:50:04 ID:CJ/qaFuA0
ボランティア(強制の時点で自己矛盾だが)なんて言い方は子供だましもいいとこ。
義務的な社会奉仕はまさに欧州などで徴兵制のあるとこの
徴兵拒否者や徴兵代替制度の典型的メニューじゃねえかよ・・・

**誰がトップになろうと、権力に対しては常に国民の監視を怠ってはいけないということです。
賢い国民になりたいものです。


3 名前: ◆azwd/t2EpE :2006/09/03(日) 21:14:21.76 ID:IlzJWxlc0
>>1
ありがとうございます!

第7話投下します

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 21:14:49.99 ID:HZJkeKbl0
超wktk

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 21:15:27.12 ID:3oXeEjMTO
超期待

6 名前:第7話 ◆azwd/t2EpE :2006/09/03(日) 21:15:43.67 ID:IlzJWxlc0
【Seventh Color : Blue】


 空虚な隣座席をなるべく見ないようにしながら、電車に乗っていた。
 電車の揺れさえ心を刺激する今は、努めて無心でいようとするも、平静はあまりに儚い。

(内藤と椎野が……中学のときに……)

 ちょうど、電車の中だった。
 椎野が、『今まで誰とも付き合ったことがない』と言ったのは。

(……どういうことなんだよ……)

 長岡の勘違い。
 まず最初に考えたのは、それだった。
 しかし長岡は、事も無げに言い放った。

 ―――――毎日手繋いで一緒に帰ってたんだぜ? 間違いねーよ

 確かにそうだ、と思った。
 俺とも、毎日手を繋いで登下校している。彼氏だからだ。
 中学のときも同じことをしていたのなら、恋仲であった、と見て間違いない。

(……本当なのか……? 椎野……俺には、嘘をついたのか……?)

 考え続けても、答えは出そうになかった。

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 21:18:29.51 ID:G2GgvODz0
もう7話か
まだ2話しか見てないのに

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 21:18:37.70 ID:otCipkIv0
wktk支援

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 21:18:59.66 ID:80aOn0qn0
展開的にそろそろ終わりなんですかねえ

10 名前:第7話 ◆azwd/t2EpE :2006/09/03(日) 21:20:54.28 ID:IlzJWxlc0
 家に帰ってからは、飯も食わずに部屋で一人悩み続けた。
 考えまいとしても、勝手に顔を見せる。沈めたくても、浮かぶ。
 何なんだ、こいつは。何故、言うことを聞いてくれないんだ。
 苦しくて仕方がなかった。逃げ出したかった。

(何でだ……なんで、誰とも付き合ったことないなんて言ったんだ……)

 疑問はそれだけではなかった。
 最近の行動がやけに気にかかる内藤。あの内藤と、付き合っていた。
 椎野と、内藤。繋がりがないとは考えにくかった。

(……椎野が俺のことを前から好きだったって……アイツ、言ってたな……)

 内藤の様々な言葉を思い返す。
 前から、好きだった。内藤はそう言っていた。
 あの言葉も、今は疑いたくなる。

(嘘だったとしたら……?)

 内藤も、椎野と同じように、嘘をついたとしたら?
 今まで形成されていた世界は、綻びを見せ、そしてそれは崩壊への足がかりとなる。

 親父の言葉を思い出した。女を、信じるなという一言。
 猜疑心に身を任せ、全てを疑ってみたくなった。

(そもそも、椎野は俺のことを好きじゃなかった、としたら……)

 何か、目的があって俺の告白を受け入れたことになる。
 女が好きでもない男と付き合うとしたら、目的は、恐らく金だろう。

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 21:23:21.37 ID:KbVJdtjkO
支援

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 21:23:54.13 ID:otCipkIv0
支援

13 名前:第7話 ◆azwd/t2EpE :2006/09/03(日) 21:25:40.96 ID:IlzJWxlc0
(……金か)

 内藤が俺のことを椎野に話したとしたら、俺の親父が開業医だということは知っていただろう。
 金持ちである、ということを狙った可能性は、充分ある。

 いや、そもそも、内藤が今も椎野と繋がっているとしたら?
 あの二人が、ずっと付き合い続けていて、様々な策略をめぐらせていたとしたら。

(……色んな疑問が解決する、よな……)

 クールでカッコイイ、という惚れた理由も、二人が口裏を合わせて嘘をついたとしたら納得がいく。
 電車の中の俺を見て、カッコイイと思うはずがない。それはずっと疑問だった。

(あぁ、そうか……自分からベタ惚れの空気を出すことで、逆に相手を引き込むのか……)

 もしそうなら、椎野には上手くやられた、と思った。
 完全に引っかかっている。

(完全に俺が惚れて……それから、プレゼントとかをねだられたら……?)

 恐らく、金を出してしまうだろう。
 椎野と別れたくない。プレゼントを拒否して、椎野の想いが冷めることを、怖がったはずだ。
 それが、あいつらの思う壺なのか。

(いや、いや、いや……待て待て……話が飛躍しすぎだ……)

 冷静になれ、と自分に言い聞かせるが、落ち着かない。
 この前のカラオケ代を俺が支払ったことなども、引っかかり始めているからだ。
 あれが"慣らし"だとしたら、と考えると、怖くなってくる。

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 21:30:28.44 ID:K5EUUXg00
怖eeeeeeeeeee!!!!1!!!1!

15 名前:第7話 ◆azwd/t2EpE :2006/09/03(日) 21:30:47.88 ID:IlzJWxlc0
(いや、あの後椎野は『今度は私が払う』って言ったよな……もし金目当てで俺と付き合ってるなら、そんなセリフは……)

 しかし、椎野にそう言われても、俺は今後も金を出す気でいた。
 椎野が何も言わなければ、今後は割り勘だったかも知れない。しかし、『今度は私が払う』と言われて、逆に俺が今後も払う気になった。
 全部、計算づくなのか。

(……疑いすぎだ……いくらなんでも、無理がある……)

 信じたかった。椎野と過ごした日々を、否定したくなかった。
 だが、もう疑問は絶えない。どこかで、何かで、結論を作り出さなければならない。
 このまま椎野に接することはできない。

(……やっぱり……あれを、突いてみるしかないかな……)

 椎野の言動を思い返す。
 今朝、電車の中で、メールが来ていた。そして、それにすぐ返信していた。
 普段ならすぐに返したりはしないのに。

 そして、その後、学校へ向かう途中でのセリフ。
 『用事ができちゃって』と、椎野は言った。

(できちゃって……ってことは、ついさっきできたってことだ……)

 つまり、あのメールでしかあり得ない。
 ならば、起こすべき行動は一つだった。

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 21:32:09.17 ID:r9O6gboEO
wktk!!!!11!

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 21:33:51.75 ID:o/9q4eghO
支援

18 名前:第7話 ◆azwd/t2EpE :2006/09/03(日) 21:35:49.28 ID:IlzJWxlc0
(……やるしかないな)

 新月の夜。
 姿を見せぬ月を、少し探してみたくなって、窓の外を眺めた。
 しかし当然、闇に紛れていて、光を放つことはない。
 数日前まで、あんなに煌々としていたのに。

 自分の様々な考えが、外れてくれることを願いながら、ベッドの中で目を閉じた。


「昨日、どうしたの?」

 朝、電車で椎野が隣に座ってきて、すぐの一言だった。
 今は雑談をする気にはなれない。最初に聞いたほうが良いと思った。

「えっ、昨日……? ……昨日は……」
「昨日は?」

 椎野は、慌てているように見えた。
 恐らく、想定していなかった第一声だろう。おはよう、の挨拶もなしに、いきなりこの言葉が来れば、驚くのは当然だった。

「……そんな、別に……話すようなことじゃ、ないよ……」
「……ふぅん」

 椎野の表情が、焦りに変わった気がした。

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 21:36:49.42 ID:otCipkIv0
支援wktk

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 21:37:37.93 ID:HZJkeKbl0
ドクオがんばれ

21 名前:支援 :2006/09/03(日) 21:38:15.35 ID:r9O6gboEO
支援

22 名前:第7話 ◆azwd/t2EpE :2006/09/03(日) 21:40:52.51 ID:IlzJWxlc0
「ご、ごめんね……ホント別に大したことじゃないから……」
「……昨日の用ってさ、朝のメールが関係してるんだよな?」
「え、え? ……いや……っていうか……」

 言葉の端々に狼狽が伺えた。
 一気呵成に、攻め立てるべきだと思った。

「関係、してるんだよな?」
「……うん……」

 諦念か、恐怖か。
 どちらかに揺り動かされ、椎野は頷いた。

「誰から?」

 心臓の高鳴りが、俺の言葉を震えさせた。
 情けない声になったが、椎野は全く気にしていないようだった。
 気にする余裕がない、と言ったほうが適切かも知れない。

「……誰から……って……」
「メール、見たい。残ってるでしょ?」
「……私、大事な人以外からのメール、すぐ消しちゃうから……昨日のは、お母さんからで、もう残ってない……」
「へぇ」

 冷徹な一言だ、という自覚があった。
 さっきの言葉を、信じろというほうに無理がある。見破って下さいと言わんばかりの嘘だ、と思った。
 椎野の顔が青ざめて見えるのも、今は気に留めなかった。

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 21:42:59.72 ID:otCipkIv0
wktkwktk

24 名前:第7話 ◆azwd/t2EpE :2006/09/03(日) 21:45:11.81 ID:IlzJWxlc0
「俺、今日先に帰るから」
「ま、待って! ゴメン! 私の態度が気に入らないなら謝らせて! でも私ホントに」
「違う。別にさっきのことは関係ないよ。俺今日、テスト一つだけなんだ。帰る時間違うでしょ?」
「え? あ、そっか……私は二つだ……」
「うん。待ってようかと思ったけど、でもちょっと帰ってやりたいこともあるし……だから、先に帰るけどゴメン、っていう話」
「……そっか……うん、分かった……わざわざありがとう……」
「ううん。テスト、頑張ってね」
「うん、ありがと……」

 ここまでは、上手くいっている。
 果たして、仕掛けた策略が、機能するかどうか。
 答えは、放課後に出る。


 数学のテストを終えて、廊下を歩くと、2組の教室の前に椎野が居た。
 廊下にあるロッカーに教科書を入れて、違う教科書を取り出している。

「ドっくん! 帰るの?」
「うん。次、選択授業の英語だっけ?」
「そうだよ。これがなければドっくんと一緒に帰れるのに……」
「まぁ、しゃーないな」

 俺が普通に話しかけたことで、些かの不安は吹き飛んだようだ。
 椎野の表情を見れば、安心が手に取るように分かった。

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 21:46:37.10 ID:eTfln42f0
wktk

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 21:46:55.95 ID:otCipkIv0
支援

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 21:47:01.26 ID:HZJkeKbl0
ああああああああああああwktkがとまんねええええええええ

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 21:47:31.00 ID:r9O6gboEO
wktkwktkwktk

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 21:48:22.66 ID:EbE2G9GJO
果てしなくwktk

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 21:48:51.96 ID:KbVJdtjkO
wkwk

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 21:50:08.82 ID:BNuqOMg/O
wktk

32 名前:第7話 ◆azwd/t2EpE :2006/09/03(日) 21:50:39.86 ID:IlzJWxlc0
「……そういえば、内藤もこの授業取ってたな」
「あ、そうだね。内藤君も私と一緒で、勉強苦手だから、多分捨ててるんじゃないかな……」
「多分な。まぁ、頑張って」
「うん! ありがと!」

 手を振って、背を向けた。
 心臓の鼓動が、早まりだした。


 椎野がこちらを見ていないことを確認して、昇降口ではなく、階段へと向かう。
 素早く三階まで昇って、誰も居ない廊下で一息ついた。
 窓辺に佇み、眼下に見える生徒たちが帰る様を眺める。
 二十分もそうしていると、さすがに生徒の姿はほとんど見えなくなった。

(俺の読みが正しければ……椎野は……)

 外れろ、と願った。
 バカバカしい深読みだ。あり得ない。
 杞憂で終わるはずだ。

 授業終了のチャイムまで、あまり考え事をせずに済んだ。
 下の階が騒がしくなりはじめたが、誰も三階までは昇ってこない。
 三階は特別教室ばかりで、誰も来る用事はないからだ。

33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 21:50:41.96 ID:gwQ7Fhum0
ポケモン&運命の一戦と作風が全然違うけど面白いなww

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 21:53:45.88 ID:r9O6gboEO
支援

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 21:53:47.60 ID:HZJkeKbl0
俺は4作目に期待している
もちろんこの作品も

36 名前:第7話 ◆azwd/t2EpE :2006/09/03(日) 21:55:30.55 ID:IlzJWxlc0
 階段を降りる。
 一階へと、慎重に近づく。
 椎野に見つかっては全てが終わりだ。策略は崩壊する。
 不審者の如く周りに目を配りながら、ゆっくり歩いた。

 そして、一階の廊下の端で、椎野を見つけた。

 内藤と二人、並び歩く、椎野を。

(……椎野……)

 二人の後をつけた。
 知り合いには見つからないように、慎重に。

(どこに行くんだ……?)

 二人は階段を昇っていく。
 俺がさっき昇り降りした階段とは違い、屋上へと通じる階段だ。
 案の定、三階を通り過ぎ、更に上へと向かう。

 屋上は一応立ち入り禁止になっているため、人が来る心配はほとんどない。
 テスト後なら尚更だった。

 二人が屋上への扉をくぐったあと、音を立てないようにゆっくり、扉を開けた。
 素早く扉を抜け、二人の死角へと走る。
 二人は外を見ている。気付かれてはいないようだった。

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 21:56:23.36 ID:EbE2G9GJO
アルファベットがなんたるかって奴

避難所見たけど無駄に武器がカッコヨス

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 22:00:02.99 ID:G2GgvODz0
やっと読み終わった

39 名前:第7話 ◆azwd/t2EpE :2006/09/03(日) 22:00:22.32 ID:IlzJWxlc0
「……。……、……」
「……? ……」
「……、……」
「……」

 会話の内容は聞き取れない。
 しかし、どうやら読みは当たったようだ。
 策略が、成功してしまっている。

 二人は、手を繋いで、喋りあっていた。

(……はっ……なんだこりゃ……)

 総身から力が抜けていくのが分かる。
 固く手を結んだまま、会話している。ただの、友達同士のはずの二人が。

 結局、そういうことか。
 お前らの企みに、上手く嵌められたのか。
 愉快すぎる不愉快が、俺の体を通り抜けた。
 乾いた夏風と共に。

「今までありがとう」

 二人に歩み寄って、大きめの声で、しかし静かに言い放った。
 二人は同時に振り返り、一瞬にして顔面が蒼白になっていった。

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 22:03:06.43 ID:G2GgvODz0
支援

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 22:03:41.87 ID:aoj8c95X0
支援

42 名前:第7話 ◆azwd/t2EpE :2006/09/03(日) 22:05:25.73 ID:IlzJWxlc0
「ド、ドっくん……!? な、なんで……!? なんで、学校に居るの……!?」
「居ちゃマズイってわけ? そりゃそうだよな」
「ち、違うお! 毒尾、勘違いだお!」
「何がだよ。まだ何も言ってねーのに勘違いもクソもあるか」
「で、でも誤解してるお! ブーンとしぃちゃんは、そんなんじゃなくて……」
「繋いだ手をほどいてから言えよ」

 はっとして、慌てて手を離す二人。
 この二人の、あんな表情は見たことがなかった。視線を地面に落としていて、俺と目を合わせることは決してしない。
 とんでもないことを、してしまった。表情がそう語っていた。

「あ、あのね、ドっくん……手を繋いでたのは、そういう意味じゃないの……た、ただの癖で……」
「何の癖だよ。俺と繋いでた癖か? それとも、内藤との癖か?」

 椎野が押し黙った。
 否定してこない。つまり、無言の肯定だ。
 思わず吐き出した溜息が、乾いた空気に溶け込んでいった。

「俺を騙してたってわけか。二人がグルになれば、容易いわな」
「だ、だから違うお! 誤解だお!」
「じゃあ何で俺を監視してたんだよ、内藤。言ってみろ」

 そして、内藤も口を閉ざした。
 咄嗟の嘘でもつけばいいのに、今の状態ではそれも無理、ということか。
 誰も発言しなくなり、声を出しにくい空気が三人を包んだ。

「……ゴメン……ね……」

 数分続いた静寂を、掠れた声でかき消したのは、椎野だった。

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 22:05:48.27 ID:BdPmf4MR0
( ゚д゚ )

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 22:07:29.44 ID:KbVJdtjkO
>>43
(*゚д゚*)

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 22:07:33.75 ID:aoj8c95X0
wktk
顔文字が無いっていうのが良い味出してるよな

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 22:10:05.58 ID:nym0P4Bo0
wktkwktk

47 名前:第7話 ◆azwd/t2EpE :2006/09/03(日) 22:10:38.53 ID:IlzJWxlc0
「内藤君と二人で会ったこと……手を繋いじゃったこと……ホントに……ゴメン……」
「もういいよ」

 椎野が、初めて俺と目を合わせた。
 歓喜か、絶望か。それを伺うような表情を浮かべていた。

「もう、いい。俺と椎野は、もう恋人でもなんでもないんだから」

 椎野の瞳から、色が消えた。
 くずおれそうになった椎野を、内藤が支える。
 内藤が、慌ててつつ、しかし強い口調で言葉を発する。

「待つお! しぃちゃんはちゃんと謝ってるお! たった一回くらい、許してあげるのが彼氏ってもんだお!」
「お前が言うなよ。俺と津出さんを騙しながら椎野と付き合ってたお前が」
「だ、だから誤解だお! そんなんじゃないお!」
「もういいって。やめろ。見苦しい」

 内藤の表情に、恐怖が浮かんだ。
 口が、上手く動かないようだ。開閉を繰り返していた。

「反論もできねーのに否定ばっかするなよ。うざったいな。そこまでして金に縋りつきたいのか?」
「な……な、何言ってるの……? ね、ねぇ……ドっくん……」
「もういいってば。今までありがとう。楽しかったよ」

 これ以上、話したくなかった。苛立ちが口を突いて飛び出しそうだ。
 罵詈雑言の嵐を浴びせかねなかった。

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 22:11:17.61 ID:doRRgqVb0
wktk

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 22:11:22.15 ID:8OboV2zz0
ブルーハーツ垂れ流し
http://live22x.2ch.net/test/read.cgi/livevenus/1157270697/

暇な人おいで
リクエストもできるみたい


50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 22:11:24.75 ID:2DClNbHZ0
>>43
>>44
|゚д゚*)

51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 22:11:28.24 ID:otCipkIv0
wktk

52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 22:12:32.20 ID:r9O6gboEO
面白くなってきた

53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 22:14:00.85 ID:6cksB/M6O
支援

54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 22:14:05.58 ID:o/9q4eghO
すごい展開になってきたな

55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 22:14:55.24 ID:lRwtYC3eO
( *´・ω・)ドッくん…

56 名前:第7話 ◆azwd/t2EpE :2006/09/03(日) 22:16:55.56 ID:IlzJWxlc0
「じゃあ、バイバイ」

 背中で椎野にそう告げて、屋上から立ち去った。
 二人が追ってくる気配はなかった。


 帰りの電車の中、そして家の中。
 ずっと、無心でいられた。
 結局一回しか嵌めていないリングは、机の引き出しの奥に閉じ込め、鍵をかけた。
 捨てるかどうかは迷ったが、踏ん切りがつかなかった。
 未練がないと言えば、嘘になるからだ。

 しかし、椎野を好きな気持ちはもう欠片もない。
 あの屋上で最初に椎野と会ったときと、同じような気持ちだ。恨みが強い。あのときより、純粋に。
 結局、あの屋上で全てが始まり、全てが終わった。
 綺麗な終結だ、と思った。

(いつも通りの日々が帰ってくるわけか……気楽だな……)

 しかし、心の色は暗いままだった。

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 22:17:22.04 ID:Zp/+5C8V0
>>55
( *'A`)俺を慰めてくれるのか?

58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 22:20:41.11 ID:6cksB/M6O
支援

59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 22:21:34.77 ID:r9O6gboEO
wktk支援

60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 22:21:42.19 ID:XOHchxvt0
>>57
( ^ω^)きめぇwwwwwwwww

61 名前:第7話 ◆azwd/t2EpE :2006/09/03(日) 22:21:44.81 ID:IlzJWxlc0
 翌朝の電車に、椎野はいなかった。
 隣に座ってくる可能性が、ないとは言えなかった。少し不安だったが、さすがに車両を変えたようだ。
 慣れ親しんだ空気に身を委ねながら、しかし不穏さを拭いきれないまま、学校へと向かった。

 学校に着いてから、教室へ向かう途中、2組の教室を見た。
 椎野の姿は確認できない。学校に来ていないのだろうか。
 一本遅い電車では遅刻する。今日は休んでいるのかも知れない、と思った。

(明日は土曜だし……まぁ、休みやすい状況ではあるな……)

 大して気に留めずに、4組の教室へと向かった。
 内藤も休んでいることに気付いたが、それも疑問に思わぬまま、テストに臨んだ。


 一人で過ごす土日。
 物寂しさがないとは言えない。しかし、今までは当たり前だった状態だ。
 孤独なら既に飼い慣らしている。すぐに馴染んでいくはずだ。
 時々椎野のことを思い出しはしたが、放っておいた。
 そのうち、考えないようになるだろう。

62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 22:21:54.61 ID:3oXeEjMTO
こーいうの好きだわくてか

63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 22:24:27.07 ID:r9O6gboEO
wktk支援

64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 22:24:57.05 ID:eTfln42f0
ドクオに親近感感じまくりまクリスティなんだが

65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 22:25:40.71 ID:otCipkIv0
wktkwktk

66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 22:26:43.75 ID:BNuqOMg/O
wktk

67 名前:第7話 ◆azwd/t2EpE :2006/09/03(日) 22:26:48.33 ID:IlzJWxlc0
 いずれ、この状況を、何とも思わない日が来るだろう。
 希望的観測を多く抱えたまま、月曜を迎えた。


 椎野が学校を辞めたという話を長岡から聞いたのは、その日の朝のことだった。





















 第7話 終わり

     〜to be continued

68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 22:28:16.85 ID:eTfln42f0
gj

69 名前: ◆azwd/t2EpE :2006/09/03(日) 22:28:43.69 ID:IlzJWxlc0
第7話は以上です、ありがとうございました

>>9
全10話なのであと3話で終わりです
頑張ります

第8話はいつになるかちょっと微妙ですが・・・10日の21時ごろ投下できたらな、という感じです
でもだいぶ短めになる予定なのでもうちょっと早まるかも・・・

70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 22:28:47.95 ID:o/9q4eghO
乙でした

71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 22:29:02.97 ID:6cksB/M6O


72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 22:29:22.01 ID:doRRgqVb0
乙、面白かった

73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 22:30:10.20 ID:HZJkeKbl0
>>69
なんでそんな日にちがあくの?

74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 22:30:21.42 ID:80aOn0qn0
乙HiME

75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 22:30:29.91 ID:r9O6gboEO
作者乙
面白かったぜ

76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 22:31:15.64 ID:otCipkIv0


77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 22:31:26.00 ID:lRwtYC3eO
( ゚∀゚)o彡゚乙ぱい!

78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 22:32:04.24 ID:K5EUUXg00
>>73
ヒント:会社 学校

79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 22:32:45.91 ID:EbE2G9GJO
あと3話っすか

長過ぎず短過ぎずでいい感じ

80 名前: ◆azwd/t2EpE :2006/09/03(日) 22:33:52.59 ID:IlzJWxlc0
>>73
自由な時間が平日は全然取れないので・・・;
何とか暇を見つけてちょくちょく書く、って感じで、書くスピードはやっぱ落ちちゃいます・・・
10月下旬くらいになればだいぶ時間が取れるようになるんですが・・・すみません

81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 22:34:15.53 ID:HZJkeKbl0
もう書けているなら今日全部投下してくれたらいいのに


82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 22:35:05.27 ID:HZJkeKbl0
>>80
そうか俺もすまんかった('A`)

83 名前: ◆azwd/t2EpE :2006/09/03(日) 22:39:25.55 ID:IlzJWxlc0
>>81
いや、書けてはいないです・・・まだけっこう書かなきゃいけないので・・・
第9話はけっこう長め、第10話は更に長めになる予定なので、完結は10月になりそうだなぁ・・・という気がします
頑張ります

84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 22:40:37.44 ID:r9O6gboEO
頑張ってください

85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 22:40:49.76 ID:HZJkeKbl0
>>83
そうか
かなりwktkしてるから頑張ってくれ!!!111

86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 22:42:44.44 ID:ro2g4mnAO

この話は、心に突き刺さる
泣きそうだ

87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 22:48:34.57 ID:9480ycbHO
続きがきになってしょうがねえええ!
楽しみに待ってるぜ
作者愛してる( ^ω^)


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